八ヶ岳/本沢温泉から硫黄岳・横岳・赤岳
- GPS
- 13:33
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 1,937m
- 下り
- 1,930m
コースタイム
- 山行
- 2:57
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 3:02
- 山行
- 8:16
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 10:46
天候 | 5/25 晴れ、5/26 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
8:33 八王子−(スーパーあずさ5号)→9:53 小淵沢 9:57→11:07 小海 11:17 小海駅→11:51 稲子湯 (小海町営バス 松原湖線 http://www.koumi-town.jp/office/files/pdf/0c1ec5031b2f6dd6fd34feae40fdbc6d16b8bae5.pdf) ◆復路 16:30 美濃戸口→17:00 茅野駅(アルピコタクシー5200円) 17:50 茅野−(あずさ30号)→19:35 八王子 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆道の状況 コース上の残雪はほぼ無しで軽アイゼンは使用せず。杣添尾根はかなりの残雪があり未だ軽アイゼンがあった方が良いようだ。 ◆登山ポスト 稲子湯にありそこで提出。またみどり池入口ゲートにも登山ポストはあった。 |
その他周辺情報 | ◆登山後の風呂 16:20のバスに間に合っていたけど美濃戸口の八ヶ岳山荘で入湯(500円)して茅野駅にはタクシーを利用。 ◆本沢温泉 平日と言うこともあり4パーティの宿泊のみ。相部屋を頼んだのが我々だけだったので結果的には一番広い個室を頂いたようなもので快適でした。 開山祭の時には100名位泊まるとか。 沢沿いの雲上の湯と内湯とそれぞれに楽しめます。内湯は24時間入れます。 相部屋夕食のみで7700円。 |
写真
感想
下ノ廊下を目指す会の今年の3回目の山行は大幅にグレードアップしてこれまでに無い高峰八ヶ岳の縦走と岩稜帯の体験。温泉マニアの意向も汲んで本沢温泉に泊り硫黄岳から横岳、赤岳の縦走としました。ツクモグサやホテイランにも出逢えて予想外に花の山旅にもなったけど、長い岩稜帯を乗り切れて下ノ廊下を歩く自信も十分に付いたのでは?
【1日目】
夜行ではなく朝出発してみんな来られる時間と言うことで9:53小淵沢着のスーパーあずさになったが指定席も自由席も甲府まで満席になるのには正直驚いた。また平日のラッシュアワーなので大きめのザックを持つのは多少気が引けるものだ。ともあれ小淵沢で小海線に乗り換えると一気に旅情感満載。キハ110系(と言うらしい)2両編成の列車は八ヶ岳を左手に見ながら千曲川と共に北上して行く。1345mのJR鉄道最高地点を通過して野辺山駅もJR最高駅、小海駅はやや低くなるがそれでも865mもある。清里、野辺山はSUICAが使えるようだが小海では使えない。小海駅で町営バスに乗り換えて終点の稲子湯に向かうけどこれまた客は我々3人だけだった。フルサイズのバスが狭い集落の道を抜けて行くのもスリリングだ。30分で稲子湯に到着した。
既に緑の森の中に一軒宿の稲子湯が建っているがこれまた風雅な装いだ。正面を横切って奥に登山道入口があり、そこに踏み出すとすぐに山中となり湿原の小径となる。緑の濃いいかにも北八っぽい登山道を登り林道を横切りもう一度林道に出合うとみどり池入口のゲートだ。クルマが数台駐車できる。ゲートを越えるとすぐに唐沢橋。林道を2回横切った後は森の径が続き10分程で再び林道へ、そして屏風橋を越えてこまどり沢の左岸の登山道に進む。僕の2011年版の地図だと屏風橋の200m程手前で右岸から左岸に渡ることになっているが今は右岸側で林道に出て橋を渡って行くようだ。沢に沿って行くようになると涼しく感じる。右側の滔々と注ぐ枝沢があったがこれが水場だったようだ。こまどり沢を丸木橋で越えると段々と勾配が出て来る。標高1800m位から昔の軌道跡が現れる。みどり池まで0.6kmの道標がある所で御誂え向きの切り株があったので小休止としたが、ここから勾配はもう一段きつくなり、そして緩んだらしらびそ小屋が見えて来る。小屋はみどり池に面していてそこからは硫黄岳が初めて展望できる。少し進んで稲子岳が背景に見えるようなアングルになるとなるほどみどり池だと思える。みどり池からは余り登り降りも無く、中山峠への分岐を過ぎると登山道はやや東向きに方角を変え、更に西寄りに向かうようになると松原湖からの登山道に出合う。本沢温泉ももうすぐだ。如何にも北八ヶ岳を感じさせる苔の森の登山道だったが、本沢温泉からは硫黄岳の爆裂火口が望まれ南八ヶ岳らしいダイナミズムを感じる。金曜日だけあって途中で出逢う人も少なかったが本沢温泉も宿泊客は4パーティのみだった。相部屋で予約しておいたら他のパーティはみんな個室を取っていたようで結果的に我々が一番広い個室を安い宿泊料金で利用できることになった。
