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「ご忠告ありがとうございます。」からの続き
五月後半の農鳥岳山行でもＧＰＳの等高線やカシミールの2万分の１のコピー地図では、自分の予想した地形と実際の地形とは、だいぶ隔たりが有る事も多く、もう少し詳しい地図を欲しいと思いました。
また地形図自体も頭の中に、もっとクリヤーに入れておく必要性も感じました。樹林限界の位置やその分布、樹林の種類なども知っていれば、かなり有効に活用できたと思います。
この時期を選んだのは雪崩の可能性が非常に低いからです。100%という事は有り得ないのですが、始めは4月に計画を考えました。しかし4月や5月の頭は北岳白根御池小屋の全壊、又大門沢や北岳の雪崩による死亡事故などの記録も有り、私の技術力では危険すぎると考えました。
5月後半になり天気図や高層天気図、天気予報では雨後3日晴れるとのことで、新雪雪崩は、ほぼ皆無に等しく雪解け水の経路も有り、晴れが続き雪が安定すると予想されました。しかしやはり実際に雪の斜面を見ると気持ちの悪い所もいくつかあり、安定はしているのだろうけど、私は時間を浪費する事になるが何度かトラバースをとることにしました。
100％は有り得ない中で自然とのコミュニケーションをとらなければ為らない、と言うよりはむしろ都会の計算された生活を離れ、車を離れ、繊細な感覚が麻痺し、気楽に自然を忘れた安全な生活を離れたい、と身体が求めているようです。
次元はまるで違うのですが、メスナーは進歩しすぎた装備や金で得る登山を嫌っていました。ソロでのクライミングや高所での酸素ボンベすら使わない意味を考えていたようです。個人の中に生まれてくる精神としては非常に共感を覚えるものがあります。
しかし、名の有るクライマー達は、ことごとくと言っても良いくらい山で亡くなっていると感じます。
ヒマラヤへ何度も登っている第一線のクライマーが、日本のちょっとした山で雪崩などで亡くなる事も珍しくないようです。
西農鳥岳から農鳥小屋への夜遅くになってからの下りは、基本から考えたら危険なほど完全なオーバーワークで、とても人に薦められるものでは有りません。しかしそこから得たものは私には一生涯の中でも意味の有る時間になりました。
ミニヤコンカから奇跡の生還を果たした松田宏也氏や、メスナーのナンガ・パルバード単独行などに有る、現代ではまだ一般的には認知度の低い超心理学的な事象に少し近づいたと思えるふしもありました。
今、山行全体を思い出してみても、死がまじかにまで迫っていると感じることは無かったと思います。
私は「踏破」と言う言葉は好きではなく、千変万化する山の山頂を一度踏んだからと言って、永遠に広がる山の持つ可能性の一握りを垣間見たに過ぎず、残りを少しでも得ることが出来るかどうかは、その人に求める心が有るか如何かに懸かっているのでは無いでしょうか。これからも自然の持つ永遠なる神秘に畏敬を表し、エネルギーや波長を少しでも感じ取り、自分の可能性を求めていけたらと思っています。
ここまで長々と読んで頂いた方、ありがとうございます。
jazzyさんへ。
文章を読んで、jazzyさんの山への真摯な思いが、私なりに感じとることができました。
登山経験がこれまで書かれてきた通りで、まだ数カ月の体験であるとすると、今回のコースをこの時期に単独で挑んだのは、率直に言って相当な困難さがあったと思います。私は、このコースを使ったことはありません。ですから、受け止めはどうしても一般的になりますが、jazzyさんの記録からそういう印象を受けます。
しかし、それだけで即、危険すぎるとは言えないとも思います。
山の危険度というのは、対象と、自分の力量と、気象等のコンディション次第で変わってくるし、jazzyさんの登り方は、人に引率されるだけの登山に比べれば、自分で用意し、判断し、体力とも相談しながら、遂行されているのを感じるからです。
そのうえで、いくつか個別のことを書きます。
