館内に入ると講座の受付、すでに整理券番号は148番目、170人の定員があっという間に満員になり、なお大勢の人が会場の外に流される映像を見ようと待っている。講演が始まるまで、「弥生の鉄」展を見る。
最初は石器と鉄器の威力の比較から始まり、鉄器による文化革命を跡付ける。とりわけ、竹中大工道具館出も見たようにヤリガンナの威力が取り上げられていた。北九州の弥生中期から徐々に各地に鉄器利用が広がっていくが、最初は半島などから来た鉄を石器と同様に再利用したり削ったりして再加工して利用していたらしい。鉄を溶かしての鍛冶や製鉄がいつどこから始まったのが、これがなかなかわからないのが現状だ。今回の展示と講演者の鉄鋼会社の技術者で長年、日本の鉄の歴史を研究している大澤氏の見解と食い違っているのも、難しさを表していた。これまで弥生時代の製鉄遺構・遺物ではないかと見なされた熊本その他の遺跡の出土品を顕微鏡観察などで間違っていると主張され、結局、日本における製鉄は古墳時代後期の5世紀末から6世紀初頭という結論を出している。まだまだ解明されなければならない問題が山積みらしい。
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