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写真��天神平遺跡の出土品（縄文土器、石器など）
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戦後まもなく、相澤忠洋により関東ローム層の中から後期旧石器時代の石器が発見され、登呂遺跡では弥生時代の住居や水田跡が発見された。
同じ頃、福島県内でも首藤保之助氏は成田遺跡からナイフ形石器などを採取、以来県内各地で遺跡発掘が行われ高校の史学クラブなどで学生を中心とした考古学調査活動が盛んになった。
職員の方に尋ねるとナイフ形石器は出土した地層が開発で消滅し、記録の不備もあり、明確には年代を確定できないが、石器の形式などの情報から後期旧石器時代の３万年前の姶良丹沢火山灰層の直下、３万年前以前のものと埋文センターの専門家は推定している。
その後、戦後の開発により緊急発掘調査の要請が増加し、行政側に体制が整っておらず、設立された福島考古学会の会員らが応援に回ってしのいでいたようだ。
双葉町の沼ノ沢古墳群など、福島県学生考古学会が設立され手活躍した昭和２０年代の発掘調査では浪江町の沼ノ沢古墳群の調査（展示では双葉町教育委員会による調査の出土品が展示）のほか、個人蔵の成田遺跡のナイフ形石器・石刃、天神平遺跡の縄文土器、石棒などの展示。
福島県考古学会が設立された昭和３０年代に発掘が行われた郡山市の弥生遺跡＝御代田遺跡、田上遺跡の縄文土器など
福島県史刊行のころとして昭和４０年代以降の大規模開発に対応した発掘体制の確立に尽力され、列島の自然や遺跡破壊の進む中で、楢葉町天神原遺跡や郡山市柏山遺跡の弥生土器、古殿町三株山麓遺跡の縄文土器など、夏井廃寺出土の瓦、そのほか、「懐かしの調査風景」として白河の関周辺採集遺物として土師器、金山村三森（現白河市）採集石製模造、など、多くの興味深い考古遺物や発掘風景写真、調査ノート、各考古学会設立趣意書や刊行物などの資料展示などがあり、貴重な展示が並んでいた。
三株山遺跡：昭和40・41年の調査で、後期〜晩期（約4,000〜2,500年前）の縄文土器や石器・土偶などが見つかっています。
郡山市御代田遺跡：弥生時代のはじめ頃の土器がたくさん見つかった遺跡で、福島県の弥生時代研究のさきがけとなりました。
浪江町沼ノ沢古墳群：戦前には少なくとも前方後円墳1基、円墳6基が存在したが、海食などによって3号墳を除き全て消失している。3号墳は直径約18m（周溝含む）の円墳で、横穴式石室やその周辺から金銅製耳環や勾玉、武器、土師器、須恵器などが出土した。調査後、保存措置が取られたが、資料や写真を見る限りこの古墳も海食による崩壊の危機が迫っている。原発災害で現状は見学不能らしい。
天神原遺跡：県指定史跡（昭和55,3,28指定）
天神原遺跡は楢葉町を流れ太平洋にそそぐ木戸川河口のすぐ北の台地上にあります。木戸川は現在も鮭漁でにぎわう川です。
昭和37年に土地耕作者の山内茂氏がひとつの土器棺を掘り上げて注目を集め、昭和39・40年に小規模な発掘調査が行われました。その後、昭和54年に天神岬スポーツ公園建設計画が持ち上がり、楢葉町教育委員会による大規模な発掘調査が行われました。
調査の結果、弥生時代中期後半（およそ2,000年前）の集団墓地が現れ一躍脚光を浴びることになります。壺形、甕形の土器を上下に組み合わせた「土器棺墓」が33基、地面を大人の身長分くらい楕円形に掘っただけの「土坑墓」が49基見つかったのです。「土器棺墓」は小児用の墓、「土坑墓」は大人用の墓と考えられています。東日本の弥生時代の墓地としては最大級の遺跡です。
墓域全体は３つのブロックに分かれることから、3つの地縁的集団の共同墓地と考えられています。
＜土器棺墓＞
身となる土器の中に遺体を入れ、別の土器で蓋をした棺です。
２つの甕形土器を身と蓋に用いたものや、輪切りにした壺形土器の上半部を蓋にしているもの、あるいはひとつの壺形土器を輪切りにして下半部を身、上半部を蓋にしたものなど組合せはさまざまです。
天神原遺跡では別に土坑墓があることから、土器棺墓は小児用と考えられています。
＜土坑墓と勾玉＞
土坑墓とは地面に穴を掘って遺体を埋葬したお墓です。天神原遺跡では長さ約200cm、幅約70cmの大きさが一般的で、大人を横たえて埋葬したと考えられます。
33基の土坑墓のうち２基だけから玉類が見つかりました。１号土坑墓からは勾玉58個、２号土坑墓からは勾玉26個と管玉１個が出土しました。いずれも流紋岩質凝灰岩でできています。この２つの墓は天神原集団の中で特別な力をもった人だったのでしょう。
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