暴風雨の立山、剱岳


- GPS
- 27:35
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 2,055m
- 下り
- 2,052m
コースタイム
7:50室堂-8:35一ノ越-9;20雄山-10:00大汝山-10;15富士ノ折立-11:55別山-12:15剱御前小舎-13:20剱沢キャンプ場-14:35剣山荘
2日目
4:10剣山荘-4:30一服剱-5:15前剱-6:15〜6:35劔岳-7:20前剱-7:50一服剱-8:10剣山荘-9:40剱御前小舎-10:30雷鳥沢キャンプ場-10:45雷鳥荘-10:55みくりが池温泉-11:00室堂
天候 | 1日目:暴風雨 2日目:雨のちくもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
まだこの地域は残雪が多く、雪上歩きを強いられる箇所が多々有り。 主要なコースは雪切りがされているが、それでもアイゼンがあったほうが安心。 僕は度々コースを外れて雪切りされていない傾斜面をトラバースされることがあったが、チェーンスパイクしか持ってきていなかったため(チェーンスパイクは効きが甘く、度々滑った)滑落しないように慎重に歩を進めた。 特に一番苦労したのが剣山荘から剱御前小舎への直登ルート。ここは残雪が多く、 何回も長い急斜面の雪上トラバースを強いられた。このルートはまだ開かれておらず、剱岳方面へ向かう側では剱御前小舎の看板にしっかり通行止めと示されていたが、逆の剣山荘からは何も示されておらず、うっかり僕のように入ってしまうと恐ろしい目にあう。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
7/13,14 立山、剱岳記録
室堂はあいにくの雨。
ここのところ天気に恵まれない山行が多い。
着古したレインウェアに身を包み、いざ登山道へ。
室堂周辺は一般観光客もたくさん訪れるため、道は石畳で整備され、
非常に歩きやすい。まずは玉殿湧水で喉を潤し、いざ一ノ越方面へ。
下界は連日の猛暑だが、こちらはまだまだ残雪がたっぷりある。
一ノ越までは比較的登り易い道が続くが、雪上歩きを余儀無くされる
箇所が多々あり。
一ノ越から雄山に向かう途中、岩で見事に滑り、右膝を強打。
以降、剣山荘まで痛みとの戦いとなる。
おまけに雨脚が叩きつけるような強さとなり、
身体が飛ばされそうなくらいの強風まで吹いてくる。何とか雄山に辿り着いたが、
ずぶ濡れ状態で、既にヘロヘロ。次の行動を起こすことに躊躇する。
因みに本日立山に登った人はいないようだ。
雄山の山頂の神社はすごく立派で、中に休憩できるスペースもあった。
中に入ると巫女さんが、ずぶ濡れの僕を気遣ってくれて救われた気がした。
登山記念バッジを購入し、気持ちを奮いたたせ、真砂山方面へ向かう。
以後、別山経由で剱御前小舎へ行くまでにすれちがった人はゼロ。
視界は雨で霧のように塞がれ、ほぼホワイトアウト状態。
途中間違った標識に翻弄され、道がわからなくなるが、
なんとか現地点を把握し、別山への道をピストンの形で登り切り、剱沢方面へ。
剣御前小舎では、ずっと続いている雨で身体が冷えて、震えが止まらなくなる。
小屋でカップラーメンをいただき、束の間の暖をとる。漸く雨脚が弱くなり、
身体の震えも収まり、剱沢方面へ。
緩やかな長い下りの後にテント場が見えてくる。
もともとテント泊のつもりできたし、雨も止んでいたので受け付けで
テント泊を申し込む。設置場所を決めて設営を始めたところ、
再び雨が降り始めた。
風も強くて設置する前にずぶ濡れになってしまうので、早々にテント泊を断念。
先にある山小屋を目指す。どうせ山小屋に泊まるなら、
剱岳に最も近い剣山荘がいいと思い、剱沢小屋をスルーして向かう。
ここで雪上歩きがあるのだが、ルートを外れて再び道迷い。
雪上歩きに復帰すべく、しばらく薮との格闘。
なんとか正規の雪切りされたルートに戻り、剣山荘へ到着。
剣山荘は剱岳に最も近い山小屋にもかかわらず、中は綺麗で
おまけにシャワーまで使える。
トイレも下界のトイレと全く同じ。山小屋独特の嫌な臭いが全くない。
布団が小さかったのが難点だがそれでも十分だ。
2日目は1日目よりはマシだったがそれでも風が強く、雨も降ったり止んだりで
視界も全く開けてこない。
残念ながら眺望は望めそうにない。
4:00にヘッドランプをつけて早々に山荘を出発。
直後に雪上歩きが現れた。剱岳が険しい岩山であることと、
今後も雪上歩きが予想されたため、
ここで持参したチェーンスパイクを装着。
雪切りがされていたので難なく進む。
雪道が途切れたところで道がわからずしばし呆然とするが、
左側の雪際の斜面を見ると
うっすらとお助けロープがぶら下がっていた。
実はここが第一の鎖場であった。
お助けロープをお借りし、何とか一つ目の鎖場をクリア。
3番目の大岩の鎖場では岩が落ちてこないかと思われるような
塊で聳えている。大岩の左脇を進む。
