南アルプス・中央アルプス横断〜TJARルートを逆走〜(両俣⇒仙丈ケ岳(地蔵尾根)⇒木曽駒ケ岳(福島Bコース)⇒藪原駅)
- GPS
- 36:47
- 距離
- 87.1km
- 登り
- 3,080m
- 下り
- 6,080m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 9:30
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:50
- 山行
- 13:11
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 13:50
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 8:10
北沢峠6:25⇒7:05野呂川出合7:15⇒9:25両俣小屋9:40⇒10:15野呂川越⇒10:40横川岳⇒11:10独標11:30⇒12:05伊那荒倉岳⇒14:20大仙丈ヶ岳14:30⇒15:00仙丈ヶ岳15:35⇒15:55仙丈小屋(素泊)
【2日目】
仙丈小屋5:50⇒8:20松峯小屋8:50⇒10:15林道終点10:25⇒11:50柏木集落登山口11:55⇒12:40市野瀬(入野谷宿泊)
【3日目】
市野瀬5:05⇒6:43中沢峠⇒7:05分杭峠7:45⇒8:00中沢峠⇒10:35天竜大橋⇒11:40駒ヶ根駅⇒11:45駒ヶ根郵便局12:10⇒12:25昼食13:10⇒13:30駒ヶ根ICバス停
(バス・ロープウェイにて移動)
千畳敷15:20⇒15:50乗越浄土⇒15:55宝剣山荘16:00⇒16:35木曽駒ケ岳16:40⇒17:00玉乃窪山荘17:15⇒17:55八合目水場18:10⇒18:55七合目避難小屋
【4日目】
七合目避難小屋6:55⇒8:35幸ノ川渡渉点9:00⇒9:30駒ヶ根新和スキー場跡⇒12:00道の駅日義木曽駒高原12:40⇒15:05藪原駅
天候 | 8月13日:晴れ 8月14日:雨が降ったり止んだり⇒下界は曇り 8月15日:雨が降ったり止んだり⇒下界は天気雨⇒中ア稜線は雨+強風のち土砂降り 8月16日:雨が降ったり止んだり⇒下界は曇り一時晴れのち土砂降り とにかく今年のお盆期間は不安定な天気でした。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
前日22:40竹橋⇒5:00頃戸台口仙流荘前 復路:藪原駅⇒松本駅⇒(スーパーあずさ)⇒新宿 ※お盆のUターンラッシュの為、敢えて塩尻ではなく始発駅の松本まで行きました (お陰で自由席に座れた) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・北沢峠〜広河原のバスは前日の降雨のため雨量規制で10:00まで運休 そのため北沢峠から野呂川出合まで徒歩で移動 ・福島Bコースの沢が増水しているので渡渉注意! ■水場■ <南ア>高望池の水場は見ていません <中ア>福島Bコース八合目の水場は豊富に出ていました |
その他周辺情報 | ■市野瀬〜駒ヶ根間の飲食店■ ・コンビニは駒ヶ根近く(伊南バイパス)の琴平交差点までありません (天竜大橋近くにスーパーが1件ありますが惣菜・弁当類はナシ・菓子パンのみ) ・飲食店は駒ヶ根市街地〜IC間の県道75沿いにたくさんあります その他ホームセンターやドラッグストアもあるので装備の補充も出来ます ■道の駅日義駒ヶ根高原〜藪原駅間(国道19号)のコンビニ等■ ・道の駅〜山吹トンネルまでの間にコンビニが3件あります 最初の2件(セブン・サークルK)は歩道の反対車線側にあるので道路を渡る必要有 信号が無く交通量が多いので渡るのは困難です。 歩道沿いにあるのは山吹トンネル手前のセブンのみ ・また歩道の反対側にドラッグストア1件あります |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
2014年…今年のお盆休暇(8月13日〜17日)は、日本列島に前線が停滞していて、どこも天気が不安定。
それならば2年に1度の山岳レース「トランスジャパンアルプスレース(TJAR)」も開催されていることだし、以前からコツコツと歩いてきた日本海〜太平洋のルート繋ぎを進めようと計画。これならばロードを歩く区間が多いので悪天候の影響も少ないはず!そしてうまくすれば選手にも逢えるかも!
