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湿度の高い日本の夏は、ステテコ姿で暑さを乗り切るに限る。
近年、ステテコが品薄で入手に苦労していたが、昨年の夏頃にユニクロが洒落た柄物で商品化してから流行し、若い人にも人気のようだ。
私も今夏の室内では、ちょっと気取った格子縞のステテコ姿で過ごしている。
写真の女の足は、レコード・ジャケットの一部分である。
足フェチの自覚は無いから、決して盗撮写真ではない。
この足フェチ・ジャケットで有名なジャズの大名盤「クール・ストラッティン」を聴くと、格子縞のステテコ姿のような人間関係の開放的な無遠慮さに溢れている。
それは、無神経さや図々しさとは次元の異なる、洒落て気取った無遠慮なのだ。
ピアノのソニー・クラークをはじめ、メンバーは呑み友達で遊び仲間の仲良しグループであったようだ。
彼らの無遠慮ぶりは、このアルバムの演奏にそのまま反映されている。
メンバーの誰もが他人の演奏を実によく聴いて、フランクにそれに応じているのだ。
少しの変化も聴き落とすことなく、自分の演奏に反映させて答えを返す。
挑発が黙殺されることは決して無いのだ。
ソニーの演奏の特徴は、アフタービートと独特の抑制の無さだ。
スイングしようと努力している様にも聴こえるが、ソニーは仲間の演奏に呼応して只成るがままにフレーズを流れ出させているだけなのだ。
この流出する音と人間関係の開放性が演奏者達と聴き手の間を平等に還流して行く、そうした洒落た無遠慮な気分こそが”ファンキー”だったのではなかろうか。
あの当時のブルーノートとしては珍しくジャケットに演奏者の姿以外の写真〜、ハイヒールを履いて気取って歩く女の足を使ったこのアルバムは、ひたすら動き廻りながら生きることが正義とされたビートニクス時代の産物そのものだったのである。
このアルバムはルディ・ヴァン・ゲルダーの手によるスタジオ録音である。
1958年の1月、ガンガンに暖房の効いたニュージャージーのスタジオで、彼らが洒落た格子縞のステテコ姿で演奏しているユーモラスな場面を想像してみるのも、暑さ凌ぎの一興であろう。ainakaren
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