また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 1361383
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍

硫黄尾根〜西鎌尾根 厳冬期単独縦走

2017年12月28日(木) 〜 2018年01月01日(月)
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
120:06
距離
43.7km
登り
3,373m
下り
3,211m
歩くペース
ゆっくり
1.31.4
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
15:03
休憩
0:05
合計
15:08
23:51
0
葛温泉ゲート前
0:52
0:53
2
0:55
0:55
122
2:57
2:57
118
5:55
5:56
63
6:59
7:00
204
10:24
10:25
335
16:00
2300m地点
2日目
山行
7:37
休憩
0:04
合計
7:41
6:40
409
2300m地点
13:29
13:33
48
14:21
2500m地点
3日目
山行
9:22
休憩
0:08
合計
9:30
7:20
408
宿泊地
14:08
14:16
154
16:50
赤岳次のピーク
4日目
山行
12:37
休憩
0:01
合計
12:38
5:54
583
宿泊地
15:37
15:38
174
5日目
山行
6:11
休憩
0:18
合計
6:29
17:28
8
17:36
17:36
50
18:26
18:27
90
19:57
20:13
47
21:00
21:00
3
21:03
21:03
93
22:36
22:36
35
23:11
23:12
30
23:42
23:42
12
23:54
23:54
3
23:57
ゴール地点
28日雪、曇 -15℃ 夕方から晴れ
29日雪、暴風 -18℃ 朝方だけ晴れ
30日晴れ -20℃ 
31日雪、暴風20m以上 -25℃
1日 雪、暴風20m以上 -25℃ 夜は時々雪
過去天気図(気象庁) 2017年12月の天気図
アクセス
予約できる山小屋
甲府発7:50の普通列車で信濃大駅に向かう。
1
甲府発7:50の普通列車で信濃大駅に向かう。
予約していたタクシーで葛温泉へ。前日から雪が降って列車が止まる程だったらしい。運転手に辞めたほうがよいと止められたがまぁ。行くよね。
4
予約していたタクシーで葛温泉へ。前日から雪が降って列車が止まる程だったらしい。運転手に辞めたほうがよいと止められたがまぁ。行くよね。
雪がしんしんと降り続く。足首くらいの雪。
2
雪がしんしんと降り続く。足首くらいの雪。
七倉温泉へ到着。
雪がずっと降っているのでトレースもなにもない。
3
七倉温泉へ到着。
雪がずっと降っているのでトレースもなにもない。
この当たりで腰当てのバックルが破損。
嘘やろ。買って二回目のマンハのザック。
1
この当たりで腰当てのバックルが破損。
嘘やろ。買って二回目のマンハのザック。
高瀬ダムへ長い登りを登りきると左へ。トンネルの中で休憩しバックルを補修。
トンネルを出ると古いトレースが見え、ワカンを装着。
1
高瀬ダムへ長い登りを登りきると左へ。トンネルの中で休憩しバックルを補修。
トンネルを出ると古いトレースが見え、ワカンを装着。
6時前やっと登山道につく。この辺からトレースが明瞭になってきた。それまで吹雪で視界が悪かったが樹林帯に入り少し良くなる。
2
6時前やっと登山道につく。この辺からトレースが明瞭になってきた。それまで吹雪で視界が悪かったが樹林帯に入り少し良くなる。
7時名無し避難小屋へ到着。装備を整え、食事をし1時間程休憩して出発。
3
7時名無し避難小屋へ到着。装備を整え、食事をし1時間程休憩して出発。
途中のトンネル。
1
途中のトンネル。
川沿いをずっと上がっていく感じ。トレース明瞭。
1
川沿いをずっと上がっていく感じ。トレース明瞭。
晴嵐荘への橋。
渡らずまっすぐ。
3
