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写真�▲�クマン山古墳の鷹匠埴輪
写真⓷世良田諏訪下遺跡3号墳の埴輪列
新田荘歴史資料館には太田市の考古資料の常設展示もある。縄文時代に関しては、下宿遺跡の縄文草創期の爪形文土器は見ごたえがある。この時期の土器で完全な形に復元できるものは貴重だ。爪形文のバリエーションに関する解説図もわかりやすい。これはいくつかスケッチを試みた。
弥生時代のものはあまり見かけなかったが、古墳時代の埴輪は優品が多い。まず東日本最大の太田天神山古墳出土埴輪では水鳥や円筒埴輪などが展示されているが、何といっても素晴らしいのはオクマン山古墳の鷹匠埴輪や巫女などの人物埴輪が並ぶ。
また世良田諏訪下遺跡3号墳では平安時代の洪水層に埋まった古墳から大量の埴輪が出土し、埴輪列の様子が明らかになった貴重例だ。その他、新田郡関連出土品や解説など、その後の新田荘につながる古墳時代末から古代の展示も多い。
参考：下田遺跡（太田市HPより）
下田遺跡は、東武鉄道伊勢崎線木崎駅の北東、木崎台地の東縁に立地しています。平成2年（1990）に工場建設に伴い発掘調査が実施され、2号河道と名づけた河跡から縄文時代の中期や後期（およそ4,000年前）の遺物が多量に出土しました。
「片口付烏帽子形漆器」（右写真）は烏帽子を逆さにした形の偏平な容器で、片側に注ぎ口が付いています。「把手付漆器」は口縁部から胴部のおよそ半分が残存しています。「藍胎漆器」は口縁部のみの小破片ですが、籠の上に朱と漆を混合して着色したと考えられ、朱の使用例としては現在のところ日本最古級の資料です。
片口付烏帽子形漆器、把手付漆器、片口付漆器の破片や石斧柄などの木製品や土器は、約3,000年ものあいだ水に浸かり続けたため偶然に残ったもので、県内ではほとんど類例がなく、特に木製品は全国的にも出土例の少ない貴重な資料です。これらの他に縄文時代中期から後期の「漆で彩色された土器」8点などが指定されています。
「下田遺跡パンフレット」を見る →[PDFファイル／2.94MB]
指定区分 県指定重要文化財[考古資料]
指定年月日 平成17年3月25日
所在地 太田市新田大根町998-10（新田文化財事務所）
参考２：オクマン山古墳（太田市HPより）
オクマン山古墳は宝泉（由良）台地の北端、脇屋正法寺の東方250ｍの城西町（旧脇屋町）地内にあった円墳です。大きさは直径35ｍ、高さ3ｍ前後の古墳であり、墳丘は3段に造られていたものと推測されています。これまでに、昭和25年（1950）、45年（1970）、48年（1973）、平成12年（2000）、13年（2001）と5回の発掘調査が行なわれています。飾り馬のほか、鷹匠、鍬をかついだ男子、帽子をかぶった人物、家・太刀・盾・靫（ゆぎ・矢を入れる道具）・翳（さしば・貴人に差しかざす道具）などの形象埴輪が出土し、埴輪配列は、封土に接して、人物、馬、家等の形象列、その外周に1列ないし2列の円筒列があったと推測されます。古墳が造られた時期は、埴輪の特長などから6世紀後半と推定されます。
参考⓷：世良田諏訪下遺跡（古墳群）＝太田市HP
世良田諏訪下古墳群（せらだすわしもこふんぐん）は、東武伊勢崎線世良田駅東南で、国道17号パイバス（上武国道）南側に位置します。平成3年（1991）〜5年（1993）に実施された尾島第二工業団地の造成に伴う発掘調査から、古墳時代の竪穴住居5軒・墳墓73基（帆立貝式古墳4基・円墳69基）・溝1条、平安時代の竪穴住居13軒・館跡1基・土抗4基・溝83条・地震に伴う洪水層に覆われた水田・畠、中世から近世の土抗729基、溝196条・井戸20基などが発見されました。
群馬県の重要文化財に指定された遺物は第3・23・30号墳から発見された埴輪群（形象・円筒埴輪）です。この埴輪群の中には、埴輪の基部が造立当時の位置で確認できたものや、古墳時代の祭祀儀礼の様子を表現したものがあり、古墳時代後期（6世紀前半）の小首長の祭祀を考えるうえで貴重な資料です。
「世良田諏訪下遺跡」パンフレットを見る[PDFファイル／2.81MB]
指定区分 県指定重要文化財
指定年月日 平成12年3月21日
所在地 太田市世良田町3113-9（新田荘歴史資料館）
太田市新田大根町916-1（新田文化財収蔵庫）
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