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「子供のとき、いつも聴いていたような気がする懐かしいメロディーなんだ」
「・・・」
「クラシックだと思うけど、今でも時々聴くことあるよ」
「ラジオで?」
「うん、〜あれ、なんて曲かなぁ〜、お前、クラシック詳しいんだろ?」
「そう云われてもなぁ〜」
登攀中の相棒との会話だ。
相棒は頻りに鼻歌でメロディを辿るが、やや音痴気味で調子が外れ私には伝わらない。
「ゆったりとして田舎の風景のような〜、牧歌的って云うのかなぁ〜、兎に角、優しいんだ〜、そしてちょっぴり寂しい〜」
「・・・」
「好きな曲なんだけど、名前が分かんなけりゃ駄目だな〜」
相棒は鼻歌をやめて話を打ち切った。
「あと2ピッチで上がりかな?〜、行くか〜」
「よし〜、行こう〜」
穂高の稜線直下、半世紀前の夏の情景である。
下山後、相棒は曲名を自分で調べて教えてくれた。
私のよく知った曲だったが、その時には精悍で厳つい相棒には似合わないと思った。
そして人には意外な面があるもの〜、とも思っていた。
<逝ける王女のためのパヴァーヌ>はラヴェルのピアノ曲だが、編曲された管弦楽がよく知られる。
相棒が逝ってしまってからは、懐かしい想い出の曲になった。
毎年5月のはじめ、山に新緑が芽生える頃に聴くことにしている。 ainakaren
*「逝ける王女のためのパヴァーヌ」
*予備音源
renさん。こんにちは。
毎回、renさんの日記は短編集にしても良いほど楽しい文面で哀愁があったり、面白かったり、ためになったりで楽しみに拝見させて頂いてます。
今回の日記も小説の一部分のような感じで良かったです。
でわまた、お邪魔します。
PS 私はクラッシックには疎いのですが『逝ける王女のためのパヴァーヌ』を聴いてみた所、非常に良い曲でした。
こんにちわ、 ainakarenさん。
自分はいままで「亡き王女のためのパヴァーヌ」と思っていました。
どちらかと言うと管弦楽よりピアノ独奏の方が好きです。
ainakarenさん こんにちは。
私もこの曲は高校生の時から大好きでした。
フォーレのレクイエムと並んで、高校時代に何度もくりかえし聴いた曲です。
今も時々耳にすると切ないような、懐かしいような気持ちになり、心がきゅっとします。
多分いろいろな事を思い出させる曲なのかなぁと。
とても素敵な日記ですね。
straycatsさん、こんにちは。
メロディはよく知られた曲ですが、曲名を知らない人もいますね。
何処かで聴いたことのある曲でしょう。
何故か皆さん、懐かしい感じといいます。 ren
tabioさん、こんにちは。
フランス語の原題はPavane pour une infante defunte訳文で「逝ける」「亡き」「死せる」とされることもあります。
原曲のピアノは技巧的には易しいが綺麗に表現するのは、なかなかの難曲です。ren
keen2さん、こんにちは。
フォーレのレクイエム、いいですね。
亡くなった人より、残されて悲しむ人の心を癒す曲ですね。
その点ではモーッアルトのレクイエムとは対極にありますね。
そういえばフォーレはラヴェルの師でもありましたね。ren
頭の中に旋律はあきらかにあるけれど、その曲名が知りたいというのは、いまだに難しいですね。タイトルやヒントがあればいまどきネット検索ですぐ分かり、とても便利なのですが。
以前、どうしてもそのレコードが欲しくて、レコード屋のお姉さんの前で8小節ばかり歌って聞かせたのですが、「分かりません」と言われました。僕が音痴だったのか、お姉さんのストックに無かったのか、空しかったです。
出だしの4小節くらいうを楽譜入力すると、似た曲を検索してくれるサイトなんか無いものでしょうか。
yoneyamaさん、こんばんは。
カラオケセットにも採点つきがありますよね。
やろうと思えば鼻唄式曲名検索システムなどすぐできそうですが・・勿論音痴修正つきです。
ところでパソコンの概念など頭の中にも存在しない頃なのに相棒はどうやって調べたのか、謎ですね。
あちらで再会できたら聞いてみたいものです。ren
こんばんは。
遅いコメント失礼します。
鼻歌検索サイトですが、実は存在しております。
http://www.midomi.co.jp/
私は実際に使用した事がないので使い心地は不明ですが、
マイクさえあれば検索できるそうです。
記憶が不確かですが、たしかauからその様な携帯電話だか、コンテンツだかも出ていた様に思います。
逝ける王女のためのパヴァーヌは、私もtabioさんと同じく
亡き王女…だと認識しておりましたが、
コメント欄まで読み進んだら納得しました。
勉強になりました。ありがとうございます。
個人的には、ラヴェルと言うと
楽曲もさることながら、
『一流のガーシュゥイン、二流のラヴェル』
の逸話を思い出します
事の真偽は別として、とても好きな話しです。
takecさん、こんばんは。
鼻歌検索サイト有るんですね。
今の技術水準で出来る筈と思っていました。
マイクが無いので文字列の一部で検索したら「逝ける王女」だけで出て来ました。
でも万一鼻歌で拒絶されたら、ちょっとショックですねぇ。
yoneyamaさんも試してみるといいですね。
あのエピソードは大衆的な音楽ほど単価が安くても買手が多いので桁違いに総売り上げが多いと云うことです。
その昔、モーッアルトは赤貧の中に死に、サリエリはそのとき権勢を誇っていましたからね。相仲 廉
ピアノ原曲とフルート編曲
ピアノ原曲http://www.youtube.com/watch?v=oUpjlmj-cMc&feature=related
フルート編曲http://www.youtube.com/watch?v=t3Jv2L7l5p0&feature=watch-vrec
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