超スローでやっと硫黄岳(槍ヶ岳の北)
- GPS
- 49:25
- 距離
- 31.4km
- 登り
- 2,917m
- 下り
- 2,916m
コースタイム
- 山行
- 11:27
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:27
- 山行
- 11:34
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:34
- 山行
- 11:57
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 12:47
- 山行
- 12:54
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:54
新穂高温泉ー千丈乗越間は通常コース:
0日目 鍋平駐車場06:25 - 千丈乗越17:15
5日目 千丈乗越04:00 - 奥丸山08:00 - 新穂高ケーブル乗り場15:15
天候 | 千丈乗越から下り始めて戻るまでほぼ晴。硫黄岳頂上は晴天。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
硫黄岳は藪につぐ藪。岩場はなし。超急傾斜だがアイゼンを付ければ安心。まともなテン場は頂上のみ(普通の人は一日で往復でしょうが)。2200 mあたりの小鞍部も多分張れます。登り口にはよいテン場。千丈沢も高巻きは藪無しとは行きません。 |
その他周辺情報 | 槍平小屋での昼食(カツ丼とか)の提供は、10時半からだそうです。ほぼアルファ米とナッツだけで数日暮らした後、カツの卵とじが食べたかった! 畳平から鍋平登山者用駐車場への道は案内がなく、GPSの電池も切れてしまったので、最後の最後になんと藪こぎ。深山荘の内風呂で6日分の垢を落とし、やっと人に還りました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
フリース
[冬用下着上下と予備靴下予備手袋]
[ホッカイロ]
岩用グローブ
雨具上下
日よけ帽子
靴
ザック
[サブザック]
行動食7日分(主としてナッツ)
非常食(ブドウ糖など)
食材(アルファ米製品6日分とおかず2食分)
飲料(500mLペットボトル4本と粉末CCDドリンク10袋)
ガスカートリッジ小2
コンロ
食器
ライター
地図(激藪氏のコピー)
コンパス
笛
ヘッドランプ2
GPS(激藪氏のログ入り)
GPS用予備電池
ボールペン
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
虫除け
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック2本
ナイフ
カメラ
テント
エアーマット
シェラフ
アイゼン
[ロープ(12m)]
[ハーネス]
[カラビナ2]
[スリング2] []は不要(下記)。
|
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備考 | 一番大事なのはアイゼン(6本爪、スノープレートは外す)で、硫黄岳登降ではずっと付けていました。おかげで急斜面の恐怖なし。たまに木の根とかに引っかかりますが。以前、急な草付で威力を経験しており、お勧めです。 ロープやハーネスの類は、多分気休めとは思っていたのですが、全く出番なし。1箇所下りにロープがいるかもと思ったところも後述のように不要でした。ただ、崖っぷちでビバークしたので、その時だけ近くの巨木に確保して顔を立てました。 冬用下着だのホッカイロだのは、ビバーク用のつもりでしたが、結局硫黄岳にシュラフを持って上がることにしたので、サブザックも含め不要でした。 ストックは藪の中では大いに邪魔なのですが、もはや手と一体化しており、ないと普通の道でもバランスも取れないよぼよぼです。 |
感想
もうすぐ70才の爺、急速に体力が衰えつつあり、コースタイムの倍かかることもしばしば。ガイドさんを御願いしても絶対に行けないと思っていた硫黄岳に、激藪氏が昨年無雪期に登られたことを発見し
http://www.gekiyabu.sakura.ne.jp/public/2014/140913-15%20ioudake/ioudake.html
