新潟市文化財センターで開催中の「道正遺跡」などを中心とした日本海と内陸を結ぶ交通路に関連した展示をみる予定で新潟駅からレンタカーでまず古津八幡山弥生の丘資料館に向かった。まだ開館前だったので隣の新潟県埋蔵文化財センターに立ち寄る。ここでは柏崎市出土の中世の金箔付き木製卒塔婆を中心とした企画展があるのでそれを見学、中世柏崎には、三つの中世荘園や館跡、都市的な集落跡などが調査され、土師器や陶磁器の他、茶臼、渡来銭など様々な遺物が出土している。柏崎市の小児石遺跡からは五輪塔や宝篋印塔の残欠などが出土、金箔付き木製卒塔婆が出土したのは柏崎市の丘江遺跡で柏崎平野の有力者毛利安田氏と関係があるようだ。集落遺跡からは、土師器、珠洲焼、越前焼、唐津焼、古瀬戸などの他、輸入青磁、白磁など、多彩な遺物が出ている。15世紀前半頃のものが多いようだ。茶臼は、鎌倉時代にお茶の文化が禅宗等とともに中国からもたらされ、この時期には茶を嗜む風習、文化が上層階級には芽生えていたようだ。
金箔付き木製卒塔婆は、水田畦畔の沈み込み防止用の杭列の範囲内から出土し、供養のために使われた卒塔婆を畦畔材として再利用されたらしい。卒塔婆には、種子や蓮台の絵やクリークという梵語文字などが描かれていた。
室町時代の渡来銭は、柏崎平野の北端の河川合流点付近から珠洲焼壺の中から10.647枚も出土。後漢時代の五銖銭から、北宋銭、唐銭、一番新しいのは紹豊元寳(陳またはベトナム14世紀)などで、珠洲焼は14世紀半ばころのもので、その時期に埋められたようだ。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する