【槍ヶ岳】子槍クライミングと孫&曾孫からの槍ヶ岳
- GPS
- 46:10
- 距離
- 49.3km
- 登り
- 2,644m
- 下り
- 2,636m
コースタイム
- 山行
- 3:23
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 3:52
- 山行
- 7:54
- 休憩
- 3:43
- 合計
- 11:37
- 山行
- 3:26
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 3:44
天候 | 初日:アプローチ) 高曇り程度で問題なし。気温も高く快適。 2日目:アタック日) 曇りがちが予想されながら、11時頃までは青空ものぞくほどで北アルプスの壮大な風景が見渡せました。 しかし、その後ガスが出はじめ、稜線上では冷たい風が吹き、フリースにダウンを着込むほどの寒さ。ビレイ中がガタガタ震えが出るほどでした。12時半過ぎには雨がぱらり。槍沢ロッジまでの下山中に降られることはなかったものの、その後の悪天化が予想される雲行き、風向きが続きました。 3日目:下山日) ざんざ降りの雨。雨は緩急があったものの終始降り続けでした。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
7時新宿発あずさ1号→松本駅9:40(車で沢渡まで移動) 帰り) (車で沢渡から松本駅まで)13:02松本発あずさ |
コース状況/ 危険箇所等 |
槍ヶ岳初めてでしたが、こんなに整備されているとは、と驚きました。石が階段状にきちんと積まれているところが多く、これほど長い距離に人の手が入っているということに驚きました。年月の積み重ね、多くの人の相当なご苦労に感謝いたします。 |
その他周辺情報 | 「お食事処しもまき」にある日帰り入浴を利用。駐車割引で500円でした。(シャンプー、ボディソあり。ドライヤーはレジで貸してくれる) |
写真
感想
西稜側(ひ孫槍)からのクライミングで初の槍ヶ岳!でした。
今回、計画は三泊四日で北鎌尾根の予定。しかし、台風接近にともなう天候悪化により、予定通りに出発はしたものの、どうやらアタック予定の3日目からひどい天気になりそう。結果、北鎌尾根計画を変更し、子槍・孫槍・ひ孫槍のクライミングを楽しむ二泊三日の旅となりました。
初日)
あずさ1号で松本駅に到着が9:39。東京を朝出ると、最も早くてこの時間になります。この日は11時半頃上高地から歩き始め、横尾までのんびり散歩のみの予定でした。が、日一日変化する天気予報とにらめっこしながら、念のためということで横尾泊まりの予定を槍沢ロッジまで足を伸ばすことにしました。
横尾から槍方面へは初めての道。特に傾斜もきつくないので、ゆるいアップダウンを繰り返しながら順調に進みます。山と高原地図のコースタイムは、そうとうゆっくりペースになっているみたいで、特に急いだ歩みでもなかったのですが、3分の2くらいの時間で槍沢ロッジに到着しました。
槍沢ロッジは全体的にとても清潔で快適な小屋でした。入浴で汗が流せるのも気持ちよく、汗冷えした体も暖まりました。食事も品数多くたいへんおいしゅうございました。生ビールが900円というのは若干高いか、と思いながらも、背に腹は代えられない。とはいっても、初日の今日は、明日の長時間行動に備え、ビール一杯とほんの少しお裾分けいただいたワインにとどめました。
金曜日につき小屋は空いていて、静かにゆったり、7時からしっかり8時間睡眠を確保しました。久々の小屋泊、思いがけず熟睡できました。
2日目)
アタック日。
3時起床、小屋でお願いした弁当(名物ちらし寿司)で一瞬の朝食。3時半にはメンバー全員外で出発体勢が整えられつつありました。ヘッデン装着スタイルで3:45出発です。無事に4時前に出発することができました。
もうかなり日の出時刻が遅くなり、夏であればすでに明るくなり始めるだろうものの、まだまだ真っ暗。足もとだけ照らして歩くため斜度感をあまり意識することなく、気持ち的には楽に登り進めました。天狗原分岐近くなったころ(時間的には6時近く)ようやく周囲がまともに見えるようになりました。見ればうっすらと紅葉が始まっている模様。あと10日もすれば秋の風景になることでしょう。
このあたりから槍の穂先が見え始め、道の斜度も急になります。ただ、道はすばらしく整備されていてつづらに切ってあるので、ペースを守れば辛さなどは感じないような道でした。さすが大人気ルート。アプローチとしてはたいへんありがたいものでした。そして、このあたり、下山者とのすれ違いもたいへん多く。槍は前日にすませた方が小屋から降りてきたのか、それとも山頂で御来光を見てきたのかな?天気に恵まれてよかったですねー。
そして、8時頃肩の小屋に到着。前夜は「10時頃に着けばいいかな」なんて話していたのに、2時間も早く着いた!これが今日、結果的にずいぶん救いになりました。肩の小屋で登攀装備を準備し、不要な荷物をデポ。早速、登攀に赴きます。
まずは子槍へ。取り付きは、肩の小屋から50〜100mくらいかな、少しだけ登山道を進み、すぐに左手に、穂先の下部を左側から巻く感じで斜めにトラバースしていきます。入り口がちょっとわかりづらかったですが、対面からみると斜めに筋がはっきり見えるほど、意外や明確な道。ただしガラガラで左側は切れ落ちており、ちょと危険です。我々はコンテで行きました。トラバース道を越えると子槍の下部です。
ここから短い1ピッチ目は易しいルート。手袋したままでも問題なし。これを登るとテラス上になっており、ここからが本番です。すでに寒さで震えが出てきて、できれば手袋を外したくなかったのですが、一手目を探して「あ、こりゃ無理だ」と思いました。泣く泣くグローブを外し。その結果手がかじかみ、指先感覚が弱くなって不安がもたげ、ボルトにぬんちゃく引っかけてA0すること2回。やれやれ。ま、なんでもありってことでまーいーや。久々の本ちゃんの高度感、恐怖感を感じました。これが醍醐味といえば醍醐味か。その次の最終ピッチは、それほどの恐怖感を感じずに快適に登ることができました。
そして子槍頂上に到着!!見事な風景!槍の穂先が、写真などでよく見る角度とは違う風景で間近に見え、反対側にはぎざぎざの硫黄尾根が眼下に。見渡せば遙か向こうに後立山連峰、手前に燕岳から表銀座、槍を経て穂高連峰まで、360度のパノラマ。贅沢やわー。ふっふっふ。天気が持ってくれてホントーに良かった!
