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写真�⊂�叉峡化けの堰
写真��小叉峡三段の滝
若くてお金のないころ憧れた小又峡だが、これまでチャンスがなかった。今回は午前中森吉山を歩き、１２時半前に大平湖に出て、遊覧船切符を購入、急ぎ足で桟橋に出る。船の乗客は私一人なので、切符はもらわず連絡が来ていた。すぐに出発し、大平湖を縦断する。小又峡は戦前に戦争のため天然記念物の指定がならず、戦後の森吉ダムで大平湖が出現したが小又峡の多くが残されたのは、地元の保護運動の成果だったようだ。戦後は秋田県の天然記念物に指定された。
大平湖を船で行くと、両岸に顕著な柱状節理が見られ、この地域の火山活動の歴史を想像させる。あと1−2週間で素晴らしい紅葉が見られそうだ。
小又峡船着き場から歩き始め、渓谷全体が一枚岩を削って流れる小又川両岸岸壁にすごさに目を見張らされる。
遊歩道を20分くらい歩いてガマ淵に出る。淵の格好がガマに見えるのか？続いて三角滝ー三角形の岩棚の両側から小滝が何筋も落ちている。
遊歩道は一部簡易舗装のへつり道になるが、大半は一枚岩の凸凹の川床を歩く。一か所巨大な石橋があり、またその先に人工的な飛び石で渡るところはあるが、大半は自然の川床を歩く点でユニークだ。滑滝やポットホールだらけの淵や滝が目立つユニークな渓谷だ。クライマックスは化けの堰から最後の三段の滝までで、化けの堰は見たこともないような一枚岩の狭い間に流路があり、水流をなかなか上から見ることができないほど深い。最後の三段の滝は圧巻。ゆっくり滝のマイナスイオンを浴びたかったが、帰りの船の時間が気になり、何枚か撮影して引き返すことにした。途中スマホケースを落とし、大変だと思ったが、帰路無事落ちているケースを発見して、安堵して船着き場まで戻った。船はすでについていて、ハイカーが一人も現れなかったので、私の後は誰もいなかったことを知っていた。時間より早く船は出発し、北桟橋に戻った。紅葉の時期は逃したが、またチャンスがあればベストの時期に訪れたいものだ。
補足：大平湖・小又峡・森吉火山の資料
「あきた」１７２号（1976年9月号）によれば
「 小又峡は森吉山の北麓にあって、太平湖を遊覧船で約二十分進むと入り口に着く。ここからの渓流約四キロの地域が小又峡である。
小又峡の岩盤は石英安山岩からなっていて、所によって凝灰質粗粒の岩脈もみられる。石英安山岩は非常に硬いが、大きな柱状節理と玉ねぎ大にはく離する節理を持っており、これらの岩脈や節理の弱い部分が水流によって侵蝕されたものだ。
したがって流れがほぼ直角に連なり、大規模な柱状節理が侵蝕されたことによって、幅約三メートル、延長百数十メートルに及ぶ人工のものかと疑われるような直線水路となっている。また玉ねぎ状のおう穴が河床に続き、三十余の滝と深淵の連続で、学術的にも価値の高い奇峡とされている。
入り口から頂に横滝、曲り滝、ガマ淵、穴滝、化の堰、三階の滝となり、三階の滝が人間歩行の終点。この上流に六階の滝、九階の滝、桃洞沢の滝、胎内などの名所がある。
昭和十一年に脇水鉄五郎理博などの調査があり、その後、県史跡名勝天然記念物調査委員小野進氏の調査によって<小又峡>と名付けられた。脇水博士の調査によって、学術的価値に折り紙がつけられ、いちやく天下の名勝地として知られるようになった。昭和三十九年四月、県の名勝・天然記念物に指定された。」
ただし、別のサイトの説明は少し違っている（「森吉山の自然写真集紹介サイト」
http://www.kumagera.ne.jp/moriyoshizan/m_syoukai.htm
によれば、
森吉山火山形成概要
「森吉山周辺は、新第三期の地層から成る標高400〜600ｍのきわめて険しい山地を形成している。
特に森吉山東部のブナ森（標高1,015ｍ)周辺は、玉川溶結凝灰岩類が標高400〜1,000ｍの火砕流大地を形成している。
