ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 3508380
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍

北穂高岳 滝谷 クラック尾根

2021年09月09日(木) 〜 2021年09月11日(土)
 - 拍手
yachimayu その他1人
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
57:46
距離
37.5km
登り
2,518m
下り
2,512m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
9:10
休憩
1:45
合計
10:55
6:53
44
上高地バスターミナル
7:37
7:37
46
8:23
8:23
25
徳沢
8:48
8:48
43
9:31
9:56
20
10:16
10:16
40
10:56
11:08
59
12:07
12:20
40
13:00
13:00
8
13:08
13:40
184
16:44
16:58
19
17:17
17:17
8
17:25
17:34
14
2日目
山行
8:00
休憩
0:39
合計
8:39
6:29
6:31
4
6:35
7:00
10
7:10
7:11
169
B沢入口
10:00
10:00
251
登攀開始
14:11
14:11
6
北穂高小屋(終了点)
14:17
14:21
15
14:36
14:43
12
3日目
山行
7:27
休憩
3:54
合計
11:21
5:07
5:07
12
南稜分岐
5:19
5:19
31
下降開始
5:50
7:34
107
北穂高岳・天場
9:21
9:42
4
9:46
9:46
27
10:13
10:13
17
10:30
10:30
38
11:08
11:33
40
12:13
12:13
19
12:32
12:53
45
13:38
13:38
14
13:52
14:55
47
15:42
15:42
32
16:14
16:14
7
16:21
16:21
0
16:21
上高地バスターミナル
天候 2021/9/ 9(木)雨〜晴れ
2021/9/10(金)晴れ
2021/9/11(土)霧〜雨〜晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
駐車場:さわんどバスターミナル駐車場(700円/日)
バス(さわんど〜上高地):1,300円/片道
コース状況/
危険箇所等
・テン場代:2,000円/人/日(1日毎に受付。予約は不要。)
●2021/9/9 雨の中、上高地入り。
2021年09月09日 06:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 6:53
●2021/9/9 雨の中、上高地入り。
●@横尾 雨があがりました。
2021年09月09日 09:39撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 9:39
●@横尾 雨があがりました。
●横尾大橋。青空が見えた!
2021年09月09日 09:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 9:57
●横尾大橋。青空が見えた!
●木々の間から久しぶりの屏風。
2021年09月09日 10:54撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:54
●木々の間から久しぶりの屏風。
●屏風は滝でした。
2021年09月09日 10:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:57
●屏風は滝でした。
●登山道が沢です(苦笑)。
2021年09月09日 11:22撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 11:22
●登山道が沢です(苦笑)。
●落石地帯が綺麗に整備されていました。
2021年09月09日 11:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/9 11:57
●落石地帯が綺麗に整備されていました。
●涸沢小屋が見えた!
(幕営、クラック登攀、2泊分の荷物は重かった)
2021年09月09日 13:11撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 13:11
●涸沢小屋が見えた!
(幕営、クラック登攀、2泊分の荷物は重かった)
●今日はこちらへ
2021年09月09日 13:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 13:14
●今日はこちらへ
●見下ろした涸沢。さすがにテントは少ない。
2021年09月09日 13:19撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 13:19
●見下ろした涸沢。さすがにテントは少ない。
●涸沢小屋でソフトクリーム♪
2021年09月09日 13:24撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/9 13:24
●涸沢小屋でソフトクリーム♪
●南稜から北穂へ。東稜(ゴジラの背)が見えます。
2021年09月09日 15:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 15:07
●南稜から北穂へ。東稜(ゴジラの背)が見えます。
●東稜へは、写真右の二股から上がる。今日は荷物が重いので無理。
2021年09月09日 15:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 15:10
●東稜へは、写真右の二股から上がる。今日は荷物が重いので無理。
●南稜の鎖場。
2021年09月09日 15:23撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 15:23
●南稜の鎖場。
●前穂北尾根。
2021年09月09日 15:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 15:34
●前穂北尾根。
●ツルムの方向。
