ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 294823
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

残雪のパノラマ銀座縦走ー燕・大天井・常念・蝶

2013年05月03日(金) 〜 2013年05月05日(日)
 - 拍手
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
57:04
距離
36.6km
登り
3,026m
下り
2,967m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

5/3
6:05 中房温泉発→7:05 第2ベンチ→9:00 合戦小屋/9:20発→10:25 燕山荘(テント設営・荷物デポ)/12:00発→12:25燕岳/12:35発→13:00 燕山荘 (テント泊)

5/4
7:03 燕山荘発→7:30 蛙岩→7:50 大下りの頭→8:30 為右衛門吊岩→9:20 切通岩(喜作レリーフ)→10:18 大天井岳山頂/10:26発→10:33 大天荘/10:50発→11:41 東天井岳→13:15 常念小屋でテント泊

5/5
6:05 常念小屋→7:15 常念岳山頂/7:30発→10:00 蝶槍/10:15発→10:50 蝶ヶ岳ヒュッテ/11:10発→11:54 長塀山三角点→12:50 2000mの平→13:30 徳沢園/13:43発→14:20 明神→14:55 小梨平 (hata-kのみ残ってテント泊)→15:05 上高地バスターミナル
天候 5/3 早朝少しガスあり。次第に晴れ。風少しあり。

5/4 午前中晴れ、次第に曇り午後には雪がちらつく。風多少あり。

5/5 快晴風なし。ぽかぽか陽気。

過去天気図(気象庁) 2013年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
・往路:東京→中房温泉
毎日アルペン号を利用。 http://www.maitabi.jp/parts/detail.php?course_no=102
片道1人7000円。
22:40 竹橋毎日新聞西口玄関前から出発。(秋葉原駅前から竹橋毎日新聞西口玄関まではシャトルバスの運行あり。21:50に秋葉原駅発。)
運行スケジュールでは中房温泉に5:50着。


・復路
上高地→新島々→松本:アルピコバス http://www.alpico.co.jp/access/kamikochi/shinshimashima/
上高地から新島々まではバス。新島々から松本までは電車。
バス・電車のセットクーポンなら1人2400円。
上高地からバスに乗る場合は、乗車券の他に乗車整理券(上高地のバスターミナルで発券)があわせて必要なので注意。
バスは大体30〜40分間隔で運行。
所要時間は上高地→新島々駅までで約1時間5分、新島々→松本までで約30分。
コース状況/
危険箇所等
・中房温泉〜燕岳
特に危険箇所なし。

・燕山荘〜大天井岳
①蛙岩の通過は岩の中をくぐって通過するルートと、岩の右側(西側)を巻くルートがあります。
雪や凍結のコンディションによっては、どちらも通過が大変な場合があります。
今回は雪の量が少なく凍ったりもしていなかったので難なく通過できましたが、岩の中までアイスバーンになったりすることもあるそうです。
難なく通れると、岩をくぐるルートはアスレチックのようで面白いです。ただしザックの引っ掛けに注意。
②喜作レリーフから大天井までは急勾配の登りです。
ここも積雪が凍っていたりすると滑落する可能性があるので注意。
今回は凍結はなくステップもしっかりついていました。

・大天井〜常念岳
特に危険箇所はないものの、東天井岳の南斜面は雪崩が起きてもおかしくない地形なので、トラバース時は要注意。

・常念岳〜蝶ヶ岳
常念だけからの下りは雪がほとんどなく岩の上を歩くため、足首をひねったりアイゼンを引っかけないように注意する必要あり。
滑りやすい雪質だとピークからの下降の時に足を滑らせる可能性あり。
そのまま谷に流されないように。

