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Yamareco

記録ID: 292927
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

常念山脈縦走(中房温泉〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳〜上高地)

2013年05月02日(木) 〜 2013年05月04日(土)
 - 拍手
GPS
52:46
距離
32.6km
登り
2,936m
下り
2,813m

コースタイム

●5月2日(木)
06:18第一駐車場〜06:26中房温泉登山口06:37〜07:12第一ベンチ07:12〜07:39第二ベンチ07:47〜08:22第三ベンチ08:22〜09:03富士見ベンチ09:03〜09:40合戦小屋09:53〜11:09燕山荘11:38〜12:23蛙岩12:23〜13:00大下りの頭13:00〜14:36(2699ピーク)14:41〜15:18切通岩(喜作リレーフ)15:23〜16:31大天井岳16:37〜16:43大天荘冬期小屋

●5月3日(金)
07:00大天荘冬期小屋〜08:06東天井岳08:06〜09:34常念小屋(休憩・昼食)10:32〜11:55常念岳12:11〜14:27(2592ピーク)14:27〜15:50蝶槍15:50〜16:10横尾分岐16:10〜16:48蝶ヶ岳ヒュッテ(幕営)

●5月4日(土)
07:18蝶ヶ岳ヒュッテ〜07:51長塀山07:51〜09:27徳沢09:39〜10:20明神10:20〜10:57河童橋11:00〜11:04上高地バスターミナル
 
天候 5月2日(木):晴れ/強い北西風
5月3日(金):晴れ/強い北西風
5月4日(土):晴れ
 
過去天気図(気象庁) 2013年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
●行き
中房温泉の第一駐車場(無料/6:00過ぎ到着時駐車率は7〜8割程度)

●帰り
路線バス:11:30上高地バスターミナル発〜12:35新島々バスターミナル着
松本鉄道上高地線:12:52新島々発〜13:21松本着
JR大糸線:14:09松本発〜14:36穂高着
中房線乗合バス:14:45穂高発〜15:38第一駐車場着
 
コース状況/
危険箇所等
【登山ポスト】
中房温泉登山口にあり。

【コース状況】
●中房温泉〜燕山荘
第一ベンチを過ぎると雪が付き始める。
滑りやすい雪質のため、第二ベンチでアイゼン装着。
第一〜第三ベンチまでは使用可だけど富士見ベンチはまだ雪の下。
富士見ベンチを過ぎた辺りから、旗竿がかなり密に立っているので迷う心配はなし。
合戦小屋は、軒先での売店のみ営業中でした。

●燕山荘〜大天井岳
燕山荘から大下りの頭までは、アップダウンの少ない快適な稜線漫歩を楽しめる。
ただしこの日は風が強く、目出し帽など風対策を行った方が良い感じだった。
蛙岩は冬期ルートである岩の隙間を抜けていく。
切通岩まで東側に雪庇が張り出しているので、尾根の西側を歩くように。

喜作リレーフから大天井岳山頂までは、直登ルートをとる。
取り付きからしばらくは急斜面で、雪壁に張り付く感じとなる。
ピッケルはダガーポジションで。
この日の直登ルートは常時10〜20mくらいの強風がに吹き付けておりしばしば煽られる。
また、中腹では風が巻いているところもあり、
いきなり逆側から吹き付けられることがあったりと終始緊張感を強いられた。

大天荘の冬期小屋(1000円)を使用させてもらい強風の中快適に過ごすことができた。

●大天井岳〜常念岳
大天荘から東天井岳までは緩やかな稜線を進んでいく。
東天井岳では、これから進む常念へのルートとこれまで歩いてきた大天井からのルートが
キレイに見え、来し方行く末の対比が楽しめる。
東天井から緩やかに下り鞍部から軽く登り返し横通岳を巻いて通過すると、
常念乗越までおよそ300mをイッキに下る。鞍部付近は雪がほとんど残っておらず
アイゼンを付けているとちょっとストレス。
この区間、ほぼ雪は付いている状態だったけど
風が強い箇所は夏道が出ているといった感じだった。

常念乗越からは約400mを登りきり常念岳山頂へ。
ルートはほぼ夏道通りで九十九折の急登となる。
上部に行くにしたがって雪の量が増え歩きやすくなる。

●常念岳〜蝶ヶ岳
山頂からの南側斜面の下りは岩が露出しているところが多くアイゼンだとかなりストレス。
よっぽど外そうと思うのだけど、荷物が重くなるのがイヤだったのと、
先に見えているいくつかのピークへの登りには雪が付いているのが見えているので
我慢して降りる。

