悪天候の裏銀座縦走


- GPS
- 30:12
- 距離
- 50.0km
- 登り
- 3,794m
- 下り
- 3,556m
コースタイム
- 山行
- 4:35
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 4:48
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 10:51
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 7:48
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:59
天候 | 8/10 : 雨。烏帽子小屋に近づくにつれ暴風雨へ 8/11 : 暴風雨。水晶岳のあたりは台風並みの強さ 8/12 : 暴風雨(停滞) 8/13 : 曇 8/14 : 槍ヶ岳は曇、麓は晴れ時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
七倉山荘までは裏銀座登山バス。1500円。 上高地バスターミナルから高山まではバス乗り継ぎ。計3100円。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
濁沢 : 2025/8/8に復旧済みで特に問題なし。 ブナ立て尾根 : 特に危険箇所なし。ただしずっと急勾配なため、ペース配分を間違えるとバテる。 烏帽子小屋から野口五郎岳 : 一部迷いやすい箇所あり。それ以外は特に問題なし。 野口五郎岳から水晶小屋 : 岩場が滑りやすい箇所あり。 水晶岳 : 特に問題なしだが頂上から下山の際、ガスってると迷うやすいかも。 黒部川源流 : 増水で渡渉は危険。足滑らせて流される一歩手前の状況あり。雲ノ平のところは8/12は増水で渡れない状況とのこと。雨の日は鷲羽岳経由が無難。 三俣山荘から双六岳 : 特に問題なし 西鎌尾根 : 鎖場地帯は緊張を強いられる。しかも一部巻道を通るべきところを尾根に出てしまったため、元の道に戻るのにかなり危ない思いをした。 千丈乗越から槍ヶ岳山荘 : 特に危険箇所なし。ひたすら登るのみ。 槍ヶ岳 : 落ち着いて臨めば大丈夫なはず。 槍ヶ岳から上高地 : 槍沢の渡渉は水量が多いため、通常ルートでの渡渉は危険。少し上に巻く必要がある。(植生が犠牲になるのは忍びないが…) |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
年越しおでんと言い、水晶小屋で冬を越したものであり、こんにゃくの食感が独特なものとなっていた笑
味と品質には問題なし。
この悪天候で小屋のキャンセルが相次いでおり、ガラガラであった。
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
iPhone 15 Pro Max
Garmin Epix pro
モバイルバッテリー
シエラカップ
コンパス
笛
筆記具
ライター
ナイフ
保険証
飲料
ティッシュ
固定具
バンドエイド
タオル
計画書
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ストック
ビニール袋
替え衣類
シュラフ
シュラフカバー
クマよけ鈴
食器
水筒
日焼け止め
非常食
|
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共同装備 |
テント
テントマット
コンロ
ガスカートリッジ
鍋
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
医薬品
|
感想
長期の夏休みが取れたので荒川岳~聖岳以来の長期縦走を試みました。
前線の南下に伴い初日から悪天候に見舞われ、景色が楽しめずただただ、登るだけの山行になるかと思いましたが、最終日の槍ヶ岳で一瞬の晴れ間に救われた感じでありました。
この時のためにトレーニング続けてて本当に良かったと思う次第です。
反省点も山程あるので次の山行に活かしたいところであります。
良かった点 :
ペース配分に気を使い、心拍数を計りながら、140超えたらペースを落とすよう調整をした。結果足攣りや翌日の筋肉痛が出なかった。
改善点 :
①パッキング。袋にまとめて防水対策したつもりが意味をなしていなかった。パックライナーを用いて丸ごと防水させる方が得策であった。
物を濡らす→乾燥室などで乾かす → 再度収納となるが物を出す事により紛失のリスクも高まる。
②沢の渡渉。雨の日は一気に増水する事を身を以て知る。雨の日は可能な限り近づいては行けない。別のルートがあるのであればキツくてもそっちを取るべき。今回のケースでは黒部川源流ではなく、鷲羽岳経由にすべきだった。
③稜線上でのルートファインディング。意外と分かりにくい箇所が多い。目の前に集中しがちだが周りにも気を遣う癖を身につけたい。
④テント泊。雨の日の訓練が全くできておらず全て小屋小屋泊となり、1.5kgのおもりが加算された状態へ😢
雨の日の訓練をやっておきたい。
以下、行動記録と感想(自分用メモのため、長文かつ駄文)
8/9 : 七倉山荘へ前乗り。この日は晴れ。温泉に浸かり英気を養う。
8/10 : 朝5時から雨。昨日の晴れから一転、朝から雨に。
七倉山荘から高瀬ダムまではタクシーで移動。4人で割り勘して1人頭650円。
