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最初は濡れてひっついた枯葉か何かだと思っていた。そのうち掃除されるだろう。
3週間くらい経って、それの位置が変わっていた。
角の隙間にあったものが、より階段側へ移動している。しかも。
「なんか"手って"がついとうやん…!」
(博多弁ですみません。心の声が叫びになる時は、自然とネイティブ言語となってしまうのです。)
上から見ると、階段の縁に小っちゃな手が引っかかって見える。
上がりかけた段を降りて、まじまじと見た。
どう見てもコウモリ。
12〜3センチといったところだろうか、私の握りこぶしより小さい体を折り畳んで、階段の縁に小っちゃい手で必死にしがみついているように見える。
かわいい…。
暗くてよくわからないけれど、何やら毛の生えた耳のようなものも見える。
とりあえずスマホで撮ってみたのが、1枚目の写真。
この時、私は勘違いをしていたのだけれど、コウモリなんだからこれは「逆さにぶら下がっている」のであって、「小っちゃい"手って"でしがみついている」のではない。
確かにハムスター(昔飼っていた)の手足みたいに小さくて可愛らしいけれど、これはたぶん、足の指。
と、いうことは。鼻っつらだと思っていたのは尾てい骨あたりで、耳だと思ったのは足の付け根あたりのはみ出した毛である。
「かわいー!」とピントを合わせたのは、残念ながらコウモリの尻だった。
翌日も同じ場所にほぼ同じ格好でいた。
なるほど、翼の先に下向きにかぎ爪が1本ついている。こっちが手。
耳は全体に毛がなく、キクラゲのよう。
顔は…やっぱりくらいし、目をつぶっていてよくわからない。
風雨の強い夜で、コウモリの尻は濡れてしまっていた。
大丈夫だろうか。コウモリって寒さに弱いんじゃなかったっけ。
次の日もっと明るい時間に見てみようと、お昼頃探しに行ったら、いた。
実は、もしかしたら死んでるかもしれないと思った。何日も、少なくとも3日間はそこにへばりついているのだ。
もし死んでいたら土に埋めようと、ビニール袋と使い捨てビニール手袋を持っていった。ビニール手袋は素手で野生動物を触らないためで、野生の生き物からもらう感染症は怖ろしいらしいから。
ビニ手をした指でそっとつついてみた。
生きている動物の弾力を感じる。
背中の毛並みをさわさわしたり、折り畳んだ羽の筋?みたいな部分を押してみたりすると、わずかに動いた。
それはじっと見ていないと気づかないほど、かすかに、ゆっくりとであったけれど。
「動いた?ね、動いたよね?」
「動いてるじゃん。もう、やめてあげなよー」
一緒に見に来た夫もそう言うのなら、私の気のせいではなく本当に動いたのだ。
生きているならヨシ。
写真を撮ってその場を後にした。
(続く →)https://www.yamareco.com/modules/diary/181745-detail-325965
コウモリって高い場所にぶら下がってるって思ってたんですが、ナゼ⁉️
何日も、こんな場所に無事に居られることも不思議ですー
そうなんですよ。まさか足元にいると思わなくて。
無事に飛び立って、もっと安心な寝床を見つけてくれるといいです。
ありがとうございますー!
スマホアプリからだと、続きのリンクがないことに気づいて、本文中にリンクを足しました。
ご覧いただければ幸いです。
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