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題名にひかれたのと戦前のクライミングはどんなものだったのだろうと興味を持ち借りてきました(と言いつつ、自分はクライミングをやろうと思いません)。
Amazon:屋上登攀者 (岩波文庫) 藤木 九三
https://www.amazon.co.jp/dp/4003115619
1929年に出版された「屋上登攀者」を底本にした文庫本です。
著者の藤木九三はRCC(Rock Climbing Club)という、先鋭的な岩登りをすることを目的としたクラブを創立した方だとか。
本の内容はクライミング主体の山登りのお話です(もしくは、エドワード・ウィンパー他、著名な登山家とガイドと道具についてのお話)。
海外の登山家に憧れて自分も偉業を達成したい(または、誰も登った事の無いルートや時期に登りたい)という欲が原動力のようです(純粋に楽しいというのもあるだろうけど)。
登山の偉業なので当然のごとくクライミング技術が必要な山です(主に冬季のクライミング)。
物見遊山の登山者が増えてきた時代なので、俺たちのしている事はそんな連中とは違うんだよという自負があるのかも。
エドワード・ウィンパーもそうでしたが、本に書かれている時代のクライミングは一部のお金持ちにしかできない冒険だったようです(情報不足・知識・技術・装備・費用などの問題で)。
昔のクライマーは裕福な家庭で大学に進学して高収入の職に就く方が多かったのかな(「登山者=インテリ」の構図はここから来ている?今はそうで無いだろうけど)。
RCCは選ばれし者が集い、切磋琢磨して困難(山の壁)に立ち向かうサロンの様相だったのかしら。
この本には加藤文太郎について触れている章があります。
加藤文太郎の槍ヶ岳冬季単独登頂を褒めつつも著者の嫉妬を感じます(「アラインゲンガー」なる怪物にうなされて床に臥せている設定で書かれています)。
皆がライバルな時代だったのね(なかなか素直に認められない)。
自分の打ち倒さないといけないライバル(誘惑)は今日は寒いから暑いからと山に行くのを怠けるところと食欲かな。あとお腹のお肉。
saitama-nの日記:エドワード・ウィンパーのアルプス登攀記
https://www.yamareco.com/modules/diary/148886-detail-143321
saitama-nの日記:単独行を読む
https://www.yamareco.com/modules/diary/148886-detail-154686
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