今日は鎖が濡れていて滑りやすかったため、なるべく鎖は使わず、
岩を掴んで登ることに。
ホールドがしっかりしているため、特に難しく感じる箇所はなかった。
ただし、5番目の前剱手前に幅20cmほどの足場がかかっており、
ここが一番緊張した。落ちたらまず命はないだろうし、
ちょうど谷間の部分で強風が吹き荒れていたため、慎重に歩を進めた。
その後は長い7番目の平蔵の頭、8番目の平蔵のコルとクリアし、
本来登りはカニのたてばいへと進むべきところをルートが
見つからずカニの横ばい方面へと進んでしまう。
多分雪下に上りのルートが埋まってしまっていると思われる。
下りルートをしばらく進み、ビバーク地点と小さな小屋の脇を抜け、
梯子を登ってカニの横ばいへと取り付く。
まさに横ばいといった形で登って行く時は大きく左曲がりで
巻いていく。途中で一箇所大きく踏ん張りを聞かせて登る必要がある地点が
あったが、それ以外は特に問題なく進むことができた。
カニの横ばいの頭上に祠のような尖頭部があり、そこが頂上かと勘違いをする。
以後、特に難所もなくゴロゴロした岩場を進み、やっと山頂に到着。
ほかの方のレポートで見ていた山頂の祠はなく、
多くの方々が置かれていった剱岳の登頂記念看板が置いてあるのみで
淋しい雰囲気であった。そして残念ながら眺望はゼロ。
ともあれ、日本で最も登頂が厳しいとされる剱岳の山頂に立てた
喜びをひととき噛み締める。
源次郎尾根の看板と北方稜線の看板が岩場に貼られていた。
15分ほど登頂の余韻に浸り、来た道を下山する。
どうやら本日は僕が一番初めに登頂したようで、下山途中すれ違う方々から
山頂の様子を聞かれた。大人数のパーティもいたので渋滞したであろう。
下りの鎖場の方が上りよりも難易度は上がる。何度か滑り、尻餅を付いた。
それでもチェーンスパイクがよく効いてくれて、
足元を固めてくれていたことは心強かった。
早々に剣山荘につき、明日(7/15)まで滞在する予定でいたが
天候も望めないため、一日繰り上げて本日帰宅することに。
とはいえ、交通手段としていた毎日あるぺん号は室堂12:30出発。
少々急ぎ足で室堂へと向かう。
しかし、剣山荘から元来た道の剱沢方面へ向かうはずが、
剣山荘と剱御前小舎を南北に走るルートに入ってしまう。
ここからが辛かった。結構な登りの上に、途中雪渓に阻まれる所が何箇所も。
おまけに視界は限りなく狭く、先のルートが全く見えない。
コンパスを頼りにひたすら南下する。
チェーンスパイクで滑り落ちそうになるところをなんとか持ちこたえ、
歩を進める。ここでだいぶ体力を消費させられてしまった。
剱御前付近の最後の雪渓が急登でチェーンスパイクでは到底登ることはできない。
途方に暮れていたが、右側に雪がないガレ場があったため、
ボロボロと崩れ落ちる脆岩群と格闘しながらなんとか頂部まで登る。
稜線をしばし進み、ようやく剱御前小舎にたどり着く。
ルートを外れたと気づいた時に戻っていればこんなに苦労は
しなかっただろうと反省しつつ、なんとか正規ルートに戻れたことでほっと一息。
ここからは雷鳥沢への下りを一気に降りる。
雷鳥沢間際で再び雪渓歩きの箇所があったが、旗が立ててあり、
多くの登山者が歩いているため、トレースも比較的わかりやすく残されていた。
雷鳥沢からは道は再び石畳となり、歩きやすくなる。
これに伴い、一般の観光客も多く見受けられるようになる。
雷鳥沢からは再び登りとなり、剱御前で消耗した身に堪える。
それでも様々な観光スポットを横目に見ながらなんとか
室堂までたどり着くことができた。
今回の山行は、距離はそれほど歩いていないが、天候に大いに翻弄され、
何回も道迷いを余儀なくされたため、苦労が多かった。
だが、その分勉強にもなった。
今度は晴天の時に再び訪れたい。
tktn3180さん
こんばんは。
7/14の剱岳山頂も天気悪かったのですね。
私は7/13に早月尾根より剱岳に登りました。
早月、剱沢からも誰も来ない寂しい日でしたが、山頂を二人占めしました。
次は剱沢方面から登りたいと思います。
RonaldoYAMAさん
コメントありがとうございます。
7/14は前日ほどの悪天候ではありませんでしたよ。
もちろん景色は見れませんでしたが・・・。
7/13はレコに示したとおりは立山で死にそうに
なってました(笑)。
僕が登った別山尾根は高低差はそれほどなく、
距離も短いので一番易しいルートですね。
それに比べて早月尾根は高低差も
距離もすごいですよね。
僕には日帰りは無理です・・・。
早月尾根は別山尾根ほど危険箇所は無いのですが急登なので下りが膝にきます。
下山した時は膝がガクガクでした。
また次は、天気の良い日に景色を眺めながら登りたいですね。
ではまた。
RonaldoYAMAさん。
今回は残念でしたが
今度の登山はお互い天気に恵まれるといいですね。
やっぱり登山の醍醐味は景色にありますからね。
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