この後、やや振られることに注意しながら懸垂で降りました。降りるところが同じなのだからアタックザックをデポしておけば良かったね、と反省。このとき、あまりの寒さに「もしかしたら孫、ひ孫は諦めるか」ということも辞さない気持ちでいたのですが、だれも口にすることなくそのまま孫への取り付き。テラスでダウンを着込みました。それでも寒かったけどね・・・。だんだんとガスが出てくる中、孫への取り付き開始。
孫は優しく1ピッチ。あまり記憶がないけど、寒いこと以外は問題なかったような。そしてひ孫。ひ孫は岩が脆いのに注意しながら登りました。登り自体は易しかったです。で、ひ孫に登った後の足場が狭く、非常に不安な岩の上で過ごしました。咳をするとその振動で足場がぐらぐら揺れるような・・・・。あー怖かった。そのひ孫からの懸垂は、リッジに沿うのをうまく左側に寄り気味で降りました。下でロープを持ってくれているとはいえ、なかなか難儀。以前、懸垂中にデングリした経験があるので、慎重に、慎重に降りました。こういうところ、もっとスピーディにできるようにならないといけないなあ、と反省しきりでした。
で、とうとう槍本峰への登攀。登り中、右側を見ると一般ルートの矢印が真下に見えてて。「おいおい、オレらなにやってるんだろうなー笑」などと思いながら、一般ルートを上がるよりもよほど楽しい登攀での登頂。ガスがでて景色はもはや楽しめなくなっていたものの、充実感たっぷりの槍ヶ岳初登頂となりました!!!
山頂からは一般ルートを下山。お盆の剱八ツ峰のときと同様、下山はもはや「単なる仕事」。ハシゴや鎖たっぷりの一般道を黙々と下りました。その後、肩の小屋で食べたラーメンは、凍えた体を温めてくれ、ややしょっぱいながらもたいへんおいしくいただきました。一番おいしいラーメン!でした。このとき、外では雨がぱらりときた模様。登頂時まで降られなかったことに感謝しつつ、早朝出発と健脚メンバーで十分な早い時間に登れたことを改めてグッジョブ、と思いました。ふふ。
この時点、翌日の天気予報に荒天予報が出ていることを知り、できるだけ下山することを決定。槍沢ロッジまで下るか、横尾まで下るか・・・。結果、荷物をデポしていた槍沢ロッジまでの下りとし、今日は食事無しの素泊まり。北鎌尾根のツェルト泊用に用意してきた夕食、朝食ですますことに。
下山時はおかげさまで雨に降られることもなく無事に小屋に到着、おいしいトマトソースパスタとビール&ワインを楽しみ、またも早々、7時には就寝となりました。
3日目)
朝から雨。というか夜中から雨。夜中にはたいへんなどしゃ降りでしたが、朝は若干小降りに。ただししっかりとレインウェアを着込まないといけないほどではありました。こんなざんざ雨の中を歩くのは、いつ以来だろう、1年ぶりくらいかしら。ザックの中はかなりしっかり防水パッキングをしたのでほぼ大丈夫でしたが、とにかくザック自体は濡れまくりました。
下山後の風呂に行くときとか、松本駅で車を降りてから駅まで移動、そして駅内移動など、そのたびザックを背負うと服が濡れる。。。すでにレインウェアもびしょびしょで、風呂上がりの体に着る気もおきない中、こういうのってどうしたらよいのでしょうかねえ、と思いながら、だましだまし運びました。
しかしまあ、北鎌尾根を諦めたのは少々残念だとしても、天気予報を逐次チェックしながら1日早めた計画変更は大正解!ありがたやー。午後の早い時間には都内に帰着し、その日のうちに洗濯などもすますことができました、とさ。
感想)
北鎌尾根の代わりといいつつ、子槍クライミングは緊張感も含めたいへん楽しかった!そして、初の槍ヶ岳をクライミングで登頂するというのも、たいへんな記念になりました。
思えば、今年は、残雪期の富士山、残雪期の奥穂、そして最初のアプローチは別山尾根からだったものの本番は八ツ峰からの剱岳、と、有名所の山をちょっとおかしなアプローチで初登頂するという、とんでもない年になってます。標高2位の北岳も、バットレスから登ろうという計画をしているところ。今回もおもしろい経験を重ねられてほんとうに楽しかった!です。
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