この時期の白根三山縦走(北岳・間ノ岳・農鳥岳)
- GPS
- 33:02
- 距離
- 26.8km
- 登り
- 2,626m
- 下り
- 3,318m
コースタイム
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 7:05
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危ないといえばどこも危ない。どこでも怪我のおそれはある。 |
写真
感想
今夏は天候不順もあって、山歩きに行っていない。休みが取れ、天気もよさそうなので山行を計画した。北アはテン泊ではもう寒そうなので、9年ぶりの白根三山縦走に決めた。
10月14日(金)
前夜は釈迦堂PAで仮眠をとり、朝6時前に奈良田の駐車場に着いた。前回は芦安から入ったため下山後に奈良田から戻る必要があり時間的な制約があったので、今回は奈良田にクルマを停めることとした。8時5分発の広河原行バスは座席が丁度全部埋まっていた。8時50分に広河原に到着。
準備を整え9時に歩き出す。歩き出してしばらくのところで沢の水が登山道に流れ込む箇所があるが、時期のせいか、水量は少なかった。2時間ほどで二俣に着く。右俣から頂上を目指す。視界も開けるが、ここからの登りで少し疲れる感じがした。久しぶりのテン泊装備も堪えているのか。途中、時期がよければシナノキンバイが群生しているところで小休止。12年前に来た時は素晴らしい群生を見られたが、最近は鹿の食害がひどいらしい。
天気は最高なので、それを励みに、歩き続ける。鳳凰山も全容を見せるようになり、八ヶ岳も見えるようになる。森林限界を抜けたところで白根御池からの道と合わさる。さらにもう少し登ると稜線に出た。
一挙に視界が開ける。目の前に仙丈が大きい。右手には甲斐駒。その奥には八ヶ岳、浅間山。仙丈の左には中央アルプスが屏風のように並んでいる。はるか右手には槍・穂高から後立の連なり。ここから肩の小屋の小屋まではそれなりの岩稜帯。ひと頑張りして肩の小屋に到着。2時を回っていた。出発してから5時間。9年前はほぼ同じ装備で4時間15分だった。齢のせいもあるのか、もう少し早く着くかと思っていたのであせる。小休止してから北岳に向かう。
両俣への分岐を過ぎ、最後少し下って登り返して3回目の北岳頂上。天気は最高で、見えるはずの山は全部見えるという感じ。これからの縦走路の先の間ノ岳に目が向く。
眺めを満喫して北岳山荘を目指す。岩場の急斜面を慎重に下る。大樺沢への分岐まで来てホッと一息。ここからは傾斜も緩やかになり歩きやすい。4時過ぎに北岳山荘に着いた。テントの受付を済ます。800円なり。前来た時は600円だった。
富士山を目の前に見る気持ちのいいロケーションだが、時間も遅く、急いでテントを張る。すでに8張ほどの先客がいた。陽が傾くと一挙に寒くなる。夕食を済ませ、中央アルプスの夕暮れのシルエットを眺めて今日は終わり。18時過ぎにはテントに潜る。月齢13の月が明るく星空は期待できそうにない。夜中でもテント越しの外が明るい感じだった。ラジオを聞いて時間を過ごす。時折風がテントを打ったが静かな夜だった。
10月15日(土)
4時半に起きる。東の空はまだ暗いが富士山のシルエットはハッキリしている。テントの中を片付け、テントを撤収し、5時半に今日の行程をスタート。
これから向かう間ノ岳の東斜面が朝日に輝いている。灯りはもう要らない。今日できれば奈良田まで下りたいが、体調もわからないのでゆっくりと歩き出す。緩やかな傾斜から最後けっこうな急登をこなし40分弱で中白根のピーク。間ノ岳まではきびしそうな岩稜帯だが、ルートは稜線の西斜面についておりそれほどの苦労はない。間ノ岳ピストンの軽装の登山者も多い。最後なだらかな傾斜を登りきったところが頂上。