2021年09月09日 16:51撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 16:51
●ツルムの方向。
●テン場から北穂を見上げる。小屋はその先・・・
2021年09月09日 16:52撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 16:52
●テン場から北穂を見上げる。小屋はその先・・・
●山頂を越え、水確保&トイレのため、北穂小屋へ。@北穂山頂
●山頂を越え、水確保&トイレのため、北穂小屋へ。@北穂山頂
●山頂から見た滝谷ドームとテン場(左下)。
●山頂から見た滝谷ドームとテン場(左下)。
●2021/9/10
日の出。今日は視界&気温重視で遅め出発。
2021年09月10日 05:38撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 5:38
●2021/9/10
日の出。今日は視界&気温重視で遅め出発。
●朝陽を浴びる前穂。
2021年09月10日 05:39撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 5:39
●朝陽を浴びる前穂。
●朝陽を浴びる北穂。
2021年09月10日 05:39撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 5:39
●朝陽を浴びる北穂。
●クラック尾根に向け出発。まずは北穂へ。
2021年09月10日 06:30撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:30
●クラック尾根に向け出発。まずは北穂へ。
●北穂山頂から見た前穂。
2021年09月10日 06:37撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:37
●北穂山頂から見た前穂。
●@北穂山頂
2021年09月10日 06:37撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:37
●@北穂山頂
●北穂山頂から見た大キレット&槍ヶ岳。
2021年09月10日 06:55撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:55
●北穂山頂から見た大キレット&槍ヶ岳。
大キレット方向に降りて1つ目の鎖場
Photo by Bちゃん
2021年09月10日 06:58撮影 by  SO-01M, Sony
9/10 6:58
大キレット方向に降りて1つ目の鎖場
Photo by Bちゃん
●大キレット方向に降りて1つ目の鎖場の先。×がたくさん。
2021年09月10日 07:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 7:09
●大キレット方向に降りて1つ目の鎖場の先。×がたくさん。
●この×のところに「B沢入口」の文字。
2021年09月10日 07:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 7:10
●この×のところに「B沢入口」の文字。
B沢を覗き込む。
Photo by Bちゃん
2021年09月10日 07:03撮影 by  SO-01M, Sony
9/10 7:03
B沢を覗き込む。
Photo by Bちゃん
●噂通り落石必至の「岩の墓場」でした。
2021年09月10日 07:11撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 7:11
●噂通り落石必至の「岩の墓場」でした。
●左岸側の壁の残置(ハーケン&リング)。ここから空中懸垂。
2021年09月10日 07:37撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 7:37
●左岸側の壁の残置(ハーケン&リング)。ここから空中懸垂。
懸垂1本目。この先で空中懸垂となる。
Photo by Bちゃん
2021年09月10日 07:41撮影 by  SO-01M, Sony
9/10 7:41
懸垂1本目。この先で空中懸垂となる。
Photo by Bちゃん
●50m 2本でいっぱいまで降りたところの右岸に残置支点あり。このCS用の懸垂支点ぽい(写真は見上げたところ)。
2021年09月10日 08:00撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 8:00
●50m 2本でいっぱいまで降りたところの右岸に残置支点あり。このCS用の懸垂支点ぽい(写真は見上げたところ)。
●この位置から尾根を見上げる。うーん、もっと下流?
●この位置から尾根を見上げる。うーん、もっと下流?
残置の様子
Photo by Bちゃん
2021年09月10日 08:53撮影 by  SO-01M, Sony
9/10 8:53
残置の様子
Photo by Bちゃん
ここから懸垂2本目。この写真の少し先のあたりのガレから尾根に上がる。
Photo by Bちゃん
2021年09月10日 08:53撮影 by  SO-01M, Sony
9/10 8:53
ここから懸垂2本目。この写真の少し先のあたりのガレから尾根に上がる。
Photo by Bちゃん
●先ほどの残置からさらに40m懸垂し、崩壊地のガレを上がることに。
ガレのどん詰まり、とりあえず、ここからロープを出す(1ピッチ目)。
2021年09月10日 10:16撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 10:16
●先ほどの残置からさらに40m懸垂し、崩壊地のガレを上がることに。
ガレのどん詰まり、とりあえず、ここからロープを出す(1ピッチ目)。
●2ピッチ目。(おそらく、旧メガネのコルの対岸の左側あたり)
2021年09月10日 10:29撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 10:29
●2ピッチ目。(おそらく、旧メガネのコルの対岸の左側あたり)
●3ピッチ目。ジャンケンクラック。左のクラックから上がり、右へ渡った。
2021年09月10日 10:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 10:53
●3ピッチ目。ジャンケンクラック。左のクラックから上がり、右へ渡った。
