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Yamareco

記録ID: 86319
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

失敗だらけの南八ヶ岳【赤岳、横岳、硫黄岳、阿弥陀岳】

2010年11月16日(火) 〜 2010年11月17日(水)
 - 拍手
GPS
96:00
距離
19.0km
登り
2,081m
下り
2,051m

コースタイム

コースタイムは「山と高原地図」の時間を記入。
時間はデジカメから記入。

◆到着時間◆   ◆場所◆    ◆出発時間◆◆所要時間◆◆コースタイム◆
11月16日(火)
 01:25     赤岳山荘駐車場       07:04ーーー0:05ーーー0:05
 07:09     美濃戸山荘       07:12ーーー1:58ーーー2:00
 09:10     行者小屋        09:11ーーー0:07ーーー0:10
 09:18     文三郎尾根分岐     09:19ーーー1:10ーーー1:00
 10:29     赤岳中岳分岐      10:30ーーー0:39ーーー0:40 
 11:09     赤岳山頂        11:30ーーー0:24ーーー0:20
 11:54     赤岳展望荘       11:58ーーー0:06ーーー0:05
 12:04     地蔵の頭        12:04ーーー1:02ーーー0:45
 13:06     三叉峰         13:07ーーー0:17ーーー0:10 
 13:24     横岳(奥の院)      13:26ーーー0:44ーーー0:30
 14:10     硫黄岳山荘       14:11ーーー0:23ーーー0:20
 14:34     硫黄岳山頂       14:36ーーー0:18ーーー0:15
 14:54     赤岩の頭        14:57ーーー0:58ーーー1:20
 15:55     赤岳鉱泉

11月17日(水)
 00:00      赤岳鉱泉         07:48ーーー0:36ーーー0:45 
 08:24     行者小屋        08:28ーーー0:36ーーー1:00
 09:40     中岳のコル       09:50ーーー0:43ーーー0:25
 10:33     阿弥陀岳        10:51ーーー0:29ーーー0:20   
 11:21     中岳のコル        11:23ーーー0:38ーーー0:50 
  12:01     行者小屋        12:11ーーー1:21ーーー1:40
 13:32     美濃戸山荘
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2010年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
赤岳山荘駐車場 1日\1,000
コース状況/
危険箇所等
美濃戸山荘〜行者小屋
歩き始めの登山道には雪はありません。
ただし、霜で登山道は真っ白。
歩き出して15分程で雪が現れる。
雪は数日前にも降り、前日にも少し降ったようだ。トレースは下りの一人分のみなので、
昼から夕方にかけて降ったようです。
気温が-6℃なので、雪が締まってて歩くたびに「キュッキュ、キュッキュ」と都会では
味わえない音を聞きながらの登りを体験します。
登山道は緩やかな上りで歩き易いです。
行者小屋は冬季の期間は閉まっています。但し年末年始は営業。

行者小屋〜赤岳山頂
地蔵尾根は急登で途中急な階段もあります。階段がなければ相当苦労する尾根の登山道
ではないでしょうか?本格的な積雪期では階段も隠れるでしょうから更に難度が
上がるのでしょう。
ここの尾根では凄く冷えているといえ、暑くてフリースを1枚脱ぎました。
赤岳山頂直下は岩の鎖場です。
登りも危険ですが、下りにも神経を使いそうです。

赤岳山頂〜地蔵の頭
山頂は強い風が吹き相当寒い。
登りの途中で脱いだフリースをまた着る。
地蔵の頭までの下りは急な下り。中途半端な新雪なので滑って危険。

赤岳頂上山荘と赤岳展望荘は冬季期間は休業中。ただし年末年始は営業。

地蔵の頭〜赤岩の頭
今回の南八ヶ岳の主稜線。
稜線漫歩を想像していたのに、実際は登り下りの激しい登山道。
見えているピークが実は本当のピークではなくて、次々に別のピークが現れます。
(このようなことを登山用語で何と言うのでしたっけ?・・・何か言い方があったと思います)
歩くペースが作れず、凄く苦労しました。
何度も登り返したので、最後の硫黄岳の登りを台座の頭(2,795m)から見たときは
実際嫌気がさしました。
何箇所かルンゼ状の登り降りがあり、ザレている所もあります。
鎖場も何箇所かあり、相まって危険個所も何箇所かありますので慎重に通過します。
台座の頭から赤岩の頭までは危険な個所はありません。