森吉山は、これらを基盤にして形成した第四期の火山であり、山体を中心に径3kmのカルデラを有する成層型の楯状火山（村山 磐：1973、火山の活動と地形、大明堂）である。
森吉山山頂である向岳中央火口丘（標高1,454ｍ）を中心に、一ノ腰（標高1,264ｍ）、前岳（標高1,308ｍ）、カンバ森（標高1,187ｍ）、ヒバクラ岳（標高1,245ｍ）小池ヶ原（標高1,280ｍ）の外輪山を有し、外輪山の山腹には緩傾斜平坦地が分布している。
外輪山のヒバクラ岳と小池ガ原の東側は急壁を成し、その山腹には山体崩壊に伴う泥流が作った小起状の平坦面や寄生火山である立ヶ森（標高1,031ｍ）が分布している。
森吉山の形成史は、地形学的に見た場合、カルデラ形成以前の成層火山体形成期を第一期活動。カルデラ形成以後のカルデラ縁側火山体（小池ヶ原、ヒバクラ岳熔岩円頂丘）と向岳中央火口丘形成期を第二期活動。
そして、小池ヶ原、ヒバクラ岳東側の山体崩壊に伴うノロ川周辺の泥流地形、立ヶ森熔岩円頂丘形成期の第三期活動に分けることができる。
＜溶結凝灰岩とは＞
溶結凝灰岩（ようけつぎょうかいがん）は、火山の噴火によって空中に放出された噴出物が地上に降下した後に、噴出物自身が持つ熱と重量によってその一部が溶融し圧縮されてできた凝灰岩の一種。噴火の中心が玉川温泉付近であったであろうとのことから玉川溶結凝灰岩の呼称を付冠する。」
第三期
「小池カ原、ヒバクラ岳の熔岩円頂丘形成以後、その東側斜面が二度に渡る噴火により山体が崩壊し、馬蹄形の爆裂火口が形成された。
最初、小池ヶ原の北斜面から噴火が始まり、北側斜面が崩壊し馬蹄形の火口が形成された。崩壊物は泥流となって、ノロ川付近の玉川溶結凝灰岩が作った地形を埋めて広い平坦面を形成した。これがノロ川泥流である。
ノロ川泥流堆積以後、火口内に立ヶ森熔岩円頂丘が形成され、その崩壊物が泥流となって流下した。これが立川泥流である。立川泥流は立ヶ森熔岩円頂丘に規制され、現在の立川と東ノ又沢間を埋めて、広い平坦面を形成した。
なお、二つの泥流に覆われなかった小又峡は、玉川溶結凝灰岩を侵食して、極めて深い切り立った渓谷を形成した。泥流に覆われたノロ川一帯の沢は、緩やかな流れとなった。
その後、ノロ川の浸食により、泥流面は段丘化し、低地の一帯は下谷地、上谷地などの湿地帯を形成した。」
これらの記事を総合すると、大平湖の岩質は「石英安山岩質溶結凝灰岩」ということでよいのだろうか？
また同じサイトでは第三期、ヒバクラ火口の活動で二回の泥流が発生したが、小又峡付近は泥流をかぶらなかったとしている。
「」小池カ原、ヒバクラ岳の熔岩円頂丘形成以後、その東側斜面が二度に渡る噴火により山体が崩壊し、馬蹄形の爆裂火口が形成された。
最初、小池ヶ原の北斜面から噴火が始まり、北側斜面が崩壊し馬蹄形の火口が形成された。崩壊物は泥流となって、ノロ川付近の玉川溶結凝灰岩が作った地形を埋めて広い平坦面を形成した。これがノロ川泥流である。
ノロ川泥流堆積以後、火口内に立ヶ森熔岩円頂丘が形成され、その崩壊物が泥流となって流下した。これが立川泥流である。立川泥流は立ヶ森熔岩円頂丘に規制され、現在の立川と東ノ又沢間を埋めて、広い平坦面を形成した。
なお、二つの泥流に覆われなかった小又峡は、玉川溶結凝灰岩を侵食して、極めて深い切り立った渓谷を形成した。泥流に覆われたノロ川一帯の沢は、緩やかな流れとなった。
その後、ノロ川の浸食により、泥流面は段丘化し、低地の一帯は下谷地、上谷地などの湿地帯を形成した。」
つまり古い火山活動で生じた石英安山岩質溶結凝灰岩の大きな岩体が大平湖には残り、小又川の上流の小又峡では本来非常に硬い石英安山岩質溶結凝灰岩の非常に大きな岩体が上流からの水流で削られて形成されたすべてがユニークな渓谷ということか？
渓谷全体が一枚岩というものを初めて見たと思う。
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