・蝶ヶ岳〜徳沢
危険箇所は特になし。
たまに赤テープや木にかかれた赤ペンキが色んな所にあって、逆に少しわかりにくかったです。
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ
こじんまりとした中房温泉からスタート。
2013年05月06日 06:23撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:23
こじんまりとした中房温泉からスタート。
登り出して間もなく雪が出始めました。
2013年05月06日 06:24撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:24
登り出して間もなく雪が出始めました。
短い時間で結構高度を稼いでます。
2013年05月06日 06:24撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:24
短い時間で結構高度を稼いでます。
でもまだまだ先は長いです。
2013年05月06日 06:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:25
でもまだまだ先は長いです。
早くも槍のお出まし!
さすがパノラマ道。
2013年05月03日 08:52撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/3 8:52
早くも槍のお出まし!
さすがパノラマ道。
荷物が重い…
2013年05月06日 06:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/6 6:25
荷物が重い…
合戦小屋で一休み。
早速コーラ入ります。
2013年05月03日 09:09撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/3 9:09
合戦小屋で一休み。
早速コーラ入ります。
これで荷揚げしているのかなあ。
2013年05月03日 09:19撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/3 9:19
これで荷揚げしているのかなあ。
燕山荘が見えてきました。
2013年05月06日 06:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:25
燕山荘が見えてきました。
良い設営地を見つけました。
2013年05月06日 06:26撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:26
良い設営地を見つけました。
テントを張って燕岳まで行ってきます。
2013年05月03日 11:57撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/3 11:57
テントを張って燕岳まで行ってきます。
つばくろシーワールドへようこそ!!
2013年05月06日 06:27撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:27
つばくろシーワールドへようこそ!!
散歩感覚で燕岳に到着。
2013年05月03日 12:34撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/3 12:34
散歩感覚で燕岳に到着。
2013年05月03日 12:34撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/3 12:34
白い尾根が登ってきた合戦尾根。
2013年05月03日 13:13撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/3 13:13
白い尾根が登ってきた合戦尾根。
白い雪の上だとテントのたくさんの色が映えますね。
2013年05月06日 06:28撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/6 6:28
白い雪の上だとテントのたくさんの色が映えますね。
小屋の中も賑やかでした。
2013年05月03日 13:14撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/3 13:14
小屋の中も賑やかでした。
夕日を拝んでテントの中に潜ります。
2013年05月03日 18:30撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/3 18:30
夕日を拝んでテントの中に潜ります。
2日目。
トラバース気味に進んで蛙岩に着きました。
2013年05月04日 07:38撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 7:38
2日目。
トラバース気味に進んで蛙岩に着きました。
この岩の影の中をくぐって行きます。
2013年05月06日 06:33撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:33
この岩の影の中をくぐって行きます。
狭い!
ザックを背負ったままだと中でつっかかってしまいます。
2013年05月06日 06:34撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:34
狭い!
ザックを背負ったままだと中でつっかかってしまいます。
大天井まではまだ長いです。
2013年05月04日 07:47撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
2
5/4 7:47
大天井まではまだ長いです。
大下りの頭。
2013年05月04日 08:05撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/4 8:05
大下りの頭。
あまり端っこは歩かないように。
2013年05月06日 06:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:37
あまり端っこは歩かないように。
一本立てて水分チャージ。
2013年05月06日 06:38撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:38
一本立てて水分チャージ。
切通岩の梯子が少し出ています。
同じ時期でもすっかり埋まっている事もあるみたいです。
2013年05月06日 06:42撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:42
切通岩の梯子が少し出ています。
同じ時期でもすっかり埋まっている事もあるみたいです。
小林喜作さんのレリーフ。
喜作新道にもいつかお邪魔したいと思います。
2013年05月06日 06:43撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:43
小林喜作さんのレリーフ。
喜作新道にもいつかお邪魔したいと思います。
急登との格闘の末の登頂。
多分今回の縦走の核心部でした。
2013年05月06日 06:45撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
2
5/6 6:45
急登との格闘の末の登頂。
多分今回の縦走の核心部でした。
すぐ近くの大天荘で休憩します。
小屋はまだ営業してませんでした。
2013年05月04日 10:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 10:36
すぐ近くの大天荘で休憩します。
小屋はまだ営業してませんでした。
次に進む方行をしっかりチェックしましょう。
2013年05月04日 10:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 10:49
次に進む方行をしっかりチェックしましょう。
東天井岳の近くで雷鳥を見かけました。
歩き方がかわいいです。
2013年05月04日 11:53撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 11:53
