先日のこと、徳島県立近代美術館の特別展を観に、秋も酣の徳島市を訪れた。
目的の絵画鑑賞の他に紅葉の名所があればと期待していたが時期的に少し早く、それに宿で訊ねてみても市内には名所と思しき場所もなさそうである。
美術館で、原 鵬雲を始めとする「徳島の四人」の絵を鑑賞した後、宿に戻り小休止してから夕暮れの市内見物に出た。
見物と言っても吞ん兵衛のこと、雰囲気の好い居酒屋か大衆酒場の探訪が目的である。
徳島名物と言えば阿波踊りと酢橘(すだち)である。
阿波踊りは夏の風物だが、酢橘は丁度収穫を終えた時季だろう。
徳島ラーメンという御当地ラーメンも有名で、空港に到着したとき早速試食してみた。
豚骨醤油がベースの細麺だが、かなりコッテリして甘味がありなかなか美味い。
横浜の家系ラーメンは同じ豚骨醤油でも、少し麺が太く甘味は無いが味わいは良く似ている。
横浜ラーメンの味に慣れているので、少しばかり甘味が強いかなぁ〜と思わぬでもない。
徳島駅前に”安兵衛”という大衆割烹を見つけ暖簾を潜る。
奥に向かって長く伸びたカウンター席とテーブル席の居酒屋で、常連客ばかりの喧騒だが雰囲気はなかなか好い店だ。
とりあえず生ビ−ルと烏賊刺しとゲソ揚げ、串カツを注文する。
出された料理にはそれぞれ二つ切りの酢橘が添えられていた。
酢橘は刺身の醤油皿に汁を絞り込み、ゲソ揚げと串カツには汁を落とす。
家の庭で収穫した柚子を重宝していたが、酢橘の味と香りはより上品であり格別である。
後の酒もすすみ、食欲も全開した。
隣席の客の食べる鰤の頭と粗の煮付けに食指が動いたが、あまりに大きく量的に食べきる自信が無い。
他の客の食していた牡蠣フライが美味そうなので注文し、添え物のレモンを酢橘に替えてくれるようリクエストしたら快く承知してくれた。
目論見通り牡蠣フライにも酢橘は良く合い、酒も益々すすんだ。
酒場を探して最初の飛び込みで大当たりの店であった。
充分に吞んで、その夜は珍しく梯子をせずに宿に戻った。
翌日、駅前の土産物店で一箱の酢橘を買った。
空港に向かうリムジンバスに揺られ葉の色付き始めた桜並木を見ながら、南国徳島の心地好い酒場の雰囲気を思い起こしていた。ainakaren
ainakarenさん、こんばんは
先日富士山を眺める山行の後、翌日に美術館へ寄る為に甲府へ行きました
ビジネス・ホテルへ入り、一息ついたら街へ繰り出すつもりだったのですが、睡眠不足と腹の減り過ぎで、その元気が出ず、ホテルの食堂で済ませてしまいました
ainakarenさんの旨そうな日記を読んで、今非常に後悔しています
頑張って甲府探訪に出かけるべきだったなぁ
ただ、ホテルの「ほうとう」が予想外に美味しかったのは驚きでした
lowriderさん、こんばんは。
コメント深謝です。
一人旅でビジネスホテルに泊まったらヤッパリ居酒屋探訪ですね。
『酒場歳時記』筆者の吉田 類さんの真似ではないけれど「街を歩き 横丁に入り 酒と出合い 人に出会う」ですね。
何しろ吞ン兵衛だし、運転免許は疾の昔に返上してますから遠慮なく吞めます。
酒量は減りましたが、その分楽しく吞めるようになりました。
甲府は清酒も美味しいですが、「ほうとう」と馬刺しとワインも美味しいですね。 ren
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