１）この大門沢ルートですが、５月下旬だと、稜線の下降点からしばらくの区間は斜度がきつく、急な雪渓トラバースもあるので、登り下りともに尾根筋の安全な冬道を使うのではないでしょうか？
私は、雪や岩が不安定な時期に、このルートを使うことは、かなり躊躇しますし、使う場合は、下部も、上部も、それぞれの危険性の回避について、事前にかなり考えてしまいます。
２）小さなことなのですが、アイゼンは前歯つきの１２本爪あたりだったのでしょうか？ 姿勢とけりこむ方向にもよりますが、記録に強調されて書いているので。
５月下旬の日中の雪で、雪面に何度も蹴りこまないとステップを確保できないというのが、腑に落ちません。
３）下部の段階で。アップされているGPSのトラックログでは、夏道を外れ沢沿いに雪渓？を詰めていった時点で、迷ったと判断し、そのあと引き返すのではなく、トラバースの判断をしています。
夏道を外れたことはかなり早い段階で気がついたのでないでしょうか？
なぜ、起点にもどらず、長く行程が不明のトラバースを選んだのでしょうか？ １日目にここで相当な消耗をされたように感じます。
４）16:00稜線−18:30農鳥岳−真っ暗な夜中、農鳥小屋
これは、すでに体にかなりダメージがあるなかでの行動だったと考えてしまう、時間の記録のように思えます。
１日目。道迷い、トラバース。
２日めに、稜線の直下の急登で直上コースをとり、相当に苦労した。
これだけの無理を重ねたうえで、夜間におよぶ稜線での行動というのが、選択としてどうだったのでしょうか？
５）jazzyさんは、稜線での行動をこう書いています。
「西農鳥岳から農鳥小屋への夜遅くになってからの下りは、基本から考えたら危険なほど完全なオーバーワークで、とても人に薦められるものでは有りません。しかしそこから得たものは私には一生涯の中でも意味の有る時間になりました。
ミニヤコンカから奇跡の生還を果たした松田宏也氏や、メスナーのナンガ・パルバード単独行などに有る、現代ではまだ一般的には認知度の低い超心理学的な事象に少し近づいたと思えるふしもありました。」
自分をそこまで追い込む、追い込んでこそ得られる体感ということも尊重はします。しかし、この季節のこのルートでそこまで自分を追い込む必要はあるのでしょうか？
何かあれば、自分と自然との関係は現実に引き戻されます。間に社会が、立ち現れます。遭難、救助活動、ニュース報道、家族や職場の対応など。
これは、登山にたいする考え方の違いというよりも、現実はそういう展開をするということを、見てほしいということです。
率直に書きましたので、事実誤認や、失礼な表現があれば、お詫びします。
tanigawa さんへ
3)を思い起こして
雪が現れたのは、大門沢を越えて7〜800ｍ位してからで、沢へ降りてから始めて現れました。
したがってそれまでは完全な無雪です。
一度目の橋を通り過ぎ、二度目に川へ近づいた時、又道は二手に分かれました。
普通に踏み跡のような所を進むと、左に斜面、しかし上のほうに道らしきものは無い。
真直ぐは蔓のような木が覆い被さっているが、そこを避けるかくぐるかすると先に進めそうである。
しかし私はそれ程、人の通った気配を感じなかったので、もう一度少し戻ると川の方に赤いテープを見つけました。
河原まで降りて渡れそうな所を探したのですが、かなり無理をしないと渡れそうに無く、対岸にも解りやすい道のようなものも見えず、又上のラインへ戻るとどちらにするか10分位悩みました。
とりあえず覆い被さっている木を越えて先を見てみようとし、掻き分け通ると前方30ｍくらい先の木にペンキで書いた（赤？、黄？忘れました）の丸を見つけました。
これで私は上に登れば増水か何かの為にトラバースし、もっと楽に川を渡れる道が有ると考えコメントでumitanさんも書かれている急なザレた斜面を登ることになったのです。
しかし足場は悪く1歩上へ進んで踏み込んだ足が、崩れてもとに戻るような所も有り、これが本当に一般道なのだろうか？と疑問も感じました。
しかし斜面に他の登山者の通った足跡が幾つか有り、少し安心して上へ登ることにしました。上まで登り切ると傾斜は緩やかになり視界も開けましたが、登れば登るほど夏道から離れ、川へ降りる斜面は高さを増していくばかりです。
