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写真2）四国カッコウソウ
写真3）ヒメシャクナゲ
ビジターセンターの観察会を終え、バスで湿生花園に向かう。バスを待つ間にコンビニの二百円弁当を食べ、仙石案内所前のバス停を下車、もうお一人の参加者も降りたが食事をこれから取るというので別れて湖尻探勝路を探す。しかしこれが事件の始まりでどこか入口か、しっかり確認できていないー一応調べたものの明確には分からず一本曲がり角をミスしてゴルフ場に出てしまう。戻るかこのままゴルフ場を突っ切って探勝路に向かうか迷ったが同じくらいかと考え、そのまま探勝路の方向を目指して早足で進む。しかし意外と距離がありすでに午後一時半の湿生花園のリレーイベントに間に合いそうにない。スマホで道迷いのため遅れることを告げとにかく探勝路に出てから急ぎ足で湿生花園方向に戻る。探勝路はアップダウンのある道で、ひざ痛を抱えた現状ではめいっぱい走ることはできない。速足で何とか探勝路を抜け、集合時間を10分少々過ぎて湿生花園に到着、参加者がどこにいるのか、場所がわからないので事務所に電話して行き方を教わる。スタッフが門まで出迎え、100円引きの料金を払い、参加者証を首から下げて、すでにガイダンスの終えた一行はすぐ近くの外国の高山植物のマウンドで担当者の説明を受けていた。エーデルワイスなどヨーロッパアルプスの主要な高山植物の説明があり、中にはサキシフラガ属など、昔懐かしい植物名札があったーー。次に満開のアカボシシャクナゲという大ぶりの台湾のシャクナゲを見てから、「ヒマラヤの青いケシ」ケシ科メコノプシス属の花々を見る。いわゆるアヘンの原料となるケシはケシ科のケシ属の仲間で、この属では有毒なアルカロイドは幾分含むが、、麻薬の原料にはならないものという。この植物はチベット高原からブータンや雲南、ミャンマー、インド北部からパキスタンに至るまで広い分布域を持つが、日本では商業ベースの種苗会社による栽培、育種はできていないらしい。気候・環境 があまりにも異なるので、北海道の一部や信州の大鹿村など、限られた場所の植物園などで栽培されているらしい。種で流通するが、栽培は容易ではなさそう。特に地植えでは困難が多く、鉢植えで温度や水の管理をきめ細かくしてやっと花が咲くまで育成できるようだーー。
次はカタクリ、チゴユリ、サクラソウ、四国カッコソウなどの咲く落葉広葉樹林地区を抜け、さらにオキナグサやナデシコなどが分布するススキ草原地区を歩く。最初のビジターセンターでも言及されたように、列島で最も消滅が心配されているススキ草原だ。さらに低層湿原（養分の多い水で潤される湿原）で水芭蕉やリュウキンカ、ニリンソウやクリンソウなどが生育する環境だ。また低層湿原から高層湿原（低温などの厳しい環境から有機物が分解せずに分厚く堆積し、貧栄養状態の湿原）への途上のヌマガヤ湿原で、ミツガシワ、エンレイソウ、ニッコウキスゲやアヤメ類などだが、ミツガシワ以外は花の時期はこれからだ。最後に高山植物地区を歩き、シロヤシオやキバナスミれ、シラネアオイ、ミヤマアズマギク、チングルマなどを見ながら、ヒメシャクナゲなどの咲く高層湿原を通過し、今日のプログラムは終了した。
一見、各地区が整然とわかれて、いかにも自然に植え分けられているように見えても花園の標高は650m前後と低く、実際にそれぞれの環境を維持してそれぞれの植物を管理するのは、どうやら水の管理などとてつもない作業を繰り返してようやく成り立っているようだった。
