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写真?縄文時代の石鏃(主として黒曜石か）
写真?ダム管理事務所付近で発見されたユオイチャシ跡発掘時の写真
次に博物館の奥にある沙流川歴史館に向かう。この歴史館は1997年、まさにダム建設終了と札幌高裁判決の年に開館した。二風谷ダムで水没した土地では数多くの各時代の遺跡が発見され、そうしたダム関連遺跡と共に平取町全体の埋蔵文化財などの出土品を中心に展示がなされている。先史時代から現代までの二風谷と平取町周辺の歴史を知るには重要な施設。ダム開発による自然・文化破壊の見返りのダムマネーの援助により成立した施設か？最近再訪した六ケ所村の郷土館とその他多くのダム、原発関連施設と背景は似ているのかな？
ともあれ、展示内容はダム開発の犠牲となった土地から出土した数多くの縄文〜アイヌ文化期の様々な遺跡の出土品が並び、文化の変遷過程を見ることができて意味深い展示だ。
アイヌと思われる人々が文献にあらわれるのが今のところ古くて15世紀、それらの人々とそれ以前に北海道に居住した旧石器から擦文時代の人々とのつながり、あるいはアイヌ文化期のそれとのつながりがどうなっているのか、不明な点が多い。縄文時代の遺跡数は非常に多く、擦文時代まではかなりの数の遺跡が認められるが、アイヌ文化期となると発見される遺跡数は少ない。地中深く眠る縄文文化層は残りがよいが、浅い地層にあるアイヌ文化期の遺構、遺物は田畑その他の開発で破壊され、失われやすいことがそうした問題の原因の一つだろうか？
二風谷ダム開発で発見された二風谷遺跡の土層が展示されているが、ここには樽前火山灰層、Ta-b(1667)火山灰層が認められ、その下に多くの遺物が出ている。つまり1667年以前の生活の痕跡を見ることができる。このような年代がある程度明らかな遺物の出土は貴重らしい。またこの年代になるとアイヌ文化では土器の製作をやめ、鉄鍋などの購入品中心の生活に変わる。そうした点でも年代の決め手に欠ける場合があるため、火山灰層との関係は年代決定にとり重要だ。
