雲ノ平の旅(薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳)
- GPS
- 43:19
- 距離
- 75.9km
- 登り
- 5,465m
- 下り
- 5,400m
コースタイム
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 2:03
- 合計
- 8:48
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 7:39
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 2:37
- 合計
- 10:00
- 山行
- 5:14
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 5:57
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 8:10
天候 | 9/6晴れ一時雨、9/7暴風、9/8晴れのち曇り雨、9/9晴れのち曇り大雨、9/10雨一時曇り、9/11晴れのち曇り一時雨、9/12晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山届は太郎平小屋に提出 |
その他周辺情報 | 飛騨市神岡町の割石温泉(410円) |
写真
感想
10連休をいただきましたので、この機会に憧れの雲ノ平に行くことにしました。行くと決めてから改めて地図を見るのは何とも楽しいもので、また百名山4つ登れるということにも気が付きまして、5泊6日の計画をたてることにしました。
折立からの登山となりますが、埼玉県人の私にとってはとても遠いのです。ただ10連休ありますので、ここはのんびりと下道を上高地へ向かう感じで走りました。平湯からおよそ3時間で折立の駐車場、やっぱり遠いですね。
折立を出発して標高差約1,000m、太郎平に到着して、ここで登山届を提出してから薬師岳へ向けて出発です。薬師峠のテント場まで下がってから今度は登りです。薬師岳日帰りのトレランさんたちが次々と降りてくるなか、へろへろになって登っていきます。当初の計画では、薬師岳山荘に到着したらすぐに準備して薬師岳に登ろうと考えていましたが、疲れてきたし登るのは明日の朝にしようかな〜、なんて甘い言葉が頭をよぎりましたが、何とか15時前に山荘に到着して、視界も良好、疲れも大したことなく “行ける” と判断して、薬師岳に登頂しました。
2日目は未明から外が騒々しい、小屋も揺れている、ものすごい強風が吹き荒れているようです。まぁ雨さえ降らなきゃいいか、そんな感じで特に気にも留めていなかったのですが....。先行して2組4人下山していきました。私も準備を整えて出発しようと玄関に立つと、先ほど出発した方々が戻ってきました。すぐ下の稜線があまりにも風が強くて進めないとのこと。どう見ても私より体力有りそうな方々の話。私自身外に出てみて、これは尋常ではない暴風であることを実感しました。結局この一日暴風が弱くなることなく、私含めて5人はもう一泊することに....。山荘-薬師岳を1時間弱で往復した青年と他の2人組計3人は下山していきましたが、自分自身の技量を考えると薬師岳山荘2泊して正解だったと思っています。
3日目になりました。風は相変わらず強いですが、昨日と比べればだいぶまし。稜線の所はさすがに殺気を感じる風でしたが、そこを過ぎれば穏やかになり、無事に太郎平まで戻ってきました。当初5泊6日という予定でしたので、雲ノ平山荘を2泊して水晶岳、鷲羽岳を巡って下山しようと考えましたが、まだ休みがある贅沢な身。もう1泊加えて黒部五郎岳も登ることにしました。太郎平小屋に登山届提出し直して、山小屋も予約してから雲ノ平へ向けて出発しました。
薬師沢へだいぶ下がったら、今度は雲ノ平へ直登が始まります。苔むした岩を登っていきます。一時ぱらぱらと雨が降ってきましたがすぐに止み、ひたすら登っていくとやがて木道が現れました。登山ガイドブックでしか見たことのない景色がそこにありました。天空の楽園、そんな情景を通って雲ノ平山荘に到着しました。
4日目はまだ暗い4時過ぎに出発、昨晩から降っていた雨は止み、満点の星空の下歩き始めました。祖父岳に登り始める頃には空も明るくなり、水晶岳の巨大な山容がひときわ目につきます。祖父岳山頂に到着する頃には太陽も顔を出し、薬師岳と黒部五郎岳にはモルゲンロート、間近の水晶岳、鷲羽岳、さらには槍ヶ岳、穂高連峰まで見渡せる大パノラマに感動しました。
