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写真2）戦前航空機の滑走路があったという低地、自衛隊基地周辺で長井高原遺跡という古代の遺跡が発見されたという
写真３）ソレイユの丘から長井浜を見下ろすー台地の上には長井台地遺跡群―旧石器時代から古代までの数多くの遺跡があるらしい
横須賀市立自然人文博物館で開催されている「三浦半島の考古学」講座の中の遺跡の実地見学のため、朝三崎口に向かう。
30分くらい前に到着するが、あちこちに人の塊があり、ハイキングなど様々な人々がそれぞれ集まっている。しばらくすると講師の稲村氏があらわれ、得意の稲村節の考古語りが延々とと続く。10時になりバス停に移動、ソレイユの銛方面に向かうが、途中でバスのエンジンが動かなくなり、ソレイユの丘入り口付近で仕方なく下車し、歩くことになる。バス代は無料となった。丘目指して歩き始めると途中で立ち止まり、三浦半島の地形と遺跡の関係について、周囲の地形を見ながら話を始める。
三浦半島では旧石器時代から人の生活痕跡があり、時代によってその一は少し異なるが、おおむね低地・平坦地は少なく、ソレイユの丘に向かう道も、かつては入江だった（縄文海進時代など）。今は三浦大根などが作られる畑だが、畑の表面にかつての海だった証拠の貝殻が転がっている。畑の土を掘り起こすので出てくるのだという。したがってかつては農地になりにくい原野だったという。また丘陵地帯では水のない場所が多く、旧石器時代の一時的なキャンプのような痕跡はあるが、通常の生活の場にはならないという。したがって、これらの土地に遺跡があるかどうかは、古い家がある場所がおおむね、土地や水の良いところで、その周辺には弥生時代から古墳古代にかけての生活の痕跡や遺跡が多いという。三浦半島の縄文時代では夏島貝塚など早期の遺跡が多いのが特徴でその時代は住みやすかったのか？、諸磯遺跡など前期の遺跡や中期後期の遺跡もあるが晩期は少ない。弥生時代では半島で農耕社会が成立しそうな場所は少なく、多くの遺跡は海岸線の近くで港のある場所付近にあるという。紀伊半島から始まったカツオ漁用の釣針や土器などが出ることから外から入ってきた人々が遺跡を残したらしい。漁業や海上交通を担う人々が弥生の終わりから古墳時代の初めにかけての150年間に集中し、それ以降は一度途切れて、古代に再び海上交通の担い手として、交通や湊の管理など、ヤマト王権と深い関係を結んだらしい。
耕作適地は半島南側のごく一部と逗子方面にあるが、長江桜山古墳もおそらく海上交通を支配した首長墓と考えられるようだ。
再び歩き出し、ソレイユの丘の手前で再び立ち止まり、自衛隊基地のある長井台地上の地形と遺跡について話が始まる。自衛隊基地のある低地より東側にある高台には畑の中に塔のような洋風の小屋があり、その後ろに小山があり、そこは経塚古墳（古墳終末期）がある。またその下のレーダー基地一帯は南北に長い平坦地があり、戦前は秘密の滑走路があり、「桜花」の試験飛行をしていて、火を噴いて海に激突する飛行機を住民が目撃していたという。そのレーダー基地周辺には長井高原遺跡など、長井台地遺跡群があり、旧石器から古代まで断続的に続く遺跡が高原遺跡数見つかっているらしい。ソレイユの丘周辺にも古代を中心とした遺跡があるという。ソレイユの丘の中に入り、遺跡群の概要の説明がある。丘からは大島や富士山、伊豆半島、鎌倉、江ノ島などが一望でき、海上交通のランドマークになるような古墳が要所要所に作られた。佃嵐遺跡のあった丘の最南端に出て長浜を見下ろす。いくつかの横穴墓が残っているという。この後いったん解散し、さらに一行は土器の拾える場所に移動し、長井新宿バス停に出るというが、12時を回り、左足が痛くなったので、ここでお別れし、ソレイユの丘からバスで三崎口に戻って、県立地球博物館に向かう。