晴嵐荘への橋。
渡らずまっすぐ。
このダムの先がいよいよ水俣川だ。やっと始まる。
3
このダムの先がいよいよ水俣川だ。やっと始まる。
吊橋が見えた。左の方にテント後あり。
1
吊橋が見えた。左の方にテント後あり。
吊橋を渡りきる前に左へ降りる。
3
吊橋を渡りきる前に左へ降りる。
トレースは右へ上がっていた。
巻くか、真っ直ぐか。トレースありを選ぶ。
少し上がりすぎたのでルンゼを降りようとするが、腰まで埋まり雪の状態が悪い。これはソロではちょっとリスクが高い。トレースを辿り硫黄尾根に切り替えた。
4
トレースは右へ上がっていた。
巻くか、真っ直ぐか。トレースありを選ぶ。
少し上がりすぎたのでルンゼを降りようとするが、腰まで埋まり雪の状態が悪い。これはソロではちょっとリスクが高い。トレースを辿り硫黄尾根に切り替えた。
登っても登っても樹林帯。
1
登っても登っても樹林帯。
2300付近で風を避けれそうないい場所を見つけたのでツエルトを張る。夕日が沈む前に晴れてきた。
6
2300付近で風を避けれそうないい場所を見つけたのでツエルトを張る。夕日が沈む前に晴れてきた。
朝一のモルゲンもいい感じ。
4
朝一のモルゲンもいい感じ。
今日は一日良さそうだ。
3
今日は一日良さそうだ。
少しのボルト硫黄岳が右に見える。
4
少しのボルト硫黄岳が右に見える。
その前に懸垂下降点。30mザイルでは途中で掛け替えが必要だった。残地が心もとないので、ステ縄を巻き降りる。
4
その前に懸垂下降点。30mザイルでは途中で掛け替えが必要だった。残地が心もとないので、ステ縄を巻き降りる。
降りてちょっと行った所に風が避けれる良いテン場が。
3人パーティか?
1
降りてちょっと行った所に風が避けれる良いテン場が。
3人パーティか?
微妙なトラバースの所。ハーケンにスリングが巻いて有りそれを持てば大丈夫。岩がこの上なくボロい。
5
微妙なトラバースの所。ハーケンにスリングが巻いて有りそれを持てば大丈夫。岩がこの上なくボロい。
手前のピークに登ると硫黄岳山頂付近に5人程見える。3時間くらいの差か。
手前のピークに登ると硫黄岳山頂付近に5人程見える。3時間くらいの差か。
硫黄岳山頂は何もない。
2
硫黄岳山頂は何もない。
山頂から先へ進むと風が強くなってきた。
耐えれない事はないが、厚手のバラクラバはザックの下の方。
凍傷になりそうなくらいに頬が痛い。
2
山頂から先へ進むと風が強くなってきた。
耐えれない事はないが、厚手のバラクラバはザックの下の方。
凍傷になりそうなくらいに頬が痛い。
頑張って風を避けれそうな場所を探すが、吹きさらしの所しかない。
2
頑張って風を避けれそうな場所を探すが、吹きさらしの所しかない。
しょうがないので雪洞を掘りなんとか風をよけれた。
ここで、買ったばかりのシュラフを燃やし、燃えたカスがダウンマットに垂れて穴があく。踏んだり蹴ったり。
3
しょうがないので雪洞を掘りなんとか風をよけれた。
ここで、買ったばかりのシュラフを燃やし、燃えたカスがダウンマットに垂れて穴があく。踏んだり蹴ったり。
次の朝。恐る恐る外へ出ると、風は少しあるが最高の天気。
3
次の朝。恐る恐る外へ出ると、風は少しあるが最高の天気。
ちょっと出るのが遅かったが、今日は天気は良さそうだ。
4
ちょっと出るのが遅かったが、今日は天気は良さそうだ。
雪洞はこんな箇所にほっていた。
4
雪洞はこんな箇所にほっていた。
途中右に降りるのを左の変なルンゼを降り、ルート修正。真ん中のコルを目指すとルートに戻れた。
6
途中右に降りるのを左の変なルンゼを降り、ルート修正。真ん中のコルを目指すとルートに戻れた。
振り返り、岩稜の左から行くのを右から巻いたのが判る。
2
振り返り、岩稜の左から行くのを右から巻いたのが判る。
景色の良いピークで。
8
景色の良いピークで。
どれが赤岳かわからないが、先へ進む。
4
どれが赤岳かわからないが、先へ進む。
これが赤岳ジャンダルム群か。
登ったり降りたりを繰り返し、途中3.4級の所が何箇所かある。
8
これが赤岳ジャンダルム群か。
登ったり降りたりを繰り返し、途中3.4級の所が何箇所かある。
