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写真��元総社蒼海遺跡群出土の小金銅仏
写真��宿大類塚之越遺跡-顔の線刻の勾玉
倉賀野駅に戻り、前橋市の臨江閣の同展示会に向かう。高崎市ではこれより先に寄り大きな会場で展示会を行っていたがそれには見学に行けなかったのでやや小規模でも取り敢えず見に行った。前橋駅でいつものレンタサイクルを借りようと西口駐輪場に行くとなんと方式が変わりシェアサイクルになっていた。あわててアプリをダウンロードするが登録がうまく行かない(帰宅後、冷静になってアプリのダウンロードと登録を行うことができた）。
諦めて歩き始める。臨江閣まではバスで県庁前辺りから歩くのが早くて楽だがお腹が減って倒れそうなので1キロメートルほど歩いて「ぱずー」というカフェに入ってエビとキノコのクリームパスタとコーヒーを注文。クリームパスタはかなりスープパスタに近いものだった。味は濃厚でおいしい。前橋駅の改札のすぐ外のお店ではランチパスタが1600円もしているが、ここはその半額だった。なお、このパズーというお店はSMSなどに出すような店内写真を認めていないという。
このお店から臨江閣まではなお1.3km以上ある。途中バスを使う手も考えたが、なかなかバス停がないので歩くことにした。結局20分くらい歩いて臨江閣に到着。
会場内に入り、「東国千年の都の発掘最前線」と称する2021年度を中心とする高碕・前橋市の発掘調査展を見学。
若田坂上遺跡は高崎市西部の八幡台地【八幡台地】上に立地。縄文時代中期から古墳時代後期にかけての竪穴建物跡を確認。弥生時代後期の礫床墓を検出し、人形土器二体や鉄製腕輪（＝螺旋状鉄釧＝高崎市初）を出土（写真� 法�この八幡台地は八幡観音塚古墳などで知られ、昨年12月に群馬県埋文の高崎競馬場遺跡に関する講演を聞きに行く途中で立ち寄った若田大塚古墳など八幡台地上にある大きな高碕八幡霊園の中にある遺跡や近くにある著名な剣崎長瀞西古墳などを見学した時に車で走った場所。剣崎長瀞西遺跡からは渡来系の遺物が多く出ている。この遺跡でも8基の古墳跡を発見し、4号墳からは鉄製馬具（瓢形環状鏡板付轡）などが出ている。
出土した弥生時代の人形土器は壊れていて顔の部分と底の部分が出土したが、形状から上下がつながった人形土器と考えられている。人形土器あるいは人面付き容器は全国でも少数しか出ていないものだ。
このほか、若田金堀塚遺跡でも弥生後期の礫床墓と鉄釧、焼成粘土塊（土器づくりの痕跡）などの他、古墳時代中期の竪穴建物の埋め土からは焼成粘土を検出、また7世紀の建物跡からは毛彫りの杏葉（飾り馬具）や浅間B軽石（1108年降下）の堆積から墨書土器が出土、周辺の竪穴建物から金属製帯金具や陶製円面硯なども出土、古代片岡郡衙関連の遺跡の可能性があるようだ。
また井野川右岸の後背湿地にある宿大類塚之越遺跡（宿大類町）は東山道（牛堀矢の原ルート）にかかわる側溝の一部を検出し、古墳時代前期から平安時代の遺物包含層から黒色の滑石製勾玉を出土、線刻が施されて顔が描かれ、滑石使用や鋸歯紋のデザインから古墳時代中期を想定しているようだ（写真��）。
前橋地域：元総社蒼海遺跡群は春奈さん盗難六の相馬が原扇状地端部と前橋台地との境にある古墳時代から平安時代にかけての竪穴建物群、平安時代道路状遺構や中世蒼海城の堀跡などを確認している。
写真�△呂修琉篝廚�ら台座を含めた傘10�僂両�金銅仏が出土、右手先と天衣、持物の一部が欠けるほかはほぼ完形の観音菩薩あるいは天部の像という。共伴する須恵器の年代から11世紀前半と推定している。また近く（75街区）から法具や小金銅仏などの鋳型、坩堝、鳥瓶、銅滓など。銅製品鋳造に関係する建物が出土、工房と考えられている。
赤城山西南麓の白川扇状地の扇端部にある上細井中西部遺跡群は、土地改良事業に伴い発掘調査が行われ、平安時代の建物群などが検出された。そこからは文書作成用の水差し＝平瓶＝野生銅製帯金具（鉈尾）、墨書土器、鍛冶遺構など、官衙関連遺跡と推定されている。
また赤城南麓の緩斜面にある荻窪倉兼�薫篝廚�らは奈良時代初期の大型建物、掘立柱建物群が検出され、仏像や墨書土器などからこのあたりを治めた郡司氏族の居館跡とも推定された。
さらに同南麓末端の丘陵地にある上泉下中峰遺跡からは、古墳後期から奈良・平安時代の建物跡が多数出土し、その中には「氷室」状遺構や郡衙関連の厨施設などが検出されている。元総社町の上推定野国府関連遺跡の礎石建物跡などの展示もあり、「東国千年の都」と題した遺跡展もなるほどと思わせる。
最後に群馬県庁から来た5.5kmの赤城山斜面と」広瀬川低地帯の現在の水田地帯の道の駅「まえばし赤城」の整備事業に伴う調査で6世紀初頭の榛名山二ッ岳噴火に起因するHr-FA洪水層に覆われた古墳時代の水田跡と天仁元年（1108年）の浅間山噴火を起因とするAs-B軽石層に覆われた平安時代の水田を検出した。
古墳時代の水田は南北16条、東西36条＝270面の小区画水田で遺存状態は良好、大畔も出ている。一方、As-B軽石下の水田は平安末期の条里型水田で南北・東西7条、水田22面の」大規模な条里型水田で、古墳時代の小区画水田の後には大規模な条里型水田が作られたことを証明している。その両水田遺構の痕跡は展示された航空写真にくっきりと映し出されていた。
この地域の発掘展は何度か見学に来ており、確か昨年か一昨年にもこの臨江閣での遺跡展を見ている。一昨日に今日が最終日と気づいて慌ててきてみたが、やはり来てよかった。「東国千年の都」の最新発掘事情を知ることができた。帰路は群馬県庁付近のバス停まで歩いてバスで前橋駅まで出ることができた――自転車を含め、結構歩き、足を使った。
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