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日時の記憶が朧げだが、同行した倅の年齢から昭和40年代の末頃かと覚えている。
ブルーガイドは、確か日光・鬼怒川版で当時定価200円程度で購入できたと記憶する。
当時、山の神と倅を連れて中禅寺湖北岸を千手が浜から西ノ湖を観て湯ノ湖の国民宿舎を二泊目とし刈込湖、切込湖を巡る山旅を計画した。
だがその時、一抹の不安を覚えた。
一軒宿ともなれば、客が集中して予約が取れないのではないか?
そこで一計を案じ、JTBの知人を経由して制式の予約手続きを完了させた。
到着した星正旅館は、一見して如何見ても普通の民家である。
白木の真新しい看板が架かり、墨跡は濡れるが如くに新しい。
玄関先で声をかけると、割烹着を羽織った女将が三つ指ついて歓迎の意を表す。
中年の上品な女将は、顔立ちも麗しく頗る好感が持てた。
だが次次と不思議なことが起こった宿泊であった。
宿泊の間、女将以外に誰一人として従業員や家族の姿を見ていないこと。
料理に使われた食器が全て普段使いの家庭用だったこと。
其れにしては料理の品数の豊富さと、味の美味さが尋常ではないこと。
入浴の記憶が全く欠落していること。
夕食は次のようなメニューだった。
献立表が無かったので推定メニューを書けば〜
女将の御亭主が中禅寺湖で解禁日に吊り上げた川鱒のフライにクリームソース。
川鱒の刺身にフレンチ・ドレッシング。
偶偶その日が解禁日だったのも不思議。
熟成塩鮭の焼き魚。
熟成塩鮭の清し潮汁。
生湯葉の酢の物。
野沢菜に似た姿の美味香の物。
他、美味料理数品。
翌日の朝食は次のようなメニューだった。
熟成塩鮭の焼き魚。
味付け海苔。
温泉黒卵の縦二つ切りにクリームソース。
生湯葉の味噌汁。
野沢菜風の香の物。
生湯葉の酢の物。
他、美味料理数品。
昼の弁当に握り飯を所望すると熟成塩鮭の解し身を混ぜて握って頂いた。
海苔は使われなかったが、ふんわりと握られ頗る美味であった。
素晴らしい宿泊、そして素晴らしい一軒宿であった。
常に割烹着を羽織った女将の真摯な接客を、印象深く記憶している。
後のJTBの制式アンケート調査には、全ての項目に最高点を付けることに躊躇することがなかった。
風の便りによれば、その後 女将の御亭主は「星正旅館」を廃業しガソリン・スタンドの経営に転じたが、現在は其のGSも菖蒲ヶ浜に存在しないと聞く。
寂しい限りである。
国民宿舎の食事メニューと其の味については、全く以って記憶にない。
其れら記憶の有り無しは、不可思議の一言に尽きる。ainakaren
一軒宿さん、集客もあつて頑張っておもてなしされたのでしょうね!😺
オジサン😺も民宿や旅館は大好きで、山登りの前泊では、三重県尾鷲の風帆(ふうはん)、名前は忘れましたが雲取山に登る前に泊まった鴨沢登山口近くの宿、妙義山の時は妙義神社近くの旅館は思い出がありますね。😺
コロナ前後の話しで、いずれも一泊二食で5〜8千円位でしたが料理とおもてなしは素晴らしかったです。😺
経営も大変だと思いますが、続いていることを祈らずにはいられませんね。😺👍
コメント深謝です。
そうですね。
JTBの制式予約に仰天して大慌てで準備したのでしょうね。
其れにしても素晴らしい料理メニューと素晴らしい味でした。
調理の腕前は素晴らしいものでした。
しかしながら現在も続いていることは、ある筈もありません。
遠い昔の話しとは云え、私には誠に寂しいことです。ren
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