赤岩の頭〜赤岳鉱泉
樹林帯の下山道。斜度はさほど厳しくありませんので歩きやすい道だと思います。

赤岳鉱泉〜行者小屋
中山乗越まで、緩やかな上りで、そこから緩やかな下りになります。
危険なところはありません。

行者小屋〜阿弥陀岳〜行者小屋
一部南斜面で雪が解けて、それが再結晶して滑りやすくなっていましたが、それ以外は
中岳のコルまでは歩き易い登山道です。
中岳のコルから阿弥陀岳山頂は、一部階段もついていますが、急なルンゼ状に岩が崩落し、
ザレていて歩きにくいので注意が必要です。



温泉は「もみの湯」http://www.lcv.ne.jp/~mominoki/
を計画するも休館日なので、
「ゆーとろん水神の湯」http://yuutoron.com/
に変更。
諏訪南インターから反対方向7分。
富士見パノラマスキー場近く。
文三郎尾根から見た阿弥陀岳
2010年11月16日 09:48撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 9:48
文三郎尾根から見た阿弥陀岳
雲海に浮かんでる富士山がきれいに見えました。
日本人は皆富士山が好きですね。
2010年11月16日 11:05撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:05
雲海に浮かんでる富士山がきれいに見えました。
日本人は皆富士山が好きですね。
赤岳山頂。
風が冷たいです。
2010年11月16日 11:18撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/16 11:18
赤岳山頂。
風が冷たいです。
手前は権現岳
奥は南アルプス方面、中央左が北岳
2010年11月16日 11:18撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:18
手前は権現岳
奥は南アルプス方面、中央左が北岳
中央アルプス方面。
雪を被っているのが木曽駒ヶ岳。
2010年11月16日 11:18撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:18
中央アルプス方面。
雪を被っているのが木曽駒ヶ岳。
乗鞍岳
2010年11月16日 11:19撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:19
乗鞍岳
北アルプス方面
2010年11月16日 11:19撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:19
北アルプス方面
浅間山方面
2010年11月16日 11:19撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:19
浅間山方面
甲武信ヶ岳、朝日岳方面
2010年11月16日 11:19撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:19
甲武信ヶ岳、朝日岳方面
手前の山は右から硫黄岳から峰の松目。
奥は右から西天狗岳、西尾根。
2010年11月16日 11:55撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:55
手前の山は右から硫黄岳から峰の松目。
奥は右から西天狗岳、西尾根。
峰の松目の向こう側には、北アルプスが長く横たわっている。
2010年11月16日 11:55撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:55
峰の松目の向こう側には、北アルプスが長く横たわっている。
左が焼岳、右が穂高の山々。
2010年11月16日 11:55撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 11:55
左が焼岳、右が穂高の山々。
地蔵の頭から赤岳を望む。
2010年11月18日 00:48撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:48
地蔵の頭から赤岳を望む。
地蔵の頭から横岳方面。
2010年11月16日 12:34撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/16 12:34
地蔵の頭から横岳方面。
雲海に北アルプスが浮かんでます。
2010年11月16日 12:58撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 12:58
雲海に北アルプスが浮かんでます。
陰ったところは少し雪が残ってます。
吹き溜まりでも20cm程度。
2010年11月16日 13:20撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/16 13:20
陰ったところは少し雪が残ってます。
吹き溜まりでも20cm程度。
南斜面の稜線はこんな感じ。
一度もアイゼンはつけませんでした。
2010年11月16日 13:20撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/16 13:20
南斜面の稜線はこんな感じ。
一度もアイゼンはつけませんでした。
横岳(奥の院)2,829m
富士山が見えると嬉しくなってしまいます。
2010年11月18日 00:49撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:49
横岳(奥の院)2,829m
富士山が見えると嬉しくなってしまいます。
山頂からのカット。
一番手前の稜線は赤岳、中岳。 
中間は権現岳。
奥は南アルプス。
幾重にも山が重なってきれいだ。
2010年11月16日 13:25撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 13:25
山頂からのカット。
一番手前の稜線は赤岳、中岳。 
中間は権現岳。
奥は南アルプス。
幾重にも山が重なってきれいだ。
鎖を掴みながらの「カニの横這い」
私はここで落ちそうになりました。
2010年11月16日 13:38撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/16 13:38