●大キレットの方向。縦走している人が見えます
2021年09月10日 10:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 10:53
●大キレットの方向。縦走している人が見えます
●トポどおりにいかず「ここはどこだろう?」と相談しながらの登攀
2021年09月10日 12:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 12:09
●トポどおりにいかず「ここはどこだろう?」と相談しながらの登攀
●何ピッチ目だっけ?
2021年09月10日 12:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 12:09
●何ピッチ目だっけ?
●ロープの流れが悪くて切る。登ったのは、この凹角。
2021年09月10日 12:24撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 12:24
●ロープの流れが悪くて切る。登ったのは、この凹角。
●クラック尾根を振り返り、自分たちが側壁から上がったことを理解した。
2021年09月10日 12:33撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 12:33
●クラック尾根を振り返り、自分たちが側壁から上がったことを理解した。
●第1尾根は垂壁。
2021年09月10日 12:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 12:34
●第1尾根は垂壁。
●大キレット&槍ヶ岳。景色は最高。
2021年09月10日 12:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 12:34
●大キレット&槍ヶ岳。景色は最高。
●新トポでは「ガラガラのルンゼ80m」しか書いてないが、チャレアルに載っている右側のフェース。残置にたよって、左のカンテに抜けるとガレガレのルンゼ。
2021年09月10日 12:50撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
9/10 12:50
●新トポでは「ガラガラのルンゼ80m」しか書いてないが、チャレアルに載っている右側のフェース。残置にたよって、左のカンテに抜けるとガレガレのルンゼ。
●予定外の場所にトップアウトし、感動より「???」が先行する2人。(だから写真撮り忘れた!)山頂から、今日の前穂。
2021年09月10日 14:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 14:57
●予定外の場所にトップアウトし、感動より「???」が先行する2人。(だから写真撮り忘れた!)山頂から、今日の前穂。
●@北穂小屋。生ビールで乾杯&今日のルートの検証。
一応、クラック尾根を登ったことは間違いなかった。ほっ
2021年09月10日 15:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 15:35
●@北穂小屋。生ビールで乾杯&今日のルートの検証。
一応、クラック尾根を登ったことは間違いなかった。ほっ
●2021/9/11
霧雨の中、出発。
2021年09月11日 05:16撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 5:16
●2021/9/11
霧雨の中、出発。
●ツルム
2021年09月11日 05:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 5:21
●ツルム
●右後ろ方向にドーム
2021年09月11日 05:22撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 5:22
●右後ろ方向にドーム
●最初のコルから、登山道をそれる。
2021年09月11日 05:23撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 5:23
●最初のコルから、登山道をそれる。
●写真ではわかりにくいが、踏み跡あり。
2021年09月11日 05:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 5:28
●写真ではわかりにくいが、踏み跡あり。
●一旦ツルム側へ向かうがスイッチバックしてドーム方向へ。
しかし、ここで本格的な雨になったので、中止を決意。
2021年09月11日 05:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 5:28
●一旦ツルム側へ向かうがスイッチバックしてドーム方向へ。
しかし、ここで本格的な雨になったので、中止を決意。
●7時に小雨になる雨雲レーダーを信じ、7時までテントで過ごす。小雨になったところで撤収し、下山。
2021年09月11日 07:41撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:41
●7時に小雨になる雨雲レーダーを信じ、7時までテントで過ごす。小雨になったところで撤収し、下山。
●南稜の鎖場。濡れるととたんに怖さが増す。
2021年09月11日 08:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 8:28
●南稜の鎖場。濡れるととたんに怖さが増す。
●涸沢にはテントが増えていました。まだ霧雨。
2021年09月11日 09:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 9:53
●涸沢にはテントが増えていました。まだ霧雨。
●霧雨の中、無心で徳沢園へ。初めてカレーを食べました。
2021年09月11日 14:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 14:10
●霧雨の中、無心で徳沢園へ。初めてカレーを食べました。
●徳沢園のコーヒーソフト(500円)。雨、あがりました。
お疲れ様でした!
2021年09月11日 14:26撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 14:26
●徳沢園のコーヒーソフト(500円)。雨、あがりました。
お疲れ様でした!