早速TJARのサイトを見てみると、レース初日は台風の影響でルートの変更があったり、薬師岳山荘でレースがストップされて選手達は台風が過ぎ去るまで待機してる模様。その点も合わせて計算してみると、休暇が取れる13日頃にはトップ集団は南アルプス仙塩尾根を通過すると予測された。
となると両俣から仙塩尾根に登って縦走するのが一番選手達に会える確率が高い。
ついでに以前から行きたいと思っていた両俣小屋に立ち寄って、小屋のアイドルの猫さん達に会ってこよう♪
と、今回はこのような経緯があって、南アルプス〜中央アルプスの横断を計画しました。
【1日目】
そんなわけで前日22:40発の毎日あるぺん号に乗り、翌朝仙流荘前から路線バスに乗り換えて北沢峠へ。
それにしても前日までの悪天が嘘のような快晴!しかしこの日は前日までの雨の影響で北沢峠〜広河原間のバスが運休…雨量規制解除が出される10:00頃まではバスの運行はないらしい。
仕方ないので北沢峠から野呂川出合まで歩いて移動し、両俣小屋に着いた頃には9:30近くになっていた。
さっそく小屋番さんに挨拶すると「どこから来てどこへ行く予定?」と聞かれたので「北沢峠から来てこれから仙丈ケ岳までいきます」と答えたところ、「仙丈ケ岳なら何故北沢峠から登らなかったの?まさか間違えてこっち来ちゃたの?地図はある?ここから何時間かかるかわかってる?7時間以上よ!17:00過ぎちゃうじゃない!ここは高尾山じゃないのよ!のんびりしてないで行くなら早く出発しなさい!」と南アルプス特有の歓迎をされてしまった(笑)
なので名物の冷や麦を食べたいとも言い出せず、猫さんとも戯れることも出来ず…でも有名な小屋番の星さんと話せたからいいっか!と気を取り直してそそくさと出発。今度はゆっくり泊まりに来て猫さんと遊びまくろう・・・。
そんな小屋番さんの発破が効いたのか、CTの半分ほどで野呂川越に到着!
8年ぶりの仙塩尾根はやはり誰もいなくて静寂そのものだった。
さて時刻は10:15。そろそろトップの選手が通過してもおかしくない時間……しかしなかなか選手には出会わなかった。もう通過してしまったのだろうかと思った11:05頃、2,499m独標直下でトップの望月選手に遭遇!「頑張ってください」と声をかけると「やっぱ山は天気が良いほうがいいね」と、とても軽やかな足取りでさわやかに去っていった。
その後は13:00頃大仙丈ヶ岳へ向かう稜線の途中で2位の阪田選手と、続いて14:50頃に仙丈ケ岳付近で3位の飴本選手・4位の船橋選手とすれ違った。
阪田選手はレース前半はかなり飛ばしていたらしく、この時も「望月選手とどこで会いましたか?」と気にしている様子で「やっぱり望月さん速いな〜」と呟き、振り返ってみるとあっとというまに姿が見えなくなってしまった…というか阪田さん…あなたも充分速いです…
そんなわけで15:00には仙丈ケ岳に到着。両俣小屋の方には心配されたけど、だいたい私の山行計画通り!
この日は夕方までガスが湧くこともなく天気が良かったので、仙丈ケ岳山頂で1時間近く景色を楽しんでから、今日の宿泊地「仙丈小屋」へ下っていった。
その後自炊のため夕飯を外のベンチで済ませ18:00ごろ小屋へ戻ると、ちょうど5位6位の石田選手と紺野選手がカレーを食べていた。TV放送でも仙丈小屋でカレーを食べる石田選手のシーンがあったので、妙に既視感があって可笑しかった。
それにしても石田選手は食欲が無いようで胃薬を飲んでいたが、大丈夫だったのだろうか?
さて、翌日は長い長い地蔵尾根を下って市野瀬へ下山する予定。
寝ている間に何人か選手が通過してしまうかも…と思いながら20:00には就寝した。
【2日目】
翌朝は強い風の音で目を覚ました。しかも出発する頃には雨も降ってきた。
予報では午前中は曇だったので雨が降り出す前に早発ちする予定だったのだが…まぁ仕方がない。これ以上雨が強くなる前に出発することにした。
5:50頃に小屋を出発すると、すぐに1人の登山者が仙丈ケ岳方面から下ってきた。
「この雨の中わざわざ仙丈ケ岳に登ってくる人もいるんだ」とその時は思ったが、あとでTJARフェイスブックを見てみると、この時すれ違った人が松浦選手だったようだ。(雨具でゼッケンが見えなかったので気付かなかった…)
その後、地蔵尾根に入ると稜線上は風が強く雨が横殴りに叩きつけてきた。すぐに樹林帯に入り風は遮られたが、選手達がこれから進む稜線上は大変なことになっていそうだ。
その後は稜線近くですれ違った大原選手を皮切りに、樹林帯では朽見選手・山本選手とすれ違い、特に山本選手は稜線上の風の様子を気にしていた。(山本選手はその後両俣小屋へ下山しリタイヤした模様)
それにしてもこの地蔵尾根はとても長く、そしてなかなか高度が下がらなかった。
足元はふかふかして下山する分にはクッションになって歩きやすいものの、松峯小屋以降は細かいアップダウンや巻き道が多く、歩いても歩いても下界に辿りつけない感じがした。
ここは絶対上りよりも下りに使ったほうが良い道だと思ったと同時に、先にすれ違った3選手の妙に淡々とした無表情が、この尾根を長い時間をかけて登ってきた疲労からくるものだと納得した。
それに引き換え、松峯小屋以降に出会った選手達にはまだまだ余裕が感じられた。(市ノ瀬の関門で休んでスッキリとした印象)
女性選手の西田さんには「今日はどちらから?」と声をかけられ、雨宮選手・佐幸選手・田中選手は林道をショートカットする登山道をスタスタと元気に歩いて行った。そして「孝行猿」付近で出会った米田選手と仙波選手は、仙丈ケ岳から下ってきた取材カメラマンに向かって楽しそうにポーズを決め、プチ撮影会を楽しんでいた。
その後は誰にも会わずに柏木集落の先の林道を下り、市ノ瀬へ下山。
市ノ瀬にある宿泊施設「入野谷」はレースのチェックポイントでもあるので、折角だからと今日はここで宿泊。
先ずフロントでは中アでリタイヤした中村選手を見かけた。足を引きずりながら大浴場へと消えていった姿が痛々しかった。そしてチェックインした後は玄関前の椅子に腰掛けてCPへ駆け込んでくる選手たちを応援。このとき、今回双六小屋でリタイヤした後スタッフとして参加していた飯島選手と少しお話出来た。
そして15:00ごろ、 締切時間ギリギリにCPへ入ってきた平井選手を拍手で出迎え、それからしばらくして大浴場で偶然平井選手と一緒になった。念入りに足裏にクリームを塗る姿にまたしても既視感を覚え、そして仮眠後20:00頃になって真っ暗な地蔵尾根へ出発した平井選手と江口選手を見送った。
この日はチェックポイントのすぐ隣の広場で地元の夏祭りが行われ、花火の音もかなり大きかったのであまり眠れなかったのではないかと少し心配だった。
前述したとおりTJAR市野瀬CPの締切時間はこの日の15:00。
翌日は中央アルプスへ移動する予定だが、もう選手達とすれ違うことはない。
南アルプスの山中を走り続けている選手達の無事完走を祈り、また惜しくもリタイヤした選手達の健闘を称えつつ、明日は中央アルプスへの道を歩いて行こう。
【3日目】
この日は南アルプスから中央アルプスへ移動。
基本車道歩きなので気持ち的には楽だが、駒ヶ根以降がノープラン。
天気が回復するようなら今日中に空木平避難小屋まで行き、明日は空木岳〜木曽駒ケ岳を縦走。
しかし今後も悪天候が続くようなら空木岳〜木曽駒縦走はカットして、木曽駒まではロープウエイで千畳敷から登り今日中に七合目避難小屋まで下ってしまおう!と、ざっくりした計画でいくことにした。
とりあえず4:00に起床して、5:00には入野谷を出発。
出発時には晴れ間が見えていた天気も、粟沢の分杭峠シャトルバス乗り場に差し掛かる頃にはおもいっきりシャワーのような雨になっていた。
ここで雨具を装着して駒ヶ根方面への分岐「中沢峠」まで登ることに…しかしここの登りがキツかった。あまりにも暑いので途中で雨具を脱ぐと少し楽になった。
そして6:45頃中沢峠を通過。まさか市野瀬から中沢峠まで1時間45分もかかるとは思わなかった。
それでも折角ここまで来たのだから、ちょっと寄り道して分杭峠を観光。
中沢峠から直進して15分も歩くと分杭峠に到着!
ここは中央構造線上で磁場がゼロだというパワースポット。特に何があるわけでもないが、気場と呼ばれる場所でパワーを貰って中央アルプスへ向かうことにした。
そして次第に強くなる雨のなか中沢峠に戻り、いざ中央アルプスの麓「駒ヶ根」へ!
道路標識によるとここから駒ヶ根まで15kmらしいが、しかし実際にはもっと距離が長く感じられた。とりあえず最初の集落「落合」までは九十九折の山道で1時間15分もかかり、そこから天竜川までさらに1時間30分…つまり中沢峠から天竜大橋まで3時間もかかったことになる。
しかも駒ヶ根市内はまだまだ先。
増水した天竜川を眺め、強風にあおられつつ天竜大橋を渡ると、ここでようやくこのルート初のスーパーがあった。(隣に簡易郵便局も有)
まだ朝食を摂っていなかったのでスーパーで買い物をしようとしたが、ここにはおにぎりやお弁当の類は置いてなかった(パンは売っていたがそういう気分ではなかった)仕方ないのでスポーツドリンクだけ購入してレジへ行くと店員さんにTJARの選手と間違われ、ただのファンで同じルートを歩いていると言うと、前日店の前を通過していった選手の話などで盛り上がった。
さて、下平地区のスーパーを出るとここからしばらく上り坂。ちょうど晴れて暑くなり地味に辛い区間だった。
そしてそのあと伊南バイパスの琴平町交差点まで歩いて、ここでようやく初めてのコンビニに遭遇!朝出発してから約6時間30分でようやくコンビニに出会えたー!
で、結局駒ヶ根駅には11:40頃到着。中沢峠から15kmと表示されていたが3時間40分もかかってしまった。…それにしても遠かった…
さて、駒ヶ根付近はもうすっかり下界!お店でも何でもたくさんある!
先ずはルート上にある駒ヶ根郵便局に寄って、あらかじめ郵便局留めで郵送していた荷物を受けとる。
ここで汚れた衣類と濡れた靴を脱ぎ捨てて新しい装備と交換…そして汚れた衣類や余分な荷物はそのまま自宅へ送り返してザックを軽量化…これで縦走後半戦も戦える(笑)
そして駒ヶ根ICへの通り沿いで朝食兼昼食。この通りにはファミレスやレストランが沢山あるので選り取りみどり。ガッツリ食べたい気分だったので中華料理店に入ったのだが、ここのボリュームが本当に凄くて美味しかった!
駒ヶ根で下界気分を味わったあとは、いよいよ中央アルプスへ!
しかしこの時点で時刻は13:00…既に時間的余裕は無いし、晴れ間はあるものの稜線にはベッタリと雲が張りついている状況を見て、空木岳〜木曽駒の縦走は断念。
空木岳〜木曽駒は一度歩いたことがあるのでここはカットして、千畳敷から木曽駒に登る最短ルートで行くことにした。
ということで先ずはしらび平までのバスに乗るためにIC近くのバス停「女体入口」まで歩く。以前空木岳から下山していた時にICまで歩き高速バスで帰ったので、このICのバス停まで歩けば縦走ルートがつながるという計算だ。
そして13:54のバスに乗りロープウエイ駅のあるしらび平へ。
しらび平では「千畳敷は強風なので帰りの便が運休になる可能性もあります」とアナウンスしていた。
そのアナウンス通り、15:00発のロープウエイに乗るとみるみるうちにガスの中へ…そして千畳敷に到着すると案の定ガスで真っ白&ものすごい強風だった。
…そういえば晴れた千畳敷カールというものを一度も見たことがない…
というわけで、15:20頃サクッと登山開始!
乗越浄土までは30分程度の登り。以前は残雪期でたいへんだったが、今回は夏道なので意外と簡単に登れた気がした。
が、ここからが大変だった。
乗越浄土から玉ノ窪山荘までの稜線伝いは前に進めないほどの暴風雨。時折横殴りの雨が叩きつけてきたりするので身体が左右にふらふらして思うように歩けない。
しかし1度歩いたことのある道というのは心強いもので、木曽駒までは割と淡々と心に余裕を持って登っていた。
問題だったのは玉の窪山荘を過ぎて七合目避難小屋へ向かう道中。
CTでは避難小屋まで1時間15分らしいが、これがなかなか辿り着かなかった。
足場も岩がゴロゴロして歩きにくい上にとても滑りやすい!次第に雨も土砂降りになってくるし、鬱蒼としたトラバース道は暗くなるのも早い。
玉の窪を出発したのが17:00。「避難小屋までは稜線を外れるので風も来ないし1時間位のCTなら楽勝〜♪」と思っていたのが本当に甘かった。
時間に焦り転倒…尻もちをついた際に手を突き指してしまったり、12時間以上も歩き続けた足は意外にも疲労が溜まっていて思うように前に進めない。
こういう時に遭難事故って起こるんだろうな〜と思いつつ、負傷した後は慎重に歩くよう心がけて19:00前にはなんとか七合目避難小屋に辿り着くことが出来た。
七合目避難小屋へ到着すると、先客が1名、既にシュラフに入って完全に寝る体制になっていた。
本当に申し訳ない気持ちで小屋に入り、2階のロフトを使わせてもらった。
それにしてもこの小屋はとても綺麗で居心地が良く、土間とロフトの間にドアもあるのでプライベートスペースも多少取れるようになっていた。
そしてこの日は玉の窪山荘で調達してきたビールを1缶だけ飲んで就寝。
疲れすぎて自炊する気力も無かったが、昼間駒ヶ根の中華店で食べきれないくらい食べてきたお陰で空腹は全く感じていなかった。
【4日目】
しかしこの夜は23:00頃に目覚めて以降なかなか寝付けなかった。
そうしているうちに1時頃から雨足も強くなり小屋の屋根を盛大に叩くようになった…こうなると沢の増水が気になり「予備日もあることだし明日1日停滞したほうが良いだろうか…」などといろいろ考えて余計眠れなくなっていった。
そして辺りが明るくなった5:00頃から出発の準備をし、雨脚が弱まった間隙を縫って7:00前には小屋を出発。
まずは昨日の続きのような足場の悪い樹林帯の中を下っていった。
雨とガスのため鬱々とした登山道ではあったが、コンスタントに6合目・5合目と休憩ポイントが現れるので気持ち的には少し楽だった。そして4合目をすぎる頃になると、足場も多少良くなって下界を流れる沢の音も聞こえてきた。
そして避難小屋から1時間半下ってようやく林道入口の沢に到着!
だが懸念していた通り、沢は増水し通常通れるはずの飛び石は水没…この時、私は本気で「七合目避難小屋まで登り返して福島Aコースで下山するしかないか〜」と考えていた。
しかし沢の様子をよく見てみると、水に濁りはなく川底も見える状態で水深は深くても30cm程度…北アの湯俣川や秩父の西沢の渡渉と比べると水勢はそれ程でもないように思われたので、登山靴を濡らす覚悟で渡渉することにした。
渡渉後はズブ濡れの登山靴で林道を歩き、約30分程でコガラの登山口に到着した。
ここからはスキー場跡地を経て別荘地の中を歩いていくのだが、下るに連れて日差しも出てきて暑い&眩しい…そして道迷い…
当初計画していた「木曽駒高原オートキャンプ場(水産試験場)」方面へ右折するのを忘れて直進し、大原公民館バス停のある道へ入ってしまった。
藪原駅方面へ行くには多少遠回り…今回はTJARのルートを辿るつもりだったので、別ルートに入ってしまったこの道迷いは少し残念な気分だった。
それでも気を取り直して、正規ルートでは立ち寄ることが出来なかった道の駅へ寄り道。
実はこの道の駅に来たのは3回目。最初は大雨で撤退した御嶽山の帰り道、2回めはそのリベンジの時…今回も含めてここに来る時はいつも雨だった。
なんで今回も軒下で雨宿りしながら五平餅や木曽牛コロッケなど地元の味を楽しんだ。
さて、お昼休憩のあとは最後の車道歩き!ここからゴールの藪原駅までは10kmあまり。あともう少し!
だがこの最後のロードがキツかった。
国道19号線沿いにはガードレール付きの立派な歩道があるのだが、雑草だらけで意外と歩きにくい。そして次第に強くなる雨の中、後ろから追い抜いていく車が巻き上げる水しぶきが容赦なく降り掛かってきて全身ズブ濡れ!体が冷えて酷く寒かった。
そんななか山吹トンネル手前のセブンで温かい飲み物で体を温め、並行する木曽川の濁流に土石流の心配をし、道中では中山道の古道マニアの少年と出会いほっこりとしつつ、約2時間30分かけて藪原駅にゴール!
