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秋に新潟へ遠征した時のことです。
1座目、巻機山は山中の避難小屋に一泊。下山後すぐ、2座目となる守門岳へ車を走らせている最中でした。
体はくたくたで、でもナビを頼りに初めての道を緊張しながら1時間半のドライブ。
日が暮れる前に登山口駐車場に着かないといけない。
山道に入ってしまえば街路灯なんかなくて真っ暗だろう。
車がすれ違えないような、ガードレールのない崖っぷちだったり、落石がゴロゴロしてたりする山道を、日が暮れてから運転したくはない…。
疲労と戦いながら運転していると、スマホのLINE通知がポコンと音を立てました。
続けてポコン。ポコポコン。10回くらい鳴ったと思う。
たぶん家族なんだけど、何だろう。気になります。
もしも万が一、家族の身に大変な事が起きていて、その連絡だったら…。
不安が膨らんで、車を苦労して路肩に止め、家族に電話をかけました。
その時私の車を迷惑そうに避けたコミュニティバスの様子が今も目に浮かびます。
交通量が少なく路肩が広めの場所を選んだつもりだったけど、申し訳ない。
家族のLINEは秋競馬の実況という、実に呑気な内容でした。
グループLINEなので特に私宛てという訳でもなく、出先と家とでやり取りしていたらしい。
「あははは。良かった良かった。なんかあったのかと思っちゃったよ」
「なんもないよー」
そうかそうか。
ほっとして、呑気な内容になごんで、またハンドルを握ったのでした。
その時の周りの景色、右も左も田んぼか畑で、少し先に交差点の信号機が見えていて、交差点の周りにも建物は何もなかったり、といったことを、なぜか鮮明に思い出します。
巻機山も守門岳も素晴らしく、感動した景色や出来事など、語るべきことは沢山あるはずなんですが、一番に思い出すのがこの時の家族のLINEなのは、なんだろうなあ。
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