空木岳〜木曽駒ヶ岳縦走 初めての中央アルプスをひたすら歩く
長野県
Glasnevin
体力度について
- GPS
- 16:42
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 3,577m
- 下り
- 1,803m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:06
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 8:37
| 天候 | 1日目・晴時々曇 2日目・晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
|
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感想
私事ですが…ここ2ヶ月ほどまったくもって低調でした。7月に念願だった剱岳を登頂して以来（8月の浅間山は悪天候で不完全燃焼）何となく燃え尽き症候群に似た感じで、登山はおろか生活全般にも意欲を欠く状態でした。これではマズイと思い、喝を入れる意味でも少しハードで新しい登山計画することにしました。
それが今回の山行の空木岳から木曽駒ヶ岳への縦走です。逆コースの方が色々と楽のは重々承知の上で、比高2000mを1日で登り、長い稜線歩きの後に危険な岩稜帯に挑む方を選びました。宿泊は素泊まりにして、飲食を極力自分自身で事足りるようにするのも初めての試みとなりました。
前日。食料飲料を買い込み、菅の台登山口近くの駒ヶ根ユースホステルに宿泊。
1日目。軽い朝食をいただいてから、朝8時過ぎに快晴の空の下のんびりと出発。登山口は標高900mに満たない。ここから2864m空木岳山頂を目指す。
鬱蒼とした樹林帯の中を何度か林道を横切りながら登っていく。傾斜もだんだんと増していく。開けた場所も無いので、自然と視線も低めに。そこでやたらと目につくのが地面に生えるキノコ。様々な種類のキノコが次から次へと見つかる。知識が無いので名前が分からないのは残念だが、キノコ巡りが樹林帯歩きの憂鬱さを消してくれる。
そんなうちに鷹うち場という平坦地に到着。野生動物観察棟という建物で補給休憩。少し開けた場所だが、雲が出始めていて展望は無い。
また樹林帯の登山道に戻って先へ進む。倒木で道が塞がっていたりする場所も越えつつ、しばらくすると池山山頂に着く。この頃には周りはガスってきて真っ白な状態になる。山を一旦下ると、湧き水が滔々と流れる池山小屋を過ぎる。
ダケカンバの森が続く。ここから先は巻道の緩やかな坂道だが、しばらくすると尾根に上がる急登が始まり、やがて注意板もあるやせ尾根になっていく。途中、大地獄、小地獄という鎖場もあり、いよいよ標高上げが本格化してくる。そのためか周りのガスも消え始め、右手の木々の間から谷向こうの檜尾尾根も見えてくる。
登山口から樹林帯の中を歩くこと5時間半、空木平との分岐を駒石方面へ進むと、やがて森林限界を越えてハイマツ帯となり、ようやく空木岳が姿を見せてくれる。上空には雲も多いが、開放感あふれる気持ちの良い尾根歩きになる。所々のナナカマドは赤い実をつけ、上から見える空木平は少し色づき始めており、少し秋を感じさせてくれる。
分岐から1時間半（途中で呑気な補給休憩もしたので）かけて、白く荒涼とした空木岳山頂に到着。木曽谷側は湧き上がる雲で視界不良だが、伊那谷側は歩いてきた山並みや駒ヶ根の街が望める。正面の南アルプスには雲がかかっていて麓しか見えないのが残念。ここまで2000m上がってきたのだが、特に厳しかった箇所もなく、身体的にも疲労感も少ないので、意外なほど呆気ない感じもする。
30分ほど滞在の後、今晩の宿の木曽殿山荘に向けて山を降り始める。が、いきなり登山道が岩場とガレ場の混在する何とも厄介な下りに変貌する。最後の最後で、こんな緊張感を強いられようとは。かなり下る。第一ピークとペンキされた場所からやっと小屋が見えるが、まだかなり下である。山頂から慎重に1時間かけて小屋に到着する。
小屋に到着後、さっそく翌日の水を木曽義仲の力水という沢に汲みに行く。戻るとコッヘルで自炊。ザックの重さは然程変わらない。それから、周りと宝剣岳へのルートは標準タイムでは厳しそうなどの話を聞いたりしながら過ごして、20時消灯。