ワリモ北分岐を左へ進みます。水晶小屋を過ぎて右に野口五郎岳を望みながら進むと、やがて岩稜帯に入りひと踏ん張り、水晶岳に到着です。山頂は風が強く時々ガスってましたが、雲ノ平が箱庭のように美しく眺められました。
今度はワリモ北分岐を右に進みます。ワリモ岳を登って降りて再び登ると、鷲羽岳に到着です。強風は収まり上空には青空が広がります。黒部五郎岳、さらに遠くの薬師岳もくっきり見えました。本当に来て良かった。
雲ノ平山荘2日目の夕食、連泊ということで今日はアジフライのオマケ付。昨晩と同様、名物の石狩汁を堪能しました。食事の後は小屋主の講演 “黒部の山賊” の話や、山の自然環境、山小屋のおかれている現状など、いろいろと考えてさせられる内容。講演の間中外では雷雨でしたが、まとまった大雨は久し振りだそうで、とても大切な恵みの雨なのだとか。確かに雲ノ平の湿原、所々干上がってたなぁ。
5日目はシトシト雨の中出発、天気悪いので何となく憂鬱でしたが、足下を見ると所々で水の流れ、干上がっていた池塘も潤されて植物もいきいきしてるように感じます。何かこちらも気持ちが明るくなってきて、憂鬱な気持ちが吹き飛んでしまいました。本当に恵みの雨ですね。
黒部川源流へ降りていきます。川を渡渉した少し先に 石碑 “黒部川水源地標” があります。すぐ近くの小さな沢で顔を洗ってさっぱりしたら、三俣山荘への登りです。山荘に到着する頃には雨も止みうっすら日も出てきて、天気の回復を期待させられます。三俣山荘は “黒部の山賊” の舞台となった所、今日はあいにく宿泊営業はしてませんでしたが、いつか泊まってみたいなぁ。三俣蓮華岳の山頂では再び雨が降ってきました。ガスっていて視界はありませんでしたが、ここも天気のいい時に再訪してみたいと思いました。
三俣蓮華岳を過ぎて巻き道と合流、しばらく進むと今度は急降下が始まります。どんどん下がります。標高をさらに落として樹林帯に入り下がり続けると、やがて黒部五郎小舎が見えてきました。
6日目の朝を迎えました。外へ出ると空が青い、好天が期待できます。あいにく黒部五郎岳の山頂は分厚い雲に覆われてましたが、時間の経過と共に晴れればいいなぁ、なんて思いながらの出発です。黒部五郎カールを行きます。そこにはいく筋もの流れがあり、振り向くと目映い太陽に照らされて輝いている、心も暖かくなる感じです。標高を上げるにしたがってだんだんと傾斜もきつくなり、そして肩へ向かっての急登になります。石がゴロゴロしているところを息を切らしながら登っていくとやがて黒部五郎の肩です。そこから先の山頂を見上げると、ガスが薄くなってきました。
黒部五郎岳の山頂に到着、360度の大展望が広がっていました。薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、そして雲ノ平。素晴らしい情景を目の当たりにして、諦めないで来て良かった、本当に良かったと思いました。結局45分も山頂でのんびりしました。
太郎平へ向けて出発です。肩を過ぎてさらに標高を下げるにしたがって、だんだんとガスってきました。中俣乗越、赤木岳、北ノ俣岳と進みますが、これが結構長く感じました。太郎山へ進みます。曇ってはいますが意外と視界は良好、遠くの湿原に点在する池塘がとても美しい。所々木道を写真撮りながらのんびり歩いているとポツポツと雨、やがてどしゃ降りの雨になりました。遠くからゴロゴロと雷鳴も聞こえてきて、急いで太郎平小屋へ向かいました。小屋に到着して宿泊手続きをしている間に雨は止み、雲の間から青空が覗いてました。
7日目の朝を迎えました。今までにないくらいの青空の下、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、薬師岳がくっきりと映えてます。一週間、長かったのか短かったのか....、とても濃い時間を過ごした雲ノ平ともお別れです。それにしても一週間もうろうろしていると、同じ人々と何度もお会いしたりします。薬師岳山荘にいた方が雲ノ平山荘にいたり、雲ノ平山荘にいた方が私とは逆回りして黒部五郎小舎にいたり、同じく雲ノ平山荘から高天原回って太郎平小屋にいたり、名前も素性も分かりませんが、何か不思議な親近感が湧きますね。
名残惜しいですが下界へ戻るとしましょう。目の前には富山平野が広がります。時々後ろを振り返りながら余韻にひたります。いい歳して目が熱くなったり、何やってんだって感じですね。青淵三角点を過ぎるとやがて樹林帯も深くなり急下降していきます。下の方から工事車両の騒音が聞こえてきたらもうすぐゴール。その頃には先ほどの感傷はなくなり、早く温泉入りたいなぁ〜、ビールがオレを待っている、なんて欲まみれなのでしょう??
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