高瀬ダムのあたりでは風はなく雨がしとしと降っている状況。問題となっていた濁沢の橋は8日に復旧していたため渡渉せずに済んだ。
濁沢を渡りブナ立て尾根の登りに入る訳なのだが、日本三大急登と言われるだけあり、僅か4.5kmほどで標高差1200メートル以上の登りとなる。整備されているのが救い。心拍数を測りながら140を超えないようペースを調整して臨んだ所、足を攣らずに登ることができた。
この2週間前に予行演習で甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根に臨んだのだが、ペース配分を間違えて敗退したこともあり、ブナ立て尾根が登り切れるか不安でもあったが杞憂で済んだ。
この日は烏帽子小屋で一泊。全身ずぶ濡れ、ザック内のパッキングにも問題があり、荷物もずぶ濡れとなっていた。乾燥室でひたすら乾かすことに専念していた。
8/11 : 引き続き雨。ここで停滞するか先に進むか悩んだが先へ進むことへ。同じく三俣山荘へ向かう方がいたので一緒に進むことに。
ちなみにこの悪天候で諦める方も結構いた模様。
稜線上の移動となるため風が強く、体が持っていかれそうになることもあった。野口五郎岳から水晶岳の間は滑りやすい岩場や急勾配で難儀した。
水晶岳は中々行くことができない場所なので記念?に登頂。天気が良ければばなとつくづく思った次第。
水晶小屋から三俣山荘への移動は黒部川源流経由で移動。大雨の影響で沢が増水しており、渡渉で危険な箇所が2箇所あり、足を滑らせて危うく流されそうになった場面も。今回、一番の危険箇所であった。
この日も全身ずぶ濡れであった。
三俣山荘からテント泊の予定であったがずぶ濡れではどうにもならないと判断し、小屋泊へ変更。
その日の夜、小屋に滞在の医療ボランティアによる低体温症の講義があり、防止するには移動中の行動食の摂取が重要と教わる。
自分はこまめに行動食を摂っていたがずぶ濡れになっても大丈夫だったのはそこにあるのかな。
あとはウェアの進化の恩恵もあるのだと思う。
8/12 : 天候は変わらず。時間に余裕があったので三俣山荘で停滞することに決定。連泊時は3000円引きになるのがとてもありがたい。小屋で本を読んだり、お酒を飲んでゴロゴロしたりと。
乾燥室に入れたずぶ濡れの衣類がいつまでたっても乾かないため、結局、着用してストーブに当たって乾かす羽目に。手拭いで少しづつ水気を拭き取り、手拭いを乾かしてまた、水気を拭き取るの…繰り返しで何とか乾かすことに成功。手拭いは便利だなと実感。
黒部川源流は午後から更に増水した模様でトラブルに見舞われた方がいた。雲ノ平からデポって三俣に来られていたが、戻る際の黒部川源流で渡渉しようとしても全身埋まってしまう程の深さで引き返すしかなかったとの事。着の身着のままで三俣山荘に泊まられる羽目に。
他にも道迷いでビバークされた方もいたりと…
8/13 : ヤマテンの天気予報の通り、雨だけは止んでくれた。ヤマテンの精度はかなりのものだと実感した。
三俣蓮華岳、双六岳、西鎌尾根経由槍ヶ岳へ向かう。
相変わらずガスっていたので眺望は良くないが、双六岳を抜けたあたりで一瞬晴れて少しだけ視界が広がった。天空の滑走路と言われる理由に納得。
双六小屋を過ぎた辺りでまたガスりだし槍ヶ岳を拝む事ができないまま突き進む事になる。
西鎌尾根の鎖場は緊張を強いられる場面の連続であった。
ここでセルフビレイを使うべきなのだなと思い知らされた。
また、1箇所、道迷いをおこし、巻道を通るべき道路を尾根へ進んでしまい、元のルートへ戻るのにほぼ垂直の下りを強いられる羽目に。
千丈乗越から槍ヶ岳山荘まではひたすらの登り。心拍数に気をつけながら登ったが息切れせずに登り切れた。
今回ペースに気をつける事が功を奏したのか一度も足を攣らず、筋肉痛にも見舞われなかった。
槍ヶ岳山荘も例に漏れずガラガラであった。テントにしようか迷ったが自分のテント、タニオズモ2Pに張れそうなスペースはなく小屋泊へ。(その後、他の方の話を聞いた所、4人用テントを張ってる人もおり、スペースはあったらしい…)
槍ヶ岳山荘は建物がしっかりしているのか全体的に暖かく、更に乾燥室の性能がよく、ほんの2、3時間ほどで衣類が乾いたのが非常にありがたかった。
槍ヶ岳の穂先はガスって全く見えないが、日没前に一瞬見る事ができ、明日の登頂に希望を見出した次第であった。
8/14 : ヤマテンの予報では霧のち晴れと出ていたが朝5時時点ではガスってて視界0であった。30分ほど粘って少し明るくなったタイミングで賭けに出て穂先へ登る。慎重に登れば問題ないがやはり、緊張させられる。
槍ヶ岳は憧れだけでは登れず、ある程度の訓練が求められるものだなと。
頂上へ到達した頃に一気に霧が晴れて西鎌尾根や東鎌尾根が見えだした。今までの頑張り?が報われた瞬間だと思えた。
この風景を写真と胸の中に収めつつ、上高地へ下山。
麓へ進むにつれ天気は回復してきたが槍ヶ岳はガスってて見えずじまい。山の天気は複雑なのだと身を以て知る。
後はお風呂に入りたいがために足早に下山。
槍沢の渡渉は通常ルートではかなり危険なくらい増水していたので高巻きのルートで渡る。これで断念いた方もいたとの情報を後ほどニュースで知る。
上高地の林道歩きは適度に涼しいのが堪らない。避暑地として人気な訳だ。
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