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やむなく先を急ぐ。しばらく岩礁を進むと崖際に丸いステップのある個所を通過、洞窟から１０分くらいで毘沙門湾に出る。ひじきを干しているところを通過し、毘沙門漁港を回りこむ。振り返ると回り込んで越えた岩礁の突端の大きな岩が目を引く。この岩礁地帯は地層にしても大岩にしてもとても、景観上面白いも、考古学上重要な洞窟、地学上見学の価値のありそうな場所が多いが、残念なことに地元自治体や観光協会など、整備に熱心でないのか、目立つのは釣り客ばかりで、ハイカーなどは少ない。他の景勝地だと、目立つ大きな岩などには名前がついているケースが多いー―夫婦岩や猿岩などーー多分地元では名前がついているのではないかと思うが、いくつかの目立つ岩は名前が欲しいーー。盗人狩付近の大岩を「ギャオス岩」と誰かが呼んでいるサイトを見たことがあるが、そういうのがいいなーー。内容からしてジオパークに選定されても何ら不思議はないが、地元に熱心な推進者がいないらしい。早稲田大学大学院創造理工学研究科の修士の学生らが、三浦半島のジオパークサイトの提案を出しているが、地元では何の動きもないのだろうか？
http://www.dept.edu.waseda.ac.jp/earth/geop/Miura-geosites2013.pdf
三浦海岸の南部は三浦市、荒崎や佐島を入れれば、横須賀市の西にまたがるのでめんどくさいとしても、三浦市だけでも申請は可能ではないだろうか？ーーまあ、何もしなくとも、三崎港や油壷、城ヶ島などの観光地があるのでもう十分というところでしょうか？既存の関東ふれあいの道の維持管理だけでも忙しいのでしょうかねーー？？
さて、11時ころ毘沙門漁協を通過、ここから盗人狩までが今日のハイライトー漁港の整備を行っているのか、土木機械が作業をして、岩礁の道の道標もごみの山の中に半分埋もれているようながれきの間を進むと、海岸べりに盗人狩への岩礁歩きが再開。２０分余り、うねるような地層とでこぼこの岩礁を進む。山登りとは異なる岩礁歩き、たいしたことないようでも結構のアップダウンで意外と疲れる。振り返ると毘沙門湾の東側の岩礁の突端の岩山には大きな鼻のようなものが見え、あたかも「大魔神」の顔の上半分のようだ――？？漁港から１５分くらい、鬼の洗濯板をうねらせたような、大蛇がうねるような岩礁地帯を進む。このあたりがすばらしい景観でここだけでも来る価値があるように感じる。そして前方の崖の突端にカタツムリかスッポンが首をもたげたような――誰かが書いていたギャオス岩が見えてくると、間もなく「盗人狩」に到着する（写真2）−11時半になった。ここは断崖絶壁になっていて、盗賊が住民に追い詰められて捕まるという崖に下に出る。看板が立っている。たしかに垂直に近い30mの断崖絶壁に追い詰められれば足がすくむだろうーー。今日は比較的波が静かで釣り人が多い。このあたりの岩礁はハイカーより釣り人のほうが多い。満潮時や海が荒れている時期を除けば、さほどの困難はないが、結構足は疲れる。
岩礁の道をさらに進み、振り返るとさきほどの盗人狩付近の「ギャオス岩」がなにやらトドかアシカの顔に見え、さらに進んで遠くから見ると、突端の岩が顔、その手前の崖が体に見え、全体のM形曲線がトドの全体像に見える（写真3）。またこのあたりはプレート運動との関係で水平方向に強い圧力がかかり、山と谷が連続する褶曲地層が見え、特に毘沙門と剣崎間は山型の「背斜」という地層が見えるようだ（地学用語では山型が背斜、谷型が向斜というらしい）。少し先でコンクリートで固めたような細い道が出てきたが、どうやら崖上の施設の下水管カバーのようだ。
盗人狩から15分くらいで宮川湾への道標が現れ、少し先でようやく宮川湾が見えるところまでやってきた。宮川フィッシャリーナを通過、フィッシャリーナとは、プレジャーボートが係留できる港で、農水省の音頭で漁業者と行楽客の共存を目指して作られた施設らしい―管理者はみうら漁協だ。12時5分、まるよし食堂を通過、ここで食べたいところだが、今日は初めて品川でマグロ券などのつくお得切符を買ったので、その券が使える三崎港まで進まねばならない。3�匐�、12時40分過ぎにようやく目的地の「三崎フィッシャリーナ・ウォーフ うらり」に出る。ここで昼食をとる。