鎖を掴みながらの「カニの横這い」
私はここで落ちそうになりました。
手前は大同心と横岳のコル。
奥は阿弥陀岳。
2010年11月16日 13:56撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 13:56
手前は大同心と横岳のコル。
奥は阿弥陀岳。
硫黄岳のバカ尾根。
山頂は右側のジョウゴ沢を巻いて、ケルンを目印に左に登っていく。
下から6個目までのケルンが苦しかった。
2010年11月16日 14:00撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/16 14:00
硫黄岳のバカ尾根。
山頂は右側のジョウゴ沢を巻いて、ケルンを目印に左に登っていく。
下から6個目までのケルンが苦しかった。
硫黄岳の爆裂火口(2,760m)
2010年11月16日 14:32撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/16 14:32
硫黄岳の爆裂火口(2,760m)
硫黄岳から見た赤岳。
赤岳の存在感はスゴイ。
2010年11月18日 00:50撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:50
硫黄岳から見た赤岳。
赤岳の存在感はスゴイ。
赤岩の頭(2,656m)から赤岳。
2010年11月18日 00:50撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:50
赤岩の頭(2,656m)から赤岳。
赤岳鉱泉の朝食。
鮭の切り身の大きいこと。
夕食は撮り忘れました。
画像を譲ってもらい、いずれUPします。
ステーキが特に美味しかったです。
2010年11月17日 06:33撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/17 6:33
赤岳鉱泉の朝食。
鮭の切り身の大きいこと。
夕食は撮り忘れました。
画像を譲ってもらい、いずれUPします。
ステーキが特に美味しかったです。
アイスキャンディーは制作途中です。
2010年11月17日 07:46撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/17 7:46
アイスキャンディーは制作途中です。
上から水を少しづつ流して自然に凍らします。
2010年11月18日 00:50撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:50
上から水を少しづつ流して自然に凍らします。
阿弥陀岳から北アルプス方面。
2010年11月17日 10:32撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/17 10:32
阿弥陀岳から北アルプス方面。
阿弥陀岳山頂(2,805m)
2010年11月18日 02:56撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/18 2:56
阿弥陀岳山頂(2,805m)
北アルプス。
2010年11月17日 10:34撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/17 10:34
北アルプス。
硫黄岳。手前はジョウゴ沢火口。
2010年11月17日 10:35撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/17 10:35
硫黄岳。手前はジョウゴ沢火口。
雲海が権現岳(2,715m)とキレットとの稜線を乗り越えようとしますが、右からの風で押し戻されてしまってます。
2010年11月17日 10:38撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/17 10:38
雲海が権現岳(2,715m)とキレットとの稜線を乗り越えようとしますが、右からの風で押し戻されてしまってます。
双耳峰の天狗岳
左が西天狗(2,645,8m)と右が東天狗(2,645,3m)
手前は根石岳。
2010年11月17日 10:43撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/17 10:43
双耳峰の天狗岳
左が西天狗(2,645,8m)と右が東天狗(2,645,3m)
手前は根石岳。
赤岳は色々な角度から楽しめました。
2010年11月18日 00:51撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:51
赤岳は色々な角度から楽しめました。
昨日ヘロヘロだった横岳。
稜線がギザギザです。
どうりで険しかった訳です。
2010年11月17日 10:44撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/17 10:44
昨日ヘロヘロだった横岳。
稜線がギザギザです。
どうりで険しかった訳です。
行者小屋から少し下ったところ。
ほぼ平らな登山道。
2010年11月18日 02:56撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/18 2:56
行者小屋から少し下ったところ。
ほぼ平らな登山道。
脇に目を向ければ、苔に日光が当ってきれいです。
2010年11月18日 00:52撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
11/18 0:52
脇に目を向ければ、苔に日光が当ってきれいです。
富士見パノラマスキー場の近くにある「ゆーとろん水神の湯」に入浴
2010年11月17日 15:43撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/17 15:43
富士見パノラマスキー場の近くにある「ゆーとろん水神の湯」に入浴
内湯は1つで小さいが、露天風呂は4つあり楽しめる。
2010年11月17日 14:47撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
11/17 14:47
内湯は1つで小さいが、露天風呂は4つあり楽しめる。

