焼岳-北穂
- GPS
- 37:00
- 距離
- 33.5km
- 登り
- 2,371m
- 下り
- 2,359m
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
瑞祥の湯 駐車(無料) 松本4:45-新島々5:08 電車680円 新島々5:20-大正池6:18 バス1900円 □帰り 上高地BT19:30-沢渡第二20:30 タクシー4000円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
間ノ岳周辺 道迷い注意 西穂-ジャン 黄○が正 ジャン-北穂 白○が正 雪渓一部有るがクランポン不要 涸沢周辺軽アイゼン有ると良い(7/14時点) 西穂-奥穂間 5ヶ所程水作れる所有り |
ファイル |
非公開
5754.xls
計画書
(更新時刻:2012/06/04 14:00) |
写真
感想
□上高地ー焼岳小屋
6:30上高地 小雨20℃
上高地に始発のバスで入る。大正池で降りたが、間違いで一つ先の上高地ホテルで降りるべきだった。しかし、雪解けの梓川は美しく、散歩が心地良い。
上高地ホテルから対岸に渡り登山届けを提出。少し車道を歩くと登山口が見えてくる。樹林帯、羽虫有。やや蒸すが、人跡少ない濡れた森は趣き深い。登りは少なくじわじわと高度をあげる。上高地の前泊者、正しいバス停で降りた登山者など、4組程に会う。
一時間程歩き、梯子を登ると開けてくる。西からの風が入り涼しい。噴火で立ち枯れた木に霧がかかり幻想的な風景が広がる。
8:30焼小屋着
□焼岳山頂
小屋にザックを置き、空身で山頂往復。小屋のすぐ上に苔の美しい丘がある。熱心に撮影をしているカメラマンが居る。途中硫黄の匂いがし、温泉卵が無性に食べたくなる。
ゆっくりと歩く老夫婦に会う。快く道を譲ってくれる。歳を取り、自然に、穏やかに山を歩く姿に憧れを抱く。
山頂ガス。視界20m。15℃風5m。10人程の登山者。山頂から見える筈の池が見られず残念。山頂直下、角が丸く、赤や黄色に染まる岩々が独特。一箇所岩穴より蒸気が噴き出している。
小屋まで戻る道、再び老夫婦。西穂に行く予定が天候不良の為、焼岳に変更したとのこと。私の予定を知るとジャンダルムに憧れていたが、もう行けないかと言う。
憧れる場所があり、憧れる心があるというのはなんと素晴らしいことだろう。小屋近く、カメラマンはまだ撮影を続けている。
10:00小屋着。
□焼小屋ー西穂
倒木多し。泥濘。雨で道が沢のよう。すれ違ったのは一組のみ。熊と間違えられ驚かれる。私はその悲鳴に驚く。
12:00西穂山荘着
□西穂山荘ージャンダルム
西穂山荘の前は賑やか。街で食べるような弁当を食べている人がいて羨ましくなる。水を1ℓ買う。少し休憩し出発。
丸山、独標と人が減る。独標に10名程。ガス濃し。風15mくらいか。その先登山者無し。西穂主峰を過ぎ、気を引き締める。
ルートに白丸(新)と黄丸(旧)があり紛らわしい。消えかけている印多し。加えて白と黄色の丸い苔も有。印であって欲しいと思う気持ちが錯覚を起こさせる。ガスの為次の印を見つけるのに苦労。
間ノ岳南尾根、ルートが見つからず仕方なく進む。途端に浮石ばかりになり登山道を外れたと分かる。背丈程の岩が容易に動き指を挟みそうになる。ここで怪我をしては山行も中止と肝を冷やす。先人達が登山道も整備されない中登った苦労は現代の何倍であろうか。
やっと稜線が見えたと、方角を確認すると南を差している。少ピークを一周りしてしまったようだ。このまま進めば西穂高に戻っていた。その先も印が見えない場所が多い。どうせ一本道だと開き直り、多少のルートミスは気にせず進むが、視界が効かずその一本道が確認困難。
何度も行き戻りする内にシャリバテ。湯を沸かし食事。標高の為に息も上がりやすい。手に少し浮腫み有。
間ノ岳を過ぎ、鞍部にビバーク者1名有。
17:00ジャンダルム南350m。
体力も半分ほど使い果たし、日が暮れる前にビバークを決める。見事に整地された場所。過去の登山者に感謝。ツェルトの張り方で良いアイディアを思い付く。
2日目
□ジャンダルムー奥穂高
5:00
外が明るくなり起床。前日殆ど寝ずの出発であった為、一度も目覚めず熟睡。気温10度以下。薄いダウンとシュラフカバー。濡れた身体はやや冷える。
5:30発
ジャンダルム手前にザックを下ろし山頂往復。万歳三唱。風雨強し。
頬に当たる雨が痛い。フェイスマスクをするが、すぐに濡れて呼吸が出来なくなるので、断念。何度拭いても霧で曇るので眼鏡も諦める。裸眼の方が余程見える。
荷物を取り、北側を下降。ルート見つけ難し。クライムダウンの練習をもっと積むべきだった。尾根歩きでは登りと同じだけ下りがあると思い知る。途中から印の新旧が逆転し、白丸が新しい印となる。
難しい場所はないが、転べばいつでも滑落に繋がる状況で、転ばないという当り前の事が大切になる。そんな当り前の事が大切になる状況は素晴らしい。
足や手を少しでも滑らせると、鼻の奥で殴られた時のような血の匂いがする。瞬時に判断するよう、血液が脳に集まるのだろうか。
その繰り返しが続く中、余裕がなくなり、ほんの何秒か岩と手しか頭にない瞬間がある。そしてその自分を客観視している。それは良くも悪くもない、充足した状態だ。この数秒の為に全ての行程があるのかもしれないと思う。
山歩きが美しいのは、それが言葉や理論ではなく、ただの行動だからだ。
鞍部にテント泊者有。道も歩き易くなり、印もハッキリとする。この辺までは小屋の人も来やすいのだろう。奥穂山頂。自然と手を合わせる。
9:00奥穂山荘着
□奥穂山荘ー北穂山荘
ごはんとひらがなで書かれたメニューに強く惹かれ注文。なんと漬物まで付いて来る。味噌汁を作り朝食。
食べ終えて出発しようとすると、hiro-p氏に出会う。山で仲間に会えたことに感激。情報を交わす。
10:00 奥穂を往復する彼らと道を交換し北穂へ。一部数m雪渓上部を歩く。岩から滴る雨で氷化。注意必要。
涸沢への分岐手前1人擦れ違う。分岐から北穂間、雪多いがステップ切ってある為クランポン不要。
11:30北穂山荘着。行程を終了す。
□北穂山荘ー涸沢
膝を庇いながらゆっくりと下山。道やや渋滞。
中ほどから雪渓。膝に楽をさせる為、雪渓上を駆けよう思ったが、雪硬くアプローチ靴では踵が刺さらず断念。
涸沢より上部、ステップ切ってあるが、軽アイゼンあると尚良。涸沢でレンタル有。
hiro-p氏と涸沢で待ち合わせをしたが電波無く連絡出来ず。時間的に同じくらいの読みだったので、判断を迷ったが、暫くして合流する事が出来た。
□涸沢ー上高地
14:00涸沢発
今年はやはり雪が多いようだ。暫しの雪渓歩き。
屏風岩に二筋の滝が流れる。皆で長い林道の不平を言いながら歩くのもまた楽しい。小猿を見かける。単調な道が足に堪える。
上高地近く、日が陰り始める。梓川から霧が立ち始め幻想的だ。
19:30上高地着
ゲートが20:00に閉まるので危ういところだった。
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