2512ピークを過ぎるとルートはいったん樹林帯に入り雪の量はグッと増える。
蝶槍への登りの中腹辺りで再び森林限界を越えるように。
蝶槍から蝶ヶ岳ヒュッテまでの登山道も夏道が出ているところが多く、
結果的に最低鞍部からはアイゼンは必要なかったかもしれません。
蝶ヶ岳ヒュッテから山頂までは目と鼻の先。

●蝶ヶ岳〜徳沢(長塀尾根)
上部は緩斜面となっていて、樹林帯の隙間から時おり槍穂高の眺望が
見える心地のよい尾根道。
長塀山を過ぎてしばらく進むと急な下りとなる。
標高を下げるにつれ、雪はアイスバーンになりアイゼンなしだと難儀した。

●徳沢〜上高地
GW初日に降った大量の雪も好天が続いたせいかほとんど消えていた。

【温泉】
穂高温泉郷 温泉健康館穂高ヘルスハウス
 
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ
【1日目】中房温泉からスタート
1
【1日目】中房温泉からスタート
あれっ、こんな季節に霧氷?
1
あれっ、こんな季節に霧氷?
合戦尾根を登る
表銀座の稜線と本日目指す大天井
2
表銀座の稜線と本日目指す大天井
合戦沢ノ頭付近から槍が見えるように
2
合戦沢ノ頭付近から槍が見えるように
燕山荘も見えてきた
1
燕山荘も見えてきた
燕岳も見えてます
燕岳も見えてます
稜線に乗っかると素晴らしい景色
3
稜線に乗っかると素晴らしい景色
燕は写真だけ撮ってパス
2
燕は写真だけ撮ってパス
鷲羽〜ワリモ〜水晶〜野口五郎
5
鷲羽〜ワリモ〜水晶〜野口五郎
さて、これから槍に向かって表銀座の稜線漫歩
5
さて、これから槍に向かって表銀座の稜線漫歩
うん、良い天気
言うこと無し
しばらく進んで燕を振り返る
しばらく進んで燕を振り返る
最高に気持ちいい
1
最高に気持ちいい
槍に向かって進んで行くと蛙岩が近づいてきた
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槍に向かって進んで行くと蛙岩が近づいてきた
冬期ルートは岩の中
3
冬期ルートは岩の中
蛙岩を通過すると目指す大天井が目前に現れる
1
蛙岩を通過すると目指す大天井が目前に現れる
槍と東鎌尾根
来た道を振り返る。蛙岩と燕岳
3
来た道を振り返る。蛙岩と燕岳
どんどん槍が近づいてくる
3
どんどん槍が近づいてくる
大天井へと続く稜線
2
大天井へと続く稜線
ここからの鷲羽は鷲鼻っぽい
1
ここからの鷲羽は鷲鼻っぽい
大下りの頭から。目前に聳える大天井
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大下りの頭から。目前に聳える大天井
大下りの頭から槍を見ながらまずは大下る
4
大下りの頭から槍を見ながらまずは大下る
大下りの頭から大天井の稜線
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大下りの頭から大天井の稜線
絵画のような槍ヶ岳と北鎌尾根
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絵画のような槍ヶ岳と北鎌尾根
大下りを下りきったところから
大下りを下りきったところから
東側は雪庇が張り出してるので稜線の西側を歩きます
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東側は雪庇が張り出してるので稜線の西側を歩きます
空に向かって
このサイズ感はなかなか気に入りました
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このサイズ感はなかなか気に入りました
美しい雪庇
喜作リレーフを過ぎて直登ルートへ
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喜作リレーフを過ぎて直登ルートへ
前半はかなりの傾斜のためピッケルはダガーポジションで
3
前半はかなりの傾斜のためピッケルはダガーポジションで
風も強く緊張感を強いられる
2
風も強く緊張感を強いられる
でも太陽は燦々と照りつけていた
2
でも太陽は燦々と照りつけていた
時おり風が巻いて吹き付けるのがコワかった
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時おり風が巻いて吹き付けるのがコワかった
夕刻近くになると西の方から雲が沸いてきた
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夕刻近くになると西の方から雲が沸いてきた
山頂まであと少し!
1
山頂まであと少し!
