後立山連峰(扇沢-栂池)好天に誘われて
- GPS
- --:--
- 距離
- 37.4km
- 登り
- 4,578m
- 下り
- 4,087m
コースタイム
9/16 4:13五竜山荘-6:01唐松岳頂上山荘-8:00不帰キレット-9:25天狗山荘9:49-10:33鑓ヶ岳-12:18白馬頂上宿舎
9/17 4:16白馬頂上宿舎-5:17三国境分岐-6:41白馬大池山荘-7:40天狗原分岐-8:20栂池山荘
3日合計 22時間17分 46,23km 累積標高差 UP 4,349m Down 3,853m
天候 | 9/15 晴れ⇒10時過ぎからガス⇒13時頃から小雨 9/16 晴れ⇒10時過ぎからガス又は晴れ 9/17 強風&ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
車回収 栂池→(バス)→白馬駅→(電車)→信濃大町→(バス)→扇沢→(徒歩)→駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
八峰キレット及び不帰キレット ・三点支持が出来ないと危険 栂池ロープウエーの麓にある風呂は12時から。 栂の森山荘のお風呂 9時から営業(食事なし・ビールの自販機あり) |
写真
感想
当初、南南アを予定していましたがどうも天気予報が芳しくなく、北アの方が景色を見込めそうだったので直前まで悩みに悩んで、出発日に北アルプスに決めました。
南南アは来年のお楽しみということで。
(ricalojpさん、色々ご相談にのっていただきありがとうございました。来年あらためてお聞きするかもしれませんがまたよろしくお願いします)
今回の計画のヤマはやはり八峰キレットと不帰キレットをいかに安全に越えられるかでした。
これまでに経験した岩場と言えば、八ヶ岳の赤岳〜硫黄、阿弥陀岳2回、権現岳〜赤岳往復ぐらいです。(まだ不安だったので、黒戸尾根か八ヶ岳の真行寺尾根又は県界尾根をやっておきたかったのですが日程的に間に合いませんでした)
あとは時間的な余裕をもって臨むぐらいしか出来ることはありませんでした。
北アでは午後になれば天気が悪くなるのは当たり前(常識)ですので、昼には目的地に到着できるよう出発時間を決めました。
実際通過してみて感じたのは、多人数のすれ違いや渋滞にちょうど当たらなかったのでなんとか通過することができました。私が通過し時はたまたま人が少なく、危険な鎖場でのすれ違いもソロの人と2回ぐらいしかなく、先方に待ってもらってうまく切り抜けられました。私の30分ぐらい後は、その鎖場で5人ぐらいづつのすれ違いが発生していて、通り過ぎた後に下から見ているだけでヒヤヒヤしました。そこに当たらずに本当に良かったです。
計画にあたって他の人の記録などもたくさん見ましたが、「気を付けて渡れば大丈夫」とか「滑らなければ大丈夫」など思わず当たり前だろ!と突っ込んでしまうようなコメントもありあまり参考にはなりませんでした。気を付けていても、滑らないように注意していても起こるから事故なのです。結局自分で判断するしかないという結論でした。
わざわざこんなとこ通らなくても、北アルプスの素晴らしいところはたくさんあるのでこの二つのキレットはお勧めはしません。私ももともと高いところは好きではないので、穂高の大キレットと剣のカニの横這い(縦這い?)は今後行く事はたぶんないと思います。
テントについて
昨年軽さとストックをポールにする一石二鳥に惹かれて、ゴーライトのシャングリラ1を購入しましたが、アルプスの稜線では通用しないことがはっきりわかりました。これは低山または樹林帯のテンバ向きです。雨、風が当たりまえのアルプスの稜線上では、非自立式で高さが無いこのテントはちょっとブルーになります。
ただこの軽さ(グランドシート含めて1kgない)は捨てきれないので今後も使いますが、他の人にお勧めはしません(反対します)。新しいの買う余裕もありませんし・・・。
9/14(金) 朝、職場へ行くのに車に登山道具をすべて積んで、終業後すぐに扇沢へ直行出来るように出発しました。ところが走りだして30分程で、なんと登山時に着る服一式を忘れた事に気が付きました。取りに戻ったら仕事に間に合わない・・・。止むを得ず嫁に電話して昼間に職場へ持ってきてもらうことに。スマン嫁よ、ありがとう。
