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これまで、考古学的な発掘調査で埋没林の発見はそれなりに各地に存在しているが、それらは根っこだけが残ったり、炭化していたりで、フレッシュな状態の幹がこれだけ残っているものは初めてだった。考古学調査では、「地すべり」による埋没林という結論は、それなりに受け止められるが、その詳しい調査がかながわ考古学財団から、県立博物館や大学その他の研究機関に研究協力の要請があり、県立地球博物館では地質地形調査という観点から参加することにした。そのほか、木材の年代測定や、年輪年代学的な研究、鳥の羽、昆虫、コケ、樹木やササ類、灌木類などの詳細調査が、様々な研究機関、専門家により同時並行して進められている。
できれば、この貴重な埋没林を天然記念物として現地保存、資料館設置など、してほしかったが、それはかなわないらしい。考古学財団も人為のともなわない埋没林に関しては、文化財の範疇にないので保存処理などの体制が取れず、地球博物館の予算で一部の資料の保存体制を試みるだけに終わっていることは残念だ。
懇話会では、地球博物館の学芸員の西澤文勝氏が地質学的な調査の概要を解説し、た。考古学財団のいう「地すべり」の地質学的な解明をどのように行うのか、それには、この付近を南北に縦断する伊勢原断層を含め、この場所の地形や地質の詳細を明らかにして地滑りがどのような要因でどのような範囲でどのように起こって樹木がどのように埋まったのか、関連地層の構成粒子や、関連火山灰の堆積、土砂の流動など、とりわけ深く関連する天城カワゴ平手フラとの関係など、これまで分かったこと、今後の詳細調査をどのように行うか、埋没林の一部の保存をどうするか、など開設され、またカワゴ平噴火と関連する岩石の展示、保存研究中の埋没林断片の見学など、貴重な経験だった。
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