感想


今回、八ヶ岳に雪が積もっているのは知っていました。
事前に八ヶ岳に登っていたヤマレコユーザーさん数名に事情を話し、情報を頂いて
おりました。
前日には雪は降るだろうが、天候も安定しているので、迷うことなく八ヶ岳に向か
いました。
車はエコカーなので車高は低くいのですが、轍の外側を走り、何とか深夜1時過ぎに
赤岳山荘駐車場に到着しました。
心配していた雪はここには積もっていませんでした。
(チェーンは持っていますがスタットレスは履いていません)
東京からここまで3時間、明日に備えて寝袋で夜明けまで仮眠します。

朝起きたら、一面に霜が降りています。
気温はー6℃。
朝食を簡単に摂り、下はゴルフ用のアンダータイツと厚めの生地のズボン。上はTシ
ャツと長袖のウエア、フリース、ジャケットと目出し帽で出発。
行者小屋までの2時間、汗もかかず、寒くもなく快適に歩きましたが、靴は今季調達
した冬用の登山靴を履いているのに何故か足先が冷たい。
もしかしたら、靴下が消耗していて保温効果がないのかもしれない。
靴下も消耗品なので、冬は特に新しいのを履かないとダメかもしれないと思いました。
心配していた雪は、歩きだして15分ほどで現れだします。気温が氷点下なので、
踏み込むたびに「キュッキュ」と音がしてなかなか心地良いです。
踏み跡は下ってくる一人分なので、雪は昨日の昼から夕方にかけて降ったのでは
ないかと推測された。
とにかく、今朝は新雪の雪を踏んで、登山道も凍ってなく快適に歩くことができたので、
この状態が続くのであれば、それほど危険も感じなかったので、赤岳まで行けると
感じました。
アイゼンは持っていますが、ピッケルは自宅に置いてきました。使った経験が無いし、
それほど雪が積もっているなら、素人には本当に危険だろうから、即座に撤退を
考えていました。

行者小屋に着く頃、一つ目の失敗をしました。
私はプラティパスのハイドレーション
http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/B001BV8R48/ref=dp_image?ie=UTF8&s=sports&img=MAIN&color_name=x
を使っていまして、そのホースが凍結してstarさんと同じように水が飲めなくなり
ました。
気温が低かったので2時間もの間水分補給をしなかった訳ですが、飲もうと思った時
には凍っていて飲めませんでした。
早速、昨日の17日の夕方東京に戻って、行きつけの神田の登山用品屋の店長さんに
相談したところ、凍結防止のカバー
http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_gold/asses/gazou/platypus/25718_1.jpg
は有るのだけど、それでも完全な凍結防止にはならないそうで、面倒だがチューブ
に口から空気を送って、チューブ内に残っている水を一旦、元に戻してチューブを
空の状態にするのが有効だと聞きました。
良いことを聞いたので今度はそれをやってみようと思います。

赤岳の文三郎尾根は階段が取り付けて有るほどの急登で相当息が上がりました。
山頂直下の鎖場も相当キツかったです。
それ故、山頂からの眺めは「素晴らしい」の一言に尽きます。
日本人の憧れの富士山もハッキリと見えますし、北アルプスや南アルプスや
中央アルプスまで丸見えです。
何時間もかけて登ってきた甲斐があります。
そうは言え、風も強く、恐ろしく寒いのでそう長く滞在はできません。
早々に横岳方面に下りますが、こちらも相当の下りで、おまけに雪がちゃんと着いて
いないので相当危険な状態で下らなくてはなりません。
赤岳展望荘を過ぎた辺りで二つ目の失敗をしてしまいました。
ジャケットの右ポケットに入れていた筈の地図を今降りてきた道で落としてしまい
ました。
しかし、幸運にも暫くしたら前から3人のパーティーとすれ違い、地図を見せてもらい、
今後の大体のタイムスケジュールとルートを頭に入れることができたのです。
しかし、今考えれば、その時点で地蔵尾根から下山するルートもあったのにそれには
気が付きませんでした。
地図は取りに戻らず、そのまま横岳を目指して2つ目のピークに差し掛かった時、
どうしてだか足が前に出ません。
何でだろう?どうしてだろう?自問自答です。
息もドンドン上がってきます。苦しくて真っ直ぐ歩けない。
そういえば、赤岳直下の鎖場を登っている頃からか頭痛がしていたのですが、
その時には相当痛くなっていました。
どうやら高山病にかかってしまったようです。
休憩を入れて、水分と行動食やおかしを摂り、騙し騙し歩くのですが、足に力が
全く入りません。
そのくらい体調が切羽詰っていたのと、地図は落として持っていなかったのとで、

