分水嶺トレイル2018 Aコースソロ
- GPS
- 32:00
- 距離
- 80.3km
- 登り
- 6,933m
- 下り
- 6,015m
コースタイム
- 山行
- 30:14
- 休憩
- 4:12
- 合計
- 34:26
天候 | 晴れ(猛暑) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
ハイドレーション
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
テント
テントマット
シェラフ
|
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感想
■目標
・昨年同じくAソロで出場した時のゴールタイム44時間のうち、
睡眠とそれに必要な前後の時間で計8時間、コースロスト計1時間が内包されていたため、
今年はそれを差し引き+αで34時間を目標タイムに設定。
夜間行動や睡眠のカットは慣れておらず実際どうなるか未知のため、
少しでも無理が生じたら休むことを念頭に。
■事前に心がけたこと
・スタート日の東京の予想気温は36度と、関東は厳しい暑さが予想されたため、
脱水対策:スタートから2リットルハイドレ+500mlの水分を携行し、特に雲取山山頂までは意図的に多めに水分補給を行う
熱中症対策:ハイドレは氷結、スタート鴨沢にある水道やトレイルの各所にある水場では頭や首を濡らす、塩分補給多めに行う
の対策をした。
・逆に3日間天候が良いことが見込まれたため、火器は持っていかずに携行メイン食はアルファ米を水で戻すことにし、またテントマットもごく小さいもののみの携行とし、軽量化。
・睡眠を削り動き続けるため、行動食は去年より大体3割増に。1000kcalの自作ジェルは胃が好調であろう前半中心に消化。小屋で購入が可能な食事は胃が好調な限り積極的に取る。
・去年雲取山までのトレイル序盤で渋滞に巻き込まれ後方順位になり、その後快調だったもののなかなか順位を上げられなかったため、今回CP1である雲取山までを早めに通過することを心掛ける。
・去年コースロストしたポイントは要注意
・道中楽しむ!
■当日の感想
朝7時過ぎに自宅を出発。電車とバスで使い鴨沢へ向かう。途中青梅あたりでAチームで出場する友人と合流し、しゃべりながら奥多摩駅からほぼ分水嶺選手貸切と化したバスに乗り換え、約40分ほどで鴨沢に10時過ぎに到着。
装備チェックはホイッスルと傷口消毒用の水について多少の指摘があったが、その他問題なくクリア。
予想通りすごい暑さのため、スタート場所にある水道でこまめに頭を濡らしてしのぐ。
昨年知り合った知人らと会話をし、恒例の記念撮影。Aチームで出場するメンバーはマイペースに後方から行くということなので、ここでお互いの健闘を祈りお別れ。まあまあ前方の位置につき、前回同様ゆる〜いスタートの合図で出発(笑)
前述のとおり雲取山山頂まではなるべくペースを落とさないで行くことを心掛けたが、暑さがつらく、なかなか思うようにペースが上がらない。堂所までは7人ほどの集団に入っていたが、自分は早々にこの集団のペースからは脱落することに。うち女性が2人、颯爽と追い越していくので感心しながら眺める(笑)あとあとゴール後に確認したら、うち1人は最終的に2位でゴールしたトレイルレースで上位に入ったりしている有名な方だった。
ペースは上がらないまでも、後続の選手がほとんど現れない。所々で試走していた時の通過タイムと照らし合わせると、殆ど目標タイム通りだったので、思ったほど調子は悪くないことを確認。多めの水分補給を心掛け、このペースを維持してCP1に着くことに気持ちを切り替える。
CP1雲取山荘にはちょうど14時に到着。この時点で14番目くらいの順位と、思ったより良い。水分は実感していたよりも減っておらず、山荘でがぶ飲みしつつハイドレに補充をする。おにぎり1個とカロリーメイトを補給し15分後に出発。
ここから将監峠までは個人的にあまり好きではない区間。特に飛龍山付近が意外とアップダウンがあり苦手意識。5年ほど前に1人で逆コースで奥秩父全山縦走をした際に、この区間で苦しんだ記憶が・・。