トレースも巻と登りとあり、巻を選ぶととんでもない所に行ったり、登り詰めると結局懸垂で巻にもどったり。
5
トレースも巻と登りとあり、巻を選ぶととんでもない所に行ったり、登り詰めると結局懸垂で巻にもどったり。
素晴らしい。
こんな所をたった一人で歩けるなんて。
10
素晴らしい。
こんな所をたった一人で歩けるなんて。
少し槍が近づいてきた。
3
少し槍が近づいてきた。
下からみた所。
すぐまた懸垂点6
ここは登らず巻だった
懸垂7
4
ここは登らず巻だった
懸垂7
懸垂8
いつまで懸垂するのかと思ったら最後だった。
3
懸垂8
いつまで懸垂するのかと思ったら最後だった。
この辺も風がよけれそうだがまだ、少し時間がある。
前へ進もう。
3
この辺も風がよけれそうだがまだ、少し時間がある。
前へ進もう。
登りきったピークは素晴らしい景色で、一段下がった所に丁度よい岩陰があったので、そこをビバーク地にする。
5
登りきったピークは素晴らしい景色で、一段下がった所に丁度よい岩陰があったので、そこをビバーク地にする。
夜中強い風で目が覚めた。
今日は悪い予報だったので、暗いうちに出発した。
槍にヘッデンが。先行者と一日の差が着いたようだ。
6
夜中強い風で目が覚めた。
今日は悪い予報だったので、暗いうちに出発した。
槍にヘッデンが。先行者と一日の差が着いたようだ。
西鎌尾根へあと少し。
このさきでホワイトアウトし、方向が全くわからなくなる。
GPSで何とか進む。
3
西鎌尾根へあと少し。
このさきでホワイトアウトし、方向が全くわからなくなる。
GPSで何とか進む。
途中にあった。
GPSを50mごとに見ながら尾根を外さないように進む。
途中左へ曲がるのを真っ直ぐいき、降りてしまうところだった。
1
GPSを50mごとに見ながら尾根を外さないように進む。
途中左へ曲がるのを真っ直ぐいき、降りてしまうところだった。
一番しびれた所。
両方雪庇。
腰まで沈む。
マジ、最後の一枚かもと思って撮った。
14
一番しびれた所。
両方雪庇。
腰まで沈む。
マジ、最後の一枚かもと思って撮った。
千畳乗越までくると立っていられない程の防風。岩につかまりながら少しずつ進む。
時間は15:30 二時間あれば着きそうなので頑張る。
4
千畳乗越までくると立っていられない程の防風。岩につかまりながら少しずつ進む。
時間は15:30 二時間あれば着きそうなので頑張る。
途中、低体温症で眠気と戦いながら変なトラバースやルンゼをよじ登って何とか槍冬期小屋へつく。
誰か居るかと思ったのに誰もいない。
6
途中、低体温症で眠気と戦いながら変なトラバースやルンゼをよじ登って何とか槍冬期小屋へつく。
誰か居るかと思ったのに誰もいない。
結局一日誰も来ず。夜が少し晴れる予報なので、雪崩警報も出ているのもかんがみ、夜間行動へ。十分に食べて寝て体力を回復させる。
4
結局一日誰も来ず。夜が少し晴れる予報なので、雪崩警報も出ているのもかんがみ、夜間行動へ。十分に食べて寝て体力を回復させる。
一日暴風で、槍の穂先へ無理して登る事はないと判断し、登らず降りる。
6
一日暴風で、槍の穂先へ無理して登る事はないと判断し、登らず降りる。
外で一服していると途端に体がガタガタ震えだす程の気温と風。
さっさとこの地獄から逃れたく飛騨沢を雪崩れないでくれと願いながら、降りた。
8
外で一服していると途端に体がガタガタ震えだす程の気温と風。
さっさとこの地獄から逃れたく飛騨沢を雪崩れないでくれと願いながら、降りた。
槍平冬期小屋まで来るとトレースもガッチリ。テントの後もある。何人が穂先まで来たのだろうか。
テントが一張。俺は新穂の待合室の暖かさだけを考えて先へ進む。
6
槍平冬期小屋まで来るとトレースもガッチリ。テントの後もある。何人が穂先まで来たのだろうか。
テントが一張。俺は新穂の待合室の暖かさだけを考えて先へ進む。
滝谷避難小屋。
待合室の事しか考えられない。
4
滝谷避難小屋。
待合室の事しか考えられない。
トレースは明瞭。
2
トレースは明瞭。
何とか0時前に到着し、5日間 120時間の戦いは終わった。
11
何とか0時前に到着し、5日間 120時間の戦いは終わった。

