箱根恩賜公園はな暦

西湘BPから相模湾を眺めると、空と水平線の境が漠然とした、そんな靄った感じの午後、つつじの花を見に行こうと箱根を目指す。平日であり流石の箱根も渋滞はない。箱根恩賜公園に着いたのは二時少し前。三割ほどの駐車率。駐車場脇の豆桜が満開で人目を引いている。正面の階段を上る。足元の両脇に濃いめの菫が。左右には馬酔木が白い花を沢山付けている。随所に豆桜や山つつじが可憐な花を添える。ゆったりとしたスロープを登れば、富士山は見えないけれど芦ノ湖が前面に広がり、二階建ての洋館が佇む。スケールは大きいけれど箱庭のような景色。多くの外国人が枝垂れ桜をバックに写真を撮る。小鳥達の透き通った声が響き、警戒せず目の前を行き来するひと時。階段を下り湖岸沿いの路を行くと、すれ違うのはほぼ外国人のみ。声を掛けると人なつっこい笑顔が返ってくる。景色を褒められると、自分の事の様に嬉しくなる。海外で事件がある中、この国は本当に幸せだなと思う。残念ながら目的のつつじの蕾は固く、山のホテルも緑色のみだったが、のんびりとした至福の一時間半を過ごす事が出来た。