南岳・大キレット・涸沢岳・奥穂高
- GPS
- 34:00
- 距離
- 31.4km
- 登り
- 2,390m
- 下り
- 2,849m
コースタイム
河童橋7:00
南岳小屋16:00
2日目
南岳小屋5:00
奥穂高13:00
新穂高17:00
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
大キレットは 晴れなら何も心配は無し。 |
写真
感想
●登山計画
高校時代から付き合いのある友達H君。
彼が、地元の小秀山を駆け回っていた事は
数年前から知っていましたが、その頃は私もまだ
登山も、していなかったので登山話で盛り上がる事も
ありませんでした。
私も昨年から私も登山を始め、H君と登山の事でネットやり取りする事も
次第に多くなっていきました。
そして、いつからか「北アルプスへ登りに行こう!」と
話が盛り上がっていき、先日念願かなって
仕事前、乗鞍に御来光を見にいったわけです。
やはり、火が付くとそれだけではすまなくなり
今回の登山計画が持ち上がりました。
私も、8月は2日しか休まず、お店を開けていたので
9月はどこかで連休頂いて山へ行ってもいいかな?って気分になったわけです。
H君も、平日になんとか休みを取ってくれたので20、21日を予定しました。
目標は、すぐに決まったような気がします。
穂高の難所である大キレット越え。
でも、登山のルートは、直前まで流動的で
なかなか決まりませんでした。
私に山の素晴しさを教えてくれた師匠(学生服の寺田さん)のアドバイスをうかがったところ
大キレットを1日目でなんとか越えて北穂小屋まで行くと眺めは最高!
クラシックがBGMで聴こえて、雰囲気も良いとの事でした。
この事をH君に話した所、それは良い案だ!って事で
一日目の目的地は北穂小屋に決まり
新穂高〜南岳新道〜大キレット〜北穂小屋と計画が出来ました。
しかし再度、考え直した結果、午後の大キレット越えは
・本格的な岩登りは初めてという事
・疲れた体に大キレットはどうか?
・午後、雷雨になった場合逃げ場が無い
これらの理由で、一日目の大キレット越えはリスクが高いので
1日目は上高地から、槍沢を登って天狗原経由で南岳小屋に泊まる事にしました。
2日目は、大キレット〜北穂〜涸沢〜奥穂〜白出沢〜新穂高
予定が決まった後は、この日が晴れてくれる事を祈るのみ!
計画を立てた後は、秋雨前線が居座ったり、台風が近くを通ったり
当日、晴れるか心配でしたが
一週間前から、週刊天気予報はいい感じで晴れマークが付いていた。
前日は、地図とコースタイムを2人分作成して
電子メールで登山届けを提出!
この、作業も登山過程をイメージ出来てなかなか楽しい。
そして、前日夕方の天気予報は・・・・・
20、21日ともに太平洋高気圧に覆われ晴れ!
大キレットに行ける!!行けるぞぉ〜!
●1日目
朝起きて、まず向かうは新穂高
前日入りしているH君を迎えに行く。
新穂高でH君を乗せて平湯のアカンダナ駐車場へ
(H君の車が明日、新穂高〜平湯の足になるのだ)
朝一番のバスに乗り込み、上高地へ向かう!
上高地は快晴!雲ひとつ無い秋晴れ〜
まさに空はぬけるようなスカイブルー!!
穂高も、焼岳も綺麗に見えた。
河童橋を出発し明神、徳沢、横尾、槍沢と
平坦な林道をひたすら歩いていく。
途中、槍沢ロッヂまでは順調に標準コースタイムを
1時間あたり15分くらい短縮していった。
でも、それは槍沢ロッヂまで!
さすが太平洋高気圧の圏内だけあって真夏のような暑さ!
槍沢を過ぎると、さらに太陽がもろにあたるようになり
自分のペースが落ちていって、H君についていくのがつらくなる。
H君は、さすが何年も地元の小秀山を駆け巡っているだけあって健脚だ!