先ずは荷物を置いて雲上の湯と言う野天風呂を目指す。数分登り夏沢峠への登山道を分けて左へ沢に降りて行くとあった。河原にお風呂だけがあり、そこからは硫黄だけの爆裂火口が正面に展望できると言う野趣溢れるもので皆んな大喜び。カラマツの新緑も美しい。先客が1名いたが缶ビールを持っていたことにそこまで頭が働かなかったと皆んなシマッタと舌打ちした。ともあれ宿に戻って先ずは生ビールを談話室で頂いた。その後はウィスキー。夕食の声が掛かる頃には半分出来上がっている。鍋をつつきながらまた日本酒やら濁酒やら注文している。食事の時間が終わって出てからまた談話室で。やれやれ。僕はコクリコクリと船を漕ぎ出し早々に寝てしまった。
【2日目】
目が覚めたら3:45とちょうど良い時間だった。昨日入りそびれた内湯の苔桃の湯に浸かり少しは酔いも醒ますことが出来ただろうか。上がって来たら皆も起床していた。優秀だ。宿の朝食は6時からと言うので談話室で自炊し、5:13に本沢温泉を出発。前回よりもスムーズに出発出来たので上々。夏沢峠に向かう登山道からは実はちょっと雲上の湯が見下ろせるポイントがあった。そこから登山道は沢を離れ、濃い針葉樹の森の中を行く。やっぱり頭が重いなぁ。皆んなそうなんだろう、昨日はコースタイムよりも早かったけど今日はオンタイムと言う所だ。夏沢峠はそれ程展望には優れていないがそこから登りに掛かるとどんどんと展望が広がって行き、気分も爽快だ。森林限界を越えると北アルプスがどんと現れ歓声も上がる。北八の山々もどんどん我々よりも低くなる。けれど硫黄岳はケルンが見えてからが遠い。硫黄岳に立つと南側にも視界が開けてこれから進む横岳と赤岳、更には阿弥陀、権現、南アルプスも望める。山頂でのんびりと休憩して横岳に向かって出発。山頂からすぐそこに見えた硫黄岳山荘までもきちんとコースタイム通りの時間が掛かる。台座ノ頭まで休まずに歩きここでヘルメットを被り岩稜帯に備える。下ノ廊下でも使う予定だし、IさんもOさんも新規購入した。僕のCAMPは表面がベトベトして来ているので新品のヘルメットはちょっと羨ましい。
正面に奥ノ院のピークが見える。ここまではIさんに引っ張って来てもらったがここからは僕が先頭を行く。大同心を右下に見ながら奥ノ院に取り付くが最初の鎖場で東側から西側に抜ける所は露出度、高度感がもの凄くて、後続の2人はどうかと少し危ぶんだ。「間違っても落ちるなよ」と笑いながら声を掛けたがきっと笑えない状況だったろう。横岳山頂標識まで来ると緊張が解けて座り込むIさん。Oさんは360°の絶景を楽しみながら写真を撮っているから大丈夫だね。ここで杣添尾根から登って来たと言うお二人に出逢ったが、杣添尾根は残雪が結構あり苦労したそうだ。またツクモグサが咲いていると聞いたけど三叉峰からこちらには無かったので地蔵の頭まで戻って杣添を降るとか。ツクモグサは絶滅危惧種だそうで、これに出逢えるのは非常に貴重な体験と教えて頂いた。ではそのツクモグサに会いに出発しましょう。と思ったら杣添尾根分岐を過ぎて数分でツクモグサが咲いているのに出逢ったし、ここから日ノ岳の間で群咲いていた。石尊峰、鉾岳、日ノ岳、二十三夜峰と地図にはあるけどどこがどのピークか正直よく解らないが、だんだんとIさんもリラックスしてきて笑顔が溢れるようになって来た。地蔵の頭まで来て計画よりも遅れているから赤岳をスキップしてエスケープするか?と聞いたらここまで来て主峰に登らないなんて、と強い意欲を見せてくれたので計画通り赤岳を目指すことにした。
地蔵の頭から見る赤岳はかなり手強く感じるけどだんだんと近づいて来るんで安心するでしょう、と宥めながら登って行く。そして頂上小屋のある北峰に出て更に南峰に立った。これまでも良い展望だったけど八ヶ岳の最高峰に立てば気分も高揚して更に絶景でしょう。一通り景色を楽しみ小休止してから行者小屋を目指して下山。20分程は鎖が続くがそれ以降は滑りやすい斜面が続きこれも嫌らしい。これで今回のメインディッシュは終了だ。樹林に入ってヘルメットを脱ぎ、しばらく歩くと行者小屋だ。行者小屋は小屋開けの準備に忙しそうだ。もう14:45のバスには間に合わないから16:20に間に合うように美濃戸口に着けば良い、と言いながらも16:20に遅れるのはまずいから30分の休憩で切り上げて美濃戸を目指す。コースタイムが1:40とあったが2時間掛かったのでこの判断は良かっただろう。美濃戸も近くなった辺りでホテイランの開花にも出逢えたのはラッキーだった。美濃戸から更に美濃戸口まで45分。ここを歩くのは随分久し振りだが、最後だけに長く感じた。美濃戸口には16:00に着いたがやっぱり汗を流したいねと言うことになりタクシーを呼んでおいて八ヶ岳山荘でお風呂に浸かった。予約時間よりも早く16:30にタクシーが来て茅野駅まで。バスにタッチの差で乗り遅れた青年も同乗して、気さくな運転手さんの話で盛り上がった。茅野と言えば小平さんですよね。
駅では余り時間も無いので駅に隣接するデパートのレストランでそばを食べビールを飲み、駅の土産物屋で真澄の四合瓶と鹿肉のサラミやら馬肉の燻製やらを仕入れてあずさの中でも呑みが続く。やっぱり止まらないんだなぁ。取り敢えず次回の日程は決めた。
ともあれ無事に岩稜帯の縦走を経験出来たので下ノ廊下も一歩近づいたのでは。
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