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写真��東北歴史博物館の常設展の東北地方の旧石器の展示
写真��同北海道の旧石器
コロナ騒動で中々外出もできず、外出しようにも大方の博物館や図書館もお休み状態で、東北歴博とまほろんはイベントは中止だが開館しているので入の沢遺跡展と東北の鉄展を見に行くことにした。
早朝五時過ぎの電車で池袋､赤羽経由で大宮に出て大宮でジパングの割引切符を購入しやまびこの自由席でまず仙台に向かう。宇都宮を過ぎると日光連山が見えるが男体山など雪は山頂付近以外は付いていない。那須塩原駅を過ぎると那須連山が現れ日光よりも白が多い。那須連山は大半が栃木県で三本槍岳が福島県との県境のようだ。仙台が近づくと蔵王や船塚山その周辺の山々が見え、あっという間に仙台に到着する東北本線に乗り換えて国府多賀城駅に出て歴博へ。開館までまだ15分以上あるので江戸時代の民家建築を見学したり散策して時間を潰す。九時半過ぎ入館してまず入ノ沢展を見る。ここは撮影できない。
入の沢遺跡：堀と材木塀に囲まれた4世紀後半の突如現れた防御性集落。古墳時代の東北は、4世紀に入って急激に古墳文化が北上し、その北限は大崎平野と見られていたが、それよりも北側、岩手県に近い宮城県栗原市まで、古墳文化の集落が北上していた。この集落がどのような経緯で出現したのか、まだまだ未解明の点が多い。展示でも出土品の説明はあったが、詳しい解説はなかった。4世紀後半というと古墳時代前期後半、仙台平野ではすでに雷神山古墳や遠見塚古墳が築かれ、入りの沢集落廃絶後にそれより北に角塚古墳が出現する。この集落は4世紀後半に火災にあい、放棄されたようだ。
出土品は様々な土器(土師器)、銅鏡、鉄剣などの金属加工品、玉類などが出土し、鏡や鉄剣、ガラス玉などその中には王権中枢など西から来たものも多い。ヤマト王権とかかわりの深い有力者による前線基地だったようだ。付近には北海道から南下した続縄文文化人の集落もあったようで、その境界上にある。おそらく、北方地域の産物を交易によって入手する交易拠点だったと考えられる。
堀の外側には盛土、内側には材木塀がめぐらされ、防御的な性格を示すもの。
出土土器の中には、煮炊き用でない大型の壺など、何らかの祭祀に使われたと思われる特殊な土器もあり、また、銅鏡や鉄剣、玉類など、古墳の副葬品と同等のものが、集落から出土する事例は全国的に見てもまれなケースーーこうした高価な物品は、おそらく本州では手に入りにくい北海道の毛皮や鷲羽、昆布などの高価な産物と古交換するためのものだったのか？拡大を続ける古墳時代の王権中枢や周辺の需要の拡大が背景にあるのか？
両頭金具など、全国的にも3例しか発見されていない稀なものらしい。その他の装飾品も立派なもので、主要な交易品だったのだろうか？
出土土器の編年的な位置は、古墳時代前期の塩釜式土器の範疇に入るものが多く、伊治城跡遺跡、登米市佐沼城址など宮城県北部に類似品が認められるようだ(入りの沢遺跡＝平成28年＝発掘調査報告書より）。カマドはまだ出現していない(5世紀以降）。発掘調査はまだ一部しかなされず、すでに国史跡指定を受けているので、全容解明は容易ではなさそう。