平坦だった道もきつい上り坂になっていくなか
もくもくと槍沢を登っていく。
槍沢・天狗原分岐を天狗原方面に進むと
槍ヶ岳が見えてきます。
飛騨側からは、今年になって何度も
槍ヶ岳を見てますが、上高地のこちらからの槍ヶ岳は
空気の澄んだ午前中に太陽が当たるので
飛騨側より、すごくクッキリ見えるような気がします。
しばらく歩くと、天狗原の天狗池。
ここも、絵になる場所です。小さな池ですが
槍ヶ岳が綺麗に映るんですよ〜
今回、あえて上高地側から入山したのは
天狗池を見たかったからなんです。
この天狗原を通過すると、ちょっとしたクサリ場やハシゴもある
岩場の急登りが始まります。
大キレット越え前のウォーミングUPには
丁度良いのかもしれませんね!
でも、ウォーミングUPにしてはチョットきつかった!!汗
稜線に出てしばらく歩くとと緩やかで丘のような南岳の頂上が目の前。
そしてまず、一日目の山の目標、南岳3032mに登頂。
目の前には重厚な岩で出来た北穂高が見える。
明日、あのピークの上に立つのかと思うと身が引き締まる。
本当に、無事あのピークの上に立てるのだろうか?
チョット不安になりながらも、歩いてきた道を
振り返ると、槍ヶ岳。本当に素晴しい眺め・・・・・
しばらく、南岳からの眺めを楽しんだ後
頂上直下にある、南岳小屋へ向かった。
初めての小屋泊まりだぁ〜!!
南岳小屋に着いて、まずは受付
一泊夕食のお金を支払い、部屋に案内される。
9月の平日という事で、宿泊客も少なく
ちゃんと一人分の場所が与えられた。
初めての小屋泊まりなので
この南岳小屋が基準になるのかな?
トイレも建物も綺麗だし満足でした。
荷物を整理して、夕食までの間、景色を楽しみに
穂高の見える場所に行ってみた。
しかし、あれだけ晴れていたのに、荷物の整理をしている間に
ガスがかかってしまい穂高はガスの中・・・・・
でも、なんとかカメラで写そうと日没まで粘ってみた。
ガスが薄くなり濃くなり、一瞬ブロッケン現象も起きたりして
日没直前、ガスが晴れて大キレットと北穂高が姿を現す。
「明日は、あれを登るのかぁ・・・・どこに登山道があるというのだろう??」
見た感じ本当に岩の断崖にしか見えないのだ!!
そんな事を考えながら日没を迎える。
笠ヶ岳に沈む夕日は美しかった!太陽さんまた明日〜
日没の五分後が夕食の時間。夕食は、こんな感じ。
あんんかけ玉子焼き、きんぴら、ミニハンバーグ
エビチリ、漬物、杏仁豆腐、味噌汁
普通に食べてても美味しいものだと思います。
でも、長い距離を歩いて登ってきた後だから
本当に何倍も美味しく感じたと思う。
ご飯は茶碗に大盛り3杯いただきました!
夕食の後は、消灯の20:30まで自由な時間。
談話室で、他の登山客と山談義をした後
山の夜景を楽しもうと、南岳の頂上まで歩いていきました。
ちょっと、つきの明かりが強いせいか星はあまり見えませんでしたが
夜空に浮かぶ北アルプスの山々と
所々に浮かぶ山小屋の灯りは幻想的に見えました。
小屋に戻り、寝ようかと思ったら
となりのオジサン、大きなイビキ・・・・・
ただでさえ、布団が変わると眠れないのに。
でも、かかりつけのお医者さんに、処方してもらった
睡眠導入剤を飲んだおかげで、オジサンのイビキの数を
数えるまもなく深い眠りに着く事ができた。
●2日目
朝、自然と目が覚めた・・・・5時少し前。
多分21時頃に寝たので8時間とたっぷり眠れた!
隣のオッサン、まだ大音響のいびきをかいてる(笑)
外はもう、明るくなり始めていた。
H君も、同じ頃に目が覚めたので出発の準備をして外に出る。
御来光目当ての人たちが沢山居た。
笠ヶ岳も大キレットも、朝日が登る前だけど
こんな感じで見えた。
いよいよ御来光が顔を出す。
大キレット、北穂高に陽が当たる!
昨日は、右側が夕日で照らされていたのを見たけど
今朝は、右側に朝日が当たってる。
同じ山だけど、光の当たり具合で感じが違いますね。
朝日も昇り落ち着いた所で
再び、靴の紐をキュッと締め、気合を入れ大キレットに向かう。
いよいよ大キレットに突入!