私もここで絶対におかしいと思い、地図やGPSを見てこれからどう行動をとろうか考えました。
しかし先ほど登ってきたザレた斜面は、降るにはかなり急で、足場が崩れかなりの困難が予想され、弱冠の恐怖も感じる位でした。（実際にumitanさんは転倒され、かなり激しく指を挫いたようです）
そこで川への降り口の可能性を見て廻ると2箇所位降りれそうな所が有り、一つは無理なく行けそうです。
川を渡った後の地形もGPSで見るとそれ程の急斜面ではなく、幾つかのルートが取れそうだったので、トラバースを選択しました。はじめに間違えた場所は、帰りがけに写真を撮りました。
この場所も説明するのに写真をとも思いましたが、少し登り返して戻らねばならず、私はスーパーマンでは無くこの時点で既にヘロヘロになっていたのでご勘弁願った次第です。
西農鳥岳の辺りで支尾根に迷い込んだ件について、その時の詳細を思い出して見たいと思います。
稜線を歩く中で、地図やちょっとしたサイト上の写真などから想像していた地形より、だいぶ起伏やガレ場も激しく、これから歩くラインを止っては遠方を見つめ、何度もイメージしていました。
最後の登りはあれか、と目の前に見える白く盛り上がった所を見つけたのですが、それは目の前300m位先に右から左へ続く200メートル位の白い稜線で、こちらから見るとナイフリッジに雪屁が薄く着いている様に見えました。
それを見たとき「私にあれは無理だぞ」と思われました。
とりあえず近付いてみるだけ近づくか、と先へ足を進める内に、それは遠目に横から見るとナイフリッジに見えたものが、実は十分幅のある稜線でした。
私は安心して、ここはクラストして非常に歩きやすく、今までの苦労して歩いて来たストレスもあったのでテンポ良くサクサク進み、又前方のラインをイメージしようとすると、どうも地形が地図と違う。
農鳥小屋の有るコルは2700〜2800位で、目の前の降りは明かにもっと降らねばならず、おかしい？と思いバッテリー保護のため電源を切っていたGPSのスイッチを入れると「ちがうじゃ〜ん」と気付いたということで、私が目の前のナイフリッジに意識をとられ過ぎて、そこを通らなければいけないと勝手に思い込んでいただけでした。
tanigawa さんへ
多くの洞察と貴重な時間を割いていただき大変感謝しています。
私はどうも昔から一度火がつくと猪突猛進型で、基本を身に付けるのにかなり遠回りをしてしまいます。
以前もある事で師に就き、初めて一つの表現として確立したという事がありました。
ただ、スタイルは自分で見つけるしか無いのですが。
前回この文章を書き送信した後、外を妻と散歩しながら振り返ってみると、少し入り込み過ぎてしまったかなと、オシダをこごみと思って食べている私としては少し後悔していました。
ただ私の登山経験は間違いなく書いてある通りなのですが、写真で見るほど若くなく、そういった所でご容赦下さい（ビートルズが初来日した年にはもう居ました。）
まずツェルトですが、私としては「意外と石橋を叩いて渡る性格」（笑）位の感じで書いたつもりだったのですが、後で見ると怒っている様にもとれるのかと、文章表現の難しさを感じました。
それではご指摘の内容を、一つずつ思い出していきたいと思います。
１）残雪がまず現れたのは雪渓が上から集まり合流した所から500メートル位下までで、全てデブリの塊のようです。そこへ降りる尾根には全く雪の無い状態です。
全層雪崩だけ気にすれば良い状態ですが、基本的に雪崩は落ちてデブリになったり、斜面の雪は溶け始めて斜面にへばり付いているように思われました。
下の方は日中は10℃以上上がり夜は0℃を下回らなかったのでは、と思います。
「気持ち悪いと思いトラバースした」と有るのは、シロート判断で怖がっていただけではないでしょうか。
私も厳冬下の登山の可能性も考えて、大門沢小屋からの尾根筋ルートを観察しましたが、かなり木が密に生えていて相当の苦労が予想されました。