感想



2017.12.8-2018.1.1 
北アルプス 硫黄尾根厳冬期単独縦走
葛温泉〜高瀬ダム〜湯俣〜硫黄尾根〜西鎌尾根〜槍ヶ岳山荘〜新穂

精神的にも体力的にもスゴくやられてしまい、今回の冒険は激しかったと思います。
特に後半は死と向き合った時間が長く、精魂疲れ果ててしまいました。

Day:1 葛温泉ゲート〜硫黄尾根2020m地点 雪-15℃
28日0:00に葛温泉ゲートを出発、前日降り始めた雪で電車が止まるほど積もったようなので無理をしないほうがいいとタクシー運転手から言われ、新雪舞う中ダムへ向かう。
1時間程歩いた所で、ザックのウエストベルトのバックルが壊れてしまい先が思いやられるスタートとなった。
高瀬ダムのトンネルを超えるとワカンを装着、薄いトレースがあるので前日人が入っているのだろう。林道なので迷う事はないが膝下のラッセルをしながら7:00湯俣名無し小屋にたどり着いた。
1時間ほど休憩し、出発。トレースは明瞭2:30程で吊橋に到着。左岸を少し登った所で、トレースは右の尾根に続いている。北鎌方面にはトレース無し。とりあえずトレースを追い途中で下に降りる事とした。
トレースはトラバースからどんどん上へ伸びている為適当なルンゼを下降しようとしてみるが、腰まで埋まり止まる感覚がよろしくない。ソロでこの状態であればリスクが高いと判断。まだトレースが残る硫黄尾根へ進む事とした。
16:00 硫黄岳P1手前の樹林帯の中に風がよけれそうな所にツエルトを張る。

Day:2 硫黄尾根2020m地点〜硫黄岳先のどこか。雪-20℃
2:30に起き準備をしたのだがなんだかんだ冬は時間が掛かる。7:00頃出発し進んでいくと硫黄岳手前で一回目の懸垂。
微妙なトラバースの所にはスリングがあった。
硫黄岳手前のピークに立つと5人組のパーティが見える。大体3-4時間の差か。トレースに感謝しながら進むが、所々トレースの真横にクラックが入っていたりし、大回りをすると腰までのラッセルになる。13:30頃硫黄岳山頂に着くが段々天候は荒れていく。先へ進んでいるトレースも風が強い所は消えかかっている。少し進んだがあまりの風に薄手のバラクラバでは凍傷になりそうな程顔が痛い。手頃な所に雪洞を掘り2:30行動中止とした。今思えばこの日もう少し進んでおけば大変な目に合わなくてすんだのではないか。
買ったばかりの寝袋を燃やすし、燃えた火の粉でエクスペドのエアーマットにも穴が空き終始マット無しになった。

