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写真?烏山遺跡・八幡脇遺跡(いずれも土浦入）における玉作工程復元
写真?武者塚古墳の玉出土品(重要文化財指定）
上高津貝塚資料館の企画展「常陸の玉作」が12月8日までで終了なので、とりあえず土浦まで行き、Hellocycleで上高津まで走る。ここのHelloは一日2600円の高価格しかないが、5時から開いているのが利点。しかし借りるための機械の操作がよくわからず、結局8時50分近くになり、これだったら9時に開く観光協会大徳で500円のママチャリを借りるのだったかと後悔ーー上高津までは遠くないが、駅から歩かねばならぬのが難。
最初、土浦城跡に立ち寄る。ここは何度か訪問したことを思いだす。亀城の市立資料館・博物館はまだ開いていないので写真を撮ってすぐ上高津に向かう。途中、土浦バイパス交差点にある八坂神社の入り口―階段手前に高井城址という看板があるので、階段を登ってみたが、上は発掘後埋め戻されたのか、神社の施設と市指定名木のカエデなど以外は何も無さそうなので、再び上高津に向かう。ここからはもう1�厖召蠅靴�ないが登りだ。ここには最初に数年前につくば駅からいくつか遺跡などをめぐってチャリを走らせた記憶(つくば駅で借りたか、自分のマウンテン・バイクか？）と、土浦市の観光協会で借りたチャリで走った記憶がある。坂を少しづつ登り、最後はさほどの坂はなかったのであれっという感じだった。
考古資料館で105円を払い、さっそく常陸の玉作の展示を見る。入口でいきなり、武者塚古墳出土の重要文化財の勾玉類などのガラスケースを見る。今回は大半の展示品が撮影可能になっている。最初に玉作で使われる原石採取場所や工房跡などの遺跡地図、露頭写真や原石の展示があり、また千葉県成田市の稲荷峰（とうがみね）遺跡調査で復元された工房内の復元写真などを見る。工作作業用ピットに台板や台石、たたき石、原石などが並んでいる。富山市の浜山玉作遺跡での復元図とは少しピットの位置・使い方が異なるようだ。ピットの役割がよくわからないが、事務所奥にいる学芸員に尋ねるべきだった。8日に再び新潟県埋文で古墳時代のヒスイ玉や石製模造品製作の講演があるのでそこで尋ねてみよう。
原石コーナーでは、個々の特徴である瑪瑙の原石採取場所として土浦から50�劼曚姫鵑�の北部、常陸大宮市の玉川写真があり、久慈川でも取れるらしい。また砥石用の片麻岩に関しては群馬県の藤岡市の三波石峡、管玉用の緑色凝灰岩は埼玉県の東松山市の葛袋に露頭があるらしい。これらは利根川などの水系を使って流通したかもしれない。
次に、茨城県内の主要な玉作遺跡の展示。八幡脇遺跡は土浦入の北岸台地上にあり、玉作工房や鍛冶工房跡、瑪瑙や滑石、緑色凝灰岩製の勾玉、管玉の未成品などが出土している。浅間塚遺跡は八幡脇遺跡の北支西4.4kmの台地上にあり、滑石製管玉工房が検出された、いずれも古墳時代前期中葉〜後葉の玉作遺跡。三つめは霞ヶ浦に注ぐ花室川南岸に位置する烏山遺跡で、大規模な烏山団地造成前に発見された大規模な工房跡・集落跡。ここは前期後半〜中期初頭の工房跡が4軒見つかり、緑色凝灰岩・メノウ・滑石製勾玉・管玉などの未成品だ出土、いずれの遺跡からも台石や敲石、砂岩や結晶片岩の中磨砥石、筋磨砥石などの工具が出土している。
また各遺跡からは荒割、形割、調整、研磨、穿孔などの各工程を示す遺物が出ていて、いくつかの遺跡で製作過程が復元されており、その工程が図や現物で示されていてわかりやすい。また八幡脇遺跡などで工房間の接合関係が示され、いくつかの住居址工房の間の分業関係などが明らかになっている。細かい破片や剥片などから製作工程を復元するなど大変細かい観察と復元作業は大変な労力で、関係者の苦心がうかがわれる。
第3章は常陸の国周辺の埼玉・群馬・千葉圏域の玉作遺跡に関するものが展示されていた
�掘�1. 武蔵の国、都幾川の自然堤防上に位置する東松山市の反町遺跡では二つの玉作工房跡で緑色凝灰岩製管玉などの製作跡が検出され、4世紀前半には日本最古の水晶勾玉生産の痕跡が見つかっている。
また大宮台地北西端の桶川市前原遺跡では、緑色凝灰岩製管玉と水晶製勾玉の製作跡が発見されている。
荒川の自然堤防上に立地し、農業用水の工事で見つかった正直遺跡では、工房跡は検出されなかったが、緑色凝灰岩製管玉未成品が大量に出土し、しかも角柱状の内割に特化し、特殊な工程のみの遺跡だろうか？
これらで使用された緑色凝灰岩は東松山市葛袋産で、水晶は山梨県竹森産と推定されている。埼玉県域のこれらの地域は古墳時代前期以降の首長墓とみられる大型古墳が多く立地する政治経済の拠点であり、河川や陸路の交通の要所を押さえた首長らが石材や製品流通を支配していたと考えられている。
�掘�2． 下野の玉作遺跡：