そこまでの雪崩の可能性はほぼ無いでしょうが、最終的に樹林限界を超えて岩稜に出た所は、かなり困難の予想される地形で、ロッククライミングやアイスクライミングの技術や装備がないと、厳しいのではと考えられました。
ただその時の雪の状態では、ひょっとするとトラバースも有るのかと、又厳冬下大雪の後は十分新雪雪崩の可能性も出てくると思います。
雪崩の知識は「決定版雪崩学」「雪崩リスクマネジメント」「ドキュメント雪崩遭難」から得ました。
２）アイゼンは前歯つき12本アイゼンです。今回初めてアイゼンを着けたのは、雪渓のデブリに出てからです。今年の2月に大菩薩嶺、3月に瑞牆山、金峰山、赤岳、4月に仙丈ケ岳そして今回の登山です。
慎重178ｃｍ体重６４ｋで荷物の内いくつか大門沢小屋にデポしザックは１５ｋくらいです。私は斜面に人がつけたトレースを踏むと、かなりの確立で崩してしまうし、又アイゼンを着けないと足もとが安定しなく、踏み込んだときに、少し足の位置がスベってずれるのが非常に苦手で、私は周りの人たちがアイゼンを着けていなくても、一人だけで着けていたりします。
蹴りこむのは急な斜面で、下向きだといつまでも崩れていくので、水平に壁に蹴りこむような感じで、斜面の中へ穴の階段を掘りこむ様なイメージです。
しかし４回蹴りこんでも足だけでは全く安定しておらず崩れます。ひどい時は６５�僂離團奪吋襪魃�手で縦に、指も埋まるくらい差込み、左手は拳で雪面に撲り込んで、基本三点は外せない位の感じでした。「四足は安定するんだ、四足の動物の気持ちが良
く解る」という所は一番ひどいエリアで、中には過去にウィンドクラストをしていただろう所や雨の水が通ったらしいところなどは比較的硬いようでした。
この続きは、もう少し熟考したい部分もあり又後日にアップさせて下さい。
jazzyさんへ。
前提となるデータのことですが、GPSのトラックログの記録の設定は、どうされていますか？
ガーミン社のGPSだとすると、
ログがAUTOモードで記録されているのではなく、
Time Intervalを指定して設定することもできます。
その設定が、５分とか１０分程度と長めの設定になっていないでしょうか。トラックログのラインの粗さの具合から、そう感じます。１分の設定か、AUTOモードならば、よりなめらかなログが収録できます。
電池の持ちがネックになる場合は、往復ルートの場合は下降では、現在地をチェックしたいときだけ、電源を入れる（必要な区間だけ電源を入れる）という使い方もできます。
設定のこの問題は、現場での位置確認の精度には支障はもちろんありません。後で、記録を読み取るときの、精度にかかわることですけれど。
＞この続きは、もう少し熟考したい部分もあり又後日にアップさせて下さい。
私はどんな形でもかまいませんが、もしもjazzyさんのご了解を得られれば、この場でオープンな形でお話を続けるよりも、メッセージかメールの形で、よりざっくばらんに話した方が、かえって意見交換が効率的になると感じます。
私のメールアドレスは公開していますし、ヤマレコのプライベート・メッセージという方法もあります。
「日記」の範囲を超えている感じもして、ご覧になるみなさんの受けとめも気にします。
ヤマレコには、ヤマレコらしい雰囲気ということもあると思います。また、記録の交流という基本目的もあると思いますので。
そちらへ移行できるのならば、お願いしたいと思います。
＞ビートルズが初来日した年にはもう居ました。
お気づかいをなされながら、書かれてきたことは、了解しております。感情面は、私はまったく気にしていませんので、どうかjazzyさんも気にされないでください。実のあるお話が大事ですので。
私の場合は、登山を始めた高校時代、学生時代から、今にいたるまで、いつも周囲に山の先輩や友人たちがいました。いろいろなことを言い合って、現在まできました。
ネット上だけでなく、そういう山仲間が存在するという条件も、これからは大事だと思います。
tanigawa さんへ
このところちょっと忙しく返信が遅れ申し訳ないです。