いつもとは違う筋肉を使っているのでしょう。
雪に足が取られて、力が入らなくなって、バランスを失い派手に転倒したのが2回。
左足の膝と右手の人差し指と、五十肩になっている左肩を痛打。2回とも激痛が走っ
て暫く立ち上がれません。
カニの横ばいでも滑って足を踏み外して、鎖を持っている五十肩の左肩に全体重が
乗り「ギャー」と激痛が走ります。そんな感じですが、少しずつ本当にゆっくり
ですが歩くことができるようになってきました。

少しずつですが、体調も徐々に回復してきて、転んだ時の痛みは残っていますが、
ペースも徐々にですが上がってきました。
硫黄岳山荘付近では「あぁ・・・これなら大丈夫」と心の中で確信しました
硫黄岳の最後の登りは苦しかったですが、ケルンの数を数えながらゆっくりと山頂に
登り、赤岩の頭付近ではほぼ完全に回復していました。
そこからの下りは、下山時間が示す通りテンポ良く下りることができました。

赤岳鉱泉の泊りは、もう一人だけです。
夕食が始まるまでの時間、ビールを飲みながら今日の失敗談を話し、それから山の
話で盛り上がりました。
実は次の日、体調もイマイチだったので、美濃戸に早々と下山して帰ろうと思った
のですが、折角天気も良いですし、その方とご一緒に阿弥陀岳に登ることになって、
なんだかいい思い出ができました。
行者小屋では最後に、連絡は取り合ってはいませんが、「必ずまた山で逢いましょう」と、
固く握手をして別れました。

実は今日も、体調は万全ではありませんでした。
しかし、今回の失敗を今後の登山の糧にできるなら、今後の登山も楽しい登山を
実践できるのではないかと思っています。


onsen♨

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コメント

大変でしたね。
onsenさん、今晩は。

大変でしたが、天気が良くって良い想い出になったのでは

雪はまだ少し中途半端の様ですね。今週末に登ろうかと思っているのですがまだ早いかも。。。
2010/11/18 21:49
onsenさん、こんばんは。
八ッお疲れ様です。

色々大変でしたね。
でも360°の展望に恵まれてとても羨ましいです。
大展望に疲れも痛みも癒されたのではないでしょうか。
2010/11/18 22:02
ゲスト
お疲れ様です
カニの横ばい・・・

慎重に行けばなんのことはないですが

あそこで滑ったと聞くとぞっとします

無事で何よりです
2010/11/18 22:34
おかえりなさいませ
onsenさん

大変だったようですが景色最高ですね。
おつかれさまでした。

自分もいつか硫黄岳〜横岳〜赤岳〜阿弥陀岳の周回してみたいです。
うらやましい!
2010/11/19 0:13
はじめまして
Futaroさん

コメントありがとうございます。
そうですね。
あの展望は相当凄かったです。
登頂の時の疲れは、あれを見た途端、一瞬で消えました。

雪山が目的で行かれるのですよね?
素人なので、そんな人を見ると憧れます。
雪が積もってても、最高の天気になるよう祈っていますね。

onsen♨
2010/11/19 12:38
コメントありがとうございます
MATSUさん

大変だったかと言えばそうかもしれませんが、
過ぎてしまえば良い経験をさせて頂いたように思います。
一番の薬は、山頂からの素晴らしい眺めなのですね。
これは、山を登る誰もが感じることだと思います。
私は八ヶ岳からの最高の眺めを経験できて本当に嬉し
かったです。

MATSUさんの百名山達成もあと少しだと思いますが、
MATSUさんにとって百名山とは通過点なのですよね?

onsen♨
2010/11/19 12:52
こんにちはー
mic726さん

コメントありがとうございました。

>慎重に行けばなんのことはないですが
今思えばそうなんですが、あの時は自分の意図とは別に
身体が動いていたようで、なんでもないような所でも
ミスをしてしまったようです。

