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写真��越後平野北部・青田遺跡周辺の地形形成
写真�Ｈ�日市地方遺跡付近を流れる梯川河口沖合から見る白山ー出雲・丹後方面からやってきた弥生人がこの地で白山山麓の縄文人のネットワークと協力して集落形成を行ったと小松市埋文研究者は言うーー
仙台から新幹線で大宮に戻り、北陸新幹線で金沢経由小松駅までさすがに少し疲れを感じる。宿に指定した小松の三日市ゲストハウスに電話を入れて予定より新幹線運休で遅れることを告げ９時過ぎに小松駅に到着し宿に向う。街の灯りが照らし出す建物景観は印象的で石と木の街小松というものだ。２度ほど小松は訪問したはずだが街を観察したのは初めてか?ゲストハウスも築80年の素晴らしい古民家がベースの宿シャワーを浴びて朝まで目が覚めなかったー疲れていたのかなー?
朝６時ころ起き出し身支度をして少し読書。それから昨日の残りのパンで軽い朝食。
Welcome ドリンクの紅茶とコーヒー３杯飲んで８時過ぎまで粘り8時半ころ宿を出る。駅周辺の店を見るがどこも開いていない。コンビニ
で少し行動食の補給をするがその前に駅構内の白山蕎麦屋が目に入り誘惑に駆られてかけ蕎麦を食べる。コンビニでは甘そうなパンをゲットし会場のサイエンスヒルズ小松に向かう。9時過ぎだが会場前に数名座り込んでいる。9時半でないと会場の施設そのものが開かない。ようやく中に入り受付をする段になり名前がないという。電話し忘れたらしい。でも荷物を会場内の前のほうの席に確保し、ロビーで待つと開演十分前頃お許しが出て資料を受け取り晴れて席に付く。
今回の企画は少々野心的というか北前船2500年の記憶として、後代の北前船など寄港地である鳥取の青谷上寺地(弥生時代）、新潟の青田遺跡(縄文晩期）、青森の十三湖（あるいは十三湊）の中世遺跡と縄文時代の五月女萢（そとめやち）遺跡の話し。
青谷や青田遺跡はよく知られる縄文・弥生の遺跡だが、五月女萢（そとめやち）遺跡は今回初めて知った。
五所川原市のHPによれば、五月女萢（そとめやち）遺跡
「五月女萢遺跡は岩木川河口に広がる十三湖北岸の砂丘上に位置しています。
遺跡は平安時代以降に堆積した最大3ｍに及ぶ砂丘に厚く覆われており、遺跡の保存状態が極めて良好でした。
遺跡は昭和50年の開田事業に伴って発見され、昭和56年、平成17年、平成22〜25年度に発掘調査が行われています。
遺跡の時期・年代は、縄文時代後期・晩期、弥生時代、奈良時代（8世紀）、平安時代（10世紀前半）、中世（12〜15世紀）の複合遺跡ですが、その多くは東北地方縄文時代晩期の亀ヶ岡文化が中心です。
縄文時代の遺構には、貝塚を含む捨て場6ヶ所、土坑墓（お墓）139基、墓域に至る参道と思われる道路状遺構1条、柵列跡、掘立柱建物跡2棟、土偶や石棒など性を象徴する遺物を多く含んだ集石遺構1基など、祭祀を構成する遺構が多く発見されています。注目すべきは丘陵頂部を取り囲むように、南北40ｍ×東西60ｍの範囲に環状に分布する土坑墓群です。土坑墓は縄文時代後期後葉（約3,500年前）から晩期後葉（約2,500年前）まで約1,000年間にわたって造られていました。また、土坑墓には盛土（マウンド）や墓石を伴うものも認められ、その上部構造まで明らかとなった例もあります。
遺物では土器約12トン、石器約20万点など極めて多くの遺物が出土しています。その中でも人面付浅鉢形土器、縄文人骨（7体分）のほか、骨角器や動物の骨も豊富に出土しています。
このように亀ヶ岡文化の祭祀場全容がわかる学術的にも貴重な遺跡であるとして、平成29年に市史跡に指定されています。」
（参考：五所川原市教育委員会2017 『五月女萢遺跡 （第1〜3分冊）』五所川原市埋蔵文化財調査報告書第34集）
青森県では北海道とともに、縄文遺跡群の世界遺産登録を熱心に行ってきたことから、十三湖・十三湊以上に、この五月女萢遺跡の話しを重点に行い、古代・中世の十三湊は最後の数分で駆け足で説明。まあ、この集会そのものが、学術的な遺跡の検討というよりも各遺跡を抱える自治体の宣伝活動の一環なので、文句は言えない。
ただし、今回のシンポジウムは北前船2500年の記憶とはしているものの、基本線は潟湖と砂丘と遺跡形成の地形形成史と遺跡形成史の関係をさぐるもので、地形形成史の検討は興味深いものがあるが、短時間で専門的な調査の経過や結果を聞かされても、すぐには理解できるものではない。発表時間が一人20分位であるにもかかわらず、膨大なスライドを各発表者が用意しているので、スピード発表でメモを取る暇もないくらいだ。各場所での潟湖や内湾、砂州（論者によっては―八日市地方遺跡の場合ー遺跡の立地を「埋積浅谷」と規定して、旧河道の上に広がる遺跡の層位に関する不安を解消するものとして、河道跡の地形形成を詳細に調査して、安定した地層が存在することを述べている。北陸の弥生時代の中核をなす遺跡だけに、出土土器編年への疑いを減らすための努力といえようか？
青谷上寺地遺跡では、鳥取県が100本のボーリング調査を行い、八日市地方では北陸新幹線延長工事において市内や遺跡周辺に多数のボーリング調査が行われ、これらの資料や既存ボーリングコア調査と小松市が行った学術調査(ボーリングコア三本）の調査結果を踏まえたもので、詳細は後でじっくり資料を読んで見ることにする。
八日市地方遺跡の形成に関して、縄文晩期はこの遺跡周辺には遺跡はほとんどなく、御経塚など金沢周辺の微高地に多くの遺跡があった。弥生時代中期に入り、山陰や北近畿(丹後＝タニハ）方面から弥生人が舟でやってきて遠賀川式土器を残し、それ以降100年後の間に白山環状ネットワーク(小松市埋文、下濱氏の研究による）の人々との協業により、遺跡形成がなされたという。詳しいことは追って調べてみたい。
今回は短時間で直ちに吸収できるような内容ではなかったが、日本海沿岸に共通する潟湖、砂丘を伴う地形形成とそれぞれの形成史の違い(隆起か沈降かなど）を含め、ボーリングコア調査を踏まえた地形研究と遺跡研究の交差するところを駆け足で辿る点で、これまでなかった知見を得られたことに満足したい。詳細は今後、読み解かれるべき内容だろう。
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