GPSはガーミン社の GPSMAP60CSx でソフトはアップダウン製作所の Road Navigator for Garmin With Topographic Map です。
私にとっては「ベリー エクスペンシブ!!」で、無くした時は、思いっきり凹でした。
ただ地形図は実際の地形との違いを強く感じ、依存しすぎるのは良くないと、今回痛切に感じました。
サイトに書いてある軌跡は手書きです。森林の中など軌跡がかなり細かくぶれて汚く見えるので、GPSを見ながら重要な所はなるべく忠実に思い出して書いています。
とりあえず前回の続きはまず４）を続けさせて下さい、これも経験の浅さが色濃く出ましたが、まずこれ程まで時間がかかるとは歩いている間中思っていませんでした。また西農鳥岳の辺りでのテントの可能性も考えました。
１ヶ所良さそうな所が有りましたが、風も身体を押される一歩手前くらいあり、3000ｍの風の当たる所でテントを張るよりは、もう少し降るだけで、地図で見る地形は稜線の幅も広く斜面も緩やかに見え、遠めに見える地形も同じ様に見えましたので、建物や岩に囲まれた所で安心して寝たいと考え、又あわよくば農鳥小屋に倒れ込めるかもと、淡い期待を持ち小屋までの行動をとりました。
「危険なほど完全なオーバーワークで、〜」と書いたのは、この文章を読んで、安易に面白いだろうと真似して欲しく無く、少し強調しました。
この時の私の肉体的疲労ですが、私の主観ですが単純に疲労だけ考えると、今までの仕事の上で経験してきた中で、はるかに過酷な条件は数限りなく有り、今回はまだ意識もはっきりしており、3000ｍという高度のせいか、きれいな空気を大量に吸い続けたせいなのか、明かに今までとは違いクリアーに感じました。
しかし歩みは遅く１歩１歩進み、意識が濁ってくると、やはり危険なのでかなり細かく休みをとりなが
ら降っています。
tanigawa さんのメールアドレスは[email protected]−88でよろしいでしょうか？
GPSの軌跡は、あとで整理されたものだったんですね。
稜線で、農鳥小屋の手前で、支綾に誤って踏み込んだように記録されていたので、疲労度と夜間の行動の負荷が相当だったのではと、想像してしまったわけでした。
それにしても、最高機能のGPSですね。測定誤差がでにくい機種ですね。
森の中、谷筋などでは、それでもどうしても数パーセントのログで誤差がでますね。
軌跡の測定誤差は、カシミールの編集機能を使って、削除したり、正規のポイントに移動したりして、ならすことができます。
＞[email protected]−88でよろしいでしょうか？
HPで公開している、それでもOKですし、
ヤマレコの、tanigawa のプロフィール欄で公開している、
[email protected]
でも大丈夫です。
tanigawa さんへ
５）に対する返答
この後の文章は結構な長文で、登山を楽しむということからは、かなり離れていますので、これまでの経過を読まれて、それでも興味があると思われる方に読んで頂けたらと思います。
少し話が広がりますが、ブライアン・Ｌ・ワイス博士やＪ・Ｌ・ホイットン博士にある心理療法に記憶を過去へ遡って行くというものが有ります。ブライアン・Ｌ・ワイス博士はバリバリの左脳科学者だったのですが、どうしても避けられない現実に出会い、現在は前世療法を行っています。
これは偶然から始まったことなのですが、催眠状態の中で幼少からのトラウマを探すうちに、前世のビジョンと思われるものが現れるというものです。
かなり残虐な記憶の場面も多く、戦慄を覚えることも多々有ります。
患者はその場面を離れることも出来るのですが、涙を流しながら自ら望みその場面を見続けます。
するとその患者は、今まで何年、何十年と診てきた、あらゆる種類の医者達が手におえなかった肉体的や精
神的症状が劇的に回復するというものです。
そして、そういった経験を繰り返すうちにスピリチュアルガイドが現れ、助言を受けたりもする事も有るようです。