業務のほうはすんなり終了し良いスタートを切れました。扇沢へ22時頃到着。予定通り3時間寝れたのでラッキーでした。
9/15(土) 1時半に爺が岳登山口を出発します。睡眠も十分だし先週からの禁酒も効いて体調はすこぶるいいです。飛ばしすぎないようにだけ注意して黙々と登って行きます。程無く種池山荘へ到着。ここでお一人追い越していく方がいました。こんな時間にビックリ。お互い様ですが・・・。
歩を進めていくと徐々に夜が明けてきました。冷池山荘を越えて鹿島槍ヶ岳に到着。キレット小屋が下の方に見えますが、物凄い急角度でここを下るの?と恐る恐る進みます。案の定いやな感じの下りが延々続き小屋に着くとホッと一息。炭酸ジュースを補給します。予定ではキレット小屋に9時過ぎ(遅くても10時)には到着できないと、その先で午後の雷雨に遭う可能性が高いのでこの小屋の到着時間が今日の行程の重要なポイントでした。ゆっくり歩きましたが予定より早く8時半には到着しました。
同じ頃に着いた方は今日はここに泊まろうと思うと話していると、小屋の人に今日は混むしまだこの時間だから出来れば先に行ってほしいと、丁寧な口調で無下に断られていました。
そんなやり取りを横目に私も先へ進みます。
危険な岩場・鎖場が続きますが、景色見ながら歩かない、写真は最低限に、時間はある、と言い聞かせながら意識してペースを落として進みました。それでも最後の五竜岳への登りのキツイこと。ここを下りに取るのは非常にイヤですね。夜間は歩けないと思います。とにかくゆっくり、脚を止めずに登りましたがそれでもCTよりは早く目的地にたどり着けました。相当余裕を持たせた設定だと思います。精神的にも楽でした。
テント場について設営していると雨がポツポツ降りだしてぎりぎりセーフ。お昼ご飯は止むを得ず狭いテントの中で丸まって食べましたが態勢も悪くあまり美味しく感じませんでした。(山荘で昼食をやっている時間だったのでそっちで食べれば良かったです)
昼寝していると雨が徐々に強くなり風も出てきました。テントが雨風に弱くちょっと天気が悪いとテント内が快適ではなくなり、気分も落ち込んできます。
なんだかみじめな気持になってきて、明後日は天気も悪くなりそうだし明日のうちに下山しようかなと思い始めます。
それでもラジオを聴いているうちに、午前中は良さそうなので取り敢えず唐松岳まで行ってそれから決めようかと思い寝ました。
9/16 3時頃近くのテントを畳む音が聞こえ目が覚めました。ちょうどいい時間なので私も撤収。4時過ぎにスタートすると既にすぐ前を一人歩いています。この人も朝早いな〜と思っていると長尾尾根の分岐で追いつき、その後少しお話しながら唐松岳へ一緒に進みましたがこの方ペースが早くてどんどん差が開いて、あっという間にライトの光だけが遠くに見えるようになってしまいました。
陽が出てくると今日も快晴のようです。しかも昨日よりも雲がありません。唐松岳山頂に着くとピーカンでこれはもう進むしかありません。昨夜のブルーな気持ちはどこへやら。
不帰キレットを必死になってクリアして、最後に天狗の大下りの登場。この登りはキツイです。ヒイコラ7分目ぐらいまで登ると山頂になんだかタンクトップのむっちりした女性が一瞬見えました。???幻覚かと思っているともう見えません。とりあえず元気が出てきたのでその勢いで登りきるといました。外国人ですが山頂で3〜4人の男女がたむろしていて、なんか外国の街のコンビニの前のようにくつろいでいました。よく事情は分かりませんでしたが心の中でお礼を言っておきました。
程無く天狗山荘です。ここの雰囲気はいいですね。立地がちょっと白馬のメジャーコースから外れていますがお勧めです。水場は美味しいし、自炊部屋も立派だし小屋の人もいい感じでした。昨夜激混みの唐松岳の話をしていたらここは6割ぐらいのお客さんであまり混んでいなかったようです。
ここから先は白馬三山のコースで人も大勢いました。杓子岳のピークを踏むのに思ったより時間がかかりましたが無事に白馬頂上山荘へお昼に着きました。
