山の七不思議・伝聞と体験

　山の不可思議な怪現象は、伝聞、体験を通じて色々と語られています。
怪談好きな私は、それを超常現象、心霊現象として興味の対象にします。
心霊の存在を信じませんが、宇宙と同じように未だ自然科学により解明も証明もされていない現象の一つが、心霊現象だと思っています。
宇宙論同様に決して否定しませんし、心霊現象にも興味が尽きる事がありません。
未だ私には、全く理解できない怪現象のひとつです。
七不思議に因んで、私の知る伝聞から七題の怪現象を選んで書き出してみました。
聞いたのは昔々、岳会先輩達からで、その時期は1956年〜1961年の間です。
その後、岳会を辞した単独行の時代に、私自身も内五題の怪現象を体験して得心しました。
伝聞の要点を、下記に纏めて書いておきます。

・人声・
人の居ない樹林帯で、突然短く人声を聴く。
叫び声の様でもあるし、笑い声か大声の会話の一部の様でもあるが、殆んどの場合に語意が聞き取れない。
女声の場合が多く、付近に人が居るのかと思い注意深く周囲を探すが、静まり返って人影は全く無い。
避難小屋などの、他に人の居ない小屋内で人声を聴く事もある。
聴こえる人声は小屋内からの事も、小屋外からの事もある。
稀には、語意が聞き取れる事がある。
小屋の内外と周辺を探しても、人影は全く無い。

・人影・
人の居ない樹林帯や岩場で、立ち姿の人影を見る。
人影は短時間で消え去るが、付近を確認しようと近付いてみると、樹上の背丈より高い位置だったり、崖の向こう側で人の立てない場所と判明する。
人影は無言である事が殆どで、元より誰も居ないのだから、目視で探して見つかる筈もない。

・靴音・
山道を歩いていると後方から靴音が聴こえ、背後に近付いて来る気配。
道を譲ろうと傍に除け振り返ると、誰も居ないし靴音も消えている。
同じ現象が、続いて繰り返される事もある。
何れも背後を確認しても、人影は全く無い。
避難小屋宿泊時に、小屋周囲を徘徊する靴音を聴くが、戸外に出て確認しても人影が無く、靴音も消えて付近に灯火も見えず、静寂そのものである。

・物音・
人の居ない避難小屋なのに、人為的な物音が聴こえる。
外から小屋の扉を叩く音、小屋内でザックの中を弄る音、人が歩く床の軋み音など人為的な特徴を聴くが、確認すると何れの場合も人は居ない。
歩行者らしき靴音については前述した。

・灯火・
夜道を下山中、背後に灯火を見る。
下山する登山者の灯火と思い、一緒に下山すれば心強いと、立ち止まって待っても現れず、灯火も軈て消えてしまう。
付近には、途中で分岐する道が全く無い。
見える灯火は一つの事も多数の事もあるが、付近には誰一人として人間は居ない。

・照明・
照明器具を持参せずに登山し、下山途中で日没の暗闇に遭遇した時に、自分の周囲だけがスポットライトを当てられた様に、ボンヤリと明るくなる現象。
提灯を持って歩くような感じだが自分の影が無く、自身が発光体になった様な明かりで、光源が無い。
周囲が明るくなるにつれ薄くなり、やがて消えてしまう。
自分の他に誰一人として、付近に人は居ない。

・線香・
山道を歩いていたり、山頂で休息していると、線香の匂いが漂ってくる。
蚊取り線香の匂いならば、薮で山菜取りが燻らせる事もあろうが、明確に仏事用の線香の香りである。
近くに遭難慰霊碑があるのでも無く、線香を手向ける人も居ないし、誰一人付近に居ない。
線香の燃え残りも、何処にも無い。
人の居ない避難小屋内で、丑三つ時に線香の香が漂う事があるが、燃え残りなどの痕跡が一切無い。

以上、七題を纏め書き致しました。
他にも、低温化現象など数題が残りますが、後々の日記に怪談語りで書きたいと思います。

本日の昭和懐メロは、岳会時代の山仲間たち永遠のアイドル、マリリンが艶っぽく歌います。
今では、爺達だけのアイドルですが〜。ainakaren

コメント

ウメちゃん

おはようございます。
久しぶりに相仲様の怖いお話しが聞け、
喜ばしく思います。
コロナ終息した時には、生のお声でお聞きしたく思いますので、その節は宜しくお願い致します😁

後、自分の日記で相仲様のお得意のローソクの画像を真似させて頂きました。

Ainaka Ren

umetyanさん、こんにちは。
コメント深謝です。

今回は、あまり怖くない様に事件資料風に書いてみました。
ローソクの画像は、百物語会の夜に最後に残る一本だけになった燈明をイメージしています。
最後の語り手が百話目を語り終えると、フッと消える運命です。
それ故に、怪談話しに最適なのが、ローソクの画像です。
是非、怪談話にはローソク画像をお使いください。
過日は貴、怪談日記に使って頂き、ありがとうございました。ren

yamayutaka01

初めまして。
先日怖く不思議な体験をしました。新潟･鷲ヶ巣山に登っている途中で二度女性の笑い声を聞きました。その声量はとても大きく山中に響き渡っていました。山深く民家などなく聞こえた方角には登山道などありません。動物の鳴き声とも思えません。今でもあの笑い声は脳裏に残っていて思い出すと鳥肌が立ちます。
ヤマレコで山の不思議な現象を調べた所ainakarenさんの日記にたどり着きました。今回の怪現象の人声はまさしくこれに当てはまります。私も今まで何度か不思議な現象を経験しましたが人声が比較的多いと感じています。ありがとうございました。yamayutaka01

Ainaka Ren

yamayutaka01さん、こんばんは。
コメント深謝です。

私にも、樹林帯で同じ体験があります。
誰も居ないのに人声だけが聞こえるのは、全く不可思議です。
幻聴とも思えませんから、何らかの物理的現象（空気の振動）でしょう。
色々な超常現象の存在は確認されているようですが、心霊は科学的に証明されていません。
全く私の理解を超える、不可思議現象です。ren