10月28日(土)東アジア古代文化を考える会の縄文時代末期の東西交渉

2023年10月29日 07:59講演会・研究会全体に公開

10月28日(土)東アジア古代文化を考える会の縄文時代末期の東西交渉

東京大学考古学教室の根岸洋先生の縄文弥生移行期の東西交渉の話を聞く。川崎市の橘樹郡が遺跡の見学会から、急いで武蔵中原駅に戻る時、チャリ返却ポートが一杯で返却できず、手間取り、だいぶ時間が押してしまい川崎駅に出て上野東京ラインも、トラブルがあって遅れぎみ、それでも神田駅に何とか二時半頃に到着。講演は二時からでオンラインも申し込んでいたので話ははじめから聞くことができた。先生は秋田の出身で東北地方の先史考古の研究、発掘調査の経験が多く、縄文時代晩期、西日本に大陸の人や文物、稲作農耕文化などが入ってきた頃、精巧な亀ケ岡土器や土偶で知られる亀ケ岡文化が南下して、亀ケ岡土器に似た土器が南西諸島にも見られるようになる時期、何が起こっているか～という話。亀ケ岡文化の土器紋様に見られる工字文が、北陸経由のいわゆる遠賀川式土器などの文様に組み込まれている事例などを紹介し、この時期東西の交流、取り分け遠隔地交流と思える動きが目立ってくるという。美しい亀ケ岡式土器は、西日本で広く見られ、受け入れられるが土器と共に何が運ばれたかはまだよくわかっていない。塩釜などの仙台湾などで作られた塩や翡翠、干しザケ、干し貝などが考えられるか？西からはコメや金属器などが時期にもよるが東北の人々は求めただろう。根岸氏は、西日本各地の亀ケ岡土器と思われる土器や出土品を調べて歩き、東西交渉の研究を続けてきたらしい。また二番目のトピックとして、この時期の漆工芸文化を取り上げ、東西の漆工芸文化の違い、弥生時代以降の漆工芸文化の断絶と継続の様子を検討、漆工芸に使われる彩色原料である水銀朱、ベンガラに関して、産地分析の可能性などを検討、特に水銀朱に関して産地分析が、ある程度可能となり、北海道、奈良、三重の丹生の水銀や四国の若杉山などの主要産地の水銀朱がどの地域で使われてきたか、また中国の水銀朱が輸入されたと思われるケースなど、漆工芸と水銀朱から、この時期の東西交渉の実態を解明しようとしている。質問時間となり、東西交渉、交易がどのように行われたのか、その主要ルートについて質問したが、根岸氏は新潟がその鍵を握る場所のひとつと考えている。ヒスイ交易や後の鉄器交易など、新潟の港が重要な交易上の中継地となっているという。この認識は私も同じだ。無論先史時代の港は遺跡としては出てこないので推測するしかないが、周辺の遺跡の出土遺物はそうした可能性を示唆している。
　また、海を通じた交通に関して、準構造船がいつ頃登場したのか、古墳時代には、明らかに出現しているが、弥生時代はどうだったのか、土器の絵画くらいしか、遺物が少ないのでわからないが、中国では殷墟から出ていて、古くから存在した可能性を示唆。

2023-10-28 10月28日（土）橘樹官衙遺跡

2023-10-29 10月29日(日)太安万侶展、

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