Day:3 硫黄岳先〜赤岳の先のピーク山頂-18℃
目が覚めると風の音が小さくなっている。雪を崩して外へ出ると快晴。最高の天気だ。今日は行けるだけ進もう。
懸垂を7.8繰り返す。途中トレースをはずし変なルンゼへ降りるがなんとか修正。2.3mの4級程度のポイントが何箇所もある。この日はまだ正気を保てる程度の丁度よい緊張感で一日を終えた。ピーク下の岩陰に丁度よいビバークポイントを見つけるが、今度はヘリテイジ’クロスオーバードーム’のテントポールのゴムが伸び切ったままで戻らない。テーピングで補修してなんとかテントを張る。一日としてなにも無い日がない。

Day:4 赤岳ピーク〜槍ヶ岳山荘冬期小屋-25℃
今回最大の山場
赤岳ジャンダルム群を過ぎもう少しで西鎌尾根へ合流するとうい5.60m地点で11:00ホワイトアウト。まったく白い世界で方角が分からない。GPSを頼りに進むと2m程先に雪庇の先が見え方向転換する。風雪とガスで視界は10m程。一歩ずつ慎重に先の方に見える黒い影へ足を進める。少しガスが晴れた時にやっと縦走路に出た事をGPSで確認できた。しかしその先、この雪壁を乗越した所が雪庇の先ではないかと緊張がたえない。降雪と風でもちろんトレースもない。10mおきにGPSで現在位置を確認しながら進む。
少しガスが晴れ視界50m程。右側は雪庇で下までキレ落ちている。左側も雪庇だと思うが、覗き込むわけにもいかない。真ん中を慎重に進むが、胸まで埋まる。緊張はMAX。死にたくない。最悪を考え、下まで亀裂を入れるわけには行かないので四つん這いになってラッセルし、体重を分散させなんとか通過した。
15:30千畳乗越へ到着。
普段なら1時間半程の道のりだが、3時間程掛かるだろう。轟音が鳴り響き、まともに立っていられない。これを降りれば安全圏だが、もし、明日晴れ間が出たら後悔するだろう。
それならば、槍ヶ岳山荘冬期小屋までがんばれば、少しはゆっくりできる。がんばろう。言い聞かせ風速20m以上の風の中一歩一歩岩に捕まりながら進む。ウエストベルトで固定されていないため、風でザックが振られ危ない目に何度も合う。暗くなりどこをどう歩いているか分からない。夏道は尾根の反対側。わけの分からないルンゼをよじ登り、夏道の方へ進む。
息を整えるために停止すると、とたんに体いうことを効かなくなる。眠い。気がつくと体中が凍っている。ガタガタ体が震えはじめ眠気がすごい。こうやって人は死んでいくんだ。でも、ここで死ぬわけにはいかない。キツくても体を動かすんだ。バイルを引っ掛け尾根を乗越すと夏道が見える。GPSで確認すると後5.60m。吹雪で視界は5m程。とりあえず道らしきものを進むと標柱が見えた。GPSではすぐ近くに小屋があるが全く見えない。右側に見えた影の方へ一歩岩を登ると、目の前に冬期小屋が見えた。「やった。助かった。」
小屋の中に入り凍った服を脱ぎ、火を焚いてその日は飯も食わず眠りについた。

Day:5 槍ヶ岳山荘冬期小屋〜新穂-25℃
6時に目が覚め外を除くが強い風とガスで、槍の穂先が見えない。このままボロボロの体で進むのも気が進まない。
天気予報をチェックすると、夜〜朝まで天気が落ち着く予報だ。雪崩警報も出ている。どうするか。。
出発前『自然に逆らわず、自然に登らせてもらうことが大事だ』という言葉を頂いたのを思い出した。
この状態で無理して穂先に登り下へ下るよりも、夜まで天候が落ち着くのを待ち、気温が下がる時間帯に雪崩危険地域を通過する方が良い。そのためには十分休息をとらなければ。
朝おかゆを4食分食べ、昼はラーメンとうどんを食べ十分に睡眠もとった。時間を掛けパッキングしていると予報道理15時位から風が落ち着いてきた。予報とおりだ。
18時外に出、飛騨沢を下降し始める。最初は目を空けていられない程の風雪だったが、高度を下げると共に空が晴れてきた。雪崩を起こさないように慎重に進み、左へ左へトラバースしていく。槍平に着く頃には月明かりのラッセルとなった。槍平から先は、トレースもしっかりしてきており、随分楽をしたが、白出沢までの途中は小規模雪崩が何箇所も発生しており夜間下降は正解だったなと思いながら、足を進めた。
1月1日午後11時57分新穂高温泉へ到着。
一気に緊張が解けた。
ボロボロになりながらアノ地獄から6時間程でこんな天国にいれるなんて。
待合室の暖かさがありがたかった。
生きて帰れた事が本当にありがたかった。
北アルプスの厳しさを感じることが出来た今回の山行だった。