頂上からの眺めは素晴らしい。北は北岳、仙丈、甲斐駒の3ショット、鳳凰三山の白い稜線、南には農鳥岳が大きく、塩見岳の左手に悪沢岳、荒川岳が並び、その間から赤石岳の頂上が見える。その向こうには南アルプス南部の山々。ここで朝食休憩とした。疲れはなさそうだ。
間ノ岳山頂を辞し次に農鳥岳を目指すが、まずは眼下の鞍部に見える農鳥小屋の赤い屋根を目指しての急下降だ。慎重に下る。鞍部に近いところはハイマツ帯となり岩稜と対比しての緑が美しい。60分ほどで農鳥小屋に着いた。9年前は50分かからなかったのだが。有名な小屋主はNHKラジオを聞きながらコタツで朝寝をしていた。実は自分も同じラジオを聞きながら歩いていた。少し休憩する。これから登る斜面が目の前に大きい。前回はこの斜面でも疲れた記憶があるので、ボチボチ歩き出す。
農鳥小屋から農鳥岳を初めて目指す人は、2回か3回くらいニセピークに騙されてガックリするかもしれない。なかなか遠いのだ。前回の記憶もあるのでノンビリ歩く。急登をこなし、西農鳥岳頂上に着く。前回は標識がなく、どこが西農鳥だがわからなかったが、今回は立派な標識があった。ここからの眺めも素晴らしい。農鳥岳へのルートは明らかだがけっこう遠い。大きな岩稜を2箇所ほど巻き、いったん下り、登り返す。しんどい岩場を越し、最後になだらかな斜面を登ったところが農鳥岳の頂上。北岳よりも間ノ岳のほうが大きく立派に見える。塩見岳も大きい。
時間は10時半でこれなら明るいうちに奈良田まで下れそうだ。農鳥岳の手前から反対方向からの登山者とすれ違うようになったが、山頂には大門沢小屋から来たという人が大勢いた。さあ下りよう。
気持ちのいい緩やかな傾斜の路を40分ほど下って大門沢下降点。前回は目の前の広河内岳へピストンしたが、今回はその余裕はない。今回のルートで一番嫌なのがこの大門沢の下り。前回は下りバテした。今日は天気もいいしゆっくり下ろう。
11時30分に下降を開始する。最初はハイマツ帯をジグザグ気味に下る。しばらくすると樹林の道になるが、ブナの林もあり、気持ちがいい。徐々に大きな石と木の根とかが張り出して歩きにくい、脚に堪える、急降下の登山道となる。ひたすら下る。ところどころに標識があり、高度が書いてある。下りだしてすぐは2840mだったか。1時間くらい経ったところの標識は2400mだった。大門沢に沿って歩くようになると風も涼しく、歩きやすくなるが、ザレたところもあり、2回ほどスリップして転倒。沢沿いを少し歩くと、標高2000mの表示。
辛抱して歩いて2時過ぎに大門沢小屋に着いた。疲れたけど、これなら奈良田までは下りられそうだ。コーラを買い、水も補給する。小屋閉め作業中の小屋主、その奥さんと息子は忙しそうだった。2時20分に歩き出す。奈良田まで3時間とある。さらに駐車場まで歩かねばならない。それよりも奈良田の里の温泉の受け付けが18時30分なのでそれまでに着きたいのだが、まあ大丈夫だろう。奈良田の温泉はすごくいいお湯なのだ。
沢に戻って、ずっと沢沿いに歩く。いったん沢をはずれ、樹林帯のなかの整備された道になる。傾斜もゆるく、道幅も広く快適である。そのうち平らな樹林帯に出る。台地状になっているのだろう。その後またけっこうな下りになる。
吊橋が出てきたら行程も大詰め。この吊橋は火野正平には無理だろう。9年前はもうひとつ同じような吊橋を渡ったが今回はなかった。その代わり前回は工事中だった立派な橋を渡る。火野正平はやはり無理かも。登山道は実質ここで終わり。
ほぼ予定意通り南アルプス登山口である第一発電所に到着したが、目の前で奈良田行きの最終バスが出て行った。後1分早ければ間に合ったのに。真っ暗になった道を歩き、6時前に駐車場に戻る。疲れた。少しだけ片づけをしてから、「奈良田の里」へ。アルカリ泉質の気持ちのいいお湯で疲れをほぐすことができた。19時過ぎに駐車場を出て、家に着いたのは23時頃だった。家に着いたら、さっそく筋肉痛が始まっていた。
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