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*[private] この頁はテスト投稿と、画像、動画音源、私的書類とメモの保存と試験表示用で、日記一覧リストに掲載せず、コメントを受付けておりません。
以下はainakaren ニフティーブログをコピー転載 ↓
弦楽合奏団アカンサス 春のコンサートを聴く 2010年4月18日記
2010年4月5日、高輪区民ホールで開催のアカンサス合奏団[2]を聴きました。
モーツアルト、ビバルディ、ブリテンのよく知られた曲の他に、ピアソラと武満の作品が演奏されました。
これが素晴らしく、特にピアソラのブエノスアイレスの春は抜群の出来でした。
緊張と感動で聴き終えてから、却ってその緊張で疲れてしまう程でした。
ピアソラの作品は演奏が素晴らしいと緊張感が強く、いい意味で聴き疲れしますから癒しにはならない音楽ですね。
演奏が下手だと間が抜けて退屈にもなりやすいのですし、よほどの自信がなければ演奏しないほうがいいでしょう。
アカンサスは芸大の先生や卒業演奏家で構成され、流石に腕前はたいしたものでした。
久しぶりに生演奏を、心ゆくまで楽しんで聴くことができました。
余談ですがアカンサスとは彼らの母校、芸大の校章のデザインに用いられている、地中海沿岸に自生する多年草植物です。
葉の縁に針状のきざみがあり、ギリシャ建築の模様に 古代から使われています。
我が家の庭とアプローチにも、それぞれ一株づつ子供の背丈程のアカンサスがあり、夏になると一列に並んだオレンジ色の花が咲きます。
その情熱的なアカンサスを楽団の名にした、メンバーの皆さんのセンスもなかなかいいですね。ainakaren
アストル・ピアソラのベストCD 3枚 2010年4月27日記
先日、弦楽合奏団アカンサスの高輪区民ホールでのピアソラ作品の演奏評を書きました。
ご承知のようにピアソラは、アルゼンチン・タンゴ界の巨匠でありまして、その作品がクラシックの演奏会で演奏されることは、あまり多くありません。
私の拙いブログを読んだクラシックファンの知人が、ピアソラを聴いてみたいが、いいCDはないかと問い合わせてきました。
私も数枚のCDを聴いたに過ぎませんが、その中から3枚をベストCDとして推薦いたしました。
最近ではクラシックの演奏者の録音したCDもちらほら見受けられますが、推薦したのは敢えてピアソラ自作自演のアルゼンチン・タンゴでした。
ピアソラの本領はやはりアルゼンチン・タンゴにありまして、これだけはどうしようもありません。
この3枚で知人がクラシックばかりでなく、タンゴファンにもなる可能性もあると思います。
クラシック・ファンのなかにはピアソラの自作自演のアルゼンチン・タンゴを聴いておられない方も、少なからずいらっしゃるのではないかと思いまして、その推薦CD3枚をご紹介することにいたしました。
Astor Piazzolla "Tango zero hour”
Astor Piazzolla "57 Minutos Con La Realidad"
Astor Piazzolla "Live in Wien"
一般にアルゼンチン・タンゴには録音状態に問題が多いのですが、この3枚は良い音です。
3枚を続けて聴いたりいたしますと、かなり疲れると思います。
ピアソラの作品は緊張感が高く、密度があります。
引き込まれてついつい長時間聴いてしまいますが、聴き疲れしないためには1枚づつ時間をおいてお聴きになるようお薦めします。
往年のアルゼンチンタンゴフアンの皆様には、初めて聴くピアソラのタンゴは違和感が強いと思います。
しかし暫らく聴きこんで頂けば、出現するメロディの刹那の美しさやスリリングな展開、そして音楽的素材の質の高さにお気づきになるでしょう。
往年のホアン・ダリエンソやアニバル・トロイロ、又ピリンチョのタンゴとは味わいが異なりますが、その伝統を踏まえ、より真摯にタンゴの芸術性を追求したタンゴがピアソラの作品です。
クラシックがお好きな方でしたら、すぐにピアソラファンになられると思います。是非聴いてみて頂きたいと思います。ainakaren
長谷川潾二郎絵画展を観る 2010年5月6日記
6月13日まで平塚市美術館で催されている長谷川潾二郎展を観てきました。
横浜駅からJR東海道線の電車一本、散歩気分で出かけたにもかかわらず、素晴らしい感動を得ることができました。
美術ファンの皆さんに是非お薦めしたいと思います。
長谷川潾二郎氏は寡作のうえ、作品を個人と地方の美術館が分散して所有していることから、これほど多くの作品が一堂に会するのは今回が初めてです。
私も昔、洲之内徹氏が芸術新潮誌上の「きまぐれ美術館」で紹介した数点と、宮城県美術館の数点しか知りませんでした。
今回多くの作品、特に猫の画や静物画の実物に接し、そのひっそりと静かに穏やかな佇まいに魅了されてしまいました。