もう駅に辿り着いた時には足裏はボロボロ…TJARでもそうだったが、濡れた靴で歩き(走り)続けることは、足にかなりのダメージを与えるものだと実感した。
その後は電車の時間まで50分程時間があいたので、駅舎で着替えたり足のメンテをして過ごした。駅から少し階段を登れば道の駅があっておみやげを購入することも出来たが、もう足が痛くてそんな余裕はまるで無くなっていた。
その後は藪原駅から塩尻駅を通り越して松本駅へ。そして始発電車で自由席を確保しスーパーあずさで東京へと戻った。
これで日本海〜太平洋(TJAR)ルートに於ける、中央アルプス〜南アルプスのロード区間を踏破!
残りは「上高地〜藪原」と「畑薙〜大浜海岸」のロード区間だけ!
なんとなく先が見えてきたが、太平洋はまだまだ遠いなぁ〜
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ロングコースお疲れ様でした
千丈小屋までまさか両俣小屋廻りで歩いたとま思いませんでした。すごいな〜〜
地蔵尾根で市野瀬まで約7時間も早いですね。
地蔵尾根分岐から森林限界までは景色のよいところですが今回は雨で見通しも悪く残念でしたね。
松峯小屋のドア修理、忘れないでいただいて感激です。今後利用される皆さんは安心して泊まれますよ
ところで松峯小屋手前で見つけられたキノコの名はハナビラタケです。これは食用で美味しいきのこです。
TIROLさん、こんにちは。
13日の仙丈の風景、14日の地蔵尾根の景色、とても既視感があります。
”きのこ?舞茸?”、私も写真に撮りました。”この辺りは高山植物のお花畑。”、私もよく覚えています。
地蔵尾根を登る選手は、上で会った方々はクタクタ状態でしたが、下で会った選手は元気でした。やはり地蔵尾根の長大で標高差のある尾根は、選手にも大きな負担となっていたようです。
TJAR、日曜で終わってしまいましたね。15人完走。
1 12望月 8/15 12:57
2 26飴本 8/16 5:06
3 10船橋 8/16 6:54
4 07阪田 8/16 16:47
4 14石田 8/16 16:47
6 01松浦 8/16 21:04
6 22大西 8/16 21:04
8 03朽見 8/17 2:36
9 08大原 8/17 15:18
10 18紺野 8/17 19:20
11 19西田 8/17 22:12
12 13雨宮 8/17 23:06
13 05米田 8/17 23:14
14 04佐幸 8/18 2:04
15 06柏木 8/18 2:32
このレコで終わらず、次は中央アルプスですか!、凄いです。
hachiさん、ありがとうございます
今回はテン場の少ない山域なので、テントは持っていかず素泊装備でいきました。
いつもより荷物が軽かったので軽快に歩けましたよ
今回の地蔵尾根に関しては、hachiさんのレコ、大変参考になりました。
なので松峯小屋のドア修理、ミッションコンプリート!です
キノコの名前、ハナビラタケというんですね。さすがhachiさんです!
今回ハナビラタケはいくつか見かけました。存在感のあるキノコですよね!
最初本当に海綿のスポンジが落ちてるのかと思いました
totoroさん、おはようございます。
こちらの方にもコメントいただきましてありがとうございます。
わたしもtotoroさんのレコ写真に既視感たっぷりでした
あのポテっとしたキノコの存在感は異常でしたよね
そして14日はガスで何も見えなかった地蔵尾根の姿、totoroさんの写真で「あ〜あの尾根はこんな感じだったんだ〜」と記憶と照らしあわせることが出来ました
そしてTJAR、終わってしまいましたね〜
それにしても、参加選手30名中完走出来たのは15名とは…
今年は初日の台風直撃でかなりハードなレースになったみたいですね。
今回は、このあと駒ヶ根まで歩いて、中央アルプスを越えた後、藪原駅まで歩いてきました。
計画では藪原駅近くのスーパーまるとさんでスイカを食べて、それをゴールにするつもりでしたが、まるとさんは駅から上高地方面へ2km程先へ行かなければならないので今回は断念しました。
何時になるかはわかりませんが、今度は上高地から藪原までを繋ぐつもりです。(大浜海岸は2年後の楽しみです)
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