感想

当初8月に予定していた滝谷ですが、事情により9月に延期。
2人とも、1ヶ月半ぶりの山行。
直前まで天気が読めず迷ったけれど、とりあえず行ってみることにする。
クラック尾根を2日目にし、最終日にドーム中央稜〜下山の予定。

2021/9/9(木)
●前泊〜出発
道の駅 風穴の里で前泊。6:00、朝一のバスに乗車。

●上高地〜涸沢〜北穂テン場
雨。上下カッパ&ザックカバーで上高地出発。Bちゃんの傘、正解。
横尾手前で明るくなり出し、雨も上がる。
久しぶりのテン泊&登攀装備で、涸沢から北穂の登りがキツイ。

●北穂山頂&北穂小屋
北穂のテン場は初。小屋まで山頂を越えて10分ほど。
夜は満点の星空。
3シーズンシュラフで十分ですが、裸足だとかなり冷えました。

2021/9/10(金)
5:00 起床。昨日の疲れが大きかったので、十分な睡眠をとる。
6:15 出発。核心は「岩の墓場」B沢の下降の為、明るくなってから下降することに。
平日の為、先行パーティーがおらず、ほっとする。

●アプローチ(B沢下降)
大キレットへ向かう1つ目の鎖場のすぐ先に、白ペンキで×が3つ。
その周辺に、「B沢入口」(白ペンキ)の文字あり。
B沢は狭い沢で、壁の岩は脆く剥がれ、足は一歩置くだけで、すべてがザレ落ちる。
右岸側がフォールラインの為、左岸の壁伝いに1人ずつ下る。
足元が切れ落ちて見えなくなる位置の左岸に残置支点(ハーケン、リング)あり。
そこから空中懸垂5m程&50mロープ2本でいっぱいまで懸垂する。
このあたりの左岸に迂回ルートへのFIXロープと杭(足場)があると思っていたが見当たらない。(無くなったか、もっと下流だったかは不明。)
ロープが切れて2m程先の右岸に残置スリングあり。
FIXで迂回する予定だったが、尾根末端からガリーを登り返す方法に変更。
さきほどの右岸の残置スリングで40mほど懸垂下降。
崩壊した小さいガリーの向こう、尾根側壁に赤い残置スリングあり。
そこから尾根末端まで再度懸垂出来るかもだが、尾根末端がかなり遠く、ガリーの登り返しが可能かわからなかったので(B沢が悪すぎてビビったのもある)、末端まで行くことに躊躇する。
小さいガリー(ザレ場)が登れそうだったので、そこから尾根に上がることにする。
後で写真や記録を検証した結果、旧メガネのコルの少し下あたりだったように思う。
(右手(尾根側壁)が特徴的な尖塔状だったので。)
上がれなくはないが、ザレてかなり悪い。
ザレどんつきでセルフを取り、後続するパートナーの為に上からロープを投げた。
ここまで3時間かかった。

●クラック尾根
1ピッチ目 Bちゃんリード
カンテ沿いから尾根上へ。
少し上がってみて悪かったので、ここからシューズを履き替える。
手も足もとにかく動く。
足を置いた頭大の石が剥がれ、B沢まで巻き込む崩落を起こしてしまった。
尾根上できったが、形状から、ここが旧メガネのコルの対岸のように思う。

2ピッチ目 yachimayuリード
階段状のフェースからチムニーを使って上へ。

3ピッチ目 Bちゃんリード
核心のジャンケンクラック。
右にコーナークラック、正面の岩中央にシンハンドクラック、左にOWサイズ。
中央がフレーク状なので、そこと左を使えば、それほど難しくない。
右上の抜けたところで切った。
実は、ここがもうジャンケンクラックだとは気づかずに通過。
この後も2人で「どこがジャンケンクラックだろう」と言いながら終了してしまった。

4ピッチ目 yachimayuリード
リッジを上がり、目の前のフェースを右に回り込む。
10mほど上で切れそうだったが、ロープの流れを考慮し、ここで切る。
尾根全体を見下ろすことが出来、自分たちがどこから上がって来たか分かった。