苦手意識が働いたのか、飛龍山付近ですでに足の重さを感じ始める。その頃、CP1で見かけたAコースソロのお二人に追い付かれる。登りのペースが素晴らしく早い。お二人は今回初参加の男性女性で、普段はアドベンチャーレースやロゲイニングを中心に楽しんでいるそう。同じユニフォームを着て仲よさそうだ。しばらく会話しながら一緒に進み、将監峠手前で先行してもらった。
将監峠には去年より少し早い時間に到着。とはいえ雲取山からここまでやはり予想より時間がかかった。水は十分にあったので補充の必要がなく、小屋まで降りずに峠で食事をする。しかしブヨが集まってくるおかげで落ち着いて食べれない…。同じく休憩していた数人の方と会話し、20分ほどで出発。
ここからは唐松尾山の稜線を通り小さな分水嶺を経て雁峠へ。この付近で初めてBコースの選手と重なり始める。去年は唐松尾山でヘッドライトを装着したが、今回はその約40分後に装着したため、通過時間が去年より早いことを実感。雲取山の稜線に出てから雲が出てきたため暑さはだいぶマシになったものの、夜になってからもそれなりの暑さがあり、汗は常に吹き出している。都心は暑いんだろうな~などと考える。霧が充満し、ヘッドライトが拡散して視界が悪い。
しばらく前方に選手の気配を感じなかったが、雁峠に出て視界が開けると、急登に2つ3つヘッドライトの灯りが見えた。が、近い人でも多分10分は離れている。心細さもあり追い付きたかったが諦めてマイペースを保つことにする。去年はこの区間でかなり多くの鹿と遭遇しビクビクしながら進んだが、今年はたまたまなのか少なく、静かな闇のトレイルを無心で歩く。たまに獣臭がしたときは熊が頭をよぎるので念のため歌を歌ってやり過ごす(なんとなく思い浮かんでよく口ずさんでたのは「たま」の「南風」‥)。
CP2の雁坂峠にはほぼ予想通りの時刻に到着。小屋前ではAコースBコースの人が数人食事をしており、その脇には同じくAコースソロで出場し今年TJARにも出場するオカダさんがいたため、自分のペースも悪くはないと認識。ヘッドライトを消し、この時間にも関わらず有り難く販売して頂くカップラーメンを購入して、のんびりとお腹を満たす。水補給と行程の確認を行いながら30分ほど休憩し出発。
行けるところまでは仮眠せず行こうと決めて進んでたものの、破風山まで来ると程よい眠気に誘われる。この先は避難小屋を経て甲武信小屋に至るが、このまま進むこともできる気もするものの、コースタイムくらいのペースでに落ち込む気がしたため、それならば眠気のあるうちにシェルターの立てる必要の無い避難小屋にて仮眠することに決める。昨年4時間近く寝ることで逆に身体が重くなる経験をしたため、今回は1時間半の睡眠と決める。
ちょうど0時に破風山避難小屋に着く。ヘッドライトを最小にして下を向けて静かに小屋に入り、さっとビビィを出し着替えて横たわる。小屋には6〜7人がいるもよう。中には一般登山者もいる。去年はダウンを着ても寒かったが、今年はロンTだけでも暖かい。立て続けに入ってくる人殆どがヘッドライトを点けっぱなしだったため、1人の一般登山者が選手に注意をした。その後も同じように入ってくる選手に苛立ち、全く眠れないと独り言ち途中で小屋を出て行ってしまった。小屋付近でのマナーは大会側で周知してるし、その前に山に慣れてる人なら普通に考えたらどうすべきか想像はつくと思うが、その時になったら実践できないパターンがまだまだたくさんあるようだ。マナー問題で大会に支障をきたさないことを祈りたい。
自分も熟睡は出来ないものの休息出来た感じはしたので、予定通り1時間半後に起き上がり出発の準備。小屋にはまだ5〜6人が寝ていた。着替えてストレッチして行動食を食べてAM2時前に出発。
甲武信小屋までしばらくは意外と急な上り坂が続くが、休んだおかげか足取りが軽くなっている。甲武信小屋では水を補給し、アルファ米に水を仕込む。居合わせた同じくAコースソロの方と会話をし、10分ほどで出発。
甲武信ヶ岳には3時ちょうどに到着し、要綱通り主催武田さんへメール連絡。去年はここから間違えて違う方向に降りてしまったため、今回はしっかりと確認して国師ヶ岳方面に向かう。
ここから国師ヶ岳までは長い道のりで、最後の国師ヶ岳の登りは前回も苦労した記憶が強いため心していく。