東天井岳の近くで雷鳥を見かけました。
歩き方がかわいいです。
ちょっと離れた所から隠し撮り。
2013年05月04日 11:54撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 11:54
ちょっと離れた所から隠し撮り。
東天井岳の山頂を少し下ったところから斜面をトラバースしました。
上からの雪崩が少し心配な箇所です。
2013年05月04日 12:06撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 12:06
東天井岳の山頂を少し下ったところから斜面をトラバースしました。
上からの雪崩が少し心配な箇所です。
常念小屋が見えてきました。
天気がいまいち良くない。。。雪まで散らつきました。
予報では明日は晴れると言ってたけど、果たして本当に晴れるのかなあ。
2013年05月06日 06:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:49
常念小屋が見えてきました。
天気がいまいち良くない。。。雪まで散らつきました。
予報では明日は晴れると言ってたけど、果たして本当に晴れるのかなあ。
常念小屋に到着。
2013年05月04日 13:21撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/4 13:21
常念小屋に到着。
これはどこに続くのでしょうか。
行ってみてからのお楽しみ。
2013年05月06日 06:55撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/6 6:55
これはどこに続くのでしょうか。
行ってみてからのお楽しみ。
翌日は天気が良いという予報を信じてこの日は常念小屋でストップ。
有り余った体力で遊ぶように雪の壁の出来上がり。
全くの風知らずでした。
2013年05月04日 14:38撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/4 14:38
翌日は天気が良いという予報を信じてこの日は常念小屋でストップ。
有り余った体力で遊ぶように雪の壁の出来上がり。
全くの風知らずでした。
3日目。
晴れました!
大キレットも槍ヶ岳もクリアに見渡せます。
2013年05月05日 05:23撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
2
5/5 5:23
3日目。
晴れました!
大キレットも槍ヶ岳もクリアに見渡せます。
大きな常念岳。
小屋から山頂まで標高差400mです。
2013年05月06日 06:56撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 6:56
大きな常念岳。
小屋から山頂まで標高差400mです。
淡々と登り続けます。
2013年05月05日 07:03撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 7:03
淡々と登り続けます。
淡々と登頂。
2013年05月05日 07:23撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
2
5/5 7:23
淡々と登頂。
丹沢山まで書かれてありました。
ここから丹沢山まで見えるのでしょうか。
2013年05月05日 07:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 7:25
丹沢山まで書かれてありました。
ここから丹沢山まで見えるのでしょうか。
よく歩いてきたなあ。
2013年05月06日 07:05撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 7:05
よく歩いてきたなあ。
遠くに御嶽山も見えてきました。
2013年05月05日 07:26撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 7:26
遠くに御嶽山も見えてきました。
うねった稜線を越えて登りきったなだらかなピークが蝶ヶ岳です。
2013年05月06日 07:06撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 7:06
うねった稜線を越えて登りきったなだらかなピークが蝶ヶ岳です。
パノラマ銀座を歩くだけに、パノラマ写真の1枚でも。
2013年05月05日 07:31撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 7:31
パノラマ銀座を歩くだけに、パノラマ写真の1枚でも。
蝶まではだらだらとしたアップダウンが続きます。
2013年05月06日 07:06撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 7:06
蝶まではだらだらとしたアップダウンが続きます。
蝶槍に到着!
と言っても何がある訳でもない普通のピークでした。
2013年05月05日 10:11撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 10:11
蝶槍に到着!
と言っても何がある訳でもない普通のピークでした。
常念から歩いてきた稜線。
2013年05月06日 07:07撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/6 7:07
常念から歩いてきた稜線。
去年の11月にここの冬期小屋にお世話になりました。
その時は入口と書かれている赤い扉を上に上げて中に入りました。扉がとても重かったのをよく覚えています。
2013年05月05日 11:06撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 11:06
去年の11月にここの冬期小屋にお世話になりました。
その時は入口と書かれている赤い扉を上に上げて中に入りました。扉がとても重かったのをよく覚えています。
蝶ヶ岳ヒュッテは営業してました。
2013年05月05日 11:07撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 11:07
蝶ヶ岳ヒュッテは営業してました。
瞑想の丘。
2013年05月05日 11:08撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 11:08
瞑想の丘。
蝶ヶ岳の山頂の標識はヒュッテの近くにあります。
2013年05月05日 11:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
5/5 11:25
蝶ヶ岳の山頂の標識はヒュッテの近くにあります。
3日間歩いてきた稜線をバックに1枚。
2013年05月05日 11:28撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 11:28
3日間歩いてきた稜線をバックに1枚。
山頂からのくだりはアイゼン無しでも行けるかなと思いましたが、まだ雪があったのでやはり着けることにしました。
2013年05月05日 11:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 11:37
山頂からのくだりはアイゼン無しでも行けるかなと思いましたが、まだ雪があったのでやはり着けることにしました。
樹林帯の尾根をぐんぐん下ります。
2013年05月05日 12:38撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 12:38
樹林帯の尾根をぐんぐん下ります。
バスに間に合いそうだったので、そのまま上高地のバスターミナルへ。
河童橋には鯉のぼりが出ていました。
そうだ、この日は子供の日だったんだ。
2013年05月05日 15:09撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
5/5 15:09
バスに間に合いそうだったので、そのまま上高地のバスターミナルへ。
河童橋には鯉のぼりが出ていました。
そうだ、この日は子供の日だったんだ。

