大雪山・十勝岳連峰縦走


- GPS
- 104:00
- 距離
- 63.1km
- 登り
- 4,186m
- 下り
- 4,427m
コースタイム
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 10:00
- 山行
- 8:27
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 9:32
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 12:00
- 山行
- 6:09
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 6:25
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:10
天候 | 9/20(水)曇りのち晴れ 9/21(木)晴れ時々曇り 9/22(金)晴れのち曇り 9/23(土)曇り時々晴れ 9/24(日)快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
モンベル赤レンガ店でガス缶購入、水2Lと昼食と翌日の朝食購入 札幌11:30−旭川13:35札幌バス、高速あさひかわ号@2060 旭川14:35ー層雲峡16:25道北バス@2100 層雲峡泊 7/24(日)札幌泊、予備日を使用しなかった為 7/25(月)札幌泊 札幌散策 7/26(火)支笏湖カヌー 新千歳空港18:40−関西空港20:50 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・層雲峡七合目で登山計画書提出 ・赤石川の渡渉、水量チェックのこと http://sounkyovc.net/visitorcenter/blog/?page=2 ・雪渓全般、濃霧時コース注意 ・五色〜化雲の雪渓、ロックガーデン濃霧時コース注意 ・三川台から少し進むと笹藪。背丈ほどの笹藪を30分ほど歩く。足元時々注意倒木ぬかるみあり。見えないけど。。。それとともに、ヒグマ注意。 ・ツリガネ山直下鎖あり。足元滑りやすいので注意。 ・コスマヌプリ辺り、ヒグマ注意。時々ブッシュあるが三川台で藪を歩いて麻痺してきました。 ・カブト岩越えたら背丈ほどの笹藪をまたまた30分程歩く。三川台の笹藪よりこちらの方が手強い。奇声必須(笑)!ぬかるみ、水たまり、倒木、田んぼ状態! ・双子池キャンプ場からオプタテシケ山の取り付けわかりにくい。真ん中辺りの沢から上がると比較的ルート見つけやすい。そのあと、下から見たルート全景として向かってやや真ん中の左側を歩いて行く。 ・オプタテシケ山までのピークが数えて多分5、6個あるのと、その最初のピークから20分ほど歩いた。途中、一瞬迷った岩稜がありました。 ・オプタテシケ山から美瑛富士までなだらかな広い道と岩稜飛び石になることが多かったので、濃霧時コースご注意。といっても、日本庭園〜オプタテシケ間に比べたらかなりのマークあります。ここが、小動物の密度多かったように思います。 ・美瑛富士避難小屋〜美瑛富士分岐まで朝の下草の濡れにご注意。この雪渓だけ、アイゼン付けました。 ・鋸岳・平ヶ岳あたりの火山灰の砂地、ザレザレ高度感トラバースあって恐かった。 えっ?!そこ!と言われそうですが(笑) ・大砲岩辺りの両側キレてるのも目がフラフラになりました。えっ?!そこ?! ・三峰山と富良野岳辺りの登山道に比較的新しいヒグマの糞がありました。 ・富良野岳分岐〜上ホロ分岐まで暑くて長いです。暑さでやられました。 ・上ホロ分岐辺りで雪渓が残っていて、ノーアイゼンでしたが、雪渓に下りるまでのザレザレが滑りそうでした。 ※2016年7/20〜7/24水場状況※ ・白雲岳避難小屋→すぐ近くの雪渓。大量 ・忠別岳避難小屋→テント場方面に歩きすぐ横の雪渓を下りる。大量 ・南沼→テント場中央に雪渓からの小川。大量 ・三川台→オプタテシケ方面に歩く。藪漕ぎ始まってすぐに一人分ぐらいのテントが張れそうなところを下りて雪渓がある。そこの縁から取水。取るのに時間必要。もって7月末か8月上旬まで持たないかも?!といった状況に思えました。 ・オプタテシケ山取りつけ→雪渓が残っていて沢状態になっている。そこから取水。大量に出ていました。 ・美瑛富士避難小屋→大量(白金側の登山道を10〜15分下りて雪渓、その雪渓を渡って取水。往復20分〜30分。熊が出そうなところなので熊鈴を。) ・上ホロカメットク避難小屋→目の前の雪渓。大量。 ※携帯(スマホ・ドコモ)電波状況※ ・化雲岳→方向によってかなりいい具合。 ・三山台→かなりいい具合。 ・オプタテシケ山の最初のピーク→かなりいい具合。 あとは試してないのでわかりませんが、十勝岳、富良野岳なども電波拾えるかもしれません。 ・浄水はソーヤーミニ。プラティバスのチューブを適当な長さのところでカットし、そこにソーヤーミニを取り付け、カラビナを付けて、別のプラティバスに浄水した水を入れるといった仕組みにしました。 |
その他周辺情報 | ・下山後、十勝岳温泉稜雲閣、吹上温泉白銀荘等々。 ・美瑛富士避難小屋には、携帯トイレブース設置。台風で倒壊されたりするので事前のチェックを。 モンベルの携帯トイレを使用しました。きれいに整えて手で後ろの方を少し押えれば難なく使用できます! 途中のビバークでも携帯トイレを使用しました。 使用後のゴミが大変なのですが、十勝岳温泉登山口には携帯トイレ使用済みを捨てるコンテナを設置して下さっています。稜雲閣で鍵番号を教えて下さいますのでお尋ね下さいませ。 ・富良野岳の山バッジは、2年前、稜雲閣で購入しました。 |
写真
涼しくて久しぶりによく眠れましたー!
6:20発でした(汗)
スタッフさんにもエールを頂きました。
そのあとのリフトでは、ザックが重くて持ち上げられなくて、スタッフさんに助けてもらいましたーアハハ
前の日に雨が結構降ったのでどうだろうかと思っていました。なんとか行けそうかしらと足を進めましたが、やはり浸かりそうだったので、少し巻いて向こう側に渡りました。その雪渓ももうすぐ崩れ落ちそうだったのでヒヤヒヤでした。
朝寝坊してもう今日は白雲までだし。。とゆるゆる歩いていましたらどこからか「今日忠別まで行く」とか聞こえてきて、ハッその手があったか!!と、そそくさと歩みを進めました。でも、その人は来なかったよ!時間は10:40。コースタイムでここから6時間ちょっと!可能でしょ?!
ここ、白雲岳避難小屋で優しい男の子たち二人に水情報を教えてもらいました。アリガト!
水1リットルをそのまま汲んで、ここから4時間半。時刻は12:35。距離にして10キロ。
今回も大好きなトムラウシが見えないや。
この雪渓でガスガスだと迷うポイントらしいです。
嘘だと思うでしょ?!でも、ガスったらほんと何メートル先も見えないし、足跡はすぐ消えるし、いっぱい足跡あるし、その足跡は行き着くとは限らない!
そして、すってんころりんでした。
ザックが重いので起き上がるの大変なのよ。。。
3年前は、松ヤニがついてガスガスでの水分で濡れて、そして背丈ほどのハイマツのなかを歩いていました。
三川台や双子池よりはかなりましだったけどね。
その手前のなだらかなところが三川台でしょうか。
そうなんです。右側にぐるっと蛇行して、そして、見えてませんがまた左側のツリガネ山からコスマヌプリを越えないとあのオプタテシケには行けません。直線で行けないのですよ。
三川台に水が豊富にあると、白雲岳での男の子に聞いていたので水を1リットルだけそのまま汲みました。
美瑛富士避難小屋まで17.8キロだって!うそでしょ?!
でも、ここからコースタイム14時間あるしアップダウンもあるからそのくらいあるか〜
天気もいいし、なぜか天気にも何かすべてのものから歩かされているような気がしたので、GOかけました!
深く潜った気がしました。
え、この左側のところ歩いて行くんやん!
どんなけ回るねん!
でも、ここ下りて歩く勇気ないわ!きっとヒグマちゃんの楽園っぽいし!
そして、背丈ほどの笹の藪漕ぎの洗礼を早くも受けて、水場への道を探りながら、たどり着いた水場は細々〜(泣)
プラティバスにちっちゃい草まで入っちゃったよ!(笑)
近くに適当なテン場があったらと思ってテント装備のまま探しましたので、また、登り返しです・・
明朝は、あの辺から朝日が昇るのかしらと想像するとなんとも幸せなことでしょう!
その前に、ヒグマの出現を阻止しなくては!
テントの空気口から何度か獣臭がしていました。
ヒグマに殺される夢を見て寝起きが悪かったです。。
殺される前の臨場感がゆっくりで・・・ってもういいですね。
殺される夢は吉夢なのでよしとしましょう。
でも、明るくなってから歩きたいのもあります(背丈ほどの笹の藪漕ぎにはヒグマ注意だし、そしてこの朝日がもったいないのもあって!)
ゆっくり行くことにしました。
30分ほど泳いでください。
そして、足場はかき分けないと見えないので、時々ハイマツの木々が弁慶の泣き所に当たったり、つまづいたりしますので注意してください。
こんな時チビでよかったと思う。
ぬかるんでなくても結構滑ります。
フリクション効かせながら登りました。
横の笹も持ちながら。
きっと、ここ、私はテント装備では下りれないわ・・・
得意の四点支持でないと!
立ち止まりたくない・・・
その日泊まった美瑛富士避難小屋で山男さんにその話をしたとき、やっぱりそうだよね〜って言ってました!
出会わなくてよかった!
奇声必須でした。
ひとりだとこういうときいいよね〜。
なかなかペースが上がりません。
5時間半歩いてからのここから標高差600mです。
南アルプスの三伏峠から歩いて荒川中岳と同じようなもんですか?!
今回は藪漕ぎで体力使い果たした模様です。
そして、かなり足の指が痛い。
コースタイム通り来れました。
16:30ジャスト!
着いて、親子連れの方が気にかけて下さっていたようで、水場も教えて下さいました。
空身で歩いて行くと軽すぎてバランスが取れないほど体がおかしくなっていました笑
左が簡易トイレゴミ袋。右がその他のゴミ袋。真ん中はジェットボイルです。
テン場でない三川台でテン泊したのでトイレゴミが重くなってきました。
奥さまは笑顔のすてきなチャーミングな方、双子の娘さんたちはかわいくて、旦那さまはショーン・コネリーに似ておられて、ショーン・コネリー好きな私の目は終始ハート♡でした!
ちょっと歩いてみて・・・あかん・・・重くてフラフラしてるから滑るかもしれん・・・ということで6本爪アイゼン出して歩きました。それでも少し滑ってました。
おかげでかなり体が楽になりました。
しかも、白銀荘の温泉付きで、十勝岳温泉から札幌まで乗せてくださることになりました。
感想
2008年にハイキングツアーで大雪に出会ってからもう8年になります。
2013年に銀線台〜トムラウシ登山の3年後の今年2016年に一念発起して黒岳〜富良野岳への縦走を試みました。
実は、3年前の銀線台〜トムラウシですったもんだしたものですから、怖い思い出しか残っていませんでした。
あれからたくさん登ってきたし、それに怖さも経験できたから3年前の私とは違うはず!
少ない経験ですが、この大雪は簡単に登らせてくれる山ではないひとつだと思っています。
特に気にしていたのは、水場、雪渓、天候です。
そして、南沼からオプタテシケまでのヒグマです。
天気図読みに浄水器、職場の仲間が長い休日を取らせて下さったこと、そして何よりSNSで知り合った親切な方のサポートのおかげで体力がない経験がない私でも歩けることができました。
本当に感謝感謝です。
移動日、7/19(火)
LCCを使って大阪〜札幌、モンベル札幌赤レンガ店でガス缶購入と情報を頂いて、バスで旭川へ、乗り継いで層雲峡入りです。
1日目、7/20(水)
黒岳七合目〜忠別岳避難小屋。
夜中に雨が降っていたみたいです。
朝一のロープウェイが6:00発でしたが、まさかの寝坊。
暑さに弱い私は夏になるとなかなか眠れない夜が続いていたので、層雲峡の気候が涼しくて久しぶりによく眠れました。
起きたのが5:30・・・うそでしょ・・・この日は白雲岳避難小屋までの行程6時間だしまあいいかあと。
外に出たら小雨。山の上もガスガスです。
6:20のロープウェイに乗り出発です。
スタッフさんによると今日はこれから回復してくるから大丈夫。グレートトラバースを楽しんでと背中を押され励まして下さいました。
天候は、5日間晴れ傾向。日本海側不安定。道東は霧。オホーツク高気圧の頑張りのせいで気温低めの曇りがち。どうなることかしら・・・
リフトでは、ザックが重くてスタッフさんに手伝ってもらって、もうほんと世話が焼ける登山者です。
リフトを下りて黒岳7合目に到着です。
少しガスっています。
登山届けを記入し、持ってきた登山計画書を提出して出発です。
今年はかなり雪が残っていて、軽装備登山者が雪でけが人が出たりと大変だったみたいです。
今年の黒岳周辺のお花畑は久しぶりにいい具合だったそうでなかなか楽しめました。
そうこう言っているうちに、晴れ間も出てきて、ニセイカウシュッペも頭だけ見えて!
途中抜きつ抜かれつしていたおじさまと黒岳山頂までご一緒することに。
黒岳山頂から引き締めて歩きました。
向かっている登山者はトムラウシまで行くツアー登山者のみ。
きっとこの日同じ白雲岳避難小屋泊まりでしょう。
時々ガスがかかりましたがこの辺りの雪渓には印をしてくれていて助かりました。
赤石川の徒渉。
昨夜降った雨で少しかさが増えていました。
少し歩きましたが、重さでフラフラしているので渡るのをやめました。
東側を見ると雪渓から渡れそうなところがあったのでそこからあちら側へ行くことにしました。
あっという間に北海岳山頂。10時半すぎ。
いい具合に晴れてくれて大雪の山々が見渡せました。
ここに来ると、一枚羽織るぐらい寒かったです。
その下は、半袖+アームカバーの出で立ちでした。
どこからか、「今日、忠別まで。」という声が聞こえてきて、
「その手があったか?!」と、そそくさと歩みを進めました。
でも、その後、忠別で泊まったんですがその方は来なかった・・・
ここからコースタイムで6時間。
日も長いし大丈夫でしょ。
後ろ髪を引かれましたが、往復70分の白雲岳はあきらめることにしました。
また、来ればいいし、私の希望は富良野岳まで行って凌雲閣に下りることでしたから。
白雲岳避難小屋到着。12:15。
3年前にお世話になった同じ泉州人の管理人さんにお会いしたかったのですが、どこか違う場所へ移動になったらしく会えず残念でした。
挨拶だけ言い残し、水を1リットルそのまま汲んで、親切な男の子二人に水場情報を教えてもらい、12:35出発。
ここから4時間半のコースタイム。距離にして10キロ。
到着は17時予定。よしよし!
今回も相変わらず大好きなトムラウシは姿を隠したままです。
これから歩く登山者は私ひとり。
高根ヶ原に到着しましたら、こんな時間に座ってられる方がおられました。
お聞きすると高原温泉の管理人さんでした。
なんでも、十勝岳から縦走しているガイドさんと待ち合わせしておられるとのこと。
その後、お聞きしていたそのガイドさんと出会いましたらビックリ!!
SNSで存じていましたHさんでした!
お会いできて光栄でした。
Hさんにも、これまで歩いてこられた新鮮な(笑)十勝岳までの情報を教えてもらい勇気りんりんでした。
この日は体が軽くてどこまでも歩けそうな勢いでした。
3年前はもっと長かったと感じました。
時々、東の方から風に乗って獣臭がします。
でも、この広ーい高根ヶ原を独り占めしている気分は上々です。
前回は曇っていた忠別岳での展望も素晴らしく感動でした。
ここが電波ポイントらしく天気予報をチェックしてみましたが繋がらずでした。
翌日の電波ポイントの化雲岳でチェックすることにしました。
予定通り、17時い忠別岳避難小屋到着です。
小屋手前の雪渓は結構残っていました。
水場は、小屋からテント場方向に歩いてそのまま進行方向左手の雪渓の脇から水を汲む感じです。水は大量に出ていました。
2日目。7/21(木)
忠別岳避難小屋〜三川台テント。
計画書で予定していた1泊目を、白雲岳避難小屋泊→忠別岳避難小屋泊に変更しました。
その理由は、南沼〜美瑛富士避難小屋行程14時間が歩けそうもないと心の底でずっと思っていたからです。
もちろん、歩いてみてどうしてもだめなら双子池泊にしようとBプランも考えておりました。
でも、双子池のテン場の状況が悪いからです。
テント場の張れる場所が少ないこと。
忠別から双子池まで11時間行程なので場所があるかどうか不安。
ヒグマの出没も多かったことなどなど。
ここ忠別から行程8時間半のテント場ではないですが三川台で泊まることにしました。携帯トイレもたくさん持ってきましたので許してもらうことにしました。
それでも、南沼〜美瑛富士避難小屋行程14時間から、南沼〜三川台間の2時間20分しか差し引けませんが。。。
そういう三川台にもヒグマ出没情報が多いので、どこも多いのかとあきらめるしかありません。
この日の夜、SNSをのぞいてみたら、最近歩いた登山者の方から、この付近でクマの掘り返しを見たので注意して!なんてコメントがあって(私の確認が遅れていたのでね!)
いやー、もう泊まっちゃってますよ〜、しかも私ひとりで誰も人はいませんよ〜!時々テントの空気口から獣臭がするヒグマちゃん以外はね!
笑うしかない!!
朝5時前に、忠別岳避難小屋を出発して順調に歩けていました。
3年前はひどかった五色岳までの道のハイマツ地帯もきれいに刈ってくれていました。
ありがたい!
あっというまに五色岳。
トムラウシがお目見え。
天候もいい感じで前回は見えなかった景色も見ることができました。
化雲岳で電波ポイントなので天候チェック。
大丈夫そうなので富良野岳へ進めることにしました。
この辺りの花畑はほんと天国のようです。
きっと、ヒサゴ沼とか忠別とか南沼で泊まってウロウロする方が楽しいだろうから、今度はそうしよう、とかとか。
南沼まで来ると予報通り昼からガスでしたので、トムラウシ登頂はあきらめ、三川台へ行くことにしました。
水場もすぐ見つかるか不安だったし!
とうとう、最終のエスケープルートです。
ここでトムラウシ登山口に下りるか、進めるか。
相当迷っていましたが、なんだか全てに背中を押されている気がしたので、深く潜ってみることにしました。
かなり異なる風景が広がっていました。
原始的要素が残っているといいますか、本当に美しいの一言です。
アップダウンの少ないなだらかで、この後の修行的な山行を忘れるぐらいのすてきな道でした。
コースタイムより早く到着して水場探し。
なかなかありません。
もう一度上り返して探していたら小さい雪渓しかないのであれですか?!って感じでした。
登山道から少し離れているのでどこから入っていくかとにかく探しましたら。。。
1カ所テントが張れる広さの場所がありまして、そこから下りていくとあの雪渓でした。ほんと細々でした〜(汗)
重い荷物を持ってまたまた上り返しです。
あわよくば、近くで張れそうなところがあればと思って持って行っていました。
テントを張って玄関出たら、歩いてきた大雪に囲まれています。
大好きなトムラウシは真ん前に。
明朝はきっとあの辺りから朝日が昇ってきて、トムラウシを真っ赤に染めるのだろうと想像すると、テント場でないので気が引けますが感無量です。
翌日のために早々と就寝。
3日目。7/22(金)
三川台〜美瑛富士避難小屋。
ヒグマに殺される夢を見て起床。
しかも殺される前が生々しくて・・・ってもういいですね。
玄関出たら素晴らしい景色でした。
夜中一雨降っていたみたいです。
テントが濡れていました。
早く出発したいけど薄暗いなか歩くのもいやだし(すぐ近くに雪渓のあるブッシュがあるので親分さまに遭遇したくない!)、トウラウシの朝焼けももう少し見ていたいので、ぎりぎりまで粘っていました。
4:30出発。
行程12時間。
この日は踏ん張る日です。
この日の初登山者です。
親分さまに出くわさないように祈りながら歩きました。
森の中はまだ薄暗いです。
すぐに三川台からツリガネ山間の30分の背丈ほどある笹の藪漕ぎ!
時々、足元に木々があるので注意です。
それが終わると道が開けてきて、ツリガネ山が見えます。左後ろ側には反対から見るトムラウシ、そして真後ろには三川台までの道です。
朝日が当たってきれいです。
急勾配のツリガネ山を登ります。
鎖が備え付けられていますが滑るので気をつけて。
山頂標識がありませんが、登り切るとオプタテシケ山がでーんと構えています。
それまでの道がまだまだ長いです。
今度はコスマヌプリへ向かいます。
途中、ビバークできるテント一つ張れるぐらいの場所が所々あります。
アップダウンが激しいです。
コスマヌプリではヒグマに出くわさないように注意して下さい。
ここが一番気配を感じました。
所々藪がすごいですが、三川台に比べると全然なのでこの頃にはもう慣れているでしょう。
行く手の両脇には素晴らしい景色が広がっています。
山頂標識がないコスマヌプリを越えて、まだまだアップダウンがあります。
そうこう言っているうちにカブト岩です。
飛び石がまたあります。
それを抜けると、2つ目のむごい笹の藪漕ぎです。
ここの方が山川台よりもすごいので30分ほどまた藪泳ぎを頑張って下さい。
足元には木々に加え、ぬかるみ、石、田んぼ状態で足が取られますので、少し時間がかかります。
それが終わると双子池です。
ここもぬかるんでいます。
テントが張れる場所はほんの少ししかありません。
道がわかりにくいところもありますが道なりに進むと、でかいオプタテシケの麓に出てきます。
雪渓が残っていて沢になっています。
そこで、水を少し汲むといいでしょう。
ここから2時間でオプタテシケ山、そして2時間半で美瑛岳避難小屋です。
取り付けがわかりにくいようですので、真ん前に立ってみて、真ん中に沢があります。
そこまで上られたら自然と登山道が出てきますのでそのまま上がってみて下さい。
もし、ここが雪渓でしたらこのまま上って、真ん中よりやや左に登山道があります。
見えていた最初のピークは山頂ではありません。
そこから20分ほどで、5、6個ピークを過ぎたら山頂です。
所々迷うところがあるので少々注意が必要です。
ここからは道がわかりやすいので安心でしょう。
妙に道が広がっているところもありますので、ガス時には異なる方向に行かないように注意です。
ここからは楽勝だと思っていましたが、まだまだアップダウンと飛び石の道があります。
途中、ナキウサギの声が聞こえたり、小動物が多いので、楽しいかもしれません。
最高に足指が痛かったので何度も止まって処置していました。
もう歩けないかもしれないと思い、美瑛富士避難小屋から白金温泉に下りようかと思っていたら小動物が出てきて慰められました。
最後の力を振り絞ったら、お花畑の中に美瑛富士避難小屋が見えてきます。
私の時はガスガスでしたので見えませんでしたが標識が多いので大丈夫でしょう。
美瑛富士避難小屋に16:30到着!12時間歩きました。
ここから白金温泉への道へ10〜15分下りていくと、左側に大きい雪渓があります。
その雪渓を渡って向こう側に下りていくと水が汲めます。
夕方で、もう薄暗かったので念のためクマ鈴持参していました。
朝になると雪渓が凍って水が汲めなくなるので、到着したらすぐ汲んでおいた方がいいでしょう。
浄水してご飯の準備をしているとまさかの最後の登山者が小屋に入ってこられました。
テントなしの男性の方で、ヒサゴ沼避難小屋からここまで歩いてこられたとのこと。
しかも、行動食がコンビニのおにぎり数個だけで大丈夫な方らしくこれまたいい意味で山の変態さんでした!
ここに来られる方は一風変わった方が多いなあ・・・笑
4日目。7/23(土)
美瑛富士避難小屋〜上ホロカメットク避難小屋。
この日は6時間行程だし、朝から雨も降っていたのでゆっくり出発することにしてユルユル用意していました。
小屋から縦走路に上がるまで下草とハイマツが多いのでスパッツやレインウェアを着用した方がよさそうです。
私にとって、美瑛富士へのトラバースの雪渓歩きがこの日の不安のところでした。
斜度は写真でみるとさほどなさそうな感じだったので大丈夫かと思っていましたが、初日の忠別岳避難小屋への道ですってんころりんした記憶が新しくてここで転んだら下まで落ちるなあ・・・と怖々でした。
行ってみると・・・思ったより斜度あるわ〜と恐る恐るそのまま歩くとやはり自分のバランスが悪かったのでアイゼンを出して歩くことにしました。
終わって一安心。アイゼンをしまって歩くともう一つ出てきました。
もうめんどくさかったのでなしで歩きました。
昨日の疲れが取れていないのか、そして、荷物がなかなか減らないのもあったのか(携帯トイレ分)、ペースが上がりませんでした。
ゆっくり歩いてもこの日の行程は6時間ですので焦らず行きました。
天気も曇り。
美瑛富士、美瑛岳にも上らずそのまま縦走路を進めました。
また、ご縁があれば来たらいいし。。。と。
ここからは火山チックな道に入ってきます。
大きな十勝岳が見えてきました。
道の左側、十勝岳の東側には所々お花畑があって楽しめます。
望岳台からの登山者がたくさんおられました。
道もザレザレで一歩進んで半歩下がる感じです。
途中、かなりの斜度のトラバースと登りが少し恐々でした。
硫黄のにおいのする真っ平らな道が出てきたら十勝岳はもうすぐです。
ここはガス時迷いやすいかもしれません。
十勝岳には虫が多くて油断していると口の中に入りそうな勢いです。
オプタテシケ山トムラウシ山は見えず残念でしたがここまで来られたことに感動するより安心が大きかったです。
ここの分岐は望岳台に下りる方向と上ホロカメットク山に行く分岐があるので道に注意です。
下りて歩いて行くと今度は富良野岳が見えてきます。
明日で旅も終わりなんだなあと少し寂しくなってきていました。
ちょうどお昼に上ホロカメットク避難小屋に到着です。
となりにいいテント場もありましたが、疲れていたので小屋泊にしました。
水がもしかすると少ないかもしれないと聞いておりましたので、美瑛富士避難小屋から多めに持ってきましたが、かなり雪渓が残っていたので大丈夫でした。
重くなっていたテントを乾かして昼ご飯。
おじさまたちや、ツアーの方たちと話をしながら絶景を楽しみました。
5日目。最終日。7/24(日)
おじさまたちとご一緒させていただくことになりました。
泊まっていた二人組でこの日忠別岳避難小屋まで行かれる方がおられました。
トレランではなく登山靴を履かれている方でした。
この日忠別まで行けないでしょ〜と思いましたがこの辺りはよく歩かれているので大丈夫とのこと。
空身でも無理だわ〜。CTでも23時間ほどあるんですよ〜!!
世の中にはすごい人がいるもんです。
最後の最後に快晴の登山です。
富良野岳までの縦走路が何度見ても美しかったです。
その奥には、夕張岳芦別岳、その奥の羊蹄山まで見え、東側には東大雪、その間には日高山脈・・・
北海道の名だたる山々に歓迎されているような気がしました。
富良野岳に来ると、この日は日曜日そしていい天気もあってすごい登山客です。
登山道がカラフルになっています。
分岐で荷物を置いて富良野岳山頂に。
さすが花の百名山。かなりの花が咲き乱れています。
山頂で感無量でした。
長かった。
今までも6日間ぐらい歩いてもさほど長いと思わなかったのに、こんなに長い濃い5日間は初めてでした。
1日の行程時間が、初日から3日間9時間越えでしたから。
ここだけの話、下界の層雲峡で泊まった日以外は、なかなか寝付けなかったり、2時間おきに起きていたり、そのあとずっと眠れなかったり、こんなに緊張した山も初めてかもしれません。
でも、ずっとずーっとあこがれていた山。
歩かせていただけて本当に感謝です。
富良野岳分岐からの登山道は、2年前に歩いていたので記憶も新しく、そして、暑さで倒れそうだったので写真も撮らずに終わっています。
最後の凌雲閣前の道なんて半分眠たくて暑くてあんまり覚えていません(汗)
おじさまお二人に最後は守られて、そして白銀荘の温泉にも寄ってくれて、ラーメン屋にも、そして富良野ワインにも連れて下さって、そして札幌まで送って下さいました。
いい思い出ができました。
ありがとうございました!
札幌に着いてからは観光を楽しみました。
サッポロッジいい宿でした。奈良さん本当に楽しい人です!
かなりお世話になりました!ありがとうございます!
そして、そこに集まる方々と話もできて楽しかった!!
これまたあこがれの支笏湖カヌーにも誘っていただけてもう感動でした!
今度は冬の北海道の山に行きたいなあ。。。
もし行けるのなら、2年前に行けなかったカムイエクウチカウシ山に行ってみたいです。
いい僕の夏休みになりました。
kaoritreeさん お久しぶりです。
何とワイルドな大縦走でしょう。
前半は3年前を思い出しながら化雲岳のどこまでも続くお花畑を楽しませていただきました。その節は大変お世話になりました。
十勝までほとんど誰とも会わない縦走路、美瑛岳までの藪漕ぎ続くワイルドなルート、三川台での親爺ビキビクのソロテント、カミホロ小屋での素敵な出会いと冒険連続ですね。
流石に大峰で鍛えられている体力、精神力に感服です。
私ももう一度大雪山へと思っていますが。来年こそは・・・
コメントありがとうございます!
ご無沙汰しております。
私も3年前を思い出しながら楽しんで歩いてきました。
その節はかなり助けていただいてありがとうございました。
雪渓にかなりやられましたので内心ビクビク、今回は会う人も少なかったので親父さまにもビクビクしながらの歩きでした。
でも、決断してよかったです。
藪をこいで田んぼ状態の足場の悪い道を歩いているときはもう二度と歩かないぞーなんて思っていましたが
帰ってみるとまた歩いてもいいかな・・・なんて思ってしまうほどの絶景でした。
本当は、ヒサゴ辺りでウロウロしたり、下山して上富良野からオプタテシケ山十勝岳富良野岳辺りをウロウロする方が楽しいと思いますが・・・
また、大雪楽しんできて下さいませ♪
kaoritreeさん ご無沙汰しています。
長大な縦走路を踏破され、おめでとうございます!
私もトムラウシ分岐〜美瑛避難小屋間が未トレースなので、いつかは・・・と思っていましたので、kaoritreeさんの記録は豊富な写真や水場状況など詳細なコメントも含め大変参考になりました。
私も一昨年、昨年と北海道通いが続いたのですが、今夏は仕事や父親の介護も
あって、断念してしまいました。
来年こそ[カムイエクウチカウシ山やニセイカウシュッペ山に登りたい]・・・と思っています。
またの記録を楽しみにしています。
コメントありがとうございます!
ご無沙汰しております。
peak315さんとウペペサンケ山でお会いしてもう2年になるのですね!
あのとき、カムイエクウチカウシ山に登るはずだったのですが(これは私ひとりでは到底行けません!)、天気がなかなかよくなく泣く泣く帰った記憶があります。
今回は天候に恵まれまして歩けることができました。
ぜひぜひ大雪に!!
カムエク!!いつかは登りたい山です。
お互いに大好きな北海道の山のレポを楽しみにしております。
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