経験を積むっていうことは、失敗を重ねるっていうこと
じゃないでしょうか?
ま、死んでしまったら元もこうもありませんが・・・
死なない程度ってことで。

来週は雲取山に日帰りでチャレンジするつもりです。
(大ダワ林道か野陣尾根)
何か気をつけるようなことありますか?


onsen♨
2010/11/19 13:21
ありがとうございました。
kontakaさん

今回の八ヶ岳への山行はkontakaさんの一言で、背中を押して頂い
たようなもので、お陰様で八ヶ岳に行けました。

私は、何度も言いますが、登山はド素人で特に雪山は全くの無知で、
雪山の「何が怖いのか、何が危険なのか」が判らないのです。
kontakaさんの山行記録のコメントに書いていなかったら、八ヶ岳
には恐らく行っていなかったと思います。

「ありがとうございました」



>自分もいつか硫黄岳〜横岳〜赤岳〜阿弥陀岳の周回してみたいです。
うらやましい!
何言ってるんですか!私よりずっと早く歩くのに!(笑)
kontakaさんは行ってしまえばどうってことはありませんよ。
暇を見つけて行ってみて下さい。
本当にありがとう!

私も、どんどん山行を重ねて、経験を積んで行きたいです。



onsen♨
2010/11/19 13:41
onsenさん。こんにちわ!
カッコイイよ
私もいつかこのコースでトライしてみたいなー

最近、忙しくてヤマレコを見れないのですが・・・onsenさんのまめなコメントありがとう

返事もろくすっぽせずにゴメンネー

でわまた。。。
2010/11/19 13:50
こんにちはー
straycatsさん

コメントありがとうございました。

なんですか〜?
かっこいい?(もっと言って下さい!・・・なんてね )

straycatsさんも歩くの早いんですから、いつでも行ける時に
行ってみて下さい。
あの眺めは必見です。

コメントなんていつでも良いですよ。
できるときにお願いします。


onsen♨
2010/11/19 14:53
お疲れ様でした(^^)
はじめまして

秋に行きたかった南八ヶ岳周回コース、しかも赤岳鉱泉に宿泊・・・あまりに羨ましかったのでコメントさせていただきました(笑)

高山病の中、最後まで歩ききってホントにかっこいいと思います。僕は雪山は怖いし知識も無いので登る予定はありませんが、やはりこれだけの綺麗な景色が見れるとなるとついつい行きたくなってしまいます

素敵な山行記録楽しませてもらいました、ありがとうございました
2010/11/20 0:36
素敵な縦走でしたね☆
onsenさん

八ヶ岳縦走お疲れ様でした。
ハイドレーションが凍結したstarです。

奇遇にも同じ日に、八ヶ岳でしたね。
自分も赤岳に行こうかと思っていましたので、もしかしたらお会いできたかも知れませんでした・・・
しかし、どうしても天狗岳に行きたかったので、今回はニアミスでした。
赤岳はもう少し雪が積もったら、行きたいと思っています。
去年は12月の中旬頃に、赤岳で雪山デビューでした。

それにしても、2日間とも良いお天気でしたね。
初日にonsenさんが赤岳山頂にいた頃、自分は天狗岳山頂から赤岳を眺めていました。
硫黄岳あたりにいたら、肉眼でも見えたかもしれません。

しかし、あんまり歩き慣れていないということなのですがよくこの距離を歩かれました。
もう、十分上級者なのではないですか?
自分は赤岳は単品で登り、横岳〜硫黄岳は縦走しましたが結構長いですよね。
自分も台座の頭から硫黄岳の登り返しには、嫌気がさしました・・・
その前の横岳も、結構アップダウンありますしね。

高山病は初めてですか?
自分も登山を始めた当初は、ほぼ毎回高山病でした・・・
今ではすっかり高所も慣れたので大丈夫ですが。
あの頭痛には悩まされます・・・

onsenさんの山行記録、しっかりとしたストーリーで面白かったです。
特に、弱気になっているシーンは人間味を感じました。
島崎三歩は、自分も憧れる人物の一人です。

今回の縦走が、きっと次なる一歩につながると思います☆

star

そういえば、今月号の山と渓谷は必見です・・・
2010/11/20 1:06
こちらこそ初めまして。
Tatsu1113さん

おはようございます。コメント有難うございます。

>高山病の中、最後まで歩ききってホントにかっこいいと思います
何とか歩き切れて本当に良かったと思っています。
単独であの状況で歩いていたら、果たして歩ききれていたかは
判りません。
これからの反省材料になると思っています。

