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戦後の旧石器考古学をリードした芹沢長介氏らによる発掘から50年経ち、佐世保市の教育委員会が中心となり、国史跡の整備事業の計画に伴う調査事業として、実施された。崩れやすい洞窟内を補強工事をしながら再発掘し、旧石器時代の炉跡をはじめとする重要な発見があり、旧石器時代から縄文への移行過程を追うことのできる貴重な遺跡であることが改めて確認された。午後はジオパークと考古学のセッションに参加、北海道の白滝、秋田の男鹿半島、新潟の津南段丘、下仁田などを例に、各自治体関係者と明治大学の黒曜石研究センターのスタッフが、ジオ(地表)と人間のかかわりの研究と観光や学習へと活かす方法などを検討した。ユネスコのジオパークネットワークは、世界遺産と違って国際条約に基づく活動ではないものの、逆に自由な発想で地域の地質資源と考古遺跡を生かした地域づくりを進めることができる点で様々な可能性を秘めた分野と思われる。ただし、これまでのところ考古学分野の専門家の方がより関心を示しているが、、地質学者の関心はやや薄いようだ。考古学では人間活動と地質・地形・岩石などとの関係を研究せざるを得ないが、地質学者らは人間社会とのかかわりに関心のない火地が多いと、開場の地質専門家の便。今回の糸魚川、津南段丘、白滝などは考古学史上、著名な遺跡のある地域で、フォッサマグナとヒスイの糸魚川、信濃川沿いの多くの段丘に遺跡のある津南、黒曜石の大産地として国際的に知られる北海道の白滝の他、恐竜化石のある古い地層とユニークな地質地形で知られる下仁田、個人的には、MTBと登山を合わせた下仁田の山歩きの中で登った金剛萱で発掘された旧石器遺跡など、個人的な思い出のある場所も多い。今後の遺跡+ジオパーク歩きに大いに参考になった。
写真1)白滝の黒曜石形成の地質上の形成過程
写真2)男鹿半島のジオパークーーこれまで顧みられなかった砂丘微高地の弥生遺跡に新たな光を当てるー
写真3)縄文時代、海流の変化で雪国となった日本海側の暮しーーヒスイ加工など冬場の仕事の歴史の背景
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