5ピッチ目 Bちゃんリード
4ピッチ目のすぐ上まで。緩いリッジを上がり、垂壁前で切る。

6ピッチ目 yachimayuリード
ハーケン残置が数個の垂壁。
出だしは、細い残置スリングをアブミにして離陸。左カンテ側に上がるとリッジ&ガレ場だった。
新トポでは、ガレ場80mを上がるルートのみだが、チャレアルに載っている「右のフェースから」のルートをとったもよう。
・・・IV級にしては、かなり辛い。
ガレ場をどんつきまで50mいっぱいまで伸ばす。ここが大テラス。
(トップアウト後、上から見て大テラスだと分かった。)

7ピッチ目 Bちゃんリード
支点から直上、右のカンテ沿いを上がる。
新トポでは左の凹角を左上するルートしかないが、チャレアルには直上ルートも載っている。そちらに進んだらしい。

8ピッチ目 yachimayuリード
直上する。
最後、右のカンテを回り込んだら、目の前5mの位置に赤い小屋の壁があってびっくり。
大キレットへの登山口の降り口真横にトップアウト。

ハーケンは豊富だが、グラついて動くものも多く、抜けたものもあった。
トポどおりにピッチを切っていないので、ほぼカムとナッツで支点構築。
脆く、綺麗なクラックはないので、小さめナッツがかなり役に立った。

横に見える第1尾根の高度と比較したり、稜線が近くなるのに「核心はどこ?」状態。
まだ核心前だと思っていたし、また小屋下に出る予定だったので、2人とも唖然。

一旦テントに戻り、小屋のテラスで写真や記録を見比べて検証してみたところ、
ちゃんとジャンケンクラックは抜けていた。
尾根上をほぼルートどおりに登ったことがわかってほっとした。
改めて、生ビールで乾杯!

明日早いので、早めに就寝。
22時頃、雨音で目が覚める。
予報では24時まで雨マークとなっていた。
岩が濡れていなければいいのだけれど。

2021/9/11(土)
●アプローチ
今日は、ドーム中央稜後に下山予定。
11時テント撤収がタイムリミットのため、3:30起床。
この時点でまだ雨音が聞こえたが、外に出ると霧雨。
外に置いていたガチャがほぼ濡れていなかったので、5:00予定どおり出発。
南稜から奥穂への分岐より、南峰へ上がる。
1つ目のコル(前にツルム、右後方にドームの位置)から右手に登山道をそれる。
このあたりから、霧雨が雨となりつつあった。
踏み跡はある。
一旦ツルム方向に向かうが、クライムダウンし、ドーム側にスイッチバック。
(30分ほど右下方向へ下り、1mくらいの尖塔がある場所の壁に懸垂用の残置があるはずだが(from 下調べ情報)、)
雨が本格的になり、岩も濡れてしまったので、敗退を決める。
風速8m/sくらいか、濡れた身体は冷たく、かなり寒く感じた。

5:55頃。テントで火を焚いて、身体を温める。
雨雲レーダーでは7:00頃上がりそうだったので、それまでテントで過ごす。

●下山
霧雨の中テント撤収し、下山。
いつもは通過もしくはソフトクリームだけの徳澤園。
今日はのんびりなので、みちくさ食堂で、手作りカレー&コーヒーソフト♪
具が大きくてサラサラのカレー&しっかりしたライスは、とても美味しく幸せ。

<装備(クラック尾根)>
・50mダブルロープ
・カム(#0.3〜#3。#2までしか使わず。+リンクカム4本)&小さめナッツ
・フォローがザックを背負う。

<感想>
2人とも、何故かまだ行けていなかった北穂滝谷。
(私は2年前の北海道地震で帰京出来ず、行けなかった因縁の滝谷。)
初見だけれど、どうせ行くなら2本登ろう、ということでこの2ルートをチョイス。
アプローチの難しさと岩の脆さにアルパインを思い出し、気を引き締める。
結果としてクラック尾根しか登れませんでしたが、
色々な意味で、今の自分にはちょうどよい選択だった気がします。

ドーム中央稜を残したので、今度は東稜とセット(小屋泊)で来るのもいいかも。
(北穂小屋は眺望が最高&雰囲気が良かったので)

久しぶりにアルプスの稜線でクライミングが出来て満足。
次の穂高は、母の涸沢テント泊デビューかな(笑)。
楽しい3日間、ありがとうでしたー!

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