大天井岳山頂到着
12
大天井岳山頂到着
槍をバックにパチリ【PHOTO by komemame】
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槍をバックにパチリ【PHOTO by komemame】
大天井を過ぎると常念の姿が目の前に現れる
大天井を過ぎると常念の姿が目の前に現れる
大天荘へ向かいます
大天荘へ向かいます
冬期小屋と屋根に大きく書いてある
冬期小屋と屋根に大きく書いてある
冬期小屋はとても快適
4
冬期小屋はとても快適
夜は餃子鍋で暖まる
1
夜は餃子鍋で暖まる
夜ゴハンを食べた後、夕焼けハントに出るも…
夜ゴハンを食べた後、夕焼けハントに出るも…
雲が多くキレイに焼けなかった
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雲が多くキレイに焼けなかった
【2日目】雲海から朝日が昇り始める
10
【2日目】雲海から朝日が昇り始める
槍がピンクに染まる
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槍がピンクに染まる
穂高もピンクに染まる
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穂高もピンクに染まる
燕岳方面もピンクに染まる
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燕岳方面もピンクに染まる
さらに日が昇ると…
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さらに日が昇ると…
槍はピンクからオレンジに
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槍はピンクからオレンジに
穂高もピンクからオレンジに
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穂高もピンクからオレンジに
裏銀座の山々
尾根の東側がキレイにモルゲン
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尾根の東側がキレイにモルゲン
北鎌尾根にも日が当たり始めた
2
北鎌尾根にも日が当たり始めた
モルゲンロートの常念の奥には富士山と南ア、八ヶ岳
2
モルゲンロートの常念の奥には富士山と南ア、八ヶ岳
冬期小屋さん、お世話になりました
1
冬期小屋さん、お世話になりました
さて、快晴の下2日目がスタート
さて、快晴の下2日目がスタート
完璧な青空
前日の主役が槍とするならば、本日は穂高が主役
前日の主役が槍とするならば、本日は穂高が主役
本日も風は相変わらず強い
2
本日も風は相変わらず強い
槍を目前にトラバース
3
槍を目前にトラバース
大天井を振り返る
大天井を振り返る
常念と富士山、南ア、八ヶ岳に向かって歩く
2
常念と富士山、南ア、八ヶ岳に向かって歩く
大天井〜東天井も最高の稜線漫歩が楽しめる
2
大天井〜東天井も最高の稜線漫歩が楽しめる
東天井岳
槍と北鎌尾根
東天井岳山頂から常念と富士山、南ア、中ア
6
東天井岳山頂から常念と富士山、南ア、中ア
雲の上を歩く
横通岳と常念岳
東天井から横通岳の鞍部までは夏道が使えた
東天井から横通岳の鞍部までは夏道が使えた
魚の背びれのようなライン
4
魚の背びれのようなライン
横通岳は巻く
穂高の横に御嶽が見えるように
3
穂高の横に御嶽が見えるように
常念が目前に迫ってきた
2
常念が目前に迫ってきた
常念乗越までイッキに300mほど下る
1
常念乗越までイッキに300mほど下る
途中、東側には安曇野の街
途中、東側には安曇野の街
常念小屋に到着【PHOTO by komemame】
2
常念小屋に到着【PHOTO by komemame】
常念乗越から山頂に向かう。ここから約400mの登り
常念乗越から山頂に向かう。ここから約400mの登り
山頂までの登りでも槍がずっと見える
2
山頂までの登りでも槍がずっと見える
振り返ると横通岳と奥に東天井、そして大天井岳
2
振り返ると横通岳と奥に東天井、そして大天井岳
途中、西側を振り返ると一の沢を登ってくるたくさんの登山者が豆粒大で見えた
途中、西側を振り返ると一の沢を登ってくるたくさんの登山者が豆粒大で見えた
肩から最後の登り
肩から最後の登り
常念岳山頂到着。槍と一緒に。
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常念岳山頂到着。槍と一緒に。
お疲れさまです【PHOTO by komemame】
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お疲れさまです【PHOTO by komemame】
山頂から槍ヶ岳
山頂から穂高
山頂から乗鞍と御嶽
2
山頂から乗鞍と御嶽
山頂から鷲羽、ワリモ、水晶
2
山頂から鷲羽、ワリモ、水晶
山頂から蝶ヶ岳と大滝山、そして奥に中央アルプス
1
山頂から蝶ヶ岳と大滝山、そして奥に中央アルプス
山頂より大天井と東天井。奥に立山、剱と針ノ木岳
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山頂より大天井と東天井。奥に立山、剱と針ノ木岳
山頂より横通岳と奥に鹿島槍
1
山頂より横通岳と奥に鹿島槍
穂高とパチリ
常念山頂からの下り。南斜面なので雪もほとんど融けている
1
常念山頂からの下り。南斜面なので雪もほとんど融けている
常念を少しくだったところからの穂高
4
常念を少しくだったところからの穂高
常念を少しくだったところからの槍
1
常念を少しくだったところからの槍
常念を少しくだったところからの乗鞍、御嶽
2
常念を少しくだったところからの乗鞍、御嶽
常念を少しくだったところからの蝶ヶ岳。蝶槍の尖りが目立っている
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常念を少しくだったところからの蝶ヶ岳。蝶槍の尖りが目立っている
2512ピークを過ぎた辺りで、今回初の雷鳥と遭遇
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2512ピークを過ぎた辺りで、今回初の雷鳥と遭遇
アップで。オスのようですね【PHOTO by komemame】
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アップで。オスのようですね【PHOTO by komemame】
振り返って常念岳を望む
振り返って常念岳を望む
この辺りで一度樹林帯に入る
この辺りで一度樹林帯に入る
2592ピークより。蝶槍の三角がキレイに見える
2
2592ピークより。蝶槍の三角がキレイに見える
穂高の山襞が美しい
3
穂高の山襞が美しい
この縦走での最後の大きな登り返し
2
この縦走での最後の大きな登り返し
レンズの端から端をめいいっぱい使ってパチリ
3
レンズの端から端をめいいっぱい使ってパチリ
蝶槍まであと少し
蝶槍まであと少し
槍をバックに…
最後の登りを登りきる
2
最後の登りを登りきる
蝶槍より
歩いてきた稜線
ここから蝶ヶ岳ヒュッテまではなだらかな稜線歩きだけど疲れた〜
ここから蝶ヶ岳ヒュッテまではなだらかな稜線歩きだけど疲れた〜
蝶ヶ岳山頂と手前にヒュッテ&テント村
1
蝶ヶ岳山頂と手前にヒュッテ&テント村
上高地が見えた
2度目の雷鳥
蝶ヶ岳のテン場はたくさんのテントで賑わっていた
2
蝶ヶ岳のテン場はたくさんのテントで賑わっていた
この日も午後から雲が出始め夕焼けはこんな感じ
この日も午後から雲が出始め夕焼けはこんな感じ
乗鞍方面はキレイに焼けていた
2
乗鞍方面はキレイに焼けていた
2日目の夜ゴハンはトマトスープ鍋。タマネギとソーセージがおいしかった
3
2日目の夜ゴハンはトマトスープ鍋。タマネギとソーセージがおいしかった
【3日目】黎明の空
2
【3日目】黎明の空
昇ってきました
まずは奥穂高が染まり…
4
まずは奥穂高が染まり…
大キレットも染まる始める
5
大キレットも染まる始める
常念と前常念方面はピンクとオレンジの競演
4
常念と前常念方面はピンクとオレンジの競演
大天井からの稜線を感慨深く眺める
3
大天井からの稜線を感慨深く眺める
ピンクに染まる雪の上を雷鳥がゆく
10
ピンクに染まる雪の上を雷鳥がゆく
朝ゴハンを食べて撤収開始
朝ゴハンを食べて撤収開始
いよいよ最終日がスタート
1
いよいよ最終日がスタート
本山行の最後のピークを踏んであとは下るのみ
2
本山行の最後のピークを踏んであとは下るのみ
さよなら槍穂。3日間ありがとう
3
さよなら槍穂。3日間ありがとう
乗鞍、御嶽もさよなら
乗鞍、御嶽もさよなら
名残惜しい背中
長塀山からすばらく進んで穂高と最後のお別れ
2
長塀山からすばらく進んで穂高と最後のお別れ
GW前半は雪道だった徳沢から上高地への道は雪融けが進んでいた
GW前半は雪道だった徳沢から上高地への道は雪融けが進んでいた
ポカポカ陽気で気持ちイイ
ポカポカ陽気で気持ちイイ
河童橋で山のポーズ
9
河童橋で山のポーズ
お疲れさまでした。思い出に残る山行ができました。
4
お疲れさまでした。思い出に残る山行ができました。

感想

GW後半は、常念山脈を2泊3日で縦走することに。

昨年11月に大天井を日帰りで目指したけど、新雪のラッセルに時間がかかり撤退。
その悔しさが今シーズンずっと心に残っていて、
雪の大天井は自分の中で憧れに近くなっていた。


●5月2日(木)
6:00過ぎに第一駐車場を出発。無雪期の2倍以上の時間をかけて燕山荘に到着。
燕山荘で働いている知り合いにチカラをもらっていよいよ表銀座へ。
GWの谷間ということもあってか、表銀座から大天井岳まで出会った人は1人のみ。
それにしてもここの縦走路はホントに素晴らしい。いつまでも歩いていたい気分になる。

喜作リレーフを過ぎてからの直登ルートが今回の縦走の中では一番危険な箇所。
風も強く緊張感を強いられたが無事クリア。
そして念願の大天井岳山頂へ。最高の景色が待っていてくれました。

テン泊の予定だったけど強風なので、試しに大天荘の冬期小屋を覗いてみる。
かなり居心地が良さそうなので早速使わせてもらうことに。
夜は暑くて起きてしまうくらい快適でした。


●5月3日(金)
本日も快晴。表銀座からの眺望の主役が槍だとすれば、大天井からの縦走路の主役は
穂高になる、と言えそうなくらい穂高の眺望がすばらしい。
そして、富士山、八ヶ岳、南ア、中ア、御嶽、乗鞍が前方に見えてくる感じがたまらない。

この日も大天井〜東天井〜横通岳までの縦走路で出会った人はゼロ。
横通岳から常念乗越までの下りで小屋から散策に来た感じの1組に出会ったくらいだった。

常念小屋まで降りてくると流石に人がグッと増える。
この日の昼は常念小屋でハンバーグカレーを食べる予定だったけど、
昼食は11:00からとのこと。
しかたなくカップ麺とパンの軽食で過ごす。うーん残念。

1時間ほどの休憩後、常念山頂に向けて出発。常念の山頂では360度の眺望を楽しむ。
3つ程の小ピークのアップダウンを繰り返した後の
蝶槍への最後の登りに向かう辺りからの槍穂高は圧巻でした。
山頂から梓川まで続く山襞が素晴らしい。

蝶槍への本縦走最後の長い登りをクリアし、蝶ヶ岳に到着。
こちらのテン場ではカラフルなテントが30〜40張ほどでGWらしい賑わいを見せてた。

●5月4日(土)
朝は最高の日の出を見ることからスタートすることができた。
この日は長塀尾根から上高地に降りるだけ。蝶の山頂を後にし、
樹林帯に入るまでの区間が何とも名残惜しい。
後ろ髪を引かれながら槍穂が見えなくなるとあとはイッキにくだるのみ。
11時過ぎに上高地に到着し、バス電車を利用して5時間ほどかけて
中房の第一駐車場に戻る。


風は強かったけど終始天候には恵まれ、思い出に残る山行となった。
 

GW後半も…山へ。
今回はいろいろ思い出の残る山行だったので、
そのいくつかを記しておく。

◆中房温泉〜燕山荘
おととしの年末に行った燕岳。
燕山荘は、私にとって雪山&山小屋で初宿泊した思い出深いところで、
今回は、そのときのすごーく長くて辛かった道程や、
想像よりも気持ちよく過ごせた山小屋を思い出しながら歩いた。
GW中日だったこともあり、この日の山荘はガラガラ。
そして今回、ここ燕山荘でうれしい再会が!
以前、ラパス(メキシコ)でダイビングのインストラクターとしてお世話になった方が、
ここでスタッフとして働いていて、約5年ぶりの再会が実現。
海の中でお世話になった人と、今度はこんな山の上で会えるなんて不思議な感じ。
ただ残念ながら、この日は先を急ぐためあまりゆっくりもできず、早々に山荘を後にすることに。
次回はゆっくり来たいなぁ。

◆燕山荘〜(表銀座)〜大天井
この日の天気はサイコー。空は青く、歩く先は真っ白で。そして見渡す限りの絶景。
しかも私たちの他、大天井を目指す人はこの時間にはいなくて、ひとりじめ状態〜。
感動の道程だった!
といいたいところだけど、そうはいかないのが山。
最後の大天井への直登の恐ろしさといったら…泣
一歩間違えれば、転がり落ちてしまいそうな壁のような急登、
ここにきて、強さを増す風もプラスして、恐ろしさは数十倍に。
山の難しさをあらためて思い知ることになった。
斬りつけるような風の冷たさを頬に受け、ピッケルをもつ手はかじかんで、
それでもそんなことは忘れてしまうほど、とにかく必死に雪の壁にへばりついて、
少しずつ、少しずつ上に進んでいった。
最初から最後まで緊張の糸はピンと張りっぱなしで、山頂標が見えたときは、
「あぁ、無事に来れたんだ、私」と、安堵とともに、
急に冷たさや痛みやなどのいろんな感覚を取り戻し、涙が出てしまう。
あぁ、ほんとうにコワかった。

◆大天井 冬期小屋泊
一日目の行動は、大天井まで。この日は初の冬期小屋泊。
もともとテント泊の予定だったけど、きれいに保たれた小屋は風も防げて暖かく、
とても魅力的。他に宿泊されている方もいなかったため、利用させていただいた。
冬期小屋は2階建てになっていて、私たちは上の段を使用。
テントと違って、床が安定しているから火も扱いやすいし、何より広い。
大きな毛布が一枚置いてあり、シュラフの下に敷いたらより暖かく眠ることができた。
なんだかとても贅沢をしたような、そんな一夜。

◆大天井〜常念岳〜蝶ヶ岳
常念岳までは順調だったのに…その先が長かった。。。
歩いても歩いてもゴールは見えなくて、根をあげてしまいそうだった。
でも頑張れたのは、前回の「槍」で、延々とつづく登りを歩き切ることができた自信があったからこそ。
たぶん以前なら、重い荷物を背負って、いつ終わるとも分からない道を歩きつづけることはできなかった。
天気などの状況によって山のむずかしさやコワさは変わるけど、
自分の山に対する気持ちや姿勢、それから体力は、経験によってちゃんと積み重なっていくもの。
今回はとても時間はかかってしまったけど、「頑張った経験は、力になる」ことを身をもって実感できたことが収穫だったかな。


山にどっぷり浸かったGW。
私としてはいろんな経験をして、
ちょこっとはステップアップできたし、
何より、ますます山が好きになった数日間となった。

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コメント

最高ですね!
danyamaさん、komemameさん、こんにちわ!

モルゲンロートの写真、ほんとに素敵過ぎます!!
どうやったらこんな美しい写真が撮れるんだろ・・・

その他の写真も素晴らしいものばかりです。

GW前半は槍、後半は常念山脈縦走と最高なGWになりましたね

なんか羨ましいです。笑
2013/5/7 11:54
はじめまして
素晴らしいお写真ありがとうございます
アタックザックでの撮影はさぞ大変な事でしょう
もし、差しさわりなかったら
お使いのレンズはなんでしょう?
コンデジってことないですよねー
2013/5/7 13:26
充実のレコ
danyamaさん、komemameさん、こんばんは。

天候に恵まれ、充実感みなぎるレコですね。
そして、写真が全てすばらしい!

同じコメントになりますが、モルゲンロートの
写真、こんな絵になるのですから、実際は
どんなだったのだろうと、思ってしまします

今シーズン、アイゼン・ピッケルは一度しか使わ
なかったなあと振り返る私でした。。。
2013/5/7 19:56
お互い充実のGWでしたね。
maedatomoさん


こんばんは。コメントありがとうございます!

写真、褒めていただきうれしいです。
モルゲンロートを撮るときは、
カメラの設定で色を濃い目に設定してから撮っています。

maedatomoさんこそ、蝶常念に西穂西尾根と素晴らしいGWだったのではないでしょうか。

まぁ、お互いに充実していたということで!
2013/5/7 21:35
はじめまして!
heartsさん


はじめまして。コメントありがとうございます!

カメラの持ち運びはいろいろと試行錯誤した結果、
現在はチェストハーネスでカメラケースを胸の前で固定して、
撮りたいときにすぐ取り出せるようにしています。
ザックにしまってしまうと、山を下りるまで一度も取り出さなかった、
ということもよくありました。

レンズは50mmの単焦点レンズを使用しています。
ズームレンズは重いので…。
これも何を取って何を捨てるか、ということを
いろいろと悩んだ末に今に至る、といった感じです。
2013/5/7 21:54
山の嗜好
youtaroさん


こんばんは!
写真お褒めいただきありがとうございます!

モルゲンロートの写真を撮る時は、
カメラの設定で色が濃く出るようにしています。

youtaroさんのおっしゃる通り、
今年のGWは本当に天気に恵まれたおかげで充実した山ライフを
過ごすことができました。

youtaroさんの最近の記録を拝見していると、
嗜好が「どんな山に登るのか」ではなく「どんな歩き方をするのか」
という方向に変わってきているのかなぁと、勝手に理解してました。

まだまだ経験の浅い自分ですが、
自分の嗜好も今後どのように変わっていくのだろう?と考えさせられました。
2013/5/7 22:38
素敵過ぎます・・。
danyamaさん、komemameさん
またまた素晴らしい山行です!このGWだけで60km以上ですか 。天気にも恵まれて、充実した1週間でしたね。
それにしても、今回も写真が素晴らしいです。特に大天井の朝の写真、鳥肌が立ちそうでした
写真見てたら、また山に行きたくなってきました
2013/5/7 23:28
天気に恵まれたGWでした。
usatakoさん


こんにちは!
記録見ていただきありがとうございます。

GW後半も好天基調という予報を聞いて、
居ても立ってもいられなくなり、
フライング気味で北アに向かいました(笑)

大天井岳は初冬に新雪のラッセルのため撤退した山で、
リトライする機会を伺っていました。
そんな経緯もあり、大天井で素晴らしいモルゲンと出会えて感無量でした。

今年は雪融けが遅くまだしばらくは残雪を楽しめそうですので、
お互い満喫しましょう!
2013/5/8 11:57
はじめまして。
ほぼ同じ時間に出発してるので会ってるかもしれませんね。
もしかして行きに穂高のセブンに寄りました?

写真が素晴らしいですね。
50mm単焦点でこれだけのバリエーション、尊敬します。
自分は18mm-280mmでズーム使いまくりです…
とにかく天気が良くて最高でしたね。

大天井までの足跡、助かりました。
2013/5/9 7:58
3日朝の天気が最高だったようですね。
tatu8さん

はじめまして。

やんごとなきトラブルで、
穂高セブンイレブンの駐車場で再パッキングしてました。
中房の登山口ではお見かけしなかったと思うので、
tatu8さんはほんのちょっと先に出発されていたのかも知れません。

それにしてもこのGWは天気に恵まれて、
お互い最高の表銀座を楽しむことができましたね。
tatu8さんの記録でもとてもキレイに写ってますが、
3日朝のモルゲンが良かったですね。

コメントありがとうございました!
2013/5/9 11:51
ゲスト
素晴らしい写真、感激します(^o^)
danyamaさん、komemameさん、
おはようございます。

GWは北アルプスを満喫されたのですね
素敵な写真を拝見させて頂き、感動しました(^o^)

私も山頂でモルゲンロートをみたい願いを叶えたいです。

danyamaさんが以前、大天井にラッセルで途中敗退されたレコの記憶が印象的でした。
今回はリベンジされて、さすがです。良かったですね
素敵なレコを拝見させてもらいました。
お疲れ様でした(^o^)

また、何処かのお山でお会いできますように
2013/5/10 7:33
写真お褒めいただきありがとうございます。
mipomipoさん


こんばんは。

はい!GWは北ア三昧でした!

11月の新雪ラッセルの撤退の記録を
覚えていてくださりうれしいです。
今回大天井の山頂にたどり着いたときは、
ひと際感慨深いものがありました。

今シーズンはテント泊ですか。
mipomipoさんなら、トレラン並みのスピードで、
縦横無尽にいろんな山々を駆け抜けることができますよっ。

komemameも横で「mipomipoさんに会いたい会いたい」
と言ってます。機会があれば是非!

コメントありがとうございます。
2013/5/10 21:42
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2/5
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