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コメント

きたきた、やっと来た
やっぱスゲー!
年末年始は天気悪かったからマジ心配した!
liewさんハンパないって!
2018/1/16 20:55
Re: きたきた、やっと来た
アノ天気悪さもアルプスならではって感じてたまらんよね★
本当は動画とかも編集したいんだけど、忙しくて中々。、
2018/1/17 17:21
色々と信じられないです
毎回本当にストイックですね。
命を削るような山行の数々は尊敬以外の言葉がありません。
また文章がドキュメント風で読ませますね(゚∀゚)
臨場感が伝わってきて読んでるだけでドキドキしてしまいます。
こういった山行の繰り返しで今のスタイルがあるのでしょうけど
ファンの一人として命だけは本当に落とさないようにしてくださいませ
と、言わせて下さいm(__)m
2018/1/16 23:53
Re: 色々と信じられないです
いやいやw
僕はalsoさんみたいに足も早くないし長い距離歩くしかないので、どこまで行けるか毎回楽しんでいるだけです。
ただ、人間頑張ればどうにかなるもんですね。
同年代なので、alsoさんの達の山行も楽しみに読んでいますよ★
いつかまだどこかで会えるといいですね。
2018/1/17 17:19
これはヤバい!!!
liew2fowさん、こんばんは!
今回の記録は一流クライマーの書籍を読んでいるかのようにドキドキしました。
硫黄岳は僕も狙っているので(無雪期の藪岩)以前からある程度は調べていました。
この年末年始でソロは本当に驚きましたし、その状況を予想しながら突っ込める勇気と冷静に状況を判断する能力は想像を絶します!
この先もアグレッシブな山行を行うと思いますが、alsoと同じようにヤマレコでは数少ない尊敬できるファンの一人として死だけは避けてください。

私にとってヤマレコで一番衝撃を受けた記録になりました。 お疲れさまでした!
2018/1/17 20:31
Re: これはヤバい!!!
kaikairei さんお疲れ様です。
硫黄岳〜赤岳は今まで行った山の中で一番ボロボロでした。無雪期は僕は行ける気がしませんww
2018/1/18 10:57
すごい!
30日の朝名無小屋を出発しました。トレースは1800Mくらいまで窪みがわかる程度ついてましたが、あとはほとんどなく樹林帯のラッセルに苦労しました。31日に硫黄岳下の小次郎のコルに達しましたが、次の日は時間切れとその後の天候に期待が持てず気力が続きませんでした。硫黄岳までで引返しました。
あの積雪の中をソロで登った人がいるのがわかり、すごいと思いました。と同時にとても悔しい気持ちもあります。でも、心の底から称賛します。おめでとうございます!!
僕も2月までにもう一度トライしてみます。
2018/1/17 21:33
Re: すごい!
hositotakibi2sさんこんにちは。
友達から他にも行っている人がいるよ、とブログが送られてきたので拝見していました。
31日は昼からは天候悪かったですね。あそこから引き返すのもかなりのものだったんじゃないですか?
硫黄岳〜赤岳ジャンダルム群はソロでは何箇所か難しい所もありますが、それより西鎌尾根が結構厳しかったので気をつけて下さい。
成功をお祈りしております。
2018/1/18 11:02
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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
槍ヶ岳 〜新穂高から双六、西鎌経由〜
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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