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写真��突帯文土器とイネ圧痕
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11時50分過ぎ、近つ飛鳥博物館から駐車場に向かい、一路弥生文化博物館に向かう。高速に乗り12時40分頃、弥生博物館に到着し展示を見る。1時に整理券が配られ、1時半に開場。コロナ対策で絞ったので、いつもの半分以下の参加者で講演は始まった。展示では縄文晩期の突帯文土器と遠賀川式土器との関係、籾圧痕や出土米が突帯文に伴うのか、遠賀川式に伴うのか、その両方なのか、時期差などをめぐって現在も議論が続いて決着はついていないという。今日の講演者の副館長秋山氏は、これを同時期と見ている。縄文研究者の中には突帯文土器と遠賀川式土器には時間差があるとする研究者も少なくないという。展示や図録解説では縄文農耕、「園耕民」について研究の歴史を記述している。
大阪府寝屋川市・四条畷市讃良群（さらぐん）条理遺跡では近畿最古級の弥生土器と突帯文土器が出土、両土器の出土位置は少しだけ異なるが、弥生土器の易経を受けた突帯文土器もあり、両者は深い関係にあったとみている。
設楽博巳氏らの研究グループは長原式の圧痕はアワのみで、遠賀川式（系）の土器圧痕はイネとアワであった。後者の大部分はイネで、両者の生業の違いと見ると、長原式などの突帯文土器は縄文系の生業にアワ・キビ栽培が伴い、遠賀川系・弥生土器グループは稲作を中心とした生業を行っていたとみることもできる。突帯文土器グループの土器にイネ圧痕がある場合でも、当事者が栽培しているのか、周囲にいる弥生稲作民から入手したものかは、不明だ。
図録では弥生水田に関して、堰や水路、畦などの土木工事などに関してその歴史をたどり、検討している。さらに弥生の畑に関して列島や韓国の調査例を挙げ、韓国では畑が水田面積の7倍あった事例を紹介、しかし冷涼な韓半島の場合と温暖な列島の場合では畑作の重要度は異なり、稲以外の炭化物窯となって出土した例があまりないことなど、畑作の重要性を疑問視する見解もあるようだ。水田の場合、その性質から連作が可能だが、畑の場合は知力維持に問題があり、連作ができにくく、また列島での畑の痕跡の発見例では居住域付近の菜園的な性格が指摘されている。
なお、弥生時代に関する議論の歴史と現状に関しては、図録の最後に館長の禰�電鳥瓩硫鮴發�要領よくまとめてあり、参考になる。
講演の冒頭で秋山氏は計画では4名の大学などの研究者による講演が準備されるはずだったが、コロナ問題でそれが断念され、当館の学芸副部長と副館長による代打講演となったと説明しているが、これは残念なことだった。
講演終了後、16時過ぎに急いで津市まで戻って車を返却し、名古屋で「光」に乗り換えて帰宅の途に就いた。
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