富士見から東梓あたりではビバークしている人を何人か見かける。夜通しで国師までを目指したもののこの辺りで限界を迎えたのだろうか‥。水を仕込んでいたアルファ米を食す。東梓くらいまでくるとぼんやりと空が明るくなってきて、ボス国師の登りの辺りで完全に日の出を迎える。やはりここの登りはつらい。。しかももうアルファ米が消化したようで、お腹がグルグルと鳴っていて力が出ない。今回胃腸の調子は最高に良いが、普段以上に高燃費のためどんどん食料が減っていく。ジェルと行動食で紛らわす。数個の偽ピークを越え何とか国師ヶ岳に6:42に到着。最高の天気かつまだ気温が高くないので、しばし景色を堪能する。
ここからCP3の大弛峠までは木製階段の急坂を下っていけばまもなく。CPが近いので軽快になり階段を下っていくと、去年Aソロで雲取山〜破風山を前後しながら一緒に進みゴールで再開したセキグチさんと遭遇。何と立ちながら寝ている(笑)声をかけるとはっと目を覚まし、再開を喜びつつ話を聞くと、今回はBコースソロで出場しているのだが、ここまで眠くても寝れないつらい状態が続いているとのこと。大弛峠までやや先行しつつ一緒に到着すると、残念ながら体調を鑑みてセキグチさんはここでリタイヤを決められた。逆にエールを送っていただいたので自分も改めて頑張ろうと思い、カレーと味噌汁を胃に入れて40分ほど休み出発。ちなみに大弛峠ではAコースの人は殆ど会わなかったが、Bコースの人たちで賑わっていた。
この先は金峰山を経て富士見平小屋を目指す。近いようで遠いので、着々と進むことを心掛ける。
去年はここの朝日岳までの登り付近で胃腸に違和感を覚えてつらかった記憶があるが、今年はどうかというと、胃腸の調子は抜群に良い。しかしここまで1時間半の仮眠だけで進んできたためか、そろそろ本格的に足が重くなってきた。大弛峠から金峰山は気持ちの良いトレイルで登山者も多く、ちょうど朝のいい時間ということもあり多くの方と並行するが、いつものようにスッと抜かさせていただくほどのスピードはもはやなく、ゼエハア言いながら早い登山者になんとか食らいつく程度。
なんとか金峰山山頂にたどり着き南アルプスや八ヶ岳方面の絶景を眺めると、しばし疲れを忘れる。ゴール地点は見えないものの大体の距離感がここで視覚的にわかるが、、まだ遥か遠い。山頂の岩に登り写真撮影をし、ガレ場の連続の稜線を下っていく。この区間は前回あまり記憶になかったが、随分と足場が悪く、クライムダウンをしながら下っていく感じが延々と続き、疲労している体に響く。後から考えるとストックをしまうべきだったが、ザックを下すのも面倒だったため富士見平小屋までストックを持ち続けていた。大日岩では、これから小川山のピストンへといくBコースの方々と遭遇。自分以上に歩いてきているにもかかわらずここから小川山往復がプラスとは、、想像するだけでツラい。エールを送らせて頂いた。
これでもかというほど標高を落とし最後のCP富士見平小屋へは何とか午前中に到着。順位は12番目ほど。雲取山から殆ど順位は変わらず、やはり雲取山までがキモなのは間違いないもよう。スタッフの方に話を聞くと、Aコースチームはまだ現れておらず、ソロの選手のみ1時間に2人ほどのペースとのこと。また、不動沢から松平林道入口の地図読み区間始点まで、沢の増水のためコース変更を知らされる。本来は不動沢の丸太を渡ってを右岸を下っていくが、沢の左岸をそのまま下り、駐車場まで行き林道を経て松平林道まで行くことになり、おそらく距離が2km近く伸びると思われる。
きのこうどんとコーラを食したあと、疲労を感じていたため30分ほど横たわることにする。しかしアブが寄ってきて顔にまとわりつきなかなか休めない‥。
そうこうしているうちに、去年Aチームで出場しその後の地図読み講習会で話すようになったAソロ出場のタナベさんが到着。少し会話をし、食事を済ませたら出発するということなので、もう登りはヘロヘロな自分は先に出発させてもらうことに。13時前に富士見平小屋を出発。