今度は昼食は山荘でカレー・から揚げビールとガッツリ食べました。生ビールも一瞬で飲んでしまい立て続けにもう一杯。満足しながらテントを設営しますが予想していた雨は降ってきません。時間も早いので周りを散歩して写真を撮ったりぶらぶら。
夕方小腹が空いたのでラーメンを自炊してお休みです。夜になるとだんだん風が出てきてテントがつらくなってきますが気が付かないふりをして寝てました。
9/17 結局朝まで風は強くさっさと起きて出発します。白馬山荘を過ぎると風がまた一段と強くなり、登りなのにバランスを崩して倒れてしまいヘッデンまで外れて転がってしまうほどでした。後から3人パーティと5人パーティが追い越していくのでその後ろを突いていきます。山頂では突風でしかも日も出ていないので写真だけ撮って先へ行きます。結構急な下りが続きますがとにかく風が強い。痩せ尾根ではガスが物凄い勢いで稜線を横切り見るからに飛ばされそうです。一度深呼吸して腰を低くしながら前へ進みます。(さながらセカンドが緩い内野ゴロを処理する時のように)
そんなのを何回か繰り返しているうちに、標高もさがり風も止んできました。
やっと栂池ロープウェーへ到着。麓まで楽々降りてきて温泉と思ったら何と12時から。お土産屋の人が栂の森山荘が9時からやっているとわざわざ電話して調べてくださって、歩いて5分ほどで到着。サッパリ汗を流して蕎麦を食べ扇沢へ車の回収へ。
帰りは小仏トンネルが混んでいたので、道志の湯経由の下道で帰宅。途中クッキリと虹が見えてラッキーでした。(渋滞回避で+90分で家に着きました。)
さてさて、次は丹沢かな。
標準CT 実際 割合
扇沢−種池山荘 4:05 2:23 0.58
種池山荘−冷池山荘 2:10 1:29 0.68
冷池山荘−鹿島槍ヶ岳 2:10 1:27 0.66
鹿島槍ヶ岳−キレット小屋 2:25 1:26 0.59
キレット小屋−口の沢コル 1:00 0:46 0.76
口の沢コル−五竜岳分岐 3:00 1:59 0.66
五竜岳分岐−五竜山荘 0:40 0:41 1.02
初日合計 15:30 10:11 0.65
−
五竜山荘−唐松岳山荘 2:30 1:48 0.72
唐松岳山荘−不帰キレット 2:45 2:09 0.78
不帰キレット−天狗山荘 2:30 1:15 0.50
天狗山荘−鑓ヶ岳 1:00 0.43 0.71
鑓ヶ岳−白馬頂上宿舎 1:50 1:41 0.91
二日目合計 10:35 7:36 0.71
−
白馬頂上宿舎−三国境分岐 1:05 1:02 0.95
三国境分岐−白馬大池山荘 2:10 1:21 0.62
白馬大池山荘−天狗原分岐 1:30 0:56 0.62
天狗原分岐−栂池山荘 1:00 0:41 0.68
三日目合計 5:45 4:00 0.69
三日間合計 31:50 21:47 0.68
足が速い所に加えて、「早出、早着」。
見本ですね。農鳥のおやじさんに褒められますよ。
私の場合、最近は「早出、遅着」ですもんね。
素晴らしい眺望、素晴らしい縦走、お疲れさまでした。
追加:テントについて
自立式テントと、非自立式軽量シェルターをテント場、天候、日数によって使い分けるのがベストかと。
cohi-さんは背丈があるので、自立式を購入する場合は要注意です。
日本製では、比較的Bochiさんのテントが縦、高さがあるようです。
同じコースを歩いた事ありますが、4日かかりました。
たしか、冷池、唐松、白馬で切ったな〜。
相変わらず早いし、少ない睡眠でkohiさんの底知れぬパワーを感じますワ。
それと奥様とご家族の協力体制が羨ましい。
テントのご意見。
最近ULでツエルトをお持ちになる方が多いですが、
稜線で暴風雨にあたった事があるなら、ビバーク以外の利用は極力止めると思います。
自分は暴風雨時にツエルト泊して偉い目にあった事があります。風が強くポールは建てれない、布地の水滴が風に煽られてバサッバサッと雨降り状態で中でカッパ着て一睡も出来なかったです。
今の自立タイプでしたら、せいぜい1.5kgですよね。
自分なら、1kgツエルトより余計だけど、我慢して濡れずに安眠できる方をとります。
1泊なら我慢できますが、ロングだと怖いです。
個人の意見です。
普段は、冬に入り口を吹流しに交換できるタイプをオールシーズン使ってます。
テント沼住民がうるさいだろうナア。