少し、降りた所から見たコース
この時は、どういったルートかなんて
あまりわかりませんでしたが、帰って写真を見ながら
自分の記憶とネットでの情報で検証すると
多少誤差はあるけど、こんな感じ。
まず、大キレットの最低のコルまで下る・・・・・
スリルのある高度感が楽しいです。
南岳山頂から最低のコルまでの高低差はやく300m
ちょっと低い東京タワーくらいの高低差。
最低のコルに降りると
後は、長谷川ピークと飛騨泣きという難所が続きます。
コースのどこでも滑落や落石の危険があって
死と隣り合わせのコース。気を抜く事は出来ません!!
ここは長谷川ピークを過ぎた鎖場。
尾根に太い鎖が渡してあります。
ここが一番の難所だったような気がします。
長谷川ピークを越えた所で
今来た道を振り返ると、今まで歩いてきた稜線が一望できた。
よくも、こんなところを歩いてきたもんだ。
でも、まだ飛騨泣きの難所が待ち構えている
飛騨泣き通過中!
ここを登りきると後は普通の岩場で
しばらく登ると無事、北穂山荘に着きました〜!
それにしても、こんな場所に
よく小屋なんて建てられるもんだ・・・・・
どこの小屋にでもいえる事だけど、この小屋は
特に凄い所に建ってるよ。
北穂小屋から、1分で北穂高の山頂に立てます。
それだけ凄い所に小屋は立ってるんですね〜
ここまで大キレットを意外と楽に越してこれたので
涸沢までは比較的たいした難所という所も
感じず、越えてくる事が出来ました。
涸沢です。ここは紅葉を見るのに
最高のスポットですね。
こんな所を越えても、大キレットで慣れちゃったから
平気でしたよ〜♪
涸沢岳に着くと直下には白出沢のコルにある穂高岳山荘が!!
とうとうここまで来たんだ。
白出沢のコルにある穂高岳山荘
涸沢岳山頂から、歩いてすぐです。
一般に難所といわれる場所を越えてしまったので
気分的に足どりは軽い!
槍、穂高登山拠点だけあって、やはり人気小屋ですね。
登山客も沢山。建物もしっかりしていて大きい。
水を補給して、少し休憩をした後
ザックをデポして、カメラだけを持って奥穂高頂上へ!
途中、クサリ場やハシゴもありましたが
ここは、一般コースです。楽チン楽チン!
やはりここも、H君の足は速い。どんどん先に行っちゃいます。
なんとか追いつこうと、頂上手前を走っていくと、H君がストップ!ストップ!と
体で表現していたので立ち止まってみると
雷鳥の子供達です。
先月槍ヶ岳で見たときよりも大きくなっていました。
っていうか、もう大人になってます。
親が引率で高い所からヒナたちを見守っていました。
大きくなっても、まだまだ子供なんですね〜
一冬越えたら、立派な大人になるのかな?
そして雷鳥の邪魔をしないように
登山道をまわって、日本第3の高さの奥穂高岳に登頂しました!!
憧れのジャンダルムが見える・・・・・
いままで、この景色にどれだけあこがれていた事か。
感動で胸がいっぱいになりました。
いつかはここを縦走してみたい。
そう思った矢先、ゴゴゴ・・・ドッシャーン!!
ジャンダルムの方から大きな音が!そしてジャンダルムと同じ位の
砂煙が!!自然崩落なのかな?幸い巻き込まれた人は居なかったようだけど
危険なコースなんだと、体感できました。
もっとこの場所に留まり景色を眺めていたいけど
下山の時間もあるので下りることに。
穂高岳山荘でカレーをがっつり食べて休憩の後
新穂高まで標高差2000mの白出沢を下りました。
岩がゴツゴツして歩きにくい場所だった。
下りても下りても、下りていない様な感じで・・・・・・
振り返ると遠くにコルに建つ穂高岳山荘が見える。
白出沢を逆ルートで登ると
この穂高岳山荘が、見えるのになかなか近づいて来ないそうですよ。
試練のルートなんですね。。。。解るような気がします。
今回の登山の中で一番辛かったのが、この白出沢の下りだったなぁ・・・・
林道に出てから新穂高はあっというまでした。
今回の、登山は一泊という事もあって、今までで最高の登山だった。
パーティーを組んでくれたH君、本当にありがとう。
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
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