瑞牆山山頂まではクライミングに近い登りの連続のため、ストックは予めしまう。手を使った上り下りは得意だがもはや亀のようなスピードで進むしかない。この時間でもまだ山頂を目指す一般登山者がいるが、ほぼスピードは変わらない。やっとこさ登り切り、去年は山頂に立ち寄ったが今回はその余力はなく、ささっと不動沢方面に下りる。一連の大雨の影響か路面がぬかるんでおり、滑りやすく足を消耗する。やけに長く感じた不動沢を越え、コース変更区間のロードを経て地図読み区間入口に到着。最後の水場なので水を補給し、アルファ米に水を入れて信州峠での食事の準備をする。
ここで後ろからAソロの方2名に追い付かれる。1人はタナベさん、もう1人は今回初出場のオオクボさん。オオクボさんはここからの区間の試走はしておらず不安とのことで、ここからは3人で進むことにする。タナベさんも登りはもうしんどいとのことだが、序盤の超急登も良いテンポで歩んでいく。15分ほど進むと、オオクボさんが熱中症気味を訴えて、リタイヤを決めて引き返すことに。ここからはタナベさんと2人で進む。
フシノソリ付近の稜線手前で黒い服を着た人が座っているのが先に見え、タナベさんに伝えるが、進んでみるとそんな人はおらず‥意識ははっきりしており、おそらく黒い木と見間違えたのだが、随分とくっきりと人に見えた。念願の?幻覚を見たのかもしれない(笑)多少迷ったものの稜線に無事たどり着き、ここからは比較的なだらかなファインディングルートを進む。踏み後も適度にあり、1か月前の試走の甲斐もあり迷わず行く。2人で進むと驚くほど心も体も楽に感じる。チーム出場のメリットはこういうところもあると感じた。
信州峠には夕方に到着。タナベさんは疲労を感じており、少し仮眠をするので先に進んでくださいと仰ったが、自分も食事休憩すると伝える。胃腸はここまで来ても好調でアルファ米をかきこみ、少しストレッチ。もうゴールが見えてきたため気分的にも楽になってきた。30分ほど休憩し、タナベさんも出発するということだったため、ここからも一緒に行くことに。
次に通過する横尾山は前回印象は薄かったが、日没間際で薄っすらと山のシルエットが見えると‥驚くほどデカい。タナベさんと2人であの山じゃないよねといった話をしながら進むが、方角的に間違いない。予想通り登っても登っても中々着かない。カヤトの原で一旦視界が開けると、夕日が見える。この辺りでヘッドライトを装着。地味な山だがなかなか手ごわかったが横尾山に到着し、そのままゴールまでの破線ルートに入る。
ここからの長さは去年相当感じたので、もう無心で耐えることにする。豆腐岩の先の分かれ道で去年迷いかけたが、今回はタナベさんに教えてもらいスムーズに通過。Bコースの方2名もそこで迷っており、教えてあげると、そこからはほぼ同じペースで進む。2時間ほど長い長い藪のトレイルをかき分け続け、何とか飯盛山付近に到着し、ここで主催の武田さんに電話。獅子岩までの最後の下りは走りましょうかとタナベさんに提案するも、言うだけでもはやその力は二人ともない(笑)
ゴールに近づくと、灯りが見える。長かったが、あっという間の気もする。田辺さんに二人でゴールしましょうといい、2日目の23時12分に揃ってゴール!!
地図読み区間始点からタナベさんと一緒に歩いたおかげで、最後は本当に気持ちが楽に歩けた。勝手に並走してしまい、ペースを崩してしまいすみません。本当にありがとうございました。
ゴール後に早速ビールを飲む。うまい‥!主催の武田さんや既にゴールしていたABの方らと談笑し、眠いはずなのに楽しくて寝る気分にならずビールをおかわり。つまみにスタート時に頂いたナッツミックスをここで初めて開けておつまみとして食す(笑)
今回は猛暑のおかげでやはり相当のリタイヤ者が続出しているとのことを聞く(後でAソロの完走率は61%、Aチームは41%と判明)。Aチームで出場した友人らも残念ながら途中リタイヤとなってしまった。暑さは本当に厳しかったが、事前の準備と行動中の心がけが功を奏し、目標通り去年より10時間近く短い時間でゴールで来たのは満足だった。分水嶺トレイルはコンセプトが好きで、トレランレースとは全く違う趣の非常に良い大会。大会中は死ぬほどしんどいのに、終わってみるとまた出たくなる不思議な魅力に溢れる大会でした!
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