kohi-さん、はじめまして。
16日は私も白馬頂上宿舎でテント泊でしたが、風には参りましたね。あまり寝られませんでした。
翌朝の白馬超えも難儀しましたね。転んだ時、けが等無くてなりよりでした。私も妻を連れていたので、結構ひやひやものでした。
kohi-さんのこのレコを見て、後立山縦走がしてみたくなりました。お疲れ様ですた。
ricalojpさん、こんにちは。
今回天気が良くて良かったです。南南アもこれぐらいになると縦走のやりがいがありますね。
来年のテーマは「蝙蝠尾根を絶叫ラン」です
二日間とももう少し時間かかるかなと思っていましたが、綺麗に12時台に目的地へ着くことが出来ました。
早出早着。やっぱり基本は大事ですね。またその方が快適で安全ですね。(テントは基本を無視していますが )
>自立式テントと、非自立式軽量シェルターをテント場、天候、日数によって使い分けるのがベストかと。
危ない危ない、テント沼からのお誘いですね、大きくて深い沼へ
やはりテントの大きさがネックになっています。
自立式は大きければ重たいし、軽ければ小さいですし。当分の間はテント場で他人のテントを指くわえて見てます
私、普段は9時には子供と一緒に寝ちゃってます。たまになら3時間でもいけますが、やはり睡眠時間は常に確保しないとすぐに調子狂います
嫁は帰ってからみっちり言われました。予定が全く狂ったわよと その後ご機嫌取るのが大変でした
テント悩ましいですね。今のところ、山中で二泊以上する事は仕事的にも家族的にもないので、今ので押し切ろうと思っています。これを使うときは気持ちを強く持つ必要がありますね
風強かったですね。ただ寝ている時はまだマシだったと思います。7月に常念岳にテント張ったときは場所が悪かったのもあって、もの凄い雨風で風が怒っているのかと思うぐらいテントが風に叩かれました
山頂の風は凄かったですね、台風中継のリポーターの気持ちが少しわかった気がします
後立山連峰は地形的にガスが発生しやすく天気も崩れやすいようなので、景色がいいのは日の出から数時間だけだと思います。お気をつけて行っていただければと思います
kohi-さん、こんにちは。
テント内以外はお天気に恵まれたようで何よりです。
でも、風は強かったようですね。
16日は富士山も山頂付近は結構風がありました。
一週間禁酒ですか。
kohi-さんを見習わなくては。
私もよく試みますが1日でたいがい挫折です。
だって、寝付けなくて・・・・
これってアルコール依存症?中毒?
丹沢24Hの前の週は・・・ ×
無理だろうな。
kohi-さん、こんにちは。
長尾尾根の分岐からご一緒させていただいた者です。
レコ拝見させていただきました。
私も見ましたよタンクトップの女性!!
私は天狗山荘に向かっている時にすれ違いました。
一瞬目を疑いましたが、こんにちは〜と挨拶したらこんにちはと返ってきました。
これから不帰キレットに行くのかと思い「いや〜すげぇ〜な〜(いろんな意味で..)」と関心しきりでした。
kohi-さん、こんにちは。
「丁寧な口調で無下に断られ」た者です。結局疲労困憊しながらもその日は五竜まで行きました。
キレット小屋でお話を聞いた時も凄いなあ、と思いましたが、2日目、3日目もハイペースですね。羨ましいです。
millionさんこんにちは。
どうも私は基本的にお酒が体に合わないようで、やはり飲まないほうが調子いいですね。
ただそれじゃ寂しいんでちょくちょくお酒を飲んでますが
お酒飲んで寝ると眠りが浅くなりませんか?そうでなければmillonさん、まだまだ山ボーイだということですよ
あの服装は景色から浮いてましたよね。
まぶしすぎて近くではよく見れませんでした。
高尾山なら良くいると思いますが
三日目の荒天は最後のスパイスというか、山を制した気になるなよと神様のお告げのような気がしました
あの後大変だったようですね。最後の五竜岳への急登では雨も降ってきたようで無事に山荘へ到着できて良かったですね。
三日目は天気が荒れて大変だったので、翌日で下山してちょうど良かったと思います。
またどこかでお会いできることを楽しみにしています
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