もしかしたらと思いました。ただ、上部は這松の激藪とあり、南アなどにあるような密集して絡み合った漕ぎようもないような藪を想像して、どうせ途中で敗退かな、それにしては往復が大変だ。いろいろ参考にさせていただいているわたぼう氏
http://www.katch.ne.jp/~watabou/index.htm
あたりがきっと行かれるだろうから、その記録を見て考えよう。しかし9月も押し迫ってどなたの記録も発見できず、まあ行ってみるしかないか。
初日はできたら六ノ沢出合、2日目は体力温存で登り口まで、3日目に登って4日目が予備、5日目か6日目に下山、と胸算用。実際は、よいしょと一歩体を持ち上げるたびにハアハア、あるいはハアハアハア、で全く捗らず。(ちなみに、大きなよいしょの時は、同時に思いっきり息を吐くと楽。)なにせ普通の道でも、人並みの速度だとすぐに乳酸がたまってしまうのです。スローなら長時間歩けるのだけが救い。今回は余計なものを持ってしまったし、医者には水をたっぷり飲めと言われてるので、最初は15kgくらいの荷。恐らくここ十年以上の中での最重量。おかげで(言い訳)、とんでもないコースタイムとなりました。
硫黄岳そのものは、一日で帰ってこられない可能性大と思い(夜歩きは避けませんがさすがにこの山はなし)、最低限のビバーク支度をしていくつもりでした。ところが登山口までのあまりのだらしなさに、どこかで泊まりは確実だろう、となればしっかり寝よう、とシュラフを持って上がることにしました。小さなサブザックでは入り切りません。水も2L持ちました。こうなると、よほどの藪でなければ撤退するわけにはいきません(近頃は何かと理由を付けてはとても”潔い”のです)。頂上で泊まれそうなことは分かっていたので、最低でも頂上とは思いましたが、這松の激藪の恐怖から最後まで逃れられず、頂上手前でのビバークとなりました。でも寝るときには、翌朝何としてでも登るのだ、と自分を励ますことができました。そういえば、初めてアミノバイタルなるものを買って、硫黄岳の登降だけに全部で8袋くらい飲んだのですが、なんか効いたような気もします。テン場出発時には、モーラステープを腕も含めてそこら中に貼りました。痛くなってから貼るより効くようです。
こんなよぼよぼ老人でも硫黄岳に登れたんだ、と分かれば皆さまの励みになるかもと、この記録を公開することにしました。情報としては、激藪氏のものですでに尽きています。激藪さん、本当にありがとうございます。頂上で懐かしい山々に囲まれての小一時間、まさに至福でした。
GPSを持っていれば(藪でなくしたりしなければ)大きく迷うことはないわけですから、マーキングはもしかしたらなしでもよいのかもしれません。体力さえあれば、試行錯誤ができますし。何となくですが、この山は、激藪氏コースの近辺の小尾根なら、どこでも歩けるのではないかな、と感じなくもありません。私自身はこれまで、マークは他人様の残されたものを探させていただくのが主で、必要に応じて自分のを足すという程度でした。というわけで上手なマーキングはできません。ただ今回は、ルート探しで歩き回る体力などないのが分かっていましたから、激藪氏に倣って、いずれ土に還る紙テープを持っていきました。なんと5巻も。糊付きにしたので短く貼ることができ(太い木だと正面からしか見えない!)、2巻弱しか使いませんでした。戻り道、高密度でテープを貼った部分は精神的にとても楽で、さぼったところは大いに後悔しました。貼るのも結構手間ではありますが。
行き帰りとも千丈乗越で時間切れ緊急幕営となってしまったのは、決して意図してのことではありません。水場もないのですから。まことに申し訳ございません。
コメント
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treeappleさんの記録に出てくるテントの主ですね。無雪期硫黄岳登頂の偉業達成、ご苦労様でした。山レコでは下山日から一定期間が過ぎると新着一覧に表示されなくなるので、この記録を目にする人は少ないでしょうね。私はグーグル検索で発見しました。
このルートで登るのは藪屋だけで普通のアルピニストなら文句無しに残雪期の硫黄尾根でしょう。ネット上で徐々に情報が溜まってくると、挑戦者が増えるかもしれません。でも情報があっても難易度は先駆者と変わらず不変で、誰でも行けるような場所ではないですね。
とにかく長丁場、ご苦労様でした。
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