それから私も雪山は怖いです。
でも、もっと素晴らしい景色を堪能することができるのなら、
少しずつでもいいから技術と経験と知識を積んでそれにチャレンジ
してみたいです。

tatsuさんの山行記録を拝見させて頂きましたが、貴方も相当の速さで
歩かれるのですね?
上を見たらきりが無いですが、私から見たら相当羨ましいです。
tatsuさんの山行記録も素敵なレポートで、これからは拝見させて頂きます。
2010/11/20 9:02
おはようございます。
Starさん

コメントありがとうございます。

あの、ハイドレーションにはびっくりしました。
私は連れの水を貰ったのですが、starさんはどうしたのですか?
それにしても自然の力って凄いですよね?

>もう、十分上級者なのではないですか?
とんでもないです。
やはり私にはスピードが足りないと思います。もっと早く歩けていれば、
今回のような突然のハプニングにも十分余裕をもって対応できた
のではないかと思っています。
それと、横岳のアップダウンがしっかり読めていませんでした。
もっと楽に想像していたのが、ああいった結果になってしまったのかも
しれません。
今年の冬は基礎体力UPを心掛けて、低い山も雪山も経験して、
来年の楽しい登山に繋げたいと思っています。

高山病は山行記録には残していませんが、今年の10月の鳳凰三山でも
同じようなことがおきました。
今回は2回目で、どうやら体の調子が悪い時にそのような症状に
なってしまうようで、これといった対策がないのが困りものです。

今回人間は弱気になるととことん弱気になるものだなと痛感しました。
まだまだ修行が足りませんね。
私も「岳」大好きです。
大きな声では言えませんが全巻所蔵しています(笑)

「山と渓谷」了解しました。早速本屋に走ります。
情報ありがとう!


onsen♨
2010/11/20 9:38
素晴らしい景色!
こんにちは

夏は何人も受け入れる八ヶ岳も
この時季から一気に人を選ぶ?感じですね…
天気、景色とも八ヶ岳に
見事、受け入れられましたね

ヘリの要請…不安の中でも冷静に考えられていましたね
私は同じ様な状況で考えたのは
もし動けなくなって暗くなったらオバケが怖い
とそんな不安を抱いたアホです
2010/11/20 12:00
私もオバケは怖いです!
to4さん

コメント有難うございます。

八ヶ岳(八ツ)は中央高速や中央本線から見る山だとずっと思っていました。
それが今回初めて赤岳に実際に自分の足で登り、天候的には受け入れられた
かもしれませんが、体調を崩して苦しい足取りを強いられたり、心が折れそうに
なったり、そういう意味では八ッには厳しい洗礼を受けたような気がします。
その時々によって、きつく人を拒んだり、優しく受け入れたりするのが登山で、
それが登山の醍醐味ではないでしょうか?


どんなアクシデントにも屈しない体力と技術と経験を会得しないとですね。

今後も色々とアドバイスお願いします。

onsen♨
2010/11/20 16:39
こんにちわ
11月20日に広島の友人と山に行けることになったので、
この頃の八ヶ岳の状況を調べてみようと思ってみてたらヒット〜

調べてみたところ、6本アイゼン(ピッケルなし)でいけるかどうかはそのときの状況次第という感じですねぇ。
1週間後には完全冬山になってますもんね。。
どうしようかなぁ

それにしても1年前のonsenさんの記録、
微笑ましく拝見しました
2011/11/1 12:37
ちょっ、ちょっとなに?(笑)
こんばんはタマちゃん。
私も、去年の八ッの記録を確認しにきたら・・
コメント入れてる人がいたのでびっくりだよ(笑)
誰かと思ったらタマちゃんだし(笑)

去年の俺って、かなりビビりだったね(爆)
ってか、冬山=解らないから怖い。だな。

本当はこの時期いつ雪が降ってもおかしくないよね。
ちょっとくらいの新雪なら、軽アイゼンもいらない
かもしれないし・・・
前日くらいの天気予報を、参考にして装備用意したら
どうでしょうか?
2011/11/2 23:56
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