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鉱石を外して真ん中の小穴から木綿針で銀色に光る石を突っついて、又嵌め込んで感度が少しでも良くなるように根気良く弄るのです。
ラジオ弄りが面白くてやめられず、並3、並4と呼ばれる再生式オートダインから、5球スーパーヘテロダインを組み立てられるまでは、ほんの1、2年だっような気がします。
その後は秋葉原のラジオストアーで箱や部品を仕入れて5球スーパーを組み立て、市販ラジオの半値以下で売っても充分に利益があり、高校生としてはいいアルバイトになりました。
暫らくしてマジックアイという緑色の同調指示管付きラジオが流行し、6球スーパーとして高めの価格で売れました。
稼いだお金で自分用の4バンドオールウエーブ受信機を入念に組み立てました。
高周波一段、中間周波二段の9球スーパーでバンドスプレッドとSメーターも付けました。
完成したときには短波で世界中の放送が色々な言語で聴こえるので興奮し、ダイアルに齧り付く夜更かしの癖がつきました。
ある日、近所で発信するらしい強力な電波でコールサインKA1**の流暢な英語の電話通信を傍受しました。
その付近の周波数にはコールサインJ2**の日本語の電話通信が沢山あり、お互いに会話、それも世間話をしていました。
それが私のアマチュア無線局との初めての遭遇でした。
仲間に入って自分もやりたいと思い懸命にアマ無線事情を調べました。
世界中でアマ無線が運用されていて、占領中の日本では一時禁止されていましたが、機運が整い間もなく認可されるとのことでした。
聴こえていたアマ無線はアンカバと云われ、KA1は米軍属の運用、J2は日本人の運用する不法アマ無線局でした。
アンテナを目印にコールサインJ2**のアンカバ局を訪問し、色々教えてもらいながら開局の準備をしました。
公表されていた規格に準じた設備を組み立て、アンテナを残して完成したときにはアマ無線が予定通り認可され、日本中に JA コールの数百局のアマ無線局が誕生していました。
そして電波管理局の取締りが厳しくなり、不法の J2 局は消滅します。
敗戦国の悲しさ〜 KA1 コールの不法局は取り締まりの管轄権が虚弱なのか、1年以上も大電力で堂々と運用を続けていました。
無線従事者資格を取得し、アンテナとして地上高12メーターの柱を庭の石塀の角に竹と杉柱を接続して立て、塀の上、地上2メーターの高さにカウンターポイズのように10メーターの電線を直角放射状に4本、実家角地の両隣のお宅の塀と植え込みの上にも張らせて貰い、巨大なGP(グランドプレーン)アンテナが完成しました。
無線局は申請間もなく立会い検査があり、無事に免許が下りました。
当時は戦後のアマ無線再開の夜明けの時代でした。
その頃のアマ無線に認可された周波数は、3.5メガ、7メガ、14メガ、21メガ、28メガ、50メガ、144メガの7波、空中線電力100ワット以下、電波型式A1、A3、の固定局でした。
移動局が認可されたのは確か自分が廃局した頃だったように記憶しています(移動の範囲は国内陸上とその上空のみで、海上は不可だったような記憶です)。
局免許は7メガと14メガの2波、A1とA3、100ワットだったと記憶していますが、書類上は効率を考え50ワットだったかも知れません。
その頃には日本のアマチュア無線局は既に1000局を超えていたと思います。
夜中の21時から3時頃までは14メガで海外局、主として欧州、米国と交信し、明方と夕方は7メガの国内遠距離、関西以西、九州、四国、東北、北海道と交信しました。
地方には局数がまだ少なく、四国の局などは珍しさから大変にもてていました。
登山に目覚めてその比重が増すに従い無線局の運用実績が少なくなり廃局しましたが、この間は夢のように楽しかったのです。
廃局に相前後して、アマチュア資格に電信級と電話級という新資格が追加されるとの話を聞きました。
それまでのアマ資格は2段階のみで、1級が電話(A3)と電信(A1)、2級が電話(A3)のみが運用でき、2級の資格試験には電信課目がありませんでした。
そして電信(A1)と7波中の3波(14〜28メガ)は1級局だけに運用が認められていたのです。
おぼろげな記憶だけで書いていますので錯誤があるかも知れませんが、その節はお許し下さい。
その後山登りに夢中になりアマ無線への関心も疎くなりましたが、今では認可周波数も多くなり電波型式も豊富、市場には小型無線機も豊富、移動局も認可されて、山でもアマ無線ができる夢のような時代になったと聞いています。
当時が現在のようなアマ無線環境だったら、私もきっと山に無線機を持って行って楽しんだことでしょう。
その山歩きも間もなく老齢で出来なくなりますが、これまでに想い出を沢山創りました。
悔いはありません。ainakaren
とても懐かしいです
私も中学生のころ兄と一緒に鉱石ラジオを組み立てイヤホンからアアヌンサーの声が聞こえたときは本当に興奮したことを思い出しました。
懐かしい思い出ありがとうござます。
divyasu21さん、こんばんは。
鉱石ラジオから音が出たときほど、その後に興奮したことはありませんね。
最近の小学校用工作の鉱石ラジオは特製ダイオードとクリスタルレシーバーで素晴らしい感度です。
鉱石の接触点を弄る必要は無いのですね。
それでも子供達は興奮して喜びます。
見てるほうも楽しいですね。ainakaren
私の世代では、今はあまり売られていないと思いますが
ゲルマニウムダイオードとクリスタルイヤホンでした。
電源無しでラジオを聞けるのが不思議に思っていました。
shigeさん、こんばんは。
そうでしたね。
接合型よりポイントコンタクトのゲルマニウム、それも鉱石ラジオ用に特別に製造されたダイオードが閾値が低く感度が良いようでしたね。
昔はマグネチックイヤホンでしたからスパイダーコイルに長いアンテナ線を付けても蚊のなくような音量でした。
聴こえるだけで嬉しかったものです。
NHKの第2放送がよく聴こえました。
その頃、民放は有ったのでしょうか。
聴いた記憶がありません。ainakaren
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