初期の風景画には岡鹿之助氏の初期作品を思わせる作品がありますが、それは時代的背景でありましょう。
静物と猫の画を凝視しておりますと、画家としての潾二郎氏の信念が見えてまいります。
信念と申しましても観念的なものではなく感覚的情緒的な信念というか、感性により自然に生まれる信念でありましょう。
日常の形と光のなかに存在する美に感動し、これを眼前にして余さずに描くということです。
潾二郎氏の作品は6号から8号までの比較的に小さいものが殆んどですが、そのなかの「猫」に注目いたしました。
まず色彩の美しさに特筆すべきものがあります。
眠る猫の顔立ちや毛並みの縞模様、そして背景にさえ美を見出し、感動のすべてを写し取る信念なくして描ける「猫」ではありません。
しばし呆然と「猫」の前に立ち尽くしておりました。
その「ねこ」を表紙カバーの装丁にした「長谷川潾二郎画文集・静かな奇譚」が会場で販売されておりましたので、買い求めました。
潾二郎氏には今まで、まとまった画集がなかったのですが、今回の企画展に際し公式図録兼書籍として、本年3月31日に求龍堂から発行されました。
家に持ち帰り開きますと冒頭に潾二郎氏の「感想録」(1953)より との写真と文章があり、この記述が氏の信念の本質をよく物語っておりました。
敢えて省略せずにその全文を以下にご紹介します。
〜私の中には詩人と職人と二人が住んでいる。
詩人の言うことをきいて職人が働くのだ。
日をきめて大馬力を出すことで、私は私の職人を大いに働かせることになる。
職人が働かなかったら、絶対に現実の画の存在は不可能なのだ。
私の職人は今までいささかタイダではなかったろうか。
働くことで職人の腕が上がる。
私の職人は私の言うことを大いにきくようになる。
これが、最大の収穫である。
何より大切なものは「感動」である。
要するに画家の定義は、
画を描く人と言うよりも、
絶えず外部に感動を見出し、
絶えず自然を万物を讃美し、
感動の生活をおくる人、である。
私はすべての知的なイデアをしりぞける。
感動は頭脳的な思考を越える。
感動によって「あるもの」が、私達に加わるのだ。
「あるもの」が何処から来るか?
それは私達の知らない測ることの出来ない不可知の世界から来るのだ。
私達を越えている神秘な世界を信じない一画家には私はくみすることが出来ない。〜
信念も見事ですが、文章もまた見事であります。
長谷川潾二郎氏の兄上は「丹下左膳」の作者・林不忘氏、弟さん二人も世に知られる文学者です。
美に対する感性は絵画に、文章にさえも、そうした才能と環境に育まれ開花したものでありましょう。ainakaren
「フランツ・リスト 栄光の祈り」 パイプ・オルガンを聴く 2010年6月9日記
6月5日、芸大奏楽堂の「フランツ・リスト 栄光の祈り」、オルガン演奏会を聴いて参りました。
奏楽堂のガルニエ・オルガンは、リストが関わったラーデガスト・オルガンを建設コンセプトの一端としておりますから、リストのオルガン作品の演奏には最適といえましょう。
設置してから10年を経過して慣らし(鳴らし?)運転も終わり、音色も腰の据わりも円熟味を増して、聴きごろになっております。
演奏者は芸大出身の三人のベテラン演奏家でした。
演奏は概して良好で、ゆっくりと楽しませていただきました。
中でも女流オルガニストの演奏した「オルガンのためのレクイエム」は歯切れが良く力強い好演でした。
リストのピアノ曲は女流ピアニストとの相性がとても良いのですが、オルガン曲にも同じことが言えるのかも知れませんね。
ショパンの「前奏曲 作品28・4・9」を、リストがオルガン用に編曲した作品を、男性オルガニストが演奏しましたが、同じ曲を女性オルガニストがすぐ後に演奏していたら、その違いが解るのになぁ・・・などと余計なことを考えてしまいました。
ショパンのピアノ曲は、何故か女流ピアニストとの相性がよくありません。
私のLPとCDも、ショパンは殆んどが男性のピアニストです。
それに対してリストのピアノ曲では半数以上が女流ピアニストです。
何れも力強く、情熱的な激しい演奏です。
そのような曲想が女性には却って表現し易いのかも知れませんね。
ショパンは肖像を見ると、やや女性的な優男で、曲想も感傷的ですが、それでもやはり男ですから、この点が生来の何かを要求するのかもしれません。
リストは屈指の大作曲家ですが、ショパンは男の微妙な感性まで要求する、それ以上の作曲家なのでありましょうか。
いや・・・余計なことを申しました。
今回の催事は「上野のもりオルガンシリーズ15」と題して開催されましたが、オルガンの演奏会はこのように半定期的に開催されているようです。
ときにはオルガンの澄んだ大音響と重低音に身体ごと揺すられるのも、ストレス解消には好ましいことと思います。
皆さんに是非お奨めしたいとおもいます。ainakaren
アニタ・オディ
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