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写真��二枚橋遺跡付近の景観
写真��尻屋崎から北海道を見る
前日、函館から八戸に移動し、借りておいたレンタカーで４時ころ宿を出発し、むつ市の二枚橋遺跡や尻屋崎などを訪問してから六ケ所村郷土館に向かう予定。
早朝、まず東東北縦貫自動車（上北道など）に乗って田名部に向かう。６時過ぎ、田名部の代官山公園に到着、田名部氏城館跡を探す。公園内に看板はなかったが、発掘現場と思われるブルーシートの奥のトレンチの前を見ると発掘に関する情報が出ていた。はこれまでの発掘地域の地図や陶磁器などの出土品のこと、また代官山公園の看板には江戸時代１７世紀に南部氏支配の北東北で代官として家臣の赤星氏が着任し、この地に代官屋敷を築いたようだ。
次に弥生時代の遺跡でもある二枚橋遺跡に向かう。二枚橋遺跡の中で「二枚橋２遺跡」は縄文時代晩期を中心に、土器類のほか、土偶や土製仮面、石剣や石棒など祭祀色の強い良好な状態の遺物が多数出土して国の重要文化財に指定され、その後江戸東京博物館で開催された列島発掘展でも展示され見たことがある。
今回の主目的は弥生時代の二枚橋式土器で知られる二枚橋１遺跡で、海岸付近だが、正確な場所はよくわからない。
先に小高い丘陵上の陸上競技場のある中央公園内にあるはずの二枚橋２遺跡に行ってみたが、むろん看板もなく、縄文時代の出土品は重要文化財に指定されたが遺跡そのものは破壊され、今は競技場だけが立っている。丘の上から晴れていれば尻屋崎や北海道が見えるはずだが、クモが多く何も見えなかった。７時２０分過ぎ、二枚橋１遺跡はグーグルで示す場所まで行くが、ここも何の看板もなく遺跡はここでもおそらく破壊されている。海を眺めて北海道が見えるかどうか、見てみたかった。雲が多いがここまでくるとわずかに北海道が見えるようだ。
周辺景観を少し撮影してから尻屋崎に向かう。４０分くらい走り、８時過ぎに尻屋崎の入り口ゲートに到着。下北ジオパークの看板があり、尻屋崎の海底地形を含む地形地質の成り立ちや潮流、プランクトンや生物の食物連鎖などに触れている。下北半島の人類活動の基礎データだ。ゲートの手続きを踏んで車を入れると、右側は尻屋崎の牧があり、馬が柵のそばで寝転がっているのを撮影、傍に近寄ても少し体を動かしただけで振り向きもしなかった。日向ぼっこで気持ちよさそうに見えた。牧の先には「天然記念物・寒立馬」の解説板が立っていた。車を駐車場において灯台のある岬方面まで散策し、恐山方面や北海道方面を見る。北海道まで一番近いのは大間の方で大間埼から弥生併行期の遺跡で有名な恵山貝塚のある海岸線までは１５�劼曚匹靴�ないそうだ。潮流の関係であるいは丸木舟で少し流されて恵山方面に行けたのかもしれない。先史古代の船のルートがどうだったかは遺跡をたどるしかないが、明確に認識することは難しい。駐車場にはそこそこ車で埋まっていたが、GO TO キャンペーンでも人出はまだまだだ。むつ市は市長が旅行者来るなメッセージで、市内の施設はどこも入れない。むつ市の埋蔵文化財収蔵庫を見たいと連絡したら怒られてしまった。海の向こうの風景のほか、海難慰霊碑や様々な文学碑、砂防林に関する碑など様々な石碑がある。 ８時４０分前に尻屋崎を出発し、六ケ所村に向かう。途中、尻労安部洞窟遺跡のことが頭をよぎったが、立ち寄る時間はないので六ケ所村へと急ぐ。後で調べると、現状では洞窟遺跡は公開発掘の日など以外は接近できないらしい。
９時２０分前に郷土館に到着し、展示解説をお願いした学芸員の菅野氏に挨拶、さっそく解説が始まった。六ケ所村郷土館は２０１５年の北東北遺跡団体ツアーの前に個人的に訪問したがその時は学芸員はいなかった。この周辺の発掘調査を行っている東海大学の松本建速氏から学芸員が入ったとのお話を聞き、連絡したのが今回。菅野氏は縄文遺跡が専門という。
まず六ケ所村をめぐる地形や地理的説明からこの地域の特徴を話される。下北半島の北部から吹越烏帽子岳の山系が延び、かつては優良ヒバの産地として知られ、尾駮はヒバの集散地として知られた。南東側は低地でウグイなどの内水面漁業や沿岸ではイカ、アワビ、ウニ漁などがが古くから盛んだった。、次に縄文海進時の当時の海岸線などの話から遺跡の話に移行した。縄文時代早期には海岸線が現在の沼地西側まで入り込み、ヤマメの放流で知られる老部川(東通村の老部川とは異なる）などではサケ、マス、アメマス、サクラマスなどが取れ、この地域の縄文人たちの暮らしの糧になっていたようだ。旧石器・縄文移行期には、神子柴長者原石器群で知られる長者原遺跡が野辺地の近くにある。縄文時代早期には六ケ所村周辺のかつての海岸線に沿って多くの遺跡があり、早期の微隆起線文土器が多く出土する（1万年以上前から。）この系統の土器は東北から九州北部まで分布し、東日本にも多い。この地域は八戸、三沢と並んで貝塚の多い地域で、特筆すべき遺物の一つとして手形足形土製品がある。このうち大石平遺跡のものは手足がそろっていることなどから重要文化財に指定され、青森郷土館に収蔵展示されている。またキノコ形土製品もあり、食料説と幻覚説があるそうだ。
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