2日目。まだ薄暗い中をヘッドライトをつけて朝5時に出発。いきなり立ちはだかる東川岳の急登に取り付く。見るからに厳しそうな感じだったが、朝一にしては調子良く上がれる。これからの行程を考えると何とも幸先良い。
山頂に立つ頃には、だいぶ周りが明るくなり始めて来たが、まだ日の出時間まであるので先を急ぐ。どれだけ時間がかかるのか実際不明なだけに、立ち止まってはいられない。細かいアップダウンを繰り返しながら、眼下には雲海、左手に御嶽山、右手に南アルプスを望みながら歩く。
熊沢岳との中間地点の小さなピークで、南アルプス甲斐駒ヶ岳の脇から上がる御来光を拝む。奥には富士山のシルエットも。
行く先の中央アルプスの稜線も朝陽に照らされて赤らむが、連続するピークの向こうにある目標の宝剣岳や木曽駒ヶ岳はまだ見えない。緑のハイマツと、白い花崗岩の岩場、ガレ場、ザレ場の様々なバリエーションの道を進む。確かに100m単位の登り下りはなかなかハードだが、天気も良く、何より脚の調子良いので、ポイントで補給休憩を取りながら順調に進んで行く。熊沢岳の先の大岩の鎖場、濁沢大峰辺りの岩場の少し危険な箇所も、気持ちを引き締める程良いアクセントになる。
熊沢岳、大滝山、檜尾岳、濁沢大峰などの名のあるピークと、その他無数の名もなきピークを越えること2時間半、やっと前方に宝剣岳と木曽駒ヶ岳が姿を現わす。まだまだ先である。
島田娘（不思議な名前だと思ったら、雪形が由来らしい）のピークへの行程で、また目指す2座の姿が見えなくなる。2つの大きなピークのアップダウンは、ここにきてなかなかこたえ、踏ん張りどころになる。この辺りで眼下の左右に木曽谷、伊那谷が望める。
ようやく島田娘に到達すると、宝剣岳への白い道がはっきりする。途中、眼下にロープウェイ駅が見える極楽平の分岐で、気合を入れつつ補給休憩。
厳つい宝剣岳への取り付きは、やはり破線のコース設定でもあり、難易度の高い岩場となる。高度感のある鎖場もあり、俄然テンションが上がる。ポイントはしっかりと整備されているので、慎重にいけば特に問題はない。
宝剣岳山頂はかなり狭い。1つ突き出た岩がてっぺんのようで、山名プレートも置いてあるが、さすがにそこに上がる勇気は無い。写真だけ撮って済ませる。足下には、千畳敷が箱庭のように広がり、その先には伊那谷も見える。
しばらく山頂からの眺めを楽しんだ後、下山開始。いきなりトラバースの鎖や長めの鎖場もあるが、反対側からのルートと比べるとかなりアプローチが短い。左手に天狗岩を見やりながら、かなりアッサリと下に降りられる。
降りた先の乗越浄土の辺りは沢山の登山者で賑やかである。そんな流れに乗りながら木曽駒ヶ岳へ向かう。間に中岳というピークがあるが、手前の分岐に「巻道（危険）」とあるので、もちろんそちらを選択する。急斜面に取り付いた岩場の巻道を進む。
中岳からの道と合流するすると、ドーム状のピークは目の前。朝の出発から6時間かけた行程を軽い疲労感と共に噛みしめながら登る。
木曽駒ヶ岳山頂はかなり広い。神社の社殿も伊那谷側と木曽谷側の2つがあるので、きちんとお参りする。広場の至る所で多くの登山者が思い思いに過ごしている。三角点に到達のタッチをした後、晴れ渡る360度の展望なので迷ったが、北アルプスが望める北側を眺めながら昼食休憩を取る。乗鞍岳から穂高岳、もちろん槍ヶ岳、立山、東側に目をやれば蓼科山の姿も見える。
30分ほど山頂で過ごした後、最後の下山を開始する。と思ったけれども、目の前にある中岳をまた巻道でスルーする訳にもいかないと考え直し、本日最後のピーク越えをする。中岳からの景色もなかなか。本日の行程稜線をはっきり見れ、よくぞここまで歩いて来たと改めて感じる。
乗越浄土から八丁坂を一気に降る。急斜面は少し色づき始めている。数多くの登山者とすれ違いながら、ロープウェイ千畳敷駅に到着し、山行終了。振り返ると何度も写真や映像で見たことのある見事なカール地形！周りが観光客でいっぱいなのも納得の景色である。帰りはロープウェイを利用させてもらう。
はたして有効な喝が入ったのか、まだ何とも分かりませんが、取り敢えず今回の山行が何らかのキッカケになってくれればと思っています。
山行自体は程よい疲労感で、2日間十分に楽しめました。まだまだ出来るかなぁ。
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