番組の始めから終わりまで、切れ目無くテレビカメラの被写体になり続けるのだから、出演する彼らも長時間の緊張で決して楽ではあるまい。
彼らプロの登山装束や山道具を見ていると、昨今の登山風俗の流れの一端が理解できる。
山中で遭遇する一般登山者は、最新流行の山岳ファッションを身に纏い最新の山道具を持つ人が多く、特に初心者にはその傾向が大きい。
プロの場合は、着用・使用の体験で取捨選択された装束と道具を愛用するので、ひと昔からふた昔(10年〜20年)古い時代の風俗の様に見える。
アマチュアと違い消耗が激しいので常に新品に換えているのだが、着慣れ使い慣れた同じ使い勝手の製品を求めるので、外見だけが何となく旧風俗になるのであろう。
番組には、しばしば女性の山岳ガイドが登場する。
女性の山岳ガイドなど、自分の岳会現役時代(1956〜1961)には想像することすらできなかった。
当時、山案内人組合が各地にあったが認定制度もなく、農業・林業・狩猟を生業とする人達や山小屋主人などが副業として山案内をしていた。
一般登山者が職業案内人の案内で登山することが極めて稀だったし、勿論のこと案内人は男性ばかりであった。
認定制度による山岳ガイドが誕生したのは、1970年代になってからの事と記憶している。
山案内人組合に代わり、全国的な日本山岳ガイド協会(現名称)が設立され認定制度の運用主体となった。
始めは圧倒的に男性の仕事であったが、山岳観光が盛んな最近では多数の女性ガイドが登録されているようである。
今では一般登山者が直接契約、又は旅行会社のツアー登山に参加して山岳ガイドに案内される時代になっている。
自分はガイド登山の経験がないが、テレビで見ている限り女性山岳ガイドには華があって気持ちが和む。
山岳ガイドの場合は厳しさもあるが、一般に観光業界のツアーガイド、バスガイドなどは昔から女性が多かったのである。
近頃、「美しすぎる○○○○」と言われる職業女性の噂を耳にする。
海外には首相や大臣の例さえもあった。
日本では市議会議員や漁師、司法書士などの例が有名であるが、将来「美しすぎる山岳ガイド」などと噂されるかも知れない。
既に評判の美人山岳ガイドが活躍中なのに、自分が知らないだけかも知れない。
「美しすぎる○○○○」は如何にも男性目線の文言らしく、それゆえ対象は例外なく妙齢の女性である。
差し詰め、女性目線だと「イケメンすぎる山岳ガイド」の噂となるのだろうか?
自分如き無骨男には、女心を想像することすらできないが〜。ainakaren
*画像は前穂北尾根稜線直下から見下ろす奥又白谷と梓川(1958年8月)
イケメンすぎる山岳ガイドは何人も知ってますよ。山梨在住のピオレドールの4人はみんないい男ですね。
ガイドは70年が始まりとのことですが、私の実感では90年代半ばからガイド業がボチボチビジネスになり始めたという感じです。それ以降、山のベテランはプロガイドがほとんどになり、アマなのにプロ並みというセミプロ登山家の数が激減したように思います。二極化というのでしょうか。つまり山岳会タタキ上げさんが減少したように思います。チームを組んでヒマラヤ行こう!という人がいなくなったのと同時期と思います。もちろん、少しだけど、いますよ。何人も知っています。
yoneyamaさん、こんにちは。
コメント深謝です。
そうですね。
私も体験的に、山男には好男子が多いと思っています。
山岳ガイドとなれば洗練された山男達ですから尚更の事でしょうね。
認定山岳ガイドの始まりについて、私の記憶も怪しいので調べてみました。
http://www.jfmga.com/setsuritsu.html
日本の山岳団体も色々と存在して複雑ですが、そのプロフィールを簡単に纏めた資料がありました。
http://www.jac.or.jp/info/project/yamanohi/yama_materia1.html
確かに職業としての山岳ガイドが成り立つようになったのは、この二十年程の事でしょうね。
そして、次第に山岳ガイドが花形職業として一般に認知されたのでしょうね。
仰る様に、プロ級のアマチュア登山家の減少は残念ですね。
やがて絶滅するのでしょうか。ainakaren
レンさん、おひさしぶりです。
レンさんの仰しゃるとおり、日本の商業的山岳ガイドの始まりは1971年に設立された日本アルパインガイド協会でした。当時の先鋭的クライマーの集団で、入会するにはかなり高いハードルがありました。それでもガイドだけで生活が成り立っている人は一人か二人くらいで、殆どが山道具屋の店員などで糊口をしのいでいたようです。
1991年に日本山岳ガイド連盟というものが設立されます。国際ガイド連盟に日本の組織として加入したかったことがあります。理由の一つに、ヨーロッパアルプスで日本人の一匹狼的な山屋達が日本人専門のガイドをしていたことを、現地ガイドが良く思っていなかったことにあります。彼らを日本の組織に入れて公認するつもりか、さらにヨーロッパでの締め出しを強化するつもりか、たぶん後者でしょう。
この日本山岳ガイド連盟も、教育的プログラムが無いまま資格のばら撒きを行い、国際ガイド連盟の理事が日本に視察に来た時、激怒したというエピソードがあります。これにより山岳ガイドを称する者が急増し、ヨネヤマさんが指摘するように90年代半ばにガイド業が商業ベースになったのではないかと思います。
その後の詳しい経緯は知りませんが、新たに日本山岳ガイド協会が発足し、資格の基準、試験なども行われているようです。
ガイドがベテランとは限らないし、ガイドの基準に達しているのは必要条件かもしれませんが、十分条件ではないでしょう。
ヨネヤマさんの仰しゃる通り、山岳会タタキ上げさんが減少すれば、タタイてくれる先輩もいなくなり、自分達だけで未踏のルートを求めてヒマラヤに行こう!なんてのは絶滅危惧種になるのでしょう。
ankotaさん、お久しぶりです。
コメント深謝です。
詳しい経緯のご説明、有難う御座います。
認定の難易度や利権をめぐり、合併や分裂などの内紛の噂は、昔、友人から聞いたことがあります。
ぼんやりとした理解が、ご説明ではっきり致しました。
有難う御座います。
岳部・岳会の叩き上げが消滅すれば、叩く人も居なくなり、やがてプロ級のアマチュア登山家は絶滅する運命でしょうか。
寂しくも残念なことであると思います。ainakaren
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