私は過去を振り返ると、死の匂いが近づき隣に座っていることも２〜３回はありました。しかし職種によっては、そういったことも全く特殊なことでは無く、多くの人間が経験しているし死んでもいます。ダライラマ14世の書いた文章で、「仏陀の教えに、最大の敵は最大の教師と有る」といったことが書かれたものが有りました。
困難な局面に出くわしたときに、すぐに回避したり逃げるのではなく、立ち向かっていくことで得ることが出来るものは、それを経験しないと個人の中に生まれることは、決して無いのでは無いでしょうか。
産まれた時から有る、身体能力や、環境、性別など人の数だけ違い、良い悪いではなく皆それぞれの段階で生きる意味について考えているのではないでしょうか。
今生活している現代社会も現実で有れば、自分と自然の関係も現実です。
人間の寿命は長くて100年位、人間が文化と呼べるものを築きだして数千年位？バクテリアの発生で大気中の酸素濃度が上がったのが19億年前と言われ、地球の誕生が46億年前と言われ、ミクロの世界では、質量が有るのか無いのか解らない極微のニュートリノの存在が発見され、毎秒660億個も私達の身体を突き抜けていると言われています。
ニュートンの力学からアインシュタインの相対性理論、そして量子力学へと、確固たる理論と考えられていたものは覆され、唯一変化しない常住なものは何一つ無く、全ては変化し続けているというのが現代の形而上学だけではなく、科学者達にも認識されてきている事です。
トムラウシの親子にしても、確固たる自信を持ち生きるという意識は誰よりも強かったでしょう。
しかし残念な結果になりました。
現代社会の常識という物も、その中で生きている現実も間違いなく有ります。
社会的モラルも重要で、法律も多くの人間が社会生活を営む上で必要です。
しかしその事に囚われ過ぎ、依存しすぎる必要は無いと思います。
現代の社会情勢、法律、一般常識にしても、とてもまだ洗礼されたものなどではなく、変化し続けています。
一昔前にアメリカンドリームは成功の象徴で、誰も疑問を持つことは無かった様に思います。
しかし地球の大半を占める発展途上国の存在もテクノロジーの発達により、リアルタイムで目にする事ができます。
かたや1日100円の生活費が無く、子供たちは勉強したくても出来ずにゴミを拾って生きていますが、かたや個人が何百億の金を持つことにどういった意味が有るのでしょう。
対象の現れに感じる、恐怖、不安、怒り、羞恥心、エゴ、執着、などは自分の人生の中で集められ、養われた意識の集積による、自分の中で作り出した対象でしか有りません。
肉体を鍛えるには、それなりの時間と努力が必要です。知識や論理的思考を育てるのも同じく、五感による感覚を育てるのも同じく、そして心や精神も同じく、現代科学ではまだ認知されていないエネルギーや、未知のエネルギーも同じくと思います。
例えば非常に金銭的にも社会的にも恵まれた環境で育ち、頭も良く社会で非常に責任ある地位に有る人間でも、むしろそういった環境で育ったからこそか、心や精神が育っておらず幼いままで、より広く自分以外の相手の立場に立って、悲しみを感じ取ったり、思考することが出来ない人間が多くいるように思います。
これは年齢に関係なく80歳だろうと90歳だろうと幼いままです。
鍛えられた精神はエゴや怒り、憎しみ、嫉妬、執着、拒絶などの人間の持つネガティブな性質を抑えコントロールする力を与えてくれ、他者の悲しみを敏感に感じ取ったり、そして美しさに気付きより深く感じる心や、強烈な感動を戦慄を覚え涙するほどに感じる心などを育ててくれます。
そしてその鍛えられた力により、その力を与えてくれた自然やその一部である人々の中に返すことができたら幸せではと感じています。
現在の私の心境により近い形で表現できたらと思い書きました。しかしこれもまた常住ではなく、これから得る知識や経験で変化していくことでしょう。
表現力不足で上手く伝わらなかったり、不快に思われた方がいらしたらお詫びします。
オシダを巨大こごみと思い4本食べた者が書いた文章に、ここまでお付き合いして頂き有り難うございます。
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