感想

客観的なコース状況はtanoo氏がまとめてくれたとおりですが、それに関するnamemaniaの若干のコメントおよび全体の感想は以下のとおりです。


1 1日目
三大急登wwwとか舐めててすんませんでした。


2 2日目
今回の山行がnamemania初の残雪期の北アルプスです。正直に自白しますが、かなりびびっていました。
というのも、初めてであることから、記録および情報を可能な限りチェックしたところ、蛙岩の冬ルートを通れなかったとか、大天井の登りがクラストしていたとか、稜線上で強風で吹き飛ばされたとか、体が弱くて気も小さいがためにナメを歩くくらいの山行しかやっていないnamemaniaにはどこの平行世界の話だよ、という記載が散見されたためです。
そのあたりのルートを通るのが2日目。そんなわけで、朝起きたころから戦々兢々。覚悟を決めて歩き始めましたが、おなかが痛いことにでもして一人で下山しようかなどと、一瞬思ったことは秘密です。

で、蛙岩。
近づくと西側を通過しようとするパーティーが。
ウボァーっと思いつつも、冬ルートを確認すると全く問題なし。
何で西側にとりついていたんでしょう。かなり難儀していたようなので、あえてとりついたのではないでしょう。
冬ルートがどこか知らなかったとか、きちんと確認せずに通れないと即断してしまったんでしょうか。まさにもって玉を攻くべきところですな。

ともあれ蛙岩をあっさりと通過して大天井の登り。
この日は徐々に風が収まるとの予報でしたが、このときはまだ風があり、何度か煽られて体勢を崩されました。足を踏み外したら滑落は必至ですので、十分に注意が必要です。もっとも、上記のとおりクラストしてはいなかったので、大して苦労せずにクリア。戦々兢々としすぎていたため、大天井の山頂でとんでもない達成感が。まだ先は長いのに。

大天井から常念小屋まではあまり問題ないでしょう。
ただし、東天井のところでルートが大きく向きを変えますが、そのことを明らかにする標識はなく、動もするとそのまま直進してしまう可能性があります。トレースも直進しています。
見ていた限りでは、間違えずに向きを変えられたパーティーはなく、どのパーティーもちょっと行ってから引き返していました。夏道を知っていれば格別、ここは注意が必要でしょう。
また、ここから東天井の南斜面をトラバースしますが、状況によっては雪崩の危険がありそうです。CLが前回来たときは東天井の山頂を経由するルート上に旗が立っていたそうですが、旗がなくともそのルートによるのが相当と思います。なお、そのルートにもトレースがありました。


3 3日目
暑い。何じゃこりゃ。
死ぬかと思いました。
ヤッケの着用は休憩中のみ。

常念からの下りは岩の上を歩きますが、すぐ横に雪の積もった箇所があればそこを歩きたくなるのが人情です。
SLも当然のごとく雪の上に歩を進めましたが、何となく雪庇くさいところにもトレースが。
我がパーティーはSLの瞬時の判断でそれを回避できましたが、漫然と歩いていたらやばかったかも。

そのような危険箇所を避けつつ下りきり蝶槍へ。
標高差はそれほどでもありませんが、直登+猛暑でへろへろに。
ところで、半分くらい登ったところで先ほど降りてきたルートの脇の斜面に滑落していると思しき人がいたことをCLが発見。すぐにルートに復帰していましたが、察するに尻セードで降りようとして明後日の方向に行ってしまったのでしょう。楽してズルしていただきというわけにはなかなかいきません。

そんなこんなで蝶ヶ岳の最高地点を過ぎ、長塀尾根を下降。
すれ違ったパーティーのアドバイスを受けてアイゼンを装着。やっぱりアイゼンを履くと速いですね。
印が四方八方にありましたが、トレースも四方八方にありました。
最低限のルートファインディングができない人は、通行は控えるべきかもしれません。
なお、徳澤園の屋根が見えるあたりまで氷があったりしました。
このところの高温でだいぶ溶けているでしょうが、ある程度下までアイゼンを履くべきかと。


4 全体的に
3月末の黒戸尾根で足を引っ張ったため、冬山に自信を失っていました。
天保山あたりからやり直そうかとかなり真剣に悩んでいたのですが(冗談でなしに)、燕の山頂からの景色でその悩みはどこへやら。山はいいですな。

さはさりながら、自信を持つべくもありません。
今回は足を引っ張らなかったのではないかと勝手に信じていますが、蛙岩のパーティーや雪庇上のトレースを踏まえると十分な事前調査および状況判断が不可欠であるところ、それができたことに加えて天候が良かったがために何とかなったに過ぎないでしょう。これが一つでも欠けていたら、今頃どうなっていたか分かりません。

今回の山行は、冬山の恐ろしさ(いろいろな意味で)を味わった大変有意義な山行にできたと思っています。
問題は後に生かせるかなんですがねぇ。namemaniaではムリな予感が……。

去年のGWに行こうとしていた計画でしたがその時は悪天候のためやむなく断念。
晴れて1年越しの決行となりました。

4年前の同じ時期にこのルートを歩いたCLの話によると、その時は積雪量がとても多く、稜線上ではラッセルが続いたらしく、蛙岩の通り抜け箇所や常念岳直下の急登は凍結していたそうです。
蛙岩の通過は1時間もかかり、常念岳直下の急登はとてもじゃないけど直登できず、延々とジグザグの斜登行を繰り返してやっとの思いで登頂したそうです。近くで直登していた学生パーティーは滑落していたみたいです(無事に止まりました)。

それを踏まえて、今回ももし同じようなコンディションだったらという場合に備えて、ロープを2本、ショベル、ビーコン、プローブも持って行きました。

重いザックを担いで登る合戦小屋だけで初日はへろへろでしたが、幸い雪はそれほどおおくなく、凍結箇所はほとんどありませんでした。先行者も多かったのでトレースもはっきりしていてラッセル要らず。
さほど苦労もなく、夏道のコースタイム程度で歩く事ができました。
年によって同じルートでも全然状況が変わるようです。

初日と3日目は良く晴れて暑いくらいでしたが、2日目は風が吹き午後には雪が舞ってきました。
4日目は天気が下り坂になりそうだったので、もともと3泊4日の行程を縮めて、3日目に上高地まで下ることに。蝶ヶ岳までの登りと長塀尾根の下りで疲れ切った足には、徳沢から上高地までの歩きがキツかったですが、予定通りルートを全て歩き尽くせて満足の山